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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「胡蝶の夢酔い」(3話)です。

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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この二次小説は、「君への子守唄」の続編です。
また、この話とリンクする過去の話が、「秘密花圃」になります。




「続きを読む」からお入りください







胡蝶の夢酔い(3話)







ゆっくりと。

互いの唇をいつくしむような口づけを交わした後、
魏無羨と藍忘機は同時に目を開けた。

魏無羨は、黄色の粉がついている藍忘機の唇に目をやった。

そして、

「藍湛の唇に山茶花の花粉がついている。俺が取ってやるよ」

そう言って、もう一度、自分から藍忘機に口づけすると、顔を離した。


「雲深不知処の敷地の中で、接吻しちゃったな」

魏無羨は、悪びれもせず、言った。

…これって、雲深不知処の規則違反になるはずだけど、藍湛は、今、夢と現実を彷徨っている状態だ。この調子だと、明日には、この事を忘れてしまうことだろう。

まだ、ぼんやりとした表情をしている藍忘機に、魏無羨はそんな事を思った。

…竹水。いや、竹酒を“交杯酒”(婚姻の儀式)の形で一緒に飲んだことも、忘れてしまうかもしれない。


魏無羨は、一抹の寂しさを覚えながらも、今は、何よりも、藍忘機を無事に静室まで送ることが大事だと、思考を切り替えた。

「藍湛、これから静室に戻るけど、ちゃんと歩けるか?」

魏無羨の言葉に、藍忘機が小さく頷いてみせた。

そして、魏無羨の手を取ると、急に早足で歩き始めた。

まるで、早く歩けることを、意固地に証明するかのような藍忘機の態度。

そんな藍忘機に、引きづられるように、歩きながら、魏無羨は、懸命に足を踏みしめた。

「藍湛。そんなに急がなくていい。ゆっくり。ゆっくり」

そう言う魏無羨の声が聴こえたのか、藍忘機の歩みが遅くなった。

「うん。それでいい」

魏無羨は、ふうっと、ため息を一つつくと、
慌てて、置いていた背負い籠を取りに行った。

そして、藍忘機の元に大急ぎで戻ると、
藍忘機の腕を抱えるようにして、薬草園の出口に向かった。


…昔、俺が間違って、薬草園で魔草を食べた時も、こんな感じだったんだろうか?
いや、たしか、あの時、担架で運ばれたって、江澄は言っていたけど…。
その時、藍湛は、何をしていたんだろう?

フラフラとした足取りの藍忘機の腕を手で支え、
その横顔を見つめながら、魏無羨は、そんな事を考えた。

酔った藍忘機は、質問に、かなり正直に答えてくれることを、
魏無羨は、過去の経験で知っていた。

魏無羨は、修習生時代の“薬草園”での実習話になると、藍忘機の態度が、なぜか少しおかしくなる理由を聞きたいと思った。

「なあ、藍湛、昔のことで、質問していいか?」

薬草園を出て、雲深不知処の本道を避けつつ、
間道(わき道)の小路を歩きながら、魏無羨が尋ねた。

「ん…」

素直に頷く藍忘機に、魏無羨が、ほくそ笑むと、話を続けた。

「以前、俺が雲深不知処に学びに来ていた時の、薬草園の実習の日のことだけど…」

そこまで言った魏無羨は、
こちらに近づいてくる人の気配を察して、ギクリとなった。

茂みで視界は、まだ遮られていたが、
間道の横の方から、姑蘇藍氏の弟子達が集団で歩いてきていた。

…まずい。 このままでは、少し歩いた先で、鉢合わせてしまう。


「藍湛、急ごう」

魏無羨は、対象者からの距離と速度を頭の中で、素早く計算すると、
支えていた藍忘機の腕を両手でひっぱった。

しかし、藍忘機は、まるで、重い岩のように動かなかった。

「藍湛!」

焦った響きを含んだ魏無羨の呼びかけにも、
藍忘機は、うつろな表情で魏無羨を見やった。

そして、「急がなくていい」と言った。

「ゆっくり…ゆっくり」

ぼそぼそと、そう零す藍忘機に、魏無羨は苦笑を浮かべた。

「うん。 確かに、俺、さっきは、そう言った。
でも、状況が変わった。藍湛、出来るだけ早足になってくれ」

…さもなければ、横道を歩いている弟子たちに遭遇してしまう。


魏無羨は、こちらにどんどん近づく弟子達の気配を気にしながら、
チラチラと脇目をふった。

しかし、藍忘機は、魏無羨の言葉の意味も、今の状況も分かっていないようだった。

藍忘機は、バタバタと両足を上げ下げすると、その場で、素早い足踏みを始めた。


「・・・藍湛。 ふざけてる?」

藍忘機の行動を見つめながら、魏無羨は、全身の力が抜けていくような気分になった。

普段の藍忘機が、ふざけて事を起こすことなど、あり得ないことだったが、今は、“普通”では無い。

しらふでふざける奴には、注意すれば、何とかなるものだが、酔った状態で、“まじめ”な行動をしている者は、かえって手に負えない。

「藍湛」

魏無羨は、辛抱強く名を呼んだ。

「足を止めて」

「ん…」

頷いた藍忘機は、魏無羨の言葉に、素直に従うと、足を止めた。

ふう…。

ようやく、藍忘機の“奇行”が止み、魏無羨が小さなため息を漏らした時、
「含光君さま」「魏先輩」という声が聴こえた。

声の方を見なくても、状況が悪化したことが分かった魏無羨は、
目を閉じ、苦笑いを浮かべた。

茂みの間から、魏無羨と藍忘機の姿を見つけた姑蘇藍氏の弟子達が、
まっすぐに、こちらに向かってきていた。

やがて、複数の足音が、もうすぐそこまで来ているということを察した魏無羨は、観念すると、ゆっくりと、振り返った。

藍思追、藍景儀をはじめ、姑蘇藍氏の若い弟子達が8名、魏無羨と藍忘機の後ろに立っていた。

「含光君さま」「魏先輩」

弟子達は、二人に丁寧な揖礼をすると、顔を上げた。


「うん。こんなところで、お前達は何しているんだ?」

ここは、姑蘇藍氏の弟子達の練武場からも、学びの舎からも離れている場所だった。

「私達は、本日は、農園の世話係だったのです」

藍思追が、弟子達を代表して答えた。

「ああ。姑蘇藍氏の農園も、このあたりにあるのだったな。
今、持っているのは、そこで育てている野菜だな?」

魏無羨は、野菜の入った背負い籠をそれぞれ持っている弟子達の姿を見回して言った。

「はい。収穫した野菜を、これから、厨房に届けに行きます」

「へえ。沢山あるな」

魏無羨は、藍思追の背負い籠の中を覗き込んだ。

「じゃがいも、にんじん、玉ねぎに…ああ、これは、俺の好きな葉物だ。それと…、うーん。これは、もしかして、雲深不知処の食堂で出る薬膳スープの材料か?」

「そうです」

「はぁ…。この植物は、薬草園じゃなくて、農園で作っているんだな」

スープの味を思い出しただけで、顔をしかめた魏無羨に、藍思追に続き、藍景儀が話を続けた。

「この薬草は、薬草園にも植えられていますが、毎食料理される物なので、農園の広い敷地で栽培しています。このまま生でも食べられますよ。魏先輩がお好きなら、ここから、少し持っていきますか?」

「…藍景儀。食堂で食事している時の俺の姿を見ていて、それを言っているのか?
俺が、薬膳スープをおかわりしている所を見たことあるか?」

きょとんとしている藍景儀に、魏無羨はため息をついた。

「お前は、少し、観察眼を鍛えたほうがいい」

そう言いながら、魏無羨は、“かわいい”弟子達と、いつものように、長居して話せないことを思い出した。

…酔っている藍湛を、早く、静室まで連れていかないと。

「じゃあ、またな。お前達。野菜を落とさず、しっかり運ぶんだぞ。
ああ、その薬草は、少しくらい無くても、俺は構わないけど」

手をふり、弟子の集団から離れようとした魏無羨は、
「いこう。含光君」と声をかけ、振り返った。

しかし、そこに藍忘機の姿は無かった。

…藍湛?

魏無羨が、慌てて、藍忘機の姿を探し、小路の奥にまで目を凝らした時、
弟子達が立っている方から、ゴソゴソと、不審な物音がした。

魏無羨が、勢いよく振り向くと、

藍思追の背負い籠に手を入れ、魏無羨が『好き』と言っていた葉物を取り出している藍忘機の姿があった。

さらに、藍忘機は、薬膳スープの素となる薬草を取り出すと、
今度は、それを、ぽいっと放り出した。

…!!

魏無羨は、藍忘機の所業を、ただ、ポカンとした顔で眺めている弟子達の間をぬって、駆けると、藍忘機が放り出した薬草が地に落ちる前に、手で受け止めた。

弟子達は、姑蘇藍氏にとって大事な薬膳スープとなる薬草を、このように乱雑に扱う藍忘機に衝撃を受けているようだった。


「あ…あの、含光君さま。何かございましたか?」

藍思追が、そこにいた全ての弟子達の心を代弁するように、おずおずと藍忘機に尋ねた。

藍忘機は、藍思追の問いには答えず、黙したまま、魏無羨のそばに戻った。

そして、手にした葉物野菜を、魏無羨の背負い籠の中に、ポトリと落とすと、
いつものような、伏目がちな顔で、弟子達の前に凛と立った。


「・・・・・・」


辺りが、しんっと静まっているのは、雲深不知処の中では、当たり前の日常だったが、今はただ、違和感が漂う場と化していた。


「…こほん。だから、“観察眼”を持てってことだ」

魏無羨が、わざとらしく咳払いした後、沈黙を破るように口を開いた。

「この薬草には、問題がある」

…え…? どこがですか?

無言ではあったが、
ざわつく弟子達の空気を察しながら、魏無羨は話を続けた。

「パッと見た目には分からないかもしれないが、内部の方に異常があることもある。
含光君は、お前達が、観察眼を養う為の指導をした。…というわけで、この草は、俺が預かる」

もっともらしい講釈を垂れながら、
魏無羨は、手に持っていた薬草を、上衣の袂に入れた。

「観察眼…なるほど」

姑蘇藍氏の素直な弟子達は、魏無羨の胡散臭い話をまっすぐに受け止め、納得したように頷いていた。

しかし、その中でも“とくに優秀”な弟子、藍景儀が、早速、余計な観察眼を使った。

「先ほどから気づいていたのですが、魏先輩の唇の端に黄色い粉がついてますよ」


…ああ、山茶花の花粉か。蜜を舐めた時についたんだな。

魏無羨は、藍景儀の指摘した箇所を手の甲で拭おうとした。

そんな魏無羨に、藍思追が、「これをお使いください」と懐から、布を取り出し、魏無羨に差し出した。

「気がきくな」

魏無羨が、そう言って、藍思追の手から布を受け取ろうとした時、
そばにいた藍忘機が、スッと魏無羨の前に出て、二人の間に立ちはだかった。

「含光君様?」

目をぱちくりさせた藍思追を尻目に、
藍忘機は、黙ったまま、魏無羨との間合いをさらに詰めると、
魏無羨の顔を覗き込むように、体を寄せた。


「!?」


あまりに距離が近い藍忘機と魏無羨に、藍思追をはじめ、
若い弟子達は、目を丸くし、『何事?』という体で動向を見守った。


…まさか…藍湛は、薬草園で、俺がしたみたいに、
口づけで、花粉を取ろうとしているんじゃないだろうな?

魏無羨は、真顔で迫ってきた藍忘機に、息をのむと、
慌てて、顔の下半分を腕で覆った。

そして、そのまま、勢いよく唇を腕でこすった魏無羨は、藍忘機から数歩、後ずさった。

「含光君の“観察”で、これは、闇の気配がない物、と証明された。
もう大丈夫だ」

魏無羨は、半ば、ヤケになりながら、
苦し紛れの説明を、弟子達に向かって述べた。


…こいつらから、早く、離れなければ。


そんな思いで

「よし。含光君。行こうか」

魏無羨は、そそくさと、藍忘機の腕をとった。

そして、今度こそ―――。と魏無羨が踵を返して歩き出そうとした時。


「魏先輩。なぜ、含光君様の腕を掴んでいるのです?」

後方から、また、観察眼と“考察力”の足りない弟子、藍景儀が、呑気な声を発した。

魏無羨は、袂に入れた苦い薬草を、藍景儀の口に突っ込んでやりたい、という気持ちを抑え、顔を引きつらせながら振り返った。

「うまく歩けないから、支えてもらっている」

…“含光君”の方が。

心の中で言って、魏無羨は、わざとらしく、足をくじいている風を装った。

それで、もう悟ってくれるだろう、と考えた魏無羨だったが、
姑蘇藍氏の弟子達の受け取り方と行動は、魏無羨の予想の上をいった。

「お怪我をされているのですね。それならば、我々が、魏先輩に手をかします」

そう言って、弟子達が、わらわらと、魏無羨の周囲に集まった。

ある者は、魏無羨の背負い籠を持とうと、魏無羨の背にまわり、
他の者達は、魏無羨を藍忘機から離し、自分達の腕や肩を貸そうと、魏無羨のそばに近づいた。

「いや、いい。気をつかうな」

…姑蘇藍氏の弟子達は、しつけが良すぎる!

魏無羨が、近くに来た弟子達に困惑した顔を見せると、
それまで無言で立っていた藍忘機が動いた。

藍忘機は、魏無羨の腰に手を回すと、魏無羨の体を、グイッと、強い力で己の方に引き寄せた。

そして、とっさの事に驚き、動きを止めた弟子達を、
冷めた目で見渡すと、ゆっくりと、口を開いた。

「他是我的(彼は、私のものだ)」


…え・・・?


再び、場が、しーん、と静まり返った。





(続く)


原作「魔道祖師」の番外編「家宴」で出てくる、苦いスープの話。
「陳情令」、みつばの二次的妄想世界では、毎食出ているという設定で書いています。
自分で設定したのに、話によって、「薬草スープ」or「薬膳スープ」「香草」「薬草」と書いていて、名称統一されていませんが、同じものです。(「寒い日に」など)

コメント欄に、小説の感想、応援メッセージを書いてくださった方、ありがとうございます。
(「陳情令」以外のジャンル記事の読者の方も)

初めてコメントを書いてくださった方も、ありがとうございました!
個々では無く、まとめてになりますが、この二次小説の更新後にあとがきの中でお返事させて頂きます。

ブログへのご訪問ありがとうございました。

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