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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「同甘共苦(どうかんきょうく)の誓い」6話です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「黎明」の続編です。


「続きを読む」からお入りください






同甘共苦の誓い(6話)





蝶を模った伝達符は、魏無羨が近づいて来るのを見計らったように、座卓の上から飛び立った。

そして、今度は、棚に置いてある白紙の束の上に止まると、しばしの間、羽を震わせ、また座卓の上に戻った。

魏無羨は、蝶がとまった白紙を1枚とると、それを座卓の上に広げた。

白紙の上に降りた青い蝶は、光を発した後、その姿を消し、
かわりに、白紙の上には、文字が描かれた。

それは、藍忘機から魏無羨への思念文だった。


『魏嬰。体調は良いか?
私の体調は良い。

今晩は、急ぎ封印術を施す必要がある塚の近くの仙家に泊る。
明晩は、別の仙家の領地に闇狩りの視察に行く。
問題がなければ、明後日の夕刻には戻る。―――藍湛』


…藍湛が律儀な人って事は分かってたけど。
ここまで“まめ”な事をするとは、新鮮な驚きだな。

魏無羨は、頬を緩ませながら、藍忘機からの手紙の文に目を通した。

「これが恋文ってやつか?俺のこと、そんなに想ってる?」

魏無羨は、藍忘機の文にむかって囁いた。

もちろん、文からの返事は無い。

藍忘機は手紙の中で、魏無羨の体調を気遣うと共に、自分の安否と居場所を知らせていた。

それは、恋文というには、色気がなく、業務連絡に限りなく近い内容だった。

しかし、静室で一緒に暮らし始めてから、藍忘機が魏無羨にこんな文(ふみ)を出したのは初めてだった。

しかも、魏無羨は、今朝も、藍忘機からの置手紙を読んでいた。
それにも関わらず、同じ日に出張先からわざわざ思念文を送ってくるとは。


ニヤニヤしながら、魏無羨は、術符を取り出した。

…俺も、生まれて初めての恋文を送るぞ。

そう考えながら、魏無羨は術符に思念を込めた。

『藍湛。俺は元気だ。
ご飯はしっかり食べろ。
仕事が終わったら、早く寝ろよ』

そう、素直に思った事を術符に込めた魏無羨の文も、
やはり、恋文という雰囲気は全く感じられないものだったが、
最後の一文に、ことさら想いを込めた。

『明後日の夜、静室で、共に茶と酒を飲むのを楽しみにしてる。』

魏無羨は、藍湛の術を真似て、思念文を赤い蝶の形にすると、それを静室の外に放った。

赤い蝶が消えるまで見送った魏無羨は、静室に香を焚いた。

その後、白檀の香りの中、魏無羨は、精神統一と体内の気の安定の為に、1刻ほど瞑想を行った。

静かな部屋の中で、
なぜか藍忘機の弾く「清心音」の琴の音が聴こえているような気がした魏無羨だった。

藍忘機の香りと幻聴のような琴の音に安らいだ魏無羨は、瞑想を終えると、
その夜は、就寝する為に早々と寝所に入った。

部屋の灯りを消し、寝台に横たわり、眠ろうとした魏無羨は、何かの気配を感じて目を開けた。

夜の帳が降りた部屋の中を、青く光る蝶がひらひらと飛んできていた。

…ん?また藍湛の思念文だ。何かあったのか?

不思議に思った魏無羨が上半身を起こすと、青い蝶は魏無羨の肩に止まった。

蝶の思念文は、今度は文字ではなく、思念話で魏無羨の脳裏に直接声を届けた。

『おやすみ、魏嬰』

そう、藍湛の声を伝えた蝶は、魏無羨の肩からふわりと飛び立った。
そして、魏無羨の顔面にまわった蝶は、そっと魏無羨の唇に止まった後、その姿を消した。

「…藍湛」


魏無羨は、青い蝶の光が完全に消えた後も、
しばらく緩んだ口元を手で覆ったまま寝台の上に座っていた。

「こんな事されたら、余計に眠れなくなるじゃないか」

ぶちぶちと小さく文句を言いながらも、魏無羨は顔のにやつきを抑えられなかった。

藍忘機に同じ返信をしようかと考えた魏無羨だったが、
律儀な藍忘機が、返信の返事もまた送ってきそうな予感がした。

…この返事は、明後日の夜、返させてもらうからな。

そんな事を、心の中で勝手に誓うと、
魏無羨は、寝台に横になり、布団を体の上に引っ張り上げた。

そして、「おやすみ。藍湛」と口にした後、
仄かに藍忘機の香りのする布団を抱きしめながら、目を閉じ眠りについた。


―――翌日。


魏無羨は、仲英との約束の刻に、姑蘇の裏街道の待ち合わせ場所に行った。

まだ来ていない仲英を待っている間、魏無羨は、この前、玉翠花が、笛を吹いていた岩の上に腰掛けて、同じように笛を吹いていた。

裏街道を歩く人々が、魏無羨の笛の音色をうっとりと聴きながら、そばを通り過ぎて行く。

出没していた屍が対処されたという話が、姑蘇藍氏から、近隣の街にまことしやかに伝えられたのだろう。

裏街道は、屍の噂話が出る以前のように、旅人や商人たちが頻繁に行き来するようになっていた。


しばらくすると、裏街道ではなく、林の中から仲英が現れた。

仲英は、外套を着た背に仙剣を背負い、
芸の道具や旅支度品が入っているような袋を担いでいた。

魏無羨は、仲英が本当にこれから旅立つことを知った。

「よおっ。魏嬰」

仲英は、今まで会った時と同じように、陽気な調子で声をかけてきた。
そして、手に持っていた2つの天子笑の酒甕の内の1つを魏無羨に差し出した。

「あんたには、大変世話になった。これは俺のおごりだ。玉家からたんまり謝礼金をはずんでもらったから遠慮せずに飲んでくれ」

「ああ、ありがとう」

ここしばらくの間、酒を飲んでいなかった魏無羨は、
仲英の持っている天子笑の酒甕を見ると、条件反射でゴクリと喉を鳴らした。

「この少し先に、見晴らしの良い場所がある。そこで飲まないか?」

「いいな。案内してくれ」

魏無羨は、仲英を姑蘇の街が一望できる丘まで連れていった。

丘につくと、仲英は、腰に手をあてて立った。
そして、「姑蘇の見納めには、最高の眺めだ」と言って、そこからの景色を満足気に見渡した。

「仲英、旅を急ぐ依頼があるのか?」

後ろで、そう問う魏無羨に、背を向けたまま仲英がかぶりを振った。

振り返った仲英は、優しい笑みを浮かべていた。

「そのあたりに座って、酒を飲もう」

魏無羨は、仲英が示した草むらに、高台の景色を眺められる向きで、並んで腰かけた。
そして、渡された天子笑の甕を仲英の持つ酒甕と合わせた後、酒を口にした。

…ああ。ひさしぶりに飲む天子笑は、また格別の味だ。

ごくごくと、水のように酒を飲んだ後、魏無羨が満足げに吐息をついた。

ふと、横を見た魏無羨は、仲英の酒がすでにほとんど無いことに気づいた。

「仲英。お前、もうそんなに飲んだのか?」

「いや。ここに来る前、『鈴々』にも酒の御裾分けをしてきた」

「鈴々?誰のことだ?」

「不浄世に属していた彼女だ」

魏無羨は、仲英の言う『彼女』というのが、姑蘇で仲英と途中まで行動を共にしていた聶氏の仙女だということが分かった。

供犠の燎火から出た魔獣に襲われた仙女は、仲英に弔われ、姑蘇の森のどこかで永遠の眠りについていた。

「そうか。彼女の名は『鈴々』といったのか」

感傷的にそう呟いた魏無羨に仲英は「いや、違う」とかぶりを振った。

「“鈴々”は、昔、道芸一座で一時期、俺が面倒を見ていた雌の野良猫の名前だ。
彼女を見ていたらあいつを思い出して、それで、彼女にはその愛称で呼んでいたことがあった」

「彼女、怒ってたんじゃないか?」

魏無羨は、苦笑を浮かべて聞いた。

「怒ってた。彼女は、綺麗なのに、いつも怒っているような顔してた。だが、笑うと、結構可愛かったんだがな」

「…仲英。お前は、ひょっとして、彼女のことを?」

…恋愛感情で、好きだったのか?

魏無羨は、薄っすらと想像していたことを尋ねた。
しかし、仲英は、はっきりとかぶりを振った。

「いや。彼女にそういう気持ちは無かった」

仲英は、酒甕を手の内でまわした。

「彼女も、俺に対して、そんな心は無かっただろう。
ただ、俺達には、どこか通じ合うものがあると感じてた。
子どもの頃に両親を亡くしたという、似た境遇のせいだろう」

そうポツポツと語る仲英の横顔を魏無羨はジッと見つめた。

魏無羨には、仲英にずっと尋ねたいことがあった。

『仲英、お前の両親の命は、十数年前、夷陵老祖のせいで奪われた』

姑蘇の森の廃屋で、金氏の男が仲英にそう言っていた。

十数年前、魔道の創始者、夷陵老祖と呼ばれていた魏無羨を討つ為に多くの仙家の者達が立ち上がり、不夜天に集まった。
あの騒乱で、命を落とした者達もいた。
その中に仲英の両親もいたのだろうか?

魏無羨が、問いかけようとした時、仲英が「俺の両親も魔獣にやられた」と言った。

「え?」

仲英は遠い目をして「その亡骸も見た」と続けた。

「当時、旅人達が通る道に魔獣が出没していた。それで、旅芸人一座の座長から依頼されて、俺の両親は闇狩りに行ったんだ。だが、狂暴な魔獣で、俺の両親以外にも何人もの仙師達が次々に倒された。魏嬰、あんたが不夜天で騒ぎを起こした頃より少し後の話だ」

だから、俺の両親のことは、お前とは無関係だ。と仲英は暗に伝えていた。

「そうか…」

魏無羨は、天子笑の酒を口に含むと、目を伏せた。

仲英の両親のことが自分とは無関係だった事が分かったが、やるせない想いが魏無羨を支配した。

そんな魏無羨に、仲英も隣で酒を煽ると、話を続けた。

「座長は、一人になった俺を、引け目もあり、養ってくれたんだろうが、良くしてくれたよ。
芸もいろいろ教わった。だが、俺は、仙師として生きるために、座長亡きあとは、一座を離れて修行を続けた。
俺は、自分でそういう道を選んで一人になったが、魔の乱葬塚を解放した彼女らは違ったのだろう」

彼女たちは居場所とすがる物を失くし、復讐という名目で、行き場の無い思いをぶつけるように、事を起こした。

「もし…」

魏無羨が口を開いた。

「もし、仲英の両親が、闇狩りじゃなくて、俺のせいで亡くなっていたとしたら。
その時、お前は俺に復讐したいと考えたか?」

魏無羨の問いに、仲英は、すぐに「分からん」とかぶりを振った。

そして、「それはその時の俺が考えることだ」と答えた。

「だが、俺には、今まで、その人間が何をしてきたかが大事じゃない。
今、何をしていて、これから何をしようとしているかだ」

無言で仲英を見つめている魏無羨に、
仲英がフッと笑うと「俺の両親がやられた魔獣のことだが」と前置きして言った。

「数年後、その魔獣を闇狩りしたのが、今の仙督。含光君だ。
俺が含光君に初めて会ったのは、その時だ」

「そうだったのか」

魏無羨は、少なからず仲英の言葉に驚いた。

「含光君は親の仇を討ってくれた恩人ってわけだ」

そう言った魏無羨に、仲英は、顔をしかめて見せた。

「自分で仇を取ろうと、ずっと修行してきたのに、目の前でさっさと片付けられた」

「アハハハ」

魏無羨は、仲英のムスっとした顔につい笑った。

…誰にでも愛想の良さそうな態度の仲英が、藍湛と会った時だけ、何故か素っ気なかったのはそういう理由か。

「少し前、含光君が、仙督なんてものに就いたと話を聞いた時は、幻滅に近い想いも抱いた」

仲英が続けた。

「だが、今回の依頼を受けて、彼がやろうとしている事が分かった。それに俺の失態の尻ぬぐいもしてもらったからな。過去の事も含めて、彼には感謝してる」

「…うん」

魏無羨は、自分が感謝されている、と言われたように嬉しくなり、顔をほころばせた。

そんな魏無羨をジッとみて、仲英がそれまで浮かべていた薄ら笑いをおさめた。

仲英が、おどけた表情をひきしめた時、
それは、何か真面目な話を始める時だった。

「魏嬰、あんたに伝えておきたいことがある。」

「何だ?」

魏無羨は、とっさに黒い数珠輪の事を思い出した。

「仲英が俺にくれた数珠輪は、本気の“誓いの双輪”だった、とか言い出すんじゃないだろうな?」

冗談めかした口調で聞いた魏無羨だったが、
まだ幾分かの疑いを拭いきれていなかった為、確認したい事項だった。

「はぁ?“誓いの双輪”?何の話だ?」

そう言って、あきれ顔で聞き返してきた仲英に、魏無羨は、
「まさか、“誓いの双輪”の意味を知らないのか?」と、自分の事を棚に上げて問い直した。

…それなら、何の問題も無い。

そうホッとした魏無羨だったが、仲英は「“誓いの双輪”の意味は知ってる。妻問い(求婚)の時や恋人に渡すやつだろ」と、あっけらかんと口にした。

「…知ってたのか?」

「ああ、だが、あの風習は、ただの流行りものだ。絆の印の飾りなんぞ、気にする奴だけ意味を持てばいい。俺は全く気にしてない。魏嬰、あんたも気にしないだろ?」

当然、という風に同意を求めてきた仲英に、魏無羨は、…気にはしないが、誤解されるのは勘弁したい。と、「ハハハ」とひきつった笑みで答えた。

「数珠輪の話じゃないとすると、仲英が俺に伝えておきたいことって何だ?」

仲英の腕輪に、そういう意味が無かったことを確認し、心の底から安堵していた魏無羨だったが、仲英の顔つきは、真剣なものに戻っていた。

「…姑蘇の森で、“依頼とは何だ?”と。仙督に問われたことだ。
仙督から夷陵老祖を引き離すように、と、俺が、金氏の男から話を持ち掛けられたってやつ。」

「その話なら、俺もその場にいたから聞いてる。そして、仲英は、その依頼を断ったとも。
そうだろ?」

「ああ。だが、まだ続きがあった」

仲英が魏無羨の方に顔を向けた。

「俺に、そんな依頼を持ち掛けたのは、あの金氏の男だけじゃない。
姑蘇の街でも、正体の分からん奴に声をかけられた。
『仙督と夷陵老祖を引き離すのに、ひと役買わないか?』と。
そいつは、姑蘇の森で騒動を起こした、あの6人の中にいなかった」

…それは、つまり・・・。

まだ、奴らの仲間が他にいるってことか?
それとも、同じことを考えてる奴が、ほかにもいる?
もしや、今回の騒動を起こした者の背後に、まだ誰かいるのか?

魏無羨が瞬時に頭の中で考えた事を悟ったように、仲英が頷いた。





(続く)




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