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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「新年快乐」(7話)です。

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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「道侶編」シリーズ、忘羨の二人は、道侶(恋人)関係の時期の話になります。
時間軸だと「藍湛生日快乐」の後くらい、春節(旧正月)の話。


※新年快乐の「乐」の日本語漢字は、「楽」です。

「続きを読む」からお入りください





新年快乐(7話)





静室に帰った後の魏無羨と藍忘機は、
厨房から持ってきた新年の祝い料理を、部屋の中で、ゆっくりと時間をかけて食した。


「はぁ…。食った。食った」

食事の後、膨れたお腹を撫でながら魏無羨が言った。

雲深不知処の中では珍しく、食に大満足した1日だった。

「姑蘇の料理人が作ったという、これらも美味しかったけど、
今日、藍湛が作った昼食も、どれも美味かったよ。ああ、あの屠蘇も、すげえ気にいった」

本意からの言葉だったが、若干、からかいも入った魏無羨の誉め殺しに、藍忘機が意識的に視線をそらせ、「ん」と答えていた。

「思追と温寧は、今ごろ、何してるかな。 
思追の仙剣の速さだと、もう夷陵にはついているだろう。
思追は料理が出来るから、雲深不知処から持っていった料理の他に、何か作って、一緒に食べているかもしれないな」

夷陵にいる温寧に会いに行った藍思追の事を想いながら、魏無羨は、独り言のように言った。

それまで、座卓の前で、茶を飲んでいた藍忘機が、おもむろに立ち上がった。

そして、行儀悪く寝転がって、天子笑の酒をチビチビと飲んでいた魏無羨の目の前に来ると、腰を降ろし、袂から出した物を魏無羨に差し出した。

「君に」

藍忘機が言った。

「新年祝いだ」

藍忘機が差し出したのは、赤色の巾着袋だった。

魏無羨は、体を起こして、まっすぐに正座した。
そして、恭しく両手を出すと、藍忘機の差し出した袋を受け取った。

「多謝(ありがとうございます)。万事如意(あなたの万事がうまくいきますように)」

拱手し、魏無羨が受け取ったのは、藍忘機が藍思追に渡していた物と同じ袋で、中には銀塊がぎっしりと入っていた。

「俺も、藍湛に渡したいものがあるんだ」

魏無羨は、赤色の巾着袋を自分の衣服の袂の中に入れると、立ち上がった。
そして、不思議そうな藍忘機の視線を背で感じながら、静室の濡縁の方に出ていった。

戻ってきた魏無羨の手に、2羽の雪兎をのせた盆があった。

丸く固めた雪に、南天の赤い実と葉で目と耳をつけた、雪兎。

「朝、作った後、溶けないように外に置いておいた。目で愛でてくれ」

魏無羨が盆を手渡すと、藍忘機は、嬉しげに、頬をゆるめた。

そして、部屋の中を見渡した後、盆を持って、再び露台の方に歩いていった。

「どこに持っていくんだ?」

てっきり、部屋の中に飾ると思っていた魏無羨が声をかけた。

「ここに」

藍忘機が言って、露台の灯篭の下に盆をおいた。

仲良さげに、ひっついている二羽の雪兎たちは、
静室の中の魏無羨と藍忘機の方に、きょろん、とした顔を向けていた。

「彼らは、ここにいる。それで良いか?」

『道侶』なら、新年の夜を二人きりで祝いたいだろう。
私達のように。

まるで、そう言っているような藍忘機に、魏無羨は朗らかに笑った。

「うん。藍湛がそうしたいなら、いいよ」

そう言って、魏無羨は、しばらく藍忘機と並んで、露台の雪兎たちを眺めた後、一人、書棚の方に向かった。

そして、書棚の中の文箱を取り出すと、「藍湛に、もう一つ、渡したいものがある」と言って、文箱を座卓の上に置いた。

藍忘機が座卓の前に座り、文箱の蓋を開けた。

そして、文箱の中に入っていた物を見ると、僅かに目と口を開けた。

文箱の中には、絵が入っていた。

魏無羨を模写した物だと、一目で分かる絵。

墨1色だったが、背景にある花の枝は、『紅梅』を描いているということも分かった。

「俺が描いた、俺の絵だ」

無言のまま、絵からずっと目を離さない藍忘機に魏無羨が言った。

…自分は鏡で見ながら。紅梅は、花瓶に活けてあるのを描いた。

魏無羨は、書棚の下方、奥に隠されるように置かれている
藍忘機の文箱の中を脳裏に浮かべながら、さらに言った。

「藍湛に、持っていて欲しい」

…あの、昔、俺が描いた藍湛の絵と一緒に。

「まあ、本物が、いつもこうして、近くにいるけどな。
新年祝いでも、藍湛にあげたい物って、兎か俺しか思い浮かばなくて」

藍忘機は、文箱から顔を上げると、
へらへらと笑いながら、頭をかいている魏無羨の顔に視線をうつした。

そして、「ありがとう」と言うと、ふわり、と、やわらかな微笑を浮かべた。

あからさまに表情が変わっていなくとも、心から喜んでいる。

魏無羨は、藍忘機のその顔で、藍忘機がいつも『静室』で共にいる時の藍忘機に戻ったと感じた。


「…藍湛。正直に答えて欲しいんだけど」

魏無羨は前置きして言った。

「今日、藍湛の態度が、ちょっと変だった。 あ、目をそらすな。誤魔化すな」

魏無羨は、案の定、視線をそらせた藍忘機の逃げ道を防ぐように、顔を覗き込んで言った。

「気づいていたんだからな。今日の、藍湛がいつもより頑なになっていたって。そりゃあ、俺を家族の集まりに連れて行ったのだから、緊張もしたんだろう。だけど、それだけじゃないだろ?何で、少し様子が変だったんだ? ん?」

答えるまで、追及を辞めないぞ。という魏無羨の方に、藍忘機は顔を向けた。

そして、「まだ、無い」とボソっと言った。

「うん? 何が、まだ無かった?」

訝し気に問い直す魏無羨に藍忘機が「君からの新年の挨拶」と答えた。

「兄と思追、叔父にはしていたが、私にはまだだ」

「・・・は?」


魏無羨は、拍子抜けしたように、中腰だった姿勢を戻した。

「俺、藍湛に挨拶して無かったか?」

「無い」

「そうだったかな?」

魏無羨は、今日朝起きてからの自分の行動を振り返って、首をかしげた。

「でも、それを言ったら、俺だって藍湛から挨拶されていないぞ」

「私は、起きてから君に伝えた。
そして、手紙にも書いた」

「……」

確かに、朝の置手紙には、新年の挨拶が書かれてあったが、
寝顔に挨拶したのを、『伝えた』というのは、どうなのだろう。

呆れ顔の魏無羨に、藍忘機は、ふいっと目をそらせた。
両耳が赤くなっている。

おそらく、自分でも恥ずべき事を言っている、という自覚があるのだろう。

…うわぁ。…可愛い過ぎるぞ。藍湛。

魏無羨は、目を伏せ、可憐な空気をまとった藍忘機の顔に、高揚感を覚えた。

…大の男が。それに、世の人々が崇め奉っている、あの含光君が。

『道侶』が、年初めに、自分以外の者達に先に挨拶したから、拗ねていたってことだよな。

なんだよ。藍湛は、そんな事を気にしてたのか。
それに、もしかして・・・。


魏無羨は、さらに、今日の出来事を振り返った。

…俺が、他の人と話していたのも気にしていたのか?
沢蕪君や思追や叔父さんとばかり話していたから?
いや、でも、それは、藍湛の家族だから、親睦を深めていたつもりだったんだけど…。

そんな事を思い、じーっと見つめている魏無羨に、
藍忘機は、横を向き、ただ、赤く染まった耳をさらし続けた。

魏無羨は、ようやく沢蕪君が言っていた意味を理解した。

「岡目八目(おかめはちもく)…」

小さく呟いた魏無羨の声が聴こえたのか、藍忘機が顔を戻し、「何だ?」と尋ねた。

魏無羨は、…なんでもない。という風に、小さくかぶりを振り、笑みを浮かべると「藍湛」と呼んだ。

「俺、今日、『身内』で迎える正月の雰囲気を味わえて嬉しかった」

「……」

無言で見つめ返した藍忘機に魏無羨は続けた。

「藍家の集まりに、連れていってくれて、ありがとう」

実際には、藍忘機に連れて行かれたのではなく、魏無羨自ら赴いていた。

しかし、魏無羨を会に呼んだのは、叔父と兄だと藍忘機は言っていたが、
本当は、藍忘機が、魏無羨を招くように二人に打診していたのではないか?そんな気がした魏無羨だった。


「来年は…」

ボソッと言って、口を閉じた藍忘機の言葉を継ぐように、魏無羨が言った。

「来年は、ちゃんと材料をそろえてから、料理を作るからな」

料理のことはともかく。
来年も藍家の新年会に参加する意志を伝えた魏無羨に、藍忘機は微笑で応えた。

「でも、まずは今年の話だ。
藍湛、これからの祝日はどう過ごす?」

そう問う魏無羨に、「叔父も話していたが。明後日以降は、新年の挨拶や会合がある」と、藍忘機が言った。

仙督である藍忘機に挨拶する為に、各方面から雲深不知処に大勢、人が押し掛けることだろう。
それは、魏無羨にも想像出来た。

「だが、明日は、私達の予定で過ごす」

きっぱりと言った藍忘機に、魏無羨は、笑みを深くした。

「藍湛、俺も同じこと考えてた。
明日は、姑蘇の街に一緒に遊びに行こう。
そして、1日中、二人で、ずっと過ごそう」

魏無羨の提案に、「ん」と藍忘機が頷いた。

はしゃぎたいほど、嬉しくなった魏無羨は、藍忘機の方に回り込んで、そばに座った。

そして、家の中に二人しかいないにも関わらず、
その耳に顔をよせると、ひそひそ話で、明日、二人でしたい事を、列挙した。

「明日、二人で、やりたいことで浮かんだのは、これで全部だけど。
今夜は、これから、藍湛と一戦交えたい」

「碁を打つか?」

「違う」

魏無羨が朗らかに笑った。

「何の一戦か分かるだろ?藍湛」

冗談めかして言いながらも、
藍忘機を見つめる魏無羨の瞳は、欲望と誘惑の光に満ちていた。

「俺は、絶対に、手も気も抜かない。
藍湛にも気は抜いて欲しくないけど、手加減は欲しい。
もう一晩中なんて言わない」

魏無羨の言葉に、
藍忘機が、小さな笑い声を発した。

それは、とても稀有なことだった。

微笑することも、珍しい藍忘機だったが、
藍忘機が声を出して笑うのを見た者も聞いた者もいない。
ここ数十年間。家族でさえも、知らないかもしれない。

この世で、魏無羨だけが知る藍忘機。


―――ああ、俺は、本気で藍湛が好きだ。

魏無羨の胸が、とくん、と高鳴った。


きゅーっと心が熱く締め付けられる感覚。
ときめきの中に、切なさにも似た思いが混ざっている。

そして、思考しても名が出ない感情も、全部ひっくるめて。

魏無羨は、ただ、藍忘機が愛おしくてたまらない、という気持ちに全身が支配されていた。

…何ものにも、かえがたいほどの愛しさって、こういう感覚なんだ。

魏無羨は、思った。

・・・そんな感情を向けている。
そして、向けられている相手と共に新しい年を迎えられている。

「最高の幸せっていうのがあるなら、それは今かもしれない」

うっとりと、そう呟いた魏無羨に、
藍忘機が「今だけでは無い」と言った。

「君がいるなら」

…私は、この先も、ずっと『最高の幸せ』だ。

直視しながら、まっすぐに心を伝えてくる藍忘機に、
魏無羨は、照れたように、少し目をふせた。

そして、すぐに顔を上げると、藍忘機に輝くような笑顔を見せた。

「藍湛」

魏無羨が言った。

「これからもよろしくな」

…愛する君が、健やかで、幸せでありますように。

そんな想いを込めて、魏無羨は言った。

「新年快楽」


藍忘機が、魏無羨を手で引き寄せると、その体を両腕の中におさめた。

直に触れあっている藍忘機から、魏無羨に直接、声が流れこんできた。


「これからも共にいよう」


そう、誓いあうように。

魏無羨と藍忘機は、

抱き合った後、顔を近づけた。
そして、優しく唇を重ねると、同時に目を閉じた。


――― 魏嬰、 新年快楽。





(終わり)





「新年快乐」(道侶編シリーズ)はこの話が最終話です。

ブログは、明日より少し、お休みさせて頂きます。
「陳情令」みつばの二次小説、次回作更新まで、しばらくお待ちください。

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