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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「恋教え鳥」(5話)です。

二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この二次小説は、「逢月編」シリーズの最新作となります。(二次小説INDEX参照)

「続きを読む」からお入りください






恋教え鳥(5話)




魏無羨が静室に戻ってきてから、ずっと薬の香りが漂っていた。
それは、露台上の風呂に入っている魏無羨にも届いている。

魏無羨は、作業を止め、片付けを始めた藍忘機の動作を、風呂内からしばらく眺めていた。


「藍湛。俺の薬を作ってくれていたのか?」

問う魏無羨に、藍忘機が小さく頷いた。

魏無羨が、“金丹”結実の為に服用している薬。
藍忘機は、薬草園で採取した薬草を使って、新しい薬を作っていた。

静室の棚の中に並べられている、その薬瓶の数が、今までより倍ほど増えている。

しかし、今、藍忘機が、器から小さな甕にうつしているものは、魏無羨の薬とは異なっていた。
藍忘機の手から、トロリとした雫が、甕の中に滴り落ちている。

「今、藍湛が手にしているものは何だ?」

「軟膏」

「ああ、姑蘇藍氏の秘薬軟膏の素か。そうやって作るんだな」

魏無羨が感心したように頷いた。

…藍湛は、今日は、いつから静室で薬を作っていたのだろう?
もしかして、明日から、本当に長期の出張になるのか?

そんな事を考え、無言になった魏無羨のところに、
藍忘機が湯上り布と着替えの内衣を持って歩いてきた。
そして、風呂桶近くに、それらを置いた。

「ありがと」

薬のことも含め、礼を言う魏無羨に藍忘機は小さく頷くと、
風呂湯の中にいる魏無羨から目をそらし、静室に戻ろうとした。

「藍湛は風呂に入ったのか?」

发冠を外してはいたが、藍忘機の髪は、乾いていた。
そして、魏無羨が入る時の湯も、誰も使用していなかったかのように綺麗だった。

「私は、冷泉に入った」

藍忘機の答えに、魏無羨が苦笑を浮かべた。

「藍湛~。冷泉と風呂は、効果も目的も違うだろう。
ちゃんと湯に入って、ゆっくりと体を休めてくれ」

「…今夜はよい」

「そうだ、藍湛。いつか、俺と露天風呂に行こう」

目を伏せている藍忘機に、魏無羨が朗らかに言った。

「『天人湯都領』にあるような外湯なら、二人で入れるくらい広いだろう。
昔、一緒に冷泉に入ったみたいに、きっと楽しくなるはずだ」

「……」

当時、二人が雲深不知処で罰を受けた後に入った冷泉の記憶。

『楽しい』という感情表現が的確かも、当時の藍忘機の心情も分からなかったが、
魏無羨は、その場の思いつきだけで藍忘機を誘ってはいなかった。

共に旅をしていた時も。一緒に暮らすようになってからも。
魏無羨の目を避けるように、風呂に出入りする姿を見せることが無かった藍忘機。

対して。

藍忘機以外誰もいない敷地内とはいえ、風呂桶から出た魏無羨は
堂々と裸体を晒しながら、体と髪の水気を布で拭いていた。

裸の魏無羨から視線を逸らせるように部屋内に戻った藍忘機は、
魏無羨の誘い文句に、賛同も拒否もしなかった。

魏無羨には、藍忘機の白い背が、無垢なる結界のように感じられた。

もっと、近くにいたい。
もっと、深く藍湛の中に入りたい。

身も心も。

そんな気持ちが籠った魏無羨の熱視線も、
藍忘機を包む、清冷な空気に阻まれている気がした。

物足りなさと、もどかしさをおさめるように、
風呂から上がった魏無羨は、静室で、天子笑の酒を煽った。

やがて、薬を作り終えたらしい藍忘機が、全ての道具を綺麗に片すと、
座卓の、いつもの場所に座した。

「魏嬰」

藍忘機が魏無羨の名をよんだ。

「明日は、何時(なんどき)、出発するのだ?」

藍忘機の問う声が、魏無羨には、遠くから響いているように聞こえた。

「ん・・・。明日は、辰の刻には雲深不知処を出るよ。
「『天人湯都領』の自警団長は、仙剣で一足先に帰るが、
俺は、小林檎と一緒に行くつもりだ」

…雲深不知処から『天人湯都領』までは、徒歩で行けば数日は要するだろう。

魏無羨はボンヤリと考えていた。

…長距離の旅になるから、荷物持ちの小林檎を連れて行った方がいい。
嫌がるかもしれないけど、あいつも、少しは歩かさないと。
最近は、雲深不知処の中で弟子達に甘やかされ、餌を好き放題食べているし、
兎たちとばかり戯れていて、運動不足になっている。それに・・・。

「…俺も、一人旅は、ちょっと寂しいしな」

魏無羨の心の呟きは、声に漏れていた。

だが、そんな事に気づかず、魏無羨は、うつろな目で、
天子笑の酒甕を手に持ったまま、コクリコクリと首を傾けはじめていた。

珍しく早朝に起きた上に、
金丹の為の勉強に、体の鍛練に、闇狩り。
そして、『天人湯都領』の自警団長との会談。

魏無羨には、盛沢山な1日となり、疲労も蓄積されていた。

やがて、雲深不知処内の就寝時間である亥の刻を告げる鐘が鳴り、
その音で、魏無羨は、うっすらと意識を戻した。

ぼけた視界の中で、藍忘機が静室の戸締りをしている姿が見えた。

「…もう、寝る時間か」

「君は寝ていた」

戸締りをした後、外衣を脱いだ藍忘機が言った。

白い外衣を脱いでも、純白の内衣姿で近づいてきた藍忘機に、魏無羨が思わず「フフッ」と笑った。

「なぜ笑う?」

「藍湛は、清らかすぎる」

問う藍忘機に魏無羨が答えた。

「おいそれと手が出せない」

「どういう意味だ?」

「寝言だよ」

魏無羨がクスクスと笑いながらも再び目を閉じた。

「もう、夢路に入っているから、歩けない。
俺を寝所まで運んでよ。藍湛」

まだ意識のある状態だったが、魏無羨は藍忘機に甘え声を出した。

魏無羨が、手に持っていた天子笑を床に置くと、
体がふわりと持ち上がった。

藍忘機の両腕に、抱かれて運ばれているのを感じながら、
魏無羨は、心の中で、ひそかにほくそ笑むと、薄っすらと目を開けた。

白檀の香りが漂う藍忘機の内衣。

その袖口に施された小さな兎の刺繍を見た時、魏無羨は、何かを思い出した。

…これって…。確か、俺が以前、藍湛から借りていた内衣だ。
少し破いてしまったから、縫ったついでに刺繍したやつ。
あれから、何度か着ていてくれていたんだな。

刺繍の小さな兎は、まるで藍忘機を魏無羨から守るように、そこにいた。

魏無羨は、唇を尖らせると、自分が縫ったはずの刺繍の兎に拗ねた顔を向けた。

「兎ちゃんも、創造主より、含光君がいいのか。
みんな、含光君を好きになる。
いいさ。含光君は、みんなのものだ。でも藍湛は、俺の藍湛だからな」

藍忘機には、ほとんど寝言と取られていると思いながら、
魏無羨は、ブツブツと呟いていた。

藍忘機は、寝台の上に寝かせた魏無羨の体の上に布団をかけた。
そして、寝台の近くの燭台の灯りを消すと、魏無羨の隣に体を横たえた。

布団の中で触れている藍忘機の体の温もりが、魏無羨を安らぎの世界に導いていく。

うっとりと、寝たふりをしていた魏無羨は、次第に、本当に心地よい睡魔の手に落ちていった。

「…そういや、藍湛。俺が帰ってきた時、何か言いかけてなかった?」

今さらのように思い出し、呟くように問う魏無羨に藍忘機が小さくかぶりを振った。

「今はよい。だが、また、折を見て話す」

「うん…わかった…」

「明朝は、私が君を起こす。安心して眠れ」

藍忘機の低い美声が、魏無羨の耳元で囁かれた。

コクリと頷いたつもりで、魏無羨の頭は少しも揺らがなかった。

…うん。

魏無羨は、心の中で返事をした。

少しの間の後、藍忘機が小さく漏らす溜息が魏無羨の耳に届いた。

「・・・君のほうだ」


ぼそっと漏れ聞こえた藍忘機の言葉に、魏無羨が朦朧とした意識の中で、首をかしげた。

…?・・・何がだ? 藍湛?
何が、俺のほう、なんだ?

心の問いかけは、藍忘機には届かず。
再び、静寂になった。

そして、魏無羨の意識が完全に、睡魔に飲まれそうになった刹那。

魏無羨の唇に、何かが触れた。

やわらかく、温かい感触。

白檀の香りと、微かに感じる藍忘機の吐息が、夢の中にも入ってくるほど近い。

魏無羨は、藍忘機が自分に口づけをしていることを察した。

藍忘機の唇は、ゆっくりと、優しく押し当てられていたが、
魏無羨には小さく震えているように感じられた。

まるで、心の葛藤を示すかのような長い口づけの後、
ようやく藍忘機が、魏無羨から顔を離した。

…いつもは、額に接吻するのに、今夜は唇だった。

魏無羨は、夢と現実の狭間の中にいながらも、
これは、現実のものだと、懸命に記憶に刻み付けようとした。

…そういや、今日は、起きている時は藍湛と接吻を1度もしてない。
ああ、明日から、しばらく離れ離れになるというのに。
いや。それよりも。今夜も藍忘機に『やり逃げ』された。

ときめきと、悔しさの混ざった想い。

夜の静寂に、そんな感情すら飲み込まれた魏無羨は、今度こそ、深い眠りに落ちていった。



翌日―――。


魏無羨は、藍忘機に優しく肩をゆすられて目を覚ました。

時刻は、夜明けになったばかり。

魏無羨は、目を開けると、ゆっくりと上半身を起こした。

「朝食がある。食べてから出発しなさい」

藍忘機の声に、魏無羨は、無意識にコクリと頷いていた。

魏無羨は、足元に綺麗に畳まれ置かれていた衣服を着こむと、
朝食が並べられている座卓の前に座った。

魏無羨の目の前に、すでに、身だしなみを整え、
額に抹額を巻き、頭上に冠をつけた藍忘機が座していた。


「藍湛は、いつ出かけるんだ?」

「君を見送った後」

「そっか。今夜は、どこに泊まる予定?」

「未定だ」

「そうか…」

魏無羨は、急激に増していく寂しさを紛らわす為に、朝食を口にしようと箸を取った。

「俺は、順調にいけば、7日ほどで『天人湯都領』に着くだろう。
泊まる所は、自警団長が紹介してくれる『天人湯都領』で一番人気の宿らしい。
今回の騒動を解決するまで、俺はその宿にいることになるから、ついたら、雲深不知処の沢蕪君にまず連絡を取るよ。
それで、藍湛も、居場所が確定したら連絡してくれ」

「ん」

目の前で、小さく頷く藍忘機に、魏無羨は、微笑むと、食事を始めた。


朝食を食べ終えると、魏無羨は、手早く旅支度を済ませた。

…向こうの街で入手できるものもあるだろう。
野宿することもあるかもしれないが、持ち物は最小限でいい。
でも、林檎は、用意しないとな。
小林檎は、へそを曲げると動かなくなる。

そんな事を考えながら、まとめた荷物を抱え、
静室の外に出ようとした魏無羨に藍忘機が声をかけた。

振り向いた魏無羨に、藍忘機が「これを」と、手にしていた物を差し出した。

藍忘機の手に、小さな軟膏壺があった。

「塗り薬だ。持っていきなさい」

「これ。藍湛が昨日作っていた薬だな。ありがとう。助かるよ」

魏無羨は、藍忘機から受け取った軟膏壺を嬉しそうに眺めた後、懐に入れた。

「気をつけて」

「うん。藍湛もな」

そうして。

静室の門の前まで、見送りについてきた藍忘機に、
魏無羨が、振り返った。

無言で、ジッと見つめている藍忘機の顔に、魏無羨は、もっと何か伝えたい気持ちになった。

しばらく会えなくなる藍忘機の姿を目に焼き付けておこうと、
魏無羨は、藍忘機の全身を見つめた。

光沢のある、純白の絹の布地に、雲深不知処の象徴である雲の紋用が描かれた美しい外衣。
その衣を着ている藍忘機は、仙督、含光君の名にふさわしく、神々しいまでの威光を放っていた。

…でも。藍湛は、あの下に、俺が、兎の刺繍を施した内衣を着ている。

そう、思っただけで、魏無羨の胸に熱いものがこみ上げてきた。

魏無羨は、藍忘機の方に足を踏みだし、駆け寄ると、
藍忘機が、ハッと息をのんだ直後に、その唇に口づけした。

一瞬、触れるほどの接吻だったが、
勢いがつき、藍忘機の頭が揺らぐほど、やや強く押し当てられていた。

口づけの後、パッと体を離した魏無羨が藍忘機を見た。

目を見開き、固まっている藍忘機に、魏無羨が言った。


「起きている時に」


何が起きている時に、なのか。

以前、藍忘機が魏無羨に言ったことのある同じ言葉に、
藍忘機は、それが、何をしめしているのか、すぐに分かったようだった。

耳を赤く染めていく藍忘機の顔に、魏無羨は、フッと笑った。
そして、顔を傾け、藍忘機の薄紅色の耳に唇を寄せると、甘やかな声で囁いた。

「藍湛、次に一緒に寝る時は、
これより、もっと“イイこと”しような」

言った後。

魏無羨は、わざと細い吐息を藍忘機の耳に吹きかけると、
去り際に、藍忘機の顔をチラリと盗み見た。

…鳩が豆鉄砲をくらっても、ここまで可愛くならないのではないか?

そんな事を思えるような顔をしている藍忘機に、
魏無羨は、高揚した気分と、照れくささから、「アハハハハ」と高笑いした。

そして、「行ってくる」と言って、踵を返すと、
藍忘機に背を向けたまま、大きく手を振り、静室の門から飛び出すように出ていった。


台風のような魏無羨が去った後の静室の庭には、藍忘機が、一人残された。

藍忘機は、魏無羨の姿が見えなくなった後も、しばらくその場に佇んでいたが、
やがて、そっと踵を返すと、自らも、出立の準備をする為に、母屋の静室に戻っていった。



―――その後のことは。

雲深不知処の丘で、出かけることを渋る驢馬の小林檎に少々手こずりはしたものの、この朝の事より劇的な事も起きず、魏無羨の『天人湯都領』への旅は順調に進んだ。

ただ、旅が進むにつれ、
魏無羨は、藍忘機に会いたいという想いを日に日に募らせていった。

旅の1日目は、今ごろ藍湛は、どこにいるのだろう、と想い、
2日目は、藍忘機の琴の音を聴きたくなり、
3日目以降の夜には、藍忘機の体から漂う白檀の香が嗅ぎたくてたまらない気持ちになっていた。


こうして。

通り過ぎる街の宿に泊まったり、森の中で仮眠を取ったりしながら、
魏無羨が『天人湯都領』に辿りついたのは、だいたいの予定通り、雲深不知処を出てから7日後の昼前のことだった。

…はぁ。なんとか道に迷わず、無事に着いたな。

魏無羨は、立ち止ると、『天人湯都領』と名の刻まれた牌楼(※はいろう:街の門)を見上げた。
そして、牌楼の前に、見知った男がいるのに気づいた魏無羨は、小林檎と共に男の方に歩いていった。





(続く)




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