FC2ブログ
管理人★みつば★の好きな小説、ドラマ、映画等の感想やイラスト、小説などの二次創作物がおかれています。
プロフィール

★みつば★

Author:★みつば★
「みつばのたまて箱」にようこそ。
管理人★みつば★です。
記事の中にお好きな物があれば
是非一緒に楽しみましょう♪

最新記事

カテゴリ
月別アーカイブ
訪問者様♪

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示
リンク
QRコード

QR

中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「同甘共苦(どうかんきょうく)の誓い」4話です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「黎明」の続編です。


「続きを読む」からお入りください






同甘共苦の誓い(4話)




雲深不知処、会客の部屋、「雅室」。

姑蘇藍氏の宗主、藍曦臣に導かれ、
清河聶氏宗主の聶懐桑、聶氏の若者、魏無羨、聶氏配下の玉家一行が、「雅室」の中に入った。

中央に藍曦臣が。

そして、右側に聶懐桑と聶氏の若者。
左側に玉家の主と、娘の玉萃香。そして、魏無羨が座った。

皆が座った後、姑蘇藍氏の門下生達が、淹れたての茶を置いて去っていった。

聶懐桑は、目の前の茶器を取り、雅室を見渡した。

「いつ見ても雅なお部屋です。その名にふさわしい」

ほおっと吐息をつき、そう言った聶懐桑に、藍曦臣が微笑を浮かべた。

魏無羨には、藍曦臣に聞きたいことが、あった。

含光君を仙督の座から廃しようと画策していた一味の4人の事。

彼らは、今、雲深不知処の中で捕らわれているはずだった。

雲深不知処の中には、かつて魏無羨が温氏領で見たような牢獄は無い。

おそらく、どこかの部屋に閉じ込め、外から強力な結界を張り、逃亡しないように見張りもつけているのだろう。

4人のうち、2人は、雇われただけの流浪人で、後の2人は、いずこかの仙門に属しているとのことだった。

彼らを尋問し、何か新たな情報は得られたのだろうか?
姑蘇で今回の事件を引き起こした者の他にも仲間はいるのだろうか?

そのような事を藍曦臣に問いたかった魏無羨だったが、今は、立ち合い人に徹しよう、と口を閉ざしていた。

一口、茶を飲み、器を下に置いた聶懐桑が、居住いをただした。
そして藍曦臣の方に向き直ると、「二哥」と、揖礼した。

「このたびのこと。わが仙門の配下の者達が、姑蘇藍氏と姑蘇、そして仙督に多大なご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます」

宗主に倣って、玉家の主も慌てて藍曦臣に揖礼した。

藍曦臣は、そっと目を伏せると、微笑で応えた。
そして、「仙督は、本日は急用で雲深不知処を留守にしていますが、言伝を預かっています」と言った。

「仙督は、不浄世の玉家の屍傀儡の件は、不問に処すとのことです」

「え…っ!」

玉家の主が、大げさな反応で顔を上げると、今聞いたことは本当か?という眼差しで、隣に座っている娘と聶懐桑の方に目を泳がせた。

そんな玉家の主を一瞥もせず、聶懐桑が「良いのですか?」と尋ねた。

仙督が罰さなくても、我が仙門で処罰しなくてはいけない。
そういう意味か?

そう改めて藍曦臣に問うているような聶懐桑に、玉家の主の顔は真っ青になっていた。

藍曦臣がそっとかぶりを振った。

「いえ。玉家は、このたびの騒動を起こした者たちに利用された、いわば被害者。禁術を使用したことも、悪用する為では無い。よって、聶宗主には、玉家に寛大なご処置をお願いしたい、ということです。藍宗主である、わたくしも同じ思いです」

「…了解いたしました」

聶懐桑が頷いた。

そして、藍曦臣に向って、再び揖礼した。

「仙督と藍宗主の御心遣いとご配慮に感謝いたします」

玉家の主と玉翠花も、聶懐桑に倣って再び、深い揖礼をした。

玉家の主にいたっては、もう頭が地面につきそうなほどになっていた。

魏無羨は、隣に座っている玉萃香が顔を上げると、…良かったな。と微笑んで見せた。

玉萃香も嬉しそうに魏無羨に微笑むと、その顔を目の前に座っている聶氏の若者に向けた。

玉家の主は、まだ顔を上げられないようで、頭を下げたままだった。

「しかし…仙督には、娘との縁談の件も詫びねばなりません」

…ん?

魏無羨だけでなく、藍曦臣も不思議そうに玉家の主を見やった。

「もう、そのお話は済んだとお聞きしていますが?」

「はい…。聶宗主に間に入っていただき、仙督には、娘との縁談は、正式にお断り頂きました。しかし、その前に世間で婚姻話の噂が広まりました。あれは…」

さほど暑くない部屋の中で、
玉家の主の額からは、多量の汗が噴き出していた。

「我が仙家の親類縁者達が先走って、周囲に話してしまったせいなのです。その時は、まだ清河の身内だけにとどまっていた話ですが、それが、今回の騒動を起こした者達の耳に入り、何等かの思惑の為に、広く吹聴されたのでしょう。そのせいで、仙督には御迷惑をおかけし、不愉快な思いもされたのでは、と。大変、申し訳ありませんでした!どうぞ、この事も仙督に良しなにお取次ぎ頂きたく…」

そう言って、玉家の主は、また、チラリと聶懐桑の方を見やった。

聶懐桑は、無言で扇子を取り出すと、自分の顔を隠すように目の前で扇子を広げた。

我、関せず。

そんな聶懐桑の無関心な横顔に、玉家の主は、ますます冷や汗を流していた。

魏無羨は、誰の助けも期待できないような玉家の主は、自業自得だという気持ちでいたが、その娘の玉萃香の心情を考えると、気の毒になっていた。

好きあっている男がいながら、身内には縁談話を持ち上げられ、さらに、その婚姻話を勝手に世間に広められていた。
器量の良い娘が、こんな目に合うのは理不尽だ。

そんな思いで、魏無羨は「含光君は気にしていない」と口をはさんだ。

その場にいる者、全員が魏無羨の方に顔を向けた。

「玉姑娘(玉家のお嬢さん)が、真に好きな人と一緒になって幸せになればいい。そうすれば、この件も水に流せる」

魏無羨の言葉に、藍曦臣と聶懐桑も、小さく頷いていた。

玉家の主は、憧れの夷陵老祖、そして、宗主達の一致した意見に異を唱えることは出来なかった。

「は、はい。その通りにいたします」

そう言って、隣の娘と、目の前に座っている聶氏の若者をちらちらと見やった。

魏無羨は、自分の思惑がうまくいった様子に、調子にのり、「二人の“誓いの双輪”も、元に戻してあげてください」と言った。

「そ、それは、もちろんです」

玉家の主は、懐から手拭を出すと、額から流れる滝のような汗をぬぐいながら答えた。

…これで、話はすべて上手くまとまった。良かった、良かった。

そう悦に入った魏無羨を隣に座っている玉萃香がジッと見つめていた。

てっきり、礼を言われると思った魏無羨だったが、玉萃香の口から出たのは別の事だった。

「魏公子が、先日まで左手首につけていた数珠輪はどうされたのですか?」

「・・・・・・」

あえて無言でいた魏無羨に、玉萃香が丁寧に聞き直した。

「仲英殿とおそろいでされていた黒い数珠輪です」

また、その場にいた全員が一斉に魏無羨の方に視線を向けた。

…美しく賢い娘さんだと思っていたが、この父にしてこの子ありだな。と、魏無羨は、内心で頭を抱えた。

「あの数珠輪は、“友達”から贈られたお守りだ。それで、昨日の闇狩りの時にその役目を終えたから無くなったんだ」

魏無羨は、“友達”という所を心持ち強調して、とくに、好奇な眼差しを向けている聶懐桑と藍曦臣に向けて発した。

しかし、玉萃香と魏無羨の会話に一番くいついたのは、やはり、この中で一番困った人物だった。

「なんと!夷陵老祖が、仲英と『誓いの双輪』をされていたとは!!」

玉家の主が身を乗り出さんばかりに、魏無羨の方を見ながら大声を出した。

…おい。今の俺の話を聞いていたか?

呆れを含んだ魏無羨の睨みの意味も全く解さずに、玉家の主は、一人盛り上がっていた。

「私は、夷陵老祖を献舎したのは『断袖(男を愛する男)』だという噂を聞いておりました。だから、夷陵老祖はてっきり、女性は駄目なのだと思いこみ、娘の縁談も含光君様にお持ちしたのです。」

「・・・・・・」

仙督との縁を持つために、含光君に娘の縁談を持ち掛けたのではなく、雲深不知処にいる夷陵老祖とお近づきになりたかった。そして、本当は、夷陵老祖に娘を娶ってもらいたいと思っていた。

そんな暴露話を、ぬけぬけと語る玉家の主に、魏無羨は、もう部屋から出ていきたい気分になっていた。

だが、隣で、さすがにひきつった表情をしている玉萃香と、目の前の婿候補の若者が憐れに思えた魏無羨は、「含光君にも娘さんにも失礼だ。それ以上話すな」と言った。

「はい。でも、根っから女好きの仲英すらも虜にされるとは。夷陵老祖。さすが、私の見込んだお方」

…誰か、こいつに禁言の術をかけてくれ。

そんな気持ちで、魏無羨は、藍曦臣の方を見た。

しかし、藍曦臣は、笑みを噛み締めた顔を伏せていた。

そして、聶懐桑も、扇子で口元を覆っていたが、
声に出して笑うのをこらえているように、肩を震わせていた。

魏無羨は、せめて、この場に、藍湛がいない事が幸いだった、と、そう思うことにした。


こうして、無事に(?)聶氏との会談も終わり、
玉家の一行と聶氏の若者は、まだ部屋に残って話をするらしい聶懐桑と藍曦臣に揖礼をして、「雅室」を出た。

「雅室」を出る前、聶懐桑は、聶氏の若者と何やら小声で話をしていた。

魏無羨は、聴き耳を立てていたわけでは無かったが、
とくに他の仙家の者に聞かれて困るという秘密裏な内容ではなく、あたりさわりない報告事項のようだった。

聶氏の若者は、この後も玉家の親子に付き添い、聶懐桑とは行動を別にするようだった。

魏無羨は、姑蘇藍氏の門下生のかわりに、玉家の親子と、聶氏の若者を雲深不知処の結界門まで見送った。

結界門の前に来るまでに、魏無羨は、玉家の主から、今夜は姑蘇の宿に泊まり、仲英を招いて宴席をもうけ、明日、聶氏領の清河に戻るという話を聞いた。

魏無羨は、夷陵老祖にもぜひお越しいただきたい、と熱心に口説く、玉家の主の誘いを、丁寧かつ、きっぱり、はっきり、しっかりと断った。

しかし、魏無羨は、師姉の声に似ている玉萃香には、去り際、思わず声をかけていた。

「あの…」

「はい?」

…その声で「羨羨」と呼ぶのを聞きたい。
でも、彼女は、師姉じゃない。

魏無羨は、ふっと微笑を浮かべると、「告辞(さようなら)」と言った。

「はい」

玉翠花が、ニッコリと微笑むと揖礼した。

「告辞(失礼いたします)」

玉萃香の笑顔に、最後に別れた師姉の面影が重なった。

…うん。さようなら。


そして、

深い揖礼で感謝の意を表した後、名残惜し気に何度も魏無羨を振り返る玉家の主と、仲睦まじく並んで去っていく玉萃香と聶氏の若者。
魏無羨は3人に手を振った後、踵を返して来た路を戻った。

しばらく歩いた後、魏無羨は、こちらに向かって来た仲英と藍思追と行き会った。

仲英の散策につきあって雲深不知処内を案内していた藍思追は、魏無羨の姿を見ると立ち止り、仲英に退出の意を示して揖礼し、魏無羨にも目礼すると、雲深不知処の施設の方に戻っていった。

魏無羨は、今度は仲英と並んで歩き出した。
そして、今来た路を戻り、再び結界門の出口の方に向かった。

「仲英、雲深不知処の散策はどうだった?」

「うーむ。山と森。それから滝と川だったな」と腕を組んで、率直に答えた仲英に魏無羨は笑った。

「ちょうどさっき、玉家の一行が街の宿に戻っていったぞ。今行けば追いつく」

「いや。俺は、後で一緒に食事をする時に会える。今は、父と娘、その恋人が水いらずで話せる時間が必要だ」

「それも、そうだな」

「魏嬰。玉家の主から誘われただろうが、今夜、街に来ないか?玉家の主が、豪勢にご馳走してくれるぞ。食べ物も、酒も、好きなだけたらふく頂ける」

「いや。俺は行かない。仲英、お前は、さっきトンずらした分、玉家の主から、しっかり礼を頂いて来い」

ハハハハハ、と仲英が豪快に笑った。

「魏嬰、あんたのその言い方。詳しく話を聞かずとも、先ほどの話し合いで何があったか想像がつく。玉家の主は、気前は良く、根も悪い者では無いが、ちと面倒くさい所があるからな。おおかた、心酔している夷陵老祖を多いに困らせるような言動を沢山したんだろう」

「ああ。お前があの場にいなくて良かったと思う」

魏無羨は本心から言った。

「まあ、あんたが今夜の宴に来たら、玉家の主に一晩中、離してもらえんだろうからな。そして、明日には熱心に清河に一緒に行こうとも誘われるだろう」

仲英が面白そうに言った。

「他人事のように…」

魏無羨が苦笑を浮かべた。

「仲英。お前も明日、彼らと一緒に清河に行くのか?」

「いや、清河には行かない。でも…」

仲英は、にやついた笑みを止めると、ジッと魏無羨を見つめた。

「俺は、明日の夕刻前に、姑蘇を旅立つ」

…え?

てっきり、仲英が、当分の間、姑蘇の街に留まると思っていた魏無羨は驚いた。

ちょうど、二人が、結界門の前に到着した時だった。

「そんなに早くたつのか?」

「玉家の依頼は遂行した。姑蘇で俺のすることは終わったんだ」

…でも。

まだ何か言おうとした魏無羨に、仲英はきっぱりと言った。

「もう決めたことだ」

完全に腹を決めたような仲英の顔と声に魏無羨は、ただ仲英の顔を仰いだ。

「魏嬰、あんたも一緒に来るか?」

「いや。俺は雲深不知処にいることに決めた」

魏無羨の言葉に仲英が、フッと笑った。

もう、すでに答えを分かっていたという顔だった。

「明日…。そうだな。申の刻(15時~17時)に裏街道で会えるか?玉嬢が笛を吹いていたあたりで。酒を買っておく。予定が空いてるなら少しつきあえ」

「ああ。行くよ」

コクリと頷いた魏無羨に、仲英は、嬉しそうに、ニッと人好きする笑みを浮かべた。

そして、歩き出し、背を向けたまま大きく手を振った。

「じゃあ、また明日な。魏嬰」

そう言って、仲英は、雲深不知処の結界門から出ていった。

魏無羨は、仲英の姿が見えなくなった後、
再び、雲深不知処の施設がある方角の坂をのぼりはじめた。

魏無羨には、もう一人、別れる前に、会って話したい人物がいた。

魏無羨が階段を上っていると、ちょうど、その人物が「雅室」から出てくる所が見えた。

藍曦臣と話を終え、去ろうとしている聶懐桑だった。

「聶兄」

魏無羨の声に、聶懐桑が振りむいた。

そして、少し離れた小路から手を振っている魏無羨の姿を認めると、微笑を浮かべた。

「魏兄」

聶懐桑は、魏無羨のいる小路の方にゆっくりと歩いて来た。

そして、向かい合った後、「沢蕪君との話は全て終わったのか?」と問う魏無羨に、聶懐桑は頷いて見せた。

「ええ。仙督のおかげで、事なきを得、魏兄のおかげで、藍宗主との話も滞りなく済みました。感謝します」

そう言って、にこっと微笑んだ聶懐桑に魏無羨も微笑を返した。

「聶兄。この後、時間があるなら、俺と一緒に雲深不知処の中を散歩しないか?」

「え…?」

本気できょとんとした様子の聶懐桑に、魏無羨は親指で森に向かう方を指さした。

「この雲深不知処の景色が好きだっただろ?昔に戻って、ちょっと歩こう」

「…ええ。いいですね」

聶懐桑は頷くと、足を踏み出した魏無羨に倣って動いた。

聶懐桑には、魏無羨が、どこに向かおうとしているのか、分かっているようだった。


木漏れ日の落ちる雲深不知処の小路を、
十数年ぶりに、旧友たちが肩を並べて歩き始めた。




(続く)




ブログへのご訪問ありがとうございます。

二次小説を気にいって頂けたら、
「白い拍手ボタン」かランキングボタンを押してお知らせください。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村



関連記事

テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

web拍手 by FC2
// ホーム //