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韓国ドラマ「検事プリンセス」、みつばの夢小説7(二次小説)です。
夢小説というのは、読み手(書き手も(笑))が主人公になりきって読む小説のことです♪

普段の二次小説とどう違うかというと、
登場人物、三人称(へり、イヌ等)で書いている小説を、
一人称(私)というヘリ目線で書いてます。

なので、読んでいる「貴女♪」が主人公ヘリになりきって、読むことが可能です。
もちろん、イヌ×ヘリ好きの方は「私」を「ヘリ」で読んで下さいね。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。
前回までの夢小説は「検事プリンセス夢小説INDEX」から♪



夢小説7-声-



残業帰りで、もう遅い時間。

イヌからも“さっき部屋に帰ってきた”というメールが来ていた。

明日も仕事だけど、せめて、少し話がしたい。

シャワーを浴びて、ベッドの上に座って、私は携帯電話を操作した。

数コールで相手につながった。

『ソ・イヌです』

もう私だって分かっているイヌの声。

名前を呼んだあと、続けて、『どうした?』と優しく聞いてくれた。

もう、メールで“おやすみ”と送ったばかりなのに、
電話をしてしまったから。

「メールに書き忘れたことがあって」

『なに?』

「んー…やっぱり電話じゃ言えないわ」

『なんだよ。それ』

電話の向こうでイヌが苦笑した気配がした。

『そっちに来いって言ってるのか?』

「そうじゃないの」

私はあわてて言った。

本当は、こちらから、イヌに会いに行きたいくらいだけど、
行けば最後、帰りたくなくなるから。

「あなたの声がちょっと聞きたかったの」

部屋の明かりは全部消していて、
ベッド脇のスタンドランプの仄かな光の中。

怖がりの私は、寝る前にイヌの声を聞くと、
なぜか安心して、ぐっすり眠れるから。

そう説明したら、

『僕の声は君の睡眠薬か』

イヌのわざとらしいため息が聞こえた。

『君の声を聞いていたら、僕の方は、逆に目が覚めてくるな』

「どうして?」

『今の君を想像するからだよ』

今、部屋のどこにいて、
どんな服を着て、
どんな体勢で、電話をかけているのだろう、と。

「ベッドの上で、横になっているわよ。
服は…、ご想像におまかせするわ」

思わせぶりな私の言葉に、イヌが笑った。

「あなたは今どんな風なの?」

『ベッドの上に腰かけてる。服は、着ていない』

「ええっ」

『シャワー上がりなんだよ』

「待っているから下着くらい履いてよ」

『今、想像した?上着は着ていないけど、下は履いてる』

「もうっ」

でも、シャワーを浴びたばかりだというのは本当らしい。

思わず想像してしまう。

サイドボードには、冷水のペットボトルが置いてある。

まだ、半渇きの短髪の頭がしっとりと濡れていて、
いい香りのするシャワージェルの湯気をまとった上半身は裸のまま。
タオルを肩にかけて、ベッドの上に腰かけて、私と電話しているイヌ。

そんな色っぽいイヌの姿を想像して、ドキドキしはじめた私の鼓動は、
電話の向こうまで聞こえそうなほど高鳴っていた。


今、側にいないイヌを想像しながら、
私は、ベッドの空いた空間に手をかざした。

…電話やネットで、顔を見ながら話せる機能はあるけど、
触れられる機能もあったらいいのに。

イヌの声を聞いて、安心したのか、
だんだん眠くなってきている頭でそんな事を考えた。

その後、たわいもない話を少し続けた後、
私は、携帯電話に顔を寄せた。

「じゃあ、そろそろ寝るね。おやすみ、イヌ。…チュっ」

『その最後の音は一体なんだ?』

「今、あなたに、おやすみのキスをしたの」

『どこに?』

「ほっぺに。ねえ、あなたも返してよ」

いたずらっぽく甘えた声でおねだりしてみたけど、
いくらなんでも、こんな乙女ちっくな恥ずかしい真似を
イヌはしないだろう。

案の定、イヌは『嫌だね』と返してきた。

そして、しばらく無言になった。

…本気で嫌だった?

そう、心配になった私が、沈黙に耐えきれずに

「イヌ?」と呼んだ。

『返したぞ』

イヌが言った。

「え?」

『キス。頬だけじゃなくて、他にもしたぞ』

ほっぺだけじゃ足りない。

してやったり、と笑うイヌの顔が容易に想像できた。

「もう。どこにしたのよ?」

私は悔しくなって、聞いた。

『君の額と、頬と、唇に。他にもして欲しい?』

「ううん」

でまかせじゃない。

沈黙している間に、イヌは、目を閉じて、
そして、携帯電話の向こうにいる私を想像して、
キスをしていたのだろう。

そんな事を信じてしまうから。

「今度、会った時にしてもらうわ」

そうじゃないと、今度こそ、ベッドから飛び出して、
イヌの部屋に行ってしまいそうになるから。

「…いっぱいして」

そう、瞼を閉じて、うっとりと言った私に、
イヌが『OK』と優しく答えてくれた。

もう、携帯電話を切らなくちゃ。

私もイヌも明日は仕事だから。

携帯電話のOFFに指を伸ばした私に、
イヌが『そうだ』と、思い出したように言った。

『僕もさっき君にメールを書き忘れた事があったよ』

「何?」


イヌが、私の名前を呼んだ。

そして、低く、真面目な声で。

『愛してる』

ゆっくりと、そう言った。

耳に届いて、

心と体に広がる、イヌの声のぬくもりを
感じながら、私は、微笑した。

姿も、顔も見えない分、余計に、
イヌの声が私を強く抱きしめている。


「…私が、メールに書き忘れた事と同じね」

そう言って、

「愛してる」

声に想いをのせて、イヌに伝えた。

それはイヌにも届いたようだった。

イヌが、やわらかく笑う気配が伝わってきた。

「おやすみなさい」

『おやすみ』

…また明日。


通話を終えた後も、
心地よく響くイヌの声と、想いに包まれているみたい。

そんな、甘い気分の余韻に浸りながら、

私は、心底安心して、
ゆっくりと、幸せな微睡へと落ちていった。


(終わり)


久しぶりの「夢小説」。

寝る前に、イヌに「愛してる」って
電話でも囁かれたら、眠れなくなるっつーの(笑)

それでもイヌの声が聞きたい♪
という、方も、記事が気にいって頂けたら、
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