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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「秘密花圃」‐秘密の花園-(前編)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、時間軸では、魏無羨が雲深不知処の修習生だった時代の話です。

「続きを読む」からお入りください





「秘密花圃」(前編)





「俺…」

手を差し伸べ、
うっとりとした表情で、魏無羨が囁いた。

「お前ほど、綺麗なやつを見たことが無い」


「・・・・・・」


魏無羨の手と声の先にいた藍忘機は、
まるで、縛りの術をかけられたかのような体で固まり、目の前の魏無羨を凝視していた。



―――これは、魏無羨がまだ、雲夢江氏に属していた時代。
蓮花塢から姑蘇藍氏の雲深不知所に学びに来ていた、修習生時代の出来事。



姑蘇藍氏の学びの部屋、「蘭室」

「先生」と呼ばれる、姑蘇藍氏の大師匠、藍啓仁が、座している修習生たちを前に、実習の諸注意を述べていた。


「これから、雲深不知所の薬草園に案内する。そこには、体の治療に使用され、効果がある様々な薬草や樹木が植えられている。薬草に関して、皆もそれぞれの仙家で学んでいようが、地域によって、生育している植物も異なる。実際に、現地で植物を観察しながら、効能を説明するので、よく聞くように」

「はい」

修習生たちの返事に、藍啓仁は、軽く頷いた後、顎髭を手で撫でた。

「それから。これは、最も、重要な注意事項になるが…」

そう言った後、藍啓仁は、おもむろに、顔の向きを変え、
あくびをしていた魏無羨の方をジロっと睨みつけた。

「とくに、魏嬰、よく聞くのだ」

「…へ?」

いきなり名指しされた魏無羨は、大あくびで、開けていた口を閉じると、キョトンとした眼差しで、周囲を見回した。

真っ先に、少し離れた場所に座している藍忘機が、
冷ややかな視線を向けているのが目に入った。

江澄(江晩吟)は、『こっちを見るな』という顔で、魏無羨から目をそらし、
聶懐桑は、笑いを噛み締めた口元を扇で隠し、顔を伏せていた。


「先生、俺のことですか?」

己を指さし、惚けたように聞く魏無羨に、藍啓仁は、頭痛をこらえるような顔つきになった。

「…君以外で、魏嬰という名の者はいない」

藍啓仁は、魏無羨に投げつけたい気持ちを辛抱強く抑えるように、手に持っていた書物を、隣に座していた藍曦臣に渡した。

「薬草園には、薬草の他に、とくに効能を持たない花も植えられているが、それとは別に、毒草と魔草も栽培されている」

藍啓仁の言葉に、魏無羨が反応した。

「先生、毒草は分かりますが、魔草というのは、使用すれば、精神に影響を与えるという植物のことですか?」

「その通りだが、魏嬰。質問は、話を最後まで聞いてからにしなさい」

藍啓仁は、コホンと咳払いすると、話を続けた。

「これも、すでに各仙家で学んでいることと思うが、毒草は、体に害を及ぼすもの。
物や量によっては、命すら奪われる事がある植物だ。

そして、魔草には、精神だけで無く体にも影響を及ぼす作用がある。体の感覚を麻痺させ、幻覚を見せ、ひと時、夢心地にさせるが、使用を続ければ、肉体も精神も、徐々に、魔に蝕まれていく。
これらは、非常に危険な植物だが、使用法によっては、重い病気や大きな怪我の治療に効く。

雲深不知所の薬草園の、毒草、魔草の栽培場所は、薬草畑とは少し離れた所にあり、部外者は立ち入り禁止区域となっている。畑には立札があり、柵に囲まれているから、そこには絶対に近づかないように」


…絶対に近づかないように、って言われると、近づきたくなるんだよな。

そんな物騒なことを心の中で呟いた魏無羨だったが、
「とくに、魏嬰。君は」と藍啓仁に釘を刺された。

「皆も」

藍啓仁が、魏無羨から修習生たちに目線を移すと、部屋を見渡した。

「もし、この約束を破るような事があれば、君たちの属する仙門の宗主に連絡した上、雲深不知所の中でも厳罰を受けてもらう。その心づもりで、実習に赴くように」

…はい。はい。

罰はともかく、さすがに、師匠に連絡されるのは、避けたい。

もうすでに、雲深不知所で罰慣れしていた魏無羨も、そんな事を考え、大人しく実習に取り組む姿勢になった。

それでも、ふざけた態度で、藍啓仁の話にコクコクと頷いていた魏無羨は、ふと、自分に向けられている視線に気づいて、横を向いた。

藍忘機が、魏無羨を、ジッと見つめていた。

しかし、魏無羨が目線を合わすと、スッと顔を元の位置に戻し、伏し目になった。

…また、藍湛が俺のこと睨んでいた。
きっと、啓仁先生に言われて、実習先で、俺が悪さしないか、見張るつもりだな?

魏無羨は、軽い吐息をつくと、今度は江澄の方を見やって、肩をすくめて見せた。

江澄は、前にいる藍啓仁の目を気にしながら、眉をひそめ、
魏無羨に、『大人しくしていろ』という仕草をした。

こうして。


蘭室で、藍啓仁に実習前の諸注意を受けた、魏無羨を始めとした修習生たちは、藍曦臣と数人の姑蘇藍氏の門下生達に誘導され、薬草園に向かった。


雲深不知所の薬草園は、施設のある場所から、坂道をのぼり、
さらに階段を数百段上った先の山の中にひっそりと存在した。

「この周囲にある木々も薬として使用されるものです」

時折、立ち止りながら、藍曦臣が修習生たちに説明していた。

「立札には、名称と効能が記されています。
同じ木でも、薬用部分の、葉、幹、根によって効能が違うものもあります。
そして、葉や実も生食出来るものもあれば、煎じ方によっても効果が異なります。
また、実や葉の形がよく似ていても、食用と有毒の違いがある植物も存在します。
山菜や香辛料と間違えやすく、中毒症状をおこす物の区別はつけておいてください。

形と名、それぞれの効能をよく覚えておくとよいでしょう。
闇狩りで怪我をした時。手持ちの薬が無い場合など、
周囲で、治療に有効な木や薬草を見つけられれば、役立ちます」

修習生たちは、藍曦臣の話に、熱心に耳を傾けていた。

魏無羨も、真面目に藍曦臣の説明を聞いていた。
藍曦臣の話は、書物で、知っていた知識も多かったが、実際に初めて目にする植物もあった。

白檀の香りに満たされた部屋の中で、
朗々と語る藍啓仁の説法や講義を、おとなしく聞いている学習より、面白いと、魏無羨は感じていた。

数日前、雲深不知所の中の天候の荒れにより、畑の薬草は倒れ気味で、木々の枝や葉も周囲に散らばってもいた。

だが、その先に広がる光景に、初めて薬草園に来た者たちは、皆、目を奪われた。

あたり一面、沢山の種類の花が咲いていた。

それは、質素な姑蘇藍氏の印象とかけ離れた、色彩豊かで華やかな景色だった。

広い花畑に見惚れた修習生たちに、藍曦臣は、「雲深不知所内施設の、各部屋に飾る花を、ここで育てています」と言った。

「花にも効能があるものがあります。また、見た目は美しくとも、毒となる花もあります。
それは、薬草園では花畑では無く、毒草畑の方に植えられていますが、闇狩りなどで目にした時も、十分注意なさってください」


…見た目は、美しくとも、毒みたいな花か。
まるで、虞夫人みたいだな。

魏無羨は、蓮花塢で、自分によく向けられていた虞夫人の毒舌を思い出し、ボンヤリとそんな事を考えた。

しかし、虞夫人を母に持つ江澄の手前、魏無羨はそんなことは口に出さなかった。

そして、同じく虞夫人を母に持つ、師姉のことを思い出した。

今回の実習では、男性と女性は別にされていて、魏無羨の師姉、江厭離は、別地の方に赴いていた。

魏無羨は、花畑の方を見やると、
『師姉に、この花で花冠を作ってやりたかったな…』と思った。


「それでは、ここで各自、薬草を観察する時間を、しばらくとります」

薬草園の中で、主となる薬草の種類を紹介した藍曦臣が、足を止めて修習生たちに言った。

「さきほど、蘭室で説明がありましたが、毒草、魔草の畑の方には近づかないようにしてください。また、薬草も、名札や注意書きをよく読んで、触れる時は十分に注意をするように。後で、観察した薬草のことを、作文で提出して頂きます」

藍曦臣の話が終わると、魏無羨は、ニヤニヤしながら江澄と聶懐桑の方に近づいた。

「なあ、まだ行っていない、あっちの方を見にいかないか?」

「…先生と藍公子(藍曦臣)が、何度も言ってただろ?毒草の畑には近づくなと。お前は、歩いているうちに、雲深不知所の小路に、耳を落としてきたんじゃないのか?」

江澄が、嫌味っぽく魏無羨に言った。

「毒草の畑には、立札と柵があるんだろ?そこだけ近づかなきゃいい。江澄。お前が来たくないなら、無理に誘わねぇよ。聶兄はどうする?」

「私は、行きます」

聶懐桑がワクワクした面持ちで言った。

「このような景色は、不浄世では見られませんから。
ここで、いろいろな草木や花を、もっと見てみたい」

「じゃあ、行こう」

魏無羨は、聶懐桑の肩に手を回すと、共に歩き出し、
しかめっ面の江澄を置いて、薬草園の奥の方に足を運んだ。


「雲深不知所の中にこのような場所があるとは…。
人の手が加えられているのに、自然に融合した景色。はあ、素晴らしい…」

蘭室で学んでいる時。

たいてい、どんよりとした顔をしている聶懐桑も、今は、目を輝かせながら魏無羨の隣を歩いていた。

「聶兄、見ろ。あの木の実。ナツメだ。生食でも美味いんだよな。でも、まだ熟して無いか~。残念」

「魏兄は、さっきから食べられる草や実ばかり目にしていますが、お腹がすいているのですか?」

「うん。小腹がすいてきた。どこかに喰えるものは無いかな?」

そう言って、魏無羨は、キョロキョロと辺りを見回した。
そして、何かを発見すると、そこに腰を下ろして、聶懐桑を手招きした。

「この名札の植物。俺も故郷で、時々食べた葉の名前と同じだ。腹が減っている時に噛むと空腹が和らぐんだよ。味も爽やかで、口内がすっきりする」

「そうなのですか?私は初めて見ました」

「俺も。故郷で見たものとは形が違って見える。でも名札の名前と効能は同じに書かれているから、姑蘇では、こういう形に育つのだろう」

そう言うと、魏無羨は、名札の周囲に生えていた草の葉をブチブチとむしり取った。
そして、鼻に近づけ、匂いを嗅ぐと、聶懐桑が止める間も無く、その葉を口の中に入れて咀嚼しだした。

「うん。いい香りと味だ。聶兄も試してみろよ」

「え…。ええ」

聶懐桑は、魏無羨の差し出した葉を受け取ると、おずおずと口に入れた。

「本当だ。魏兄。噛むと、口だけでなく、なんだか、頭がすーっとします」

「だろう?」

魏無羨は聶懐桑とその場に腰を下ろすと、しばしの間、モグモグと葉を噛んでいた。


やがて。

魏無羨は、体がフワフワと浮きあがり、心の奥底から恍惚感が沸き上がってくるのを感じた。

…あれ?…なんだか、とっても気持ちがいい。
まるで、酒を沢山飲んで酔った時のようだ。
いや、それよりも、もっと…。例えようのない夢心地。
手足も体も凄く軽くなっている。今なら、仙剣無しで飛べそうだ。

魏無羨は、その場に、ぼーっと座り込んだままの聶懐桑を置き去りにして、フラフラと歩き始めた。

魏無羨の周囲では、つい先ほどとは、違う景色が広がっていた。

木漏れ日が、キラキラと虹色の粒となって煌き、魏無羨の元に落ちてきている。
霧に包まれ、にじんだような視界の先で、伝承でしか知らない、天界の花園が見えた。

色とりどりの花が咲き乱れた花園の中。
どこからか、伝説の天上の旋律が聴こえている。

魏無羨は、ふと、誰かが近づいてくる気配を感じ、その方向をボンヤリと振り返った。

天界の花園の中を、一人の天上人が、魏無羨の方に近づいて来た。

白い衣を身にまとい、神々しい後光を背負った、見目麗しい天女のような風貌。

魏無羨は、眩しさのあまり、まともに開かない目を必死に凝らして、その人物を見つめた。


「何をしている?」

“天女”から、低いが、よく通る美声が聴こえた。

魏無羨は、ニコニコと上機嫌な顔で、天女に「おじゃましてま~す」と言って手を振った。

“天女”は、魏無羨の前で立ち止ると、惚けた様子の魏無羨に怪訝そうに眉をひそめた。




(続く)



二次小説シリーズ「逢月編」の話、「静室の二人」で、藍忘機が言っていた、「薬草園」の話です。


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