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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「同甘共苦(どうかんきょうく)の誓い」5話です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「黎明」の続編です。


「続きを読む」からお入りください






同甘共苦の誓い(5話)




雲深不知処の中を並んで歩いていた魏無羨と聶懐桑は、
二人には、思い出深い場所にたどり着いた。

そこは、二人が、修習生として、雲深不知処に学びに来ていた時によく遊んだ川辺だった。

そして、魏無羨が藍忘機に連れられ、雲深不知処に来て間もなくの頃、聶懐桑と偶然会った場所でもあった。

あの時、聶懐桑は、魏無羨に、いくつか意味深なことを話していた。

その時はよく分からなかった聶懐桑の話の意味を、魏無羨は、今は完全に理解できていた。


共に、川の前に佇みながら、

雲深不知処の景色に、うっとりと目を奪われている様子の聶懐桑と魏無羨は、しばらくの間、言葉を交わさなかった。

やがて、聶懐桑が、周囲の景色から、川の水面に目を落とした時、魏無羨は口を開いた。


「この前、ここで俺達が会った日。含光君に玉嬢との縁談の話をしに来ていたんだな?」

「ええ、そうです」

聶懐桑は、川の中で泳ぐ魚を目で追いながら返事をしていた。

「我が聶家は玉家とは親戚関係。
それで、仙督になられた含光君に縁談を持ち込むのに、宗主の肩書を持った私なら箔がつきます」

「玉家の者に頼まれてか?」

「ええ。もともと、この縁談話は不浄世とは関係の無いもの。
しかし、私の立場では、親戚関係であり、清河で有数の資産家でもある玉家の頼みを無碍にするわけにもいかなかったのです。簡単に言えば、私は、大人の事情で体裁を整えました」

聶懐桑は、淡々と応えた。

つまり、聶懐桑本人の意志としては、清河聶氏と姑蘇藍氏の親戚関係を結ぶことに、意識も関心も無かったと言いたいようだった。

無言の魏無羨に、聶懐桑は、浅いため息をついた。
聶懐桑が、全てを話していないと、魏無羨が悟っている事が分かったようだった。


「…そうですよ。私に最初に話を持ってきたのは、玉家の当主では無く、娘の玉翠花の方です。私に、仙督との縁談話を止めて欲しいと。彼女から、我が門下生の中で他に想っている者がいることも聞いていました。」

聶懐桑は、腰帯にさしていた扇子を取り出すと、魏無羨に内訳話を始めた。

「玉翠花は、不浄世に属していますが、それとは別に、幼い頃より知っている娘で、私にとっては姪御みたいなものです。
彼女が、含光君との縁談話を知った時は、もう世間で噂話が先行していて、家族にも話を聞いてもらえない状態だったのです。それで、玉翠花は、私にこの縁談話を無い事にして欲しいという相談を持ち掛けてきました。
彼女と交際している若者は、優秀な門下生で、私も目をかけています。
しかし、玉家は、親戚でもあり、資金の面でも不浄世にとって大きな影響力を持つ仙家。
宗主とはいえ、私の一存で、取り下げさせることも出来ない。
それで、仙督に直々にお伺いしましたが、縁談話は、最初から無かったも同然だったのです」

「…なるほど。縁談を持ち掛ける体を装って、断られに行ったんだな。
だが、もし、含光君が、この縁談を受ける気だったら、その時は、どうするつもりだったんだ?」

そう問うた魏無羨に、聶懐桑は、フッと微笑を浮かべ、「それは杞憂というものです」と言った。

「仙督はこの縁談を絶対に断ることを確信していたので」

「どうして確信していたんだ?」

「……」

魏無羨の問いには答えず、聶懐桑は、ただ魏無羨の方をちらりと見た後、扇子を開いて自身を仰いだ。

「とにかく、仙督も、玉翠花もこの縁談に反対でした。理由はそれで充分です。あとは、間に入った私が最初から無かった話にもちこめば良いこと。噂も勘違いだったとすれば、世間に広まった婚姻話も間もなく消えるでしょう」

「玉家の主には、姑蘇に来る前に何か言ったのか?先ほどやたら怯えていたが」

ここに来てからの玉家の当主は、姑蘇藍氏の藍宗主にではなく、聶懐桑の顔色を、終始、窺っていたように見えていた。

鋭い魏無羨の指摘に聶懐桑は、「大したことは話していません」と答えた。

「仙督に企みの全てを話して許しを請いなさい。そうでなければ、危険な闇術を間違って使用して世間を騒がせた罪で、財産を没収の上、処罰します。…と、そこまでは言ってませんが、そのようなことを伝えただけです」

聶懐桑にとっては、玉萃香の願いを聞き、玉家との義理もたてた上に、宗主として門下生と婚姻を結ばせることにより、玉家とのつながりをより強固にすることにもなった。
それは、最初から聶懐桑の思惑のうちだったのか、それとも、予期せずにそんな流れになったのか…。

どちらにしても、事態は全て丸く収まった。

「結果良ければ全てよし、ということか」

魏無羨が呟くように言った。

「不浄世の仙女のことは、以前から知っていたのか?金光瑤の密偵だと?」

…知っていて、その動きを泳がせていたのか?

今までの話は前置きで、本題はここからだ、というような魏無羨に、聶懐桑は、まるで気づいていないという横顔を向けていた。

「彼女が、本格的にあやしい動きを始めたのは、含光君が仙督についた頃でした」

聶懐桑が言った。

「その後、玉翠花と仙督の婚姻の話が世間に広まり、屍傀儡が連れ出されました。
しかし、彼女の行動が単独なのか、そうで無いかの見極めが不浄世の中ではつきかねました。
それで、仙督と藍宗主にもお話し、姑蘇の中で彼女の動きを見張って頂いていたのです」

清河聶氏だけでなく、他の仙家にも密偵が潜んでいる可能性がある。
そして、その者たちが姑蘇に集結し、何等かの事を企んでいる。

聶懐桑から情報を聞いていた、姑蘇藍氏宗主の藍曦臣と仙督である藍忘機も、その事を了承したうえで策を練っていたのだろう。

…しかし、どちらの策にも誤算が生じた。

姑蘇に放たれた玉家の飼い犬の屍が、仲英に発見される前に魏無羨と遭遇していた。

金光瑤の密偵達は、夷陵老祖が介入してきたことで、自分たちの計画が崩されてしまうことを恐れ、姑蘇に放していた玉家の屍傀儡も捕えなおし、事を速めた。

婚姻関係を結ぶ玉家の屍騒動を起こし、各地の封印塚を荒し、仙督となった含光君の評判を貶めた後、姑蘇の中で、最大の魔の乱葬塚の封印を解く。それも、仙督の弟子か、婚約者と噂された娘を生贄にして。

思惑が成功すれば、含光君を仙督の座から決定的に退けられると思ったのだろうか。

「…杜撰(ずさん)すぎる」

魏無羨がぼそっと言った。

自分たちの属している仙家ではなく、真の主である金光瑤を失った衝撃で、復讐に走ったにしても。
彼らの行動は短絡的で衝動的に見えた。

「まるで、自分たちの意志ではなく、何かにつき動かされて行動していたようだ」

魏無羨の独り言のような呟きに、聶懐桑は顔を上げ対面の川岸を眺めた。

「私には、彼らの思惑も考えも分かりません」

ややあって、聶懐桑がそう前置きして、口を開いた。

“不知道(知らない)”。

聶懐桑の代名詞のような口癖だった。

「“雨降って地固まる”という言葉がありますが、清河では似て非なる言葉があります。

雨によって、河が濁り、勢いを増し、洪水を起こす災害となることもあるが、その後は、不浄の物をすべて流してしまう。という意味のものです。

留まる不浄や膿を一気に流してしまいたければ、あえて洪水を起こす、という言葉です」

「巻き込まれた者は大迷惑だ」

眉をしかめた魏無羨に「その通りです」と聶懐桑が言った。

「ただ、巻き込まれる者が、事前にそれを知っていた場合は、問題ありません」

「・・・・・・」

しばらく、魏無羨と聶懐桑の間に沈黙が流れた。

魏無羨は、しゃがみこんで、河原の小石を1つ掴むと、それを川の向こう側にほおり投げた。

小石は、川には落ちず、対面の川岸に生えている木の小さな実に当たり、それを真下に落とした。
熟れた木の実は、川の中に落ち、周囲の魚たちは逃げたが、岩の上にいた沢蟹が、浮いた木の実に興味を惹かれたように近づいていた。

そんな光景をしばらく黙ったまま、聶懐桑と見つめた後、魏無羨が口を開いた。

「この前、ここで会った時。
お前が、俺に、不浄世に来ないかと誘ってくれたこと。…嬉しかった」

最後にぽつりと言った言葉に聶懐桑が魏無羨の顔を見た。

微笑を浮かべた魏無羨が聶懐桑を見つめていた。

…君には居場所がある。この世界にいてもいい。
そう言ってくれる人が、藍湛以外で、まだこの世にいたと。そう思えた。

「俺は、これからも雲深不知処にいる。
だから、聶兄が雲深不知処に来ることがあったら声をかけてくれ」

聶懐桑が、魏無羨をジッと見つめた。

「魏兄に、雲深不知処に来るようにすすめたのは、含光君ですか?」

「ああ」

「もし、私が、含光君より先に、魏兄を不浄世に誘っていたら。その時は、来てくれましたか?」

「それは…」

「いえ。いいのです」

聶懐桑は、魏無羨の返事を待たずにかぶりを振った後、
「いつも、私は遅れを取る」と呟いた。

そして、扇子を仰ぎながら、遠くの方に目を向けた。

「昔から分かっていました。
たとえ、私が先に会っていたとしても、誘ったとしても、魏兄は、あの人を選ぶ」

「…?何の話だ?」

惚けているわけではなく、
本当に何の話か分からない、というように首をかしげた魏無羨に聶懐桑は小さく苦笑した。

「魏兄のそういう所、変わりませんね」

聶懐桑が言った。

「うん。でも、俺はいろいろ変わった」

一度この世を去り、献舎されたからではない。

魏無羨自身、雲深不知処に修習生として来ていた時と、今の自分が変化しているのは感じ取っていた。

その変化は体だけでは無い。

「ただ、俺は、今の自分の変化を悪くは無いと思ってる。聶兄はどうだ?」

朗らかにそう問う魏無羨に、聶懐桑は、ただ微笑むと、視線を川に向けた。

「無自覚に変わってしまうものも、変わらねばならぬものもあります」

そう言う聶懐桑は、どこか憂いた横顔を魏無羨に向けていた。

「私の所に来てくださいと、この前言った話は、魏兄の中で、これからも留めておいてください。
景色が移り変わるように、季節が巡っても、同じ時間では無いように、世の理も変わります。人の心も。魏兄の心が変わることがあれば、いつでも不浄世にいらしてください」

「ああ…。変わってしまうものはあるよな」

魏無羨は言った。

「もう、昔したように、この川で聶兄と一緒に魚を取ることは無いだろう」

「そうですね…」

聶懐桑が寂し気な影を落とした目を伏せた。

「でも、他の川なら出来る」

「え?」

「一緒に魚を取ることが」

魏無羨が、ニヤッと笑って聶懐桑を見つめた。

「俺たちがそうしたいと思えばいつでも。そうだろ?」


「ええ。そうですね。…本当に」

聶懐桑が嬉しそうに微笑んだ。

それは、雲深不知処の木漏れ日のように柔らかな笑顔だった。

「また、姑蘇に来る時は、魏兄に土産をお持ちしますよ」

「土産?…ああ、土産な」

聶懐桑の土産と言ったら、この前、ここでもらった春本のことだろう。

思い出して、コクコクと頷く魏無羨に聶懐桑が意味ありげに笑った。

「“この前の物”は、気にいって頂けましたか?」

「ああ、うん。あれは~、なかなか良かった」

そう言った魏無羨だったが、聶懐桑から受け取った春本を、あれからゆっくり眺める時間も余裕も無かった魏無羨だった。

だが、これからは少し落ち着くだろう。


「今度も期待してる」

社交辞令でなく、本心のこもった魏無羨の言葉に聶懐桑が満面の笑みで頷いた。

笑いあった魏無羨と聶懐桑の間に、懐かしい空気が流れた。

それは、確かに。十数年前の、ここで。
あの頃の二人が互いに繋げた心と同じものだった。



それから―――。


魏無羨は、不浄世に帰っていった聶懐桑と雲深不知処の中で別れた後、食堂で夕食を食べ、静室に戻った。

時は、すでに日が落ちた夜。

暗くなった静室に灯をつけて中に入った魏無羨は、
中央に置かれた座卓の上に、青く光る蝶がとまっていることに気づいた。

それは、生き物ではなく、蝶の形をした伝達符だった。




(続く)


この話にリンクした二次小説は「風雲と隠れ月
この話とリンクしている4コマ漫画が、「隠された秘密」になります。


藍湛が出てこない話が続いているので、藍湛の中の人…dd関連話を個人的に。

ちょうど使用していたフェイスコットンが切れてしまったので、入手しようとしていたのですが、
ddの「シ〇コット」のCMを見たので、「OK♪dd。それにするよ~♪」と思ってしまった現金なみつば、という話。

ggは、じーんと泣きたくなるほど温かくて切なくなる気持ちで、好き。
ddは、忘れていた初恋を思い出すように、ドキドキときめく気持ちで、好き。

このあとがきは、ddが歌う、近々日本上陸のドラマ「Gank Your Heart」の主題歌聴きながら、書いてます。


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