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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「新年快乐」(2話)です。

二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。

【注意】 今回の小説には、大人向けのBL表現や、描写が含まれています。
自分は、精神的に大人だと思える方のみ、お読みください。


この二次小説は、「道侶編」シリーズ、忘羨の二人は、道侶(恋人)関係の時期の話になります。
時間軸だと「藍湛生日快乐」の後くらい、春節(旧正月)の話。



※新年快乐の「乐」の日本語漢字は、「楽」です。

「続きを読む」からお入りください







新年快乐(2話)





床の上をコロコロと逃げまどう芋を、藍忘機が冷静に箸でつまんで止めた。

そして、それを空いている椀の蓋の上に置くと、
何事も無かったかのような体で、居住いを正した。

「いや…。藍湛」

すぐに衝撃から立ち直った魏無羨だったが、
苦笑を浮かべながら箸を置いた。

…新年の藍家の集まりに俺も行く?

「その話、初耳だ」

「ん。今、話した」

「いや。…いやいやいや」

魏無羨は、近くに酒甕は無いか?という顔で、周囲をキョロキョロ見回した。

…気付けに1杯飲まないと、この話も呑み込めない。


そんな思いで、魏無羨は、首を振った。

「新年祝いの、藍家の集まりに、藍家で無い俺が参加するのは肩身が狭い。
それに、姑蘇藍氏の新年の集まりは、門下生達が雲深不知処に戻って来たら、行うって聞いている。
そこには、俺も参加予定だから、明日の藍家の新年会は行かなくてもいいんじゃないか?」

「藍氏の新年会は、雲深不知処の集まりだ。明日の新年会は身内だけで行う」

藍忘機が言った。

…身内だけというと、藍家兄弟と、おっさんだけ?

「それなら、なおさら、おっさん…、いや、藍湛の叔父さんが、俺が会に出ることを許さないだろ?」

魏無羨が雲深不知処に住むようになってから、数か月がたっていた。

藍忘機の叔父であり、師でもある藍啓仁は、
今は、表向き、宗主の座と仙督の座についている甥たちの相談役になっている。

だが、長年、多数の規則で雲深不知処の基盤を築き上げ、姑蘇藍氏を率いてきた貫禄は、優れた甥たちと比較しても劣っていなかった。

外交に置いても、大きな仙門の重鎮として、他の仙家の宗主からも一目置かれている存在。

そんな藍啓仁は、魏無羨が夷陵老祖と呼ばれるようになる以前から、彼を要注意人物だと警戒していたところがあった。

修習生の時から、ずば抜けて秀でている才能は認めても、
魏無羨の御しきれない言動に振り回され、何度も頭を悩まされていた。

そして、魏無羨の過去の誤解は解けても、現在は、大切な甥をめぐって、藍啓仁の悩みは、より複雑化しているようだった。

それでも、礼節を重んじる藍家の長としての考えがあるのだろう。

藍啓仁は、定期的に魏無羨に個人的な講義を受けさせ、魏無羨を雲深不知処にいる者としてふさわしい振る舞いの持ち主にしようと尽力していた。

それは、個人的感情よりも、仙督となった甥の藍忘機への想いを優先した、叔父としての配慮からだと、魏無羨も、認識していたのだった。


そんな考えもあって、

「藍湛が、俺を藍家の席に呼ぶのは、叔父さんには不本意だと思う」、と言った魏無羨に、藍忘機がかぶりを振った。

「君を藍家の新年会に呼んだのは、叔父だ」

「え?そうなのか?」

「ん」、と藍忘機が頷いた。

「兄も、君を招待したいと言っている」


…うーん…。沢蕪君…。

これは、気遣いなのか?
それとも、密かにこの状況を楽しんでいるのか、どっちだろう?

魏無羨は、脳裏に。

藍忘機と優劣つけがたいほど美しい容姿の持ち主であり、いつもやわらかな微笑をたたえながらも、正直、内心で何を考えているのか分からない時がある藍忘機の兄、藍曦臣を思い浮かべながら、首をひねった。

しかし、こうなっては、もう、魏無羨が明日の藍家の集まりから逃れる口実が見当たらない。

姑蘇藍氏全体の新年祝いの会とは別に、藍家の人々から直々に招待されたもの。

…これは、もう正式に、俺が藍湛の“道侶”として、藍家に認められたってことでいいのかな?

魏無羨は、そんな事を考えながら、目の前の藍忘機を、まじまじと見つめた。

「食事の前に、何か尋ねたいことはあるか?」

食不言の規則のため、食事中は話さない。

そんな姿勢の藍忘機が、魏無羨に問うた。

「うん。藍湛、藍家の新年の祝い方を教えて欲しい。集まって、何か特別なことでもするのか?」

ただ、集まるだけでは無いだろう。

まさか、あの4000以上もある規則を全部音読するとか。
その後、鍛練初めとか言って、逆立ちしながら、礼拝するとか。
並んで、剣の素振りを1000回するとか…。

魏無羨の頭の中で、姑蘇藍氏というより、藍家に関しての心的形象が、突拍子もない方向に展開されていたが、もし本当だとしても、何の不思議もない。と魏無羨は思っていた。

そんな魏無羨に、藍忘機は、伏し目がちの顔で「普通だ」と答えた。

「食事会と親睦会。昼食を共に食べた後、親睦を深めて、解散となる」

「“親睦を深める”?」

…ん? 親睦を深めるって、具体的に何をして?

魏無羨は、言葉尻を問うていたのではなく、
その内容を聞いたつもりだったが、藍忘機はただ、「家族の親睦を深める」と淡々と言った。

「…そうか。親睦会については、明日のお楽しみにしておくよ。藍湛」

魏無羨は、先ほどの自分の想像が、当たらずも遠からずなのでは無いか?という疑心暗鬼にかられた。

「藍湛、聞きたいことがまだある」

魏無羨が言った。

「まず、俺以外で、藍家の集まりに招待された人はいないのか?」

雲深不知処には、帰省せずに新年をここで迎える姑蘇藍氏の門下生達もいたはずだった。
しかし、おそらく彼らは、門下生達だけで祝日を過ごすことだろう。

そんな事は予想済みの魏無羨だったが、藍家の3人に囲まれて過ごす時間に、誰でもいいから、賑やかしが欲しい。

そんな気持ちで尋ねた魏無羨に、藍忘機は、「思追」と言った。

「思追!」

…そうだ!思追がいる。

魏無羨は、とたんに息を吹き返したようになった。

「もしかして、思追は、毎年、藍湛と一緒に新年を祝っていたのか?」

小さく頷いた藍忘機に、魏無羨は、笑顔になった。

「じゃあ、藍家の親睦会は、思追と一緒に過ごせるんだな」

そう言った魏無羨に、藍忘機は、かぶりを振った。

「思追は、親睦会には参加しない。
彼は食事会の後、雲深不知処を出る」

「ん?なんで雲深不知処を出るんだ?」

…春節の買い出しか?

不思議そうに首をかしげる魏無羨に、藍忘機が「思追は、家族と過ごす」と言った。

藍忘機の“家族”という言葉に魏無羨がハッとなった。

…温寧。

屍傀儡となった温寧、字は温瓊林。
世間では、「鬼将軍」という称号で呼ばれていたが、今は、『恐ろしい存在』というより、人々を助ける“闇の英雄”という印象を持たれつつあるようだった。

温寧は、かつて、魏無羨と藍思追が暮らしていた、夷陵の乱葬崗を拠点とし、
時々、姑蘇藍氏の弟子達と一緒に闇狩りもしていた。

そして、温寧のいとこの息子である藍思追とは、離れて暮らしていても、
連絡を交わし合っていることを、魏無羨は知っていた。

再会した二人が、家族として、一緒に新年を過ごせることは良かった、と魏無羨は心から思った。

「だけど、大丈夫なのか?」

魏無羨は、唯一の気がかりを口にした。

「思追が、温寧と共に新年を過ごすこと。先生は知っているのか?」

藍啓仁は、藍思追が、元、温氏の者であることを知っていて、姑蘇藍氏一門の弟子としていたが、温寧のことは、心よく思っていない雰囲気だった。

「問題ない。叔父が許可している」

藍忘機の言葉に、魏無羨が目を丸くした。

「それも、初耳だ」

ややあって、気を取り直した魏無羨がボソっと拗ねたように呟いた。

「何だよ。藍湛。新年の藍家の集まりも、思追が温寧と過ごすことも、俺が知らないうちに、決まっていたなんて。何で教えてくれなかったんだよ?」

「君は、忙しかった」

藍忘機が、淡々と答えた。

「闇狩りが続き、遅く帰って来てもいた。
だから、伝える機会が無かった」

「確かに。でも、俺が、どんなに遅く帰ってきても、“イイこと”はしていたのに?」

上目遣いで、そう指摘する魏無羨に、藍忘機は黙した。

実際に、誘っていたのは、どちらかという、はっきりとした境が分からなくなっていても。

そして、藍忘機の言う通り、魏無羨がどんな時間に静室に戻っていても、翌日、寝所の中で、魏無羨は必ず全裸姿のまま朝を迎えていた。

深夜に、無我夢中になって藍忘機と体を重ねた記憶が、おぼろげになっていても、闇狩りでつけた覚えの無い“吸い痕”や“噛み痕”が、体のあちこちについている。

さらに、いつ洗ったか覚えがなくとも、
風呂に入ったように、全身の肌と髪は、いつも綺麗に清められていた。

日が高くなっている時刻に起きる魏無羨は、すでに仙督業務で、雲深不知処の施設内外に向かった藍忘機と日中、会うことは無かった。

ここしばらく。そんな日が、続いていても。

「“イイこと”する前に、少しくらい会話する時間もあったはずだ」

…藍湛がわざと言わなかったのか。
もしくは、そんな会話をする時間が惜しいほど、“イイこと”を優先したのか…。

どちらにしろ。

こんな大晦日の夜になって、新年の予定を伝えるとは。
しかも、半強制的な予定を。

「藍湛。何か弁解することは無いのか?」

うわてに立ち、そう問い詰める魏無羨に、藍忘機は「没有(無い)」と端的に答えた。

そして、自分の箸を取ると、話は終わりだ、とでも言うように、おもむろに食事を始めた。


冷静な顔で食事をすすめる藍忘機に、魏無羨は、むーん。と頬を膨らませて見せた。

ここで、いじけても。明日は行かない、と駄々をこねても。

藍忘機は、魏無羨の首に姑蘇藍氏の抹額を巻き付け、引っ張ってでも、
藍家の集まりに連れていくことだろう。

そんな事が分かった魏無羨は、むっつりとした顔で、藍忘機の鉄面皮を恨めし気に見つめた。
そして、箸を取ると、藍忘機に続き、食事を始めた。

こうして。

せっかく、二人きりでゆっくり過ごせる大晦日の夜の静室で。

へそを曲げた魏無羨が、夕食後も、しばらくの間、不貞腐れた体で藍忘機から背を向け、床に転がっていたのだったが、藍忘機の準備した風呂に入り、さらに、そこに藍忘機が“天子笑”の酒甕を持ってくると、すっかり機嫌を良くしていた。

そして、美味しそうに天子笑を飲んだ後、「藍湛も一緒に風呂に入ろう」と誘った。

魏無羨は、部屋の中で衣服を脱ぎ始めた藍忘機の姿を見ると、
藍忘機が入れる空間をあける為に、風呂桶の端に体を寄せた。

しばらくして、抹額と冠を外し、衣服も全て脱いで、
美しい裸体を現した藍忘機が、魏無羨のいる風呂桶の方にゆっくりと歩いてきた。

藍忘機が風呂に入ると、湯の嵩がちょうど、魏無羨の肩まで上がった。


…藍湛、俺の髪の毛を洗って。

無言の催促で、魏無羨が藍忘機から背を向けると、
藍忘機も黙したまま、手を伸ばし、魏無羨の長髪を優しく洗い始めた。

「明日の藍家の食事会。新年の祝い酒は出る?」

『禁酒』が規則の雲深不知処で、
確認するまでも無いはずの魏無羨の質問に、藍忘機が「ん」と頷いた。

「出るのか!?」

「屠蘇(とそ)」

※屠蘇:屠蘇散(漢方薬)を味醂(みりん)や酒につけこんだ正月に飲むもの。

藍忘機の言葉に、魏無羨は、予想がついていたように吐息をついた。

…『屠蘇』といっても、きっと酒度の無いものだろう。
酒は、夜、家でいっぱい飲もう。

そんなことを考えながら、魏無羨は、手に持っている天子笑をゴクゴクと飲み干した。

そして、後方で、自分の髪を丁寧に清めていく藍忘機の手を心地よく感じながら、魏無羨は目を閉じ、うっとりと風呂桶の縁の上に両腕をもたれさせた。

「今年も、今日が最後か~」

感慨深めに呟いた魏無羨の声に、藍忘機がまた「ん」と答えた。

「すげえ、いろんなことがあったな~」

魏無羨の言葉に、藍忘機は、また「ん」と答えた。

魏無羨の言う通り、『いろんなことがあった』では片付かないほど、起きた出来事は数知れず。魏無羨を取り巻く環境も変わっていた。

…でも、この1年、俺のそばには、藍湛がいた。

魏無羨は、頭の中で、それまでの事を思い起こした。

共に過去を探る旅をしている時も。
その謎が完全に解かれた時も。
危険が迫った時も。
過去の記憶で心が辛くなった時も。

いつも、藍忘機が寄り添うように、そばにいてくれた。

それは、“盟友”から、“道侶”に関係が変わっても、同じだった。

そして、きっと来年も変わらない。

俺は、藍湛のそばにいるし、藍湛は俺のそばにいる。


「ずっと、変わらない」

魏無羨の心の声が、いつのまにか、外に出ていた。

魏無羨は、洗髪を終え、手を止めた藍忘機の方に体を向けた。

そして、「何が変わらないのだ?」と不思議そうに問う藍忘機に、笑みを見せると、「今度は、俺が藍湛の髪を洗いたい」と言って、藍忘機に背を向けさせた。

藍忘機の背には、長髪でも隠し切れないほど、無数についた戒鞭痕があった。

過去に。魏無羨が、この世からいなくなった後、藍忘機が雲深不知処の中で受けた罰。

その傷痕を直視しながら、魏無羨は、藍忘機の髪を両手で丁寧に洗っていった。

…俺の過去も、藍湛のこの傷痕も変えられない。だけど・・・。

「藍湛、来年も一緒にいような」

魏無羨が言った。

「未来に何が起こるか分からないけど。
俺が、藍湛のそばにいるってことは、分かってる。
だから、一緒にいよう」

「……」

藍忘機の背から「ん」という言葉は聞こえなかった。

かわりに、藍忘機がゆっくりと魏無羨の方を振り返った。

藍忘機の、艶やかな黒髪から滴り落ちる雫が
美しい顔を伝って、風呂湯の中に流れ落ちていく。

変化の無い藍忘機の表情の中で、
魏無羨を映した薄い琥珀色の瞳だけが、小さく揺れているように見えた。

「年を越しても」

魏無羨が続けた。

「俺達は、ずっと変わらない」

…そうだろ?藍湛。

魏無羨の問いは、唇から紡ぐことが出来なかった。


「―――っ…」


風呂桶の中で。

藍忘機に強い力で抱きすくめられた魏無羨は、藍忘機の腕の中で、熱い口づけを受けた。

藍忘機の、いきなりの抱擁と接吻で体勢を崩した魏無羨は、
風呂湯から出ている顔を藍忘機の手に支えられ、溺れそうになるのを、かろうじて防がれていた。


人工呼吸のような口づけの後、顔を離しても、
魏無羨の体は、風呂湯の中で、まだしっかりと藍忘機に抱きしめられたままだった。

それが、自分の言葉に対する藍忘機の返事だと分かった魏無羨は、
藍忘機の肩口に伏せた顔を、こっそりとニヤつかせた。

「大晦日の夜は、ずっと起きていて新年の夜明けを迎える。藍家でもそうする?」

「いや」

藍忘機がかぶりを振った。

「就寝と起床は、いつも通りだ」

「ああ。藍家に例外は無いんだな」

亥の刻に寝て、卯の刻に起きる。

フッと笑った魏無羨の後ろ髪を、藍忘機が手で撫でおろした。

「君が望むなら、今年から例外に」

「え? いいのか?」

「静室では」

藍忘機がきっぱりと言った。

静室の敷地内は、雲深不知処の治外法権地帯。

藍忘機の母が住んでいた時から、そんなところがあった静室は、魏無羨が住むようになってから、さらに『例外』の家になっていた。

藍忘機の言葉に、魏無羨は、嬉しそうに笑った。

「じゃあ、一晩中、何をしようか?
藍湛がしたい事をしていいよ。藍湛は、何がしたい?」

無邪気に問う魏無羨に他意は全く無かった。

経験上、いい加減、会話の流れから、藍忘機の反応を学んでも良いはずだったのが、やはり、藍忘機が行動にうつしてから、ようやく気づく魏無羨だった。

風呂湯の中で、魏無羨の後ろ髪を撫でていた藍忘機の手が、下方に伸びた。

そして、藍忘機の指の動きに合わせ、魏無羨が、ビクリっと体を震わせると、藍忘機は、魏無羨の首元を甘噛みした。

その行為で、藍忘機が、一晩中、何を望んでいるのか、はっきりと分かった魏無羨は、藍忘機の愛撫を受けながら、「冗談だよな?」と苦笑を浮かべた。

「没有(いや)」

「一晩中じゃないよな?」

「没有(いや)」

「藍湛が他にしたいことは、アレ以外に無いのか?」

「……」

無言ではあったが、魏無羨を見つめる藍忘機の蜜飴色の瞳が、『没有(無い)』とはっきり返答していた。

風呂湯の中で。

秘め事を続行する藍忘機の熱に引き込まれた魏無羨も、
すぐに、その欲望を抑えることが出来なくなっていた。

「ん…。あぁっ…。藍湛…。藍二哥哥…」

さらに、藍忘機を煽るように、甘く囁く魏無羨に、
藍忘機は、普段、身の内に隠している美しい獣を猛らせた。

バシャバシャと、湯が派手に跳ねるのも気に留めず。
魏無羨と藍忘機は、風呂桶の中で、互いの情欲を激しくぶつけ合い始めた。

魏無羨を太腿の上に乗せた藍忘機の伸ばした足が風呂桶を蹴り、
その手が、桶の縁を強く掴んだ時。

ミシリっ…という、不吉な音が風呂桶から響いた。

その小さな音に、いち早く気づいた魏無羨が、動きを止めるように、藍忘機の顔を両手で挟んだ。

ハァ…。

あがっていた熱い息を整えた後、魏無羨が言った。

「風呂から出よう、藍湛。このまま続けたら、俺達、また風呂桶を破壊しちまう」

魏無羨の言葉に、まだ僅かに理性を残していた藍忘機が「ん」と頷いた。

新しい年をまたぐ、最後の夜に、風呂桶を壊すことは避けたい。

それでも、行為を中断したことで、内面の不満がにじみ出ているような藍忘機に、魏無羨は笑いながら、派手に口づけを落とした。

「一晩中、ヤッて、明日の朝、俺の足腰が立たない状態だったら、藍家の集まりに行かなくていい?」

そう聞く魏無羨に、藍忘機は、「いや」と答えて立ち上がると、風呂湯から出た。

そして、湯上り布がわりの、清潔な内衣を魏無羨に羽織らせると、
両腕で抱きかかえ、そのまま寝所の方に歩き出した。

「そうなったら、君をこうして運んで連れて行く」

足腰が立たなかろうと、眠っていようと。
藍忘機は、魏無羨を抱え上げ、叔父と兄の元に連れていく、と言っていた。

「…今年最後に藍湛の冗談が聞けて、嬉しいよ」

ちっとも、嬉しそうでは無い魏無羨の物言いに対し、藍忘機が「本気だ」と真面目に答えた。

…うん。藍湛は、本当に、そうするだろう。


「そんなことになったら、藍湛の叔父さんは、新年から腰抜かすだろうな」

想像から、クスクスと声に出して笑い始めた魏無羨の体を、藍忘機はやさしく寝台の上に寝かせた。

そして、面白そうに笑い続けている魏無羨の頬に手を添えると、
その素肌に指と唇を這わせていった。

藍忘機の頭の中には、もう明日のことより、今、目の前にいる恋人と愛を交わすことしか無いようだった。

魏無羨は、いつも、こんな風に、真っすぐに自分を求めてくる藍忘機の姿を見るのが、とても好きだった。

…藍湛が望むなら、一晩中して、足腰立たなくなったって、かまわない。

そう思い。

魏無羨は、藍忘機の有言実行を覚悟すると、藍忘機の体に両腕を回して目を閉じた。



―――結局、その後。


魏無羨は、新年の夜明けを見るどころか、
雲深不知処に残った姑蘇藍氏の門下生達が打つ、深夜の鐘の音すら聞けなかった。

魏無羨は、藍忘機と何度目かの愛を交わし合った後、
疲労困憊した体を、藍忘機の裸の胸に預けた。

そして、いつものように藍忘機の腕の中で熟睡し、
大晦日の夜を過ごしたのだった。




(続く)




この小説を「裏箱」に入れるか、少し迷ったのですが、
風呂の中のぬればシーン、なにをどうしていたかの詳細な描写を入れていないので、表で大丈夫かな。と。

みつばの二次小説シリーズ中、二人の初めて話(未公開)の後に、
更新予定の、裏箱系風呂話もあるので、今回は軽めに♪

やれやれ、ひと段落…では無くて、話は、まだ続きます。


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(追伸)

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