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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「新年快乐」(5話)です。

二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「道侶編」シリーズ、忘羨の二人は、道侶(恋人)関係の時期の話になります。
時間軸だと「藍湛生日快乐」の後くらい、春節(旧正月)の話。


※新年快乐の「乐」の日本語漢字は、「楽」です。

「続きを読む」からお入りください






新年快乐(5話)






“藍家の親睦会”という、謎に包まれた行事に、
魏無羨は、得体の知れない魔物の闇狩り前くらい慎重になっていた。

しかし、藍忘機は「難しい事は無い」と答えた。

「碁(※古代名称:爛柯らんか)、茶、合奏」

…碁、茶、合奏。

つまり。
家族で碁を打って。茶を飲んで。
それぞれの楽器を用いて、合奏をするってだけか。

「なんだ。普通の親睦会じゃないか」

一気に気の抜けた魏無羨に、「昨夜、そう言った」と藍忘機が言った。

「うん。藍湛は、確かに『普通』って言っていたけど、
俺と藍家の“普通”の認識が違うこともある。俺、もっと、違うものを想像していた」

はぁっ、と魏無羨は、大仰に安堵の吐息をついた。

「君は、碁を打てるか?」

藍忘機が尋ねた。

「ああ。棋道は、たしなみの一つだって、師匠から教わった。
時々、師の相手もさせられた。だけど、好んで自分から打つほどじゃない」

…藍家の人達の腕前は知らないけど、以前、師とも互角に打てていたから、大丈夫だろう。

魏無羨は、そんなことを考えながら、並んで歩いている、藍忘機の横顔に目をやった。

魏無羨の視線に気づいた藍忘機が、魏無羨の方を見やった。

…なんだ?

そう問うような藍忘機の顔を、見つめながら魏無羨は、首をかしげた。

「藍湛、どこか体調が悪い?」

「全く」…悪くない。

「そうか。なら、いいんだ」

コクコクと頷く魏無羨に、藍忘機はフイっと再び顔を元の位置に戻した。


…うん。いつも通りの藍湛だ。
でも、なんだろう? 俺の気のせいか?
今日の藍湛の雰囲気がいつもと違うように感じたのは。

魏無羨は、頭の中で、今朝、厨房で会ってからの藍忘機の態度を思い出していた。

…ああ~、そうか。
もしかして、藍湛は緊張しているのか?

家族だけの集まりに初めて『道侶』を伴っているんだ。
兄さんはともかく、叔父さんには、いい印象を与えたいって考えで、いつも以上にガチガチになってるんだ。
うん、うん。きっと、そうに違いない。

でも、俺だって、そんな事は分かってる。
だから、今日は、藍湛の家族の前で、粗相しないように、十分に気を使ってるんだからな。

・・・という。

魏無羨の心の呟きを、藍忘機が聞いていたら、『どのあたりに気を使った?』と問われるような振る舞いを、すでにしでかしていたことに、魏無羨は、全く気付いていなかった。


ともあれ。

膳の片付けを終えた魏無羨と藍忘機が、藍曦臣の私室、『寒室』を訪れると、足つきの碁盤が2つ、部屋に置かれていた。

藍啓仁と藍曦臣は、会客用の座卓に座っていたが、二人の姿を見ると立ち上がり、碁盤の方に移動した。

「魏嬰、君は私と打ちなさい」

藍啓仁が言った。

藍啓仁の言葉を予想していた魏無羨は、素直に返事すると、藍啓仁の対面に腰を降ろした。

魏無羨がチラリと隣を見ると、藍忘機と藍曦臣が碁盤をはさみ、向かい合って座っていた。

…へえ。兄弟対決か。どっちが強いのだろう?

魏無羨は、自分のことより、そちらの方に興味がわいていた。

そんな魏無羨に、目の前の藍啓仁がわざとらしく咳払いをして、意識と顔を向かせた。

「君の碁の腕は、以前、江楓眠から聞いたことがある」

藍啓仁の口から、師匠だった、前の江宗主の名が出た事に、魏無羨が、ハッとなった。

…師匠が、俺の碁の話を、藍啓仁先生に話したことがあるのか?

「師は、その時、俺のことを先生に何と話されたのですか?」

両親をなくした魏無羨を育ててくれた恩人であり、義父であり、仙術使いとしての師匠でもあった、前、雲夢江氏の宗主、江楓眠。

その顔を、心に浮かべただけで、胸が苦しくなるほど、切ない感情が込み上げてくる師の名が出たことに、魏無羨は動揺を隠せなかった。

そんな魏無羨から、意識的に、視線を逸らせたように、藍啓仁は、碁笥(※碁石を入れた器)の蓋を開けた。

「彼は、君の手筋が良いと話していた。
あと何度か打てば、完全に勝つことが出来なくなるかもしれないとも」

「師が、そんなことを…」

藍啓仁が固い表情で頷いた。

「江楓眠は、実子と同様、一番弟子の君を、誇りにしていた」


藍啓仁の言葉に。

魏無羨は、今すぐ、『寒室』を飛び出し、人のいないところで、大声で泣きたい気持ちになった。

これは、勝負の前に、自分を動揺させようという、藍啓仁の作戦で無いことは魏無羨にも分かっていた。

雲深不知処に来てからの魏無羨は、藍啓仁から個人的な講義も受けていた。

それまで、二人きりで話す機会も何度かあったにもかかわらず、
こんな話をすることは1度も無かった。

あえて、伝えなくとも、江楓眠が魏無羨を大事にしていたことは、魏無羨本人にも自覚があることだろう。

それでも。

あの頃、自分が、他者としての立場で知った、江楓眠の魏無羨への想いを、魏無羨の心に留めておいて欲しい。

『いつか、彼に話しておきたい』

藍啓仁は、雲深不知処の中で、魏無羨を見るたび、そう考えていたのかもしれない。

今はいない師だけでなく、目の前にいる藍啓仁の心に触れた気がした魏無羨は、強い感銘を受けた。

しかし、魏無羨は、気を引き締めると、居住いを正して、碁盤に向かった。

…だったら、なおさら、負けられない。
俺の負けは、師匠の負けにもなってしまうからな。

そんな気持ちで、魏無羨は、碁笥の蓋を開けた。

挨拶を交わしたのち、魏無羨が黒石の先手を打った。

ここから先は、手談(しゅだん)。
声を発せずとも、藍啓仁と魏無羨の間の対話が始まった。

真剣に碁を打っていた魏無羨だったが、
1刻(2時間)を過ぎたころ、魏無羨は、己の中の形勢判断で、自分が優位にいることを確信した。

それまで、待ち時間無しで打っていた藍啓仁も、しばし手を止めるほどになっていた。

魏無羨は、ふと、隣で碁を打っている藍忘機と藍曦臣の様子が気になった。
そして、藍啓仁が次の手を考えている一瞬の隙を見て、チラリと、横を見やった。

白石が藍曦臣。黒石が藍忘機。
盤上を見た限り、ここまでは互角に打っているように見えた。

…ん?

一瞬、白石を持つ藍曦臣が打ったところに目を奪われた魏無羨は、
目の前の藍啓仁が石を打つ前に、意識を戻すのが遅れた。

石の音で、ハッとなった魏無羨は、慌てて自分の盤上を眺めた。

藍啓仁が打った場所は分かり、その手も読んでいた魏無羨だったが、
ジロリと睨んでいる藍啓仁の顔に首をすくめて、とっさに次の手を打った。

そこから、形勢が一気に逆転された。

藍啓仁の次の一手は、厳しかった。

魏無羨が、『しまった』と思った時には、すでに遅く、挽回の策も崩れ、
半時もせずに、魏無羨と藍啓仁の碁は、藍啓仁の勝ちで終局となった。


「ありがとうございました」

…師匠。すみません。不肖の弟子は、負けました。

魏無羨は、心の中で、江楓眠に詫びながら、碁石を片付けた。

しゅん、となっている魏無羨に、藍啓仁は、「油断したな」と静かに口を開いた。

「手は抜いていません」と言う魏無羨に、藍啓仁はかぶりを振った。

「手は抜いていなくとも、一瞬、集中力を欠き、気を抜いた。
魏嬰、そなたの悪い癖の1つだ。大事なのは、答えを出す速さでは無い。
先を読むだけでなく、状況も考え、そして、己の手に責任を持つ。
それは、万事の局面で言えることだ。覚えておきなさい」

「はい…」

魏無羨は、藍啓仁の言葉に、師匠、江楓眠にも叱られているような気持ちになって、俯いた。

そんな魏無羨に、「そちらも終わったのですね」という、藍曦臣のやわらかな声がかかった。

「私達の方も、つい先ほど終局しました」

藍家兄弟が打っていた盤上は、すでに石が片付けられていた。

「藍湛の勝ちですか?」

勝負の行方を話す前に、そう問う魏無羨に、藍曦臣はにっこりと笑って「そうです」と答えた。

「最後の方だけ、少し拝見させて頂きましたが、魏公子、惜しかったですね」

「いえ。俺は、まだまだです」

魏無羨は、気まずげにすくめた首を、ひと撫でした。

「それでは、魏公子。負けた者で碁盤を片付けましょう」

そう言って、藍曦臣が魏無羨を促した。

「はい」

魏無羨が碁笥を置いた碁盤を持ち上げ、藍忘機の方をちらっと見やった。

藍忘機は、魏無羨から視線を外したように、伏し目がちの顔で立っていた。
そして、魏無羨が、藍曦臣と並んで碁盤を運びだすと、先に座卓の方に向かった藍啓仁に続くように背を向けた。

藍曦臣の手前、『藍湛、勝って良かったな』という言葉もかけられず、魏無羨は、その背を見つめながら、黙って、藍曦臣の後に続き『寒室』を出た。

「碁盤は、すぐそばの収納部屋に、置かれています。
魏公子が碁を打ちたい時は、いつでも、お持ち出しください。
ただ、たしか、静室の納屋の中にも一面置いてあったと思います。忘機に聞いてみてください」

藍曦臣が言った。

「はい」と返事しながらも。

魏無羨は、今しがた、へこむ気分になった碁をすぐには見たくはない。と心の中で思った。

「どうしました? 魏公子。少しお元気が無いようですが、叔父に負けた事を気にしていますか?」

すぐに空気を察した藍曦臣が言った。

「はい。先生に言われたことは身に染みたように感じています」

そう、しおらしく返答した魏無羨に、藍曦臣がフッと笑みを浮かべた。

「対局中、忘機の様子が気になっていましたか?」

「一瞬、気を散らしました」

「それで、その一瞬、私達の対局を見て、忘機が勝つと確信したのですね?」

藍曦臣の言葉に、魏無羨は、気まずげに「はい」と答えた。

先ほど、もう、勝負の結果を知っていたかのように、藍曦臣に尋ねてしまった事を思い出した魏無羨だった。

「なぜですか?」

そう問う藍曦臣に、魏無羨は正直に話すことにした。

「あの時、沢蕪君が打つところを目にしました。
その上の浮石です。“封鎖”を狙っていたのかもしれませんが、あれは“死形”に向かう手でした」

…だから、あの一手の先は、藍忘機が優位になる流れになることが分かった。

「そうですか」

藍曦臣は、魏無羨の話に納得したように頷いた。

「しかし、僅かな観察で、よく分かりましたね」

「岡目八目(おかめはちもく)です。沢蕪君」

魏無羨が答えた。

(※岡目八目:はたから見ている者の方が、当事者より状況がよく見える、という意)

「なるほど」

藍曦臣は、また頷くと、にっこりと笑った。

「前に忘機と碁を打った時は、私が勝ちましたが、今日は、なぜか、忘機が勝つような気がしていました。対局中、彼から、魏公子に負ける姿を見せたくない、という気迫すら感じました」

からかうような藍曦臣に、魏無羨は、自分の鼻の頭を指で、ちょいちょいと撫でた。

「沢蕪君から見て、今日の藍湛は、いつもと変わりませんか?」

「ん…?どういうことですか?」

不思議そうな藍曦臣に、魏無羨は思い切って、聞くことにした。

「俺には、今日の藍湛が、どうも、いつもとちょっと違うように感じることがありました。よく分かりませんが、態度というか、雰囲気というか。もしかして、藍湛は、具合か機嫌が良くないのでしょうか?」

「ああ…」

藍曦臣は、わけを悟ったように、軽く相槌を打った。

「忘機は、具合も機嫌も悪くありません。ただ…」

そこで、藍曦臣は、口を閉ざし、言葉と笑みを噛み締めるような顔になった。

「大したことはありません。

魏公子。家に帰ったら、忘機と沢山お話してください。
それで、忘機もいつも通りになることでしょう」

……?
「はい」

直接的な答えではなくとも、藍曦臣の助言で、魏無羨は安心を得た。

弟の藍忘機の事が分かる藍曦臣の言うことなら、そうなのだろう。

「沢蕪君は、やっぱり藍湛のお兄さんですね。藍湛の事をなんでもお見通しだ」

そう言う魏無羨に、藍曦臣は静かにかぶりを振った。

「忘機の事は、私より魏公子の方がご存じです」

「そうでしょうか? 俺には、何で、今日の藍湛の態度が少し頑なになっているのか、皆目見当がつかないのです」

「魏公子。それは…」

藍曦臣がにっこりと笑って言った。


「岡目八目(おかめはちもく)です」





(続く)



このブログが更新される時間、天気なら、雪月(snow moon:2月の満月)が綺麗に見られる深夜です。

そして、2月28日。某セレモニー、楽しみです♪
2月28日は、みつばの4年に1度の結婚式記念日だということは、どうでも良くて(笑)←海外の式だったから、日本時間では3月1日。
今日は、このブログでは「陳情令B」に関わるイベント日。みつばは数週間前から、わくわくドキドキでした。
リアルタイム視聴は難しいかもしれませんが、心穏やかに時を待ちます♪←「星の光」では大騒ぎだった。


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