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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「胡蝶の夢酔い」(5話)です。

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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この二次小説は、「君への子守唄」の続編です。
また、この話とリンクする過去の話が、「秘密花圃」になります。




「続きを読む」からお入りください







胡蝶の夢酔い(5話)






魏無羨の手を引きながら、
静室の扉や窓を、仙術を使って、全部閉めていく藍忘機を、魏無羨は呆然と見守った。

…藍湛?

藍忘機は、優しい手つきで、魏無羨を寝台の端に座らせた。
そして、狼狽えている魏無羨の頬に、手を伸ばした。

「…食べてよいか?」

藍忘機の言葉が、魏無羨の中で、不思議な既視感を生んだ。

…これとそっくりな事があった気がする。

いや、この状況も、今の言葉も、なぜか覚えがあるのに、思い出せない。

それに、今の藍湛は酔っている。

でも…。

藍忘機の、焦点の合わない、冷めた瞳の奥に、
見ているだけで火傷しそうな熱がある。

――― この熱は、本物だ、と、魏無羨は感じた。

魏無羨は、コクリと息をのむと、覚悟を決めて頷いた。


「藍湛がそうしたいって言うなら、俺はいいよ」

そう真面目な顔で答えた魏無羨は、藍忘機を迎え入れるように両手を広げた。

ふわり、と、藍忘機の体の感触より先に、白檀の香りが魏無羨を包んだ。

少し遅れて、藍忘機の両腕が、魏無羨の体に巻き付き、
魏無羨は、身を伏せた藍忘機に抱きしめられたまま、寝台の上に仰向けに倒れこんだ。


「…藍湛・・・」

魏無羨は、藍忘機の体の重みを感じながら、目を閉じ、藍忘機の背に腕を回した。

抱き合いながら、まんじりともせず、時間がゆっくりと過ぎていく。


しばらくして。

静室の外から、夕刻を告げる鐘の音が聴こえてきた。


…ん?

うっとりと、藍忘機の体を抱きしめていた魏無羨だったが、
さすがに、ピクリとも動かず、声も発しない藍忘機を不審に感じてきた。

「藍湛…?」

「・・・・・・」

魏無羨の呼びかけにも反応しない藍忘機に、
魏無羨は、藍忘機の体にまわしていた手で、その背を軽く叩いた。

「藍湛、…藍湛。…なあ、藍湛。…もしかして寝てる?」

「・・・・・・」

魏無羨の問いに、藍忘機からは、規則正しい呼吸音しか聞こえてこない。

それは、もう、藍忘機が、完全に寝ている、という返事だった。


「はぁ~…」


魏無羨は、盛大な溜息をつくと、脱力した。

酔った藍忘機が、寝てしまうということは、分かっていた魏無羨だったが、
まさか、こんな早い時間から眠ってしまうとは、思っていなかった。

それも、これまでに無いほど、情熱的な雰囲気の中で。


…いや。…そう思っていたのは、俺だけか。

魏無羨は、心の中でぼやいた。

…藍湛は酔っているから、無意識に動いて話していただけだ。

正気に戻っても、さっきまでのことは、ほとんど、覚えていないのだろう。

その方がいい。

弟子達の前で、あんな事やこんな事をしたことを覚えていたら、
藍湛は、自主的に罰を下し、朝から晩まで、逆立ちしながら、戒板で背を叩かせそうだ。

とにかく。

藍湛は、このまま寝かせておいて、俺は、夕食を取りに雲深不知処の食堂に行こう。
藍湛も、目を覚ましたら、お腹がすいているだろうし。


そんな事を考えて、起き上がろうとした魏無羨だったが、
魏無羨を閉じ込めるように抱いている藍忘機の両腕は固く、魏無羨がどんなに頑張っても開くことが出来なかった。

「藍湛、…藍湛、ちょっと腕を上げて、俺を出してくれ。夕飯を取りに行きたい」

魏無羨は、藍忘機の耳元で訴えかけた。

「ん…」

小さく身じろぎした藍忘機に、魏無羨は、しめた、とばかり、藍忘機の両腕から逃れようとした。

だが、藍忘機は、無意識下でも、魏無羨が動く気配を察したのか、
両腕で抱く力をきつくし、さらに、両足まで、魏無羨の下半身に絡めてきた。

「藍湛っ!」

魏無羨の非難の声は、眠っている藍忘機に届いていないようだった。

いや、都合の悪いことだけは、気づかないふりをしているのだろうか・・・。

どちらにしても、寝所の中で、魏無羨の体は、藍忘機によって、完全に閉じ込められてしまった。

そして、時間だけが過ぎていく。


「ああ・・・」

…腹減った…。

魏無羨は、ぐう~~っと情けない音を奏で始めた腹を手で撫で、宥めた。

金丹の修行で、体の鍛練を行った後、
魏無羨が、食べたものといえば、薬草園の山茶花の蜜だけだった。

…もう雲深不知処の食堂は閉まってしまう。
今から外の街の方まで食事に行くのも…。

魏無羨は、自分の体に、ガッシリと両腕、両足をまわして眠っている藍忘機を見つめた。

魏無羨を抱きしめている藍忘機の体は、まるで、魏無羨を閉じ込める強固な檻のようだった。

…藍湛は、このまま朝まで起きることは無いかもしれない。
そうなれば、この“檻”は、朝まで開くことはないだろう。

魏無羨は、諦めの境地で、溜息をつくと、仕方なく、瞼を閉じた。


…でも、こんな藍湛も悪くない。

藍湛の方から、こんな風に俺を抱きしめるなんて、
“魔の乱葬塚”騒動の後の、洞窟での時以来、無かったから。

そう考え、ふふっと、微笑みながらも。

でも、これで腹が減っていなければ、もっと、良かったのに。と思った魏無羨だった。

…それに、こんな状態を何ていうんだった?

魏無羨は、空腹に加え、下腹部に、もぞもぞしたくなるような疼きを感じ、悶々としだしていた。

友情以上の想いを抱いている者が、自分の体に密着して眠っている。
それ以上、どうこうしたくても、手を出したくても、出せない状態。

…確か、蛇のなんとかって言うんだよな。

えーっと…。蛇の生煮え?蛇の生焼き?いや、蛇のかば焼き・・・。
ああ~、もう、食べることばかり浮かんじまう。


こうして。

この夜の魏無羨は、

食欲と性欲。共に、飢餓状態まで高まった渇望が満たされないことに身もだえしながら、藍忘機の熱い腕の中で「忘羨」を10回以上歌った後、ようやく眠りについた。


―――時は過ぎ・・・。


・・・ん? あれ?

高速で逃げる、鶏の丸焼きを追いかけている夢を見ていた魏無羨は、
次第に、その美味しそうな匂いを、現実の嗅覚で捕えていることに気づいた。

寝台の上で、魏無羨が目を開け、匂いのする方向に顔を向けると、
静室の中央に置かれた座卓の前で、藍忘機が朝餉の支度をしている姿が見えた。

座卓の上には、いつもの雲深不知処の食堂の朝食とは違う料理が並んでいる。

普段は、朝起きた後、しばらくボンヤリとしている魏無羨だったが、
料理と、藍忘機の姿につられ、勢いよく体を起こすと、寝所を後にした。

「藍湛」

魏無羨の溌剌とした呼び声に、藍忘機が「目覚めたか」と、魏無羨の顔を見ずに言った。

いつもの冷静な藍忘機に戻っているようだったが、どこか、気まずげな顔になっているのは、やはり、昨日のことを、おぼろげにも覚えているからだろう。

魏無羨は、藍忘機が昨日の出来事をどこまで覚えているのか、知りたかった。

だが、今は、それよりも、強烈な空腹のせいで、
目の前にある料理に、意識をほとんど持っていかれていた。

「朝から、すごい、ご馳走だ」

魏無羨が言った。

それは、誇張でも、世辞でもなく、魏無羨にとって、紛れもないご馳走だった。

座卓の上に、今だかつて、雲深不知処の中では見たことが無い料理が並んでいた。

鳥肉の丸焼き。
それも、魏無羨が好きな香草で香りづけされたもので、香辛料もふりかけてあった。

さらに、同じ香草のついた焼き魚。

魏無羨の好きな葉物と山菜が入ったスープ。

香草と、葉物。
そして、藍忘機の前に置かれている、“薬草の和え物”の出どころは、分かった。

だが、他が分からない。

「鳥と魚なんて、一体どこで手にいれたんだ?まだ街の市場もあいてない時間だったろ?」

「山と川で手にいれた」

藍忘機が答えた。

雲深不知処内では、規則で動物の殺生を禁じられている。
藍忘機の言う、山、川というのが、雲深不知処の敷地を離れた所だということが分かった魏無羨だった。

魏無羨は、器からはみ出すほど大きな鳥の丸焼きをマジマジと見つめた。

「もしかして、雲深不知処の外の森で藍湛が狩りをして、調理もしたのか?」

黙したまま、小さく頷く藍忘機に、魏無羨は、感嘆の吐息をもらした。

雲深不知処の中では禁じられていても、闇狩り等で野宿をする時は許される。

こんな風な調理も手慣れたものなのだろう。

料理には、農園の野菜の他に山菜も含まれていた。

魏無羨は、

早朝に起きた藍忘機が、厨房から調理器具と調味料を持ち出して山に行き、
狩りをした鳥と釣った魚を森でさばき、山菜を集め、野菜や香草と合わせて料理している姿を思い浮かべた。

そして、それらの材料を用いて、一人料理をしている姿まで想像すると、顔をほころばせた。


「藍湛、昨日のこと、覚えてる?」

「…君に夕食を食べそびれさせてしまった事は自覚している」

藍忘機は、魏無羨の問いの答えを濁しながらも、記憶が曖昧になっていることを伝えていた。

どこまでが現実で。
どこまでが夢なのか。

藍忘機自身、はっきりと境界がついていないのかもしれない。

でも、朝起きた時、薬草園から戻った後、夕飯を食べていないことを思い出した。
そして、魏無羨を抱きしめたまま眠っていた、という事実もある。

周囲の状況から、薬草園で何かがあって、記憶が抜け落ちていても、
魏無羨に助けられ、静室に戻ったということは分かったのだろう。

この料理は、藍忘機なりの、謝罪と礼のつもりなのだろうか?

…いや。

魏無羨は、それまでの状況証拠から、ある仮説を立てた。

…薬草庫にあった香草は、藍湛が、ひそかに籠に入れたに違いない。

あの時、俺は、この香草で料理した鳥肉や魚が好きだって話した。
礼とかじゃなくて、藍湛は、こうしようと、あの時から決めていたのかもしれない。

魏無羨は、藍忘機の対面に腰を降ろすと、
ニヤニヤしながら、藍忘機から、ご飯を盛った器を受け取った。

「俺の好きな料理ばかりだ」

「これも食せ」

藍忘機が、薬草の和え物が入った器を、そっと手で示した。

「ん?これって…食堂で出る、薬膳スープの素になるやつ?」

苦い植物だと分かっていた魏無羨には、あまり気の乗らない料理だったが、
藍忘機に勧められるまま、少しだけ味見してみることにした。

箸で少量つまんだ物を、おそるおそる口に入れた魏無羨だったが、
噛み締めた後、「うん!結構、うまい」と意外な味に目を見張った。

「擦りつぶして薬膳スープにすると苦味が増しているようだけど、
こうして、刻んで、甘辛い調味料と和えると、生で食っても、それなりにいける」

「ん…」

藍忘機の返事に、魏無羨は、藍忘機も同じように思っていたことが分かった。

「でも、雲深不知処の食堂では見たことない調理の仕方だ。
薬膳スープじゃなくて、こんな料理にすればいいのに」

そう口に出してから、魏無羨は、はた、と何かに気づいた。

静室の棚の上に置かれた花瓶の中に、新しく山茶花(さざんか)の枝が活けてあった。

濃赤と、薄紅の花の山茶花。

それを見た魏無羨の中に、ある推測が生まれた。

薬草園で、藍忘機が、山茶花の花言葉をつぶやいていた。
そして、竹酒で酔っていた時、山茶花の蜜のことを母が教えてくれた、と話していた。

だとすれば、山茶花の花言葉も、藍忘機の母親が教えてくれたものなのだろう。

…そして、おそらく、この薬草の料理も、同じように藍湛のお母さんが、子どもの藍湛に手作りで食べさせていた物かもしれない。

そこまで、考えた魏無羨は、目の前の藍忘機を感慨深めに見つめた。

「どうした?」

魏無羨の食い入るような眼差しに、藍忘機が逆に挑むような目を向けた。

…この顔。藍湛なりの照れ隠しなんだよな。
昔は、よく分からなかった藍湛の表情と考えが、だんだん分かってきたぞ。

そんな気持ちで、魏無羨は、ほころばせた顔を藍忘機に向けた。


「もしかして、藍湛も、昨日、“天女”を見た?」

そう問う魏無羨に藍湛は、きっぱりと「見ていない」と答えた。

「私のそばにいたのは、君だけだ」

「ああ、うん。その通り」


魏無羨は思った。

…たとえ、藍湛が薬草園であったことや、
静室で話していたことの大半を忘れていたとしても。

俺は、忘れない。

藍湛にとって、大切なものを。
俺にとって、大切なものを。

沢山、共有したこと。


そんな想いで、魏無羨は、ニッコリと笑って言った。

「藍湛が作ってくれた料理、一緒に食べよう」


―――好(そうしよう)。

藍忘機は、言葉のかわりに、やわらかな微笑を浮かべた。



この時の魏無羨は、まだ知らずにいた。

薬草園で、藍忘機が魏無羨に捧げた、山茶花の、赤色と薄紅色に秘められた花言葉。


―――『 誰よりも美しい君を、 永遠に愛している 』


それは、“胡蝶の夢”の中でも、藍忘機の真実だった。






(終わり)



【補足あとがき】

「胡蝶の夢(こちょうのゆめ)」とは、現実と夢が混ざっていること。

「山茶花(さざんか)」の花言葉は、「ひたむき」ですが、花の色によっても異なっているようです。

赤とピンクは、小説内で書いた意味。

赤、「あなたが一番美しい」
ピンク、「永遠の愛」

白は、「あなたは私の愛を退ける」という花言葉です。

二次小説の藍湛は、それを知っていたので、薬草園で、魏無羨に捧げる花の中から、白い花だけを、意識的に取り除いていた、という裏話的な理由があります。・・・という話があったのですが、2話を読んで、コメントを書いてくれた読者さんのほとんどが、花言葉の意味を先に調べてネタバレした、というブログ的裏話も(笑)

二次小説「胡蝶の夢酔い」の、詳しいあとがきは、又後日。

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