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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「同甘共苦(どうかんきょうく)の誓い」3話です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


この二次小説は、「黎明」の続編です。


「続きを読む」からお入りください






同甘共苦の誓い(3話)




魏無羨は、藍曦臣から、聶懐桑と玉家の主が来ると聞いていた時刻に雲深不知処の「冥室」(招魂の部屋)を訪れた。

冥室の前に、藍思追が立っているのが茂みの間から見えた。

「思追」

手を振って近寄る魏無羨に、琴を背負った藍思追が振り向いた。

そこに玉翠花、聶氏の若者の姿もあった。

「魏公子」

玉翠花と聶氏の若者が魏無羨に深い揖礼をした。

「ああ、そういえば、昨晩は雲深不知処に泊られたのだったな」

「はい。魏公子と姑蘇藍氏の皆様には、助けて頂いただけでなく、こんなに良くして頂き、感謝しております。本日も、魏公子に立ち会って頂けて、とても心強い想いです。また改めて、お礼をさせてください」

「いや。俺への礼はいい。ただ、今後の事がうまく運ぶといいな」

魏無羨は、そう言って、閉じている「冥室」の扉を振り返った。

部屋の中に、玉萃香の祖母の体が、霊符により暴走を抑えた状態で安置されている。

玉家の主が訪れたら、問霊で話をし、その後、供養するということになっていた。

魏無羨は、藍思追を見やった。

「思追。お前が問霊をするんだな」

「はい」

「供養の儀式は誰が?」

…まさか、俺じゃないだろう。と魏無羨は心の中で思った。

魏無羨は、魂を昇華させるほどの浄化術を持ってはいなかった。

…含光君が留守の今、雲深不知処でその術が行えるのは、沢蕪君か、藍啓仁先生くらいの者だろう。

沢蕪君は、先日の闇狩りの疲れもあるということで、まさか、ここにおっさん…いや、先生が出張ってくるのか?。

そんな考えを頭の中で展開していた魏無羨の耳に「俺だ」という声が聞こえた。

魏無羨が声の方に勢いよく振り向くと、仙剣を背負った仲英が、こちらに歩いて来ていた。

「仲英。お前…」

目を見開いた魏無羨が言葉を続ける前に、仲英が「玉家の主に頼まれてな」と言った。

そして、仲英は、以前と全く変わらない雰囲気で魏無羨の横に並んだ。

「姑蘇藍氏の場をお借りするが、もともと俺が依頼されていたことだ。供養の儀式は俺がさせてもらう」

「大丈夫か?」

思わずそう聞いた魏無羨に「大丈夫だ」と仲英がニッと笑ってみせた。

「昨晩は宿でよく休み、宿屋の女将には、ねぎらい膳だと言って、大層なご馳走を出してもらった。今日の儀式の為に酒は控えたが、体力も霊力も万全な状態だ」

仲英の言う、宿の“ねぎらい膳”は、果物1個が豪勢についている以上のご馳走だったのだろう。

「それは、良かったな」

元気溌剌という様子で力こぶを作ってみせた仲英に、魏無羨は苦笑を浮かべながらも、心の中でほっと安堵の吐息を漏らしていた。

魏無羨が一番心配していたのは、供養の儀式のことや体調のことでは無かった。

供犠の燎火から出た魔獣の手にかかって倒れた聶氏の仙女。

一時期、玉家の依頼で共に組んでいた彼女を弔うため、姑蘇の森の中に消えた仲英は、その後、どういう心境で過ごしたのだろうか?

魏無羨は、まるで、何事も無かったかのようにふるまっている仲英の心情を慮ってしまっていた。

「玉家の主に頼まれたってことは、仲英に連絡があったのか?」

「うむ。昨晩、宿で思念文を受け取った」

仲英が魏無羨に近寄ると、玉萃香と聶氏の若者に遠慮したように、小声で耳打ちした。

「依頼料の後払い金は、約束通り渡すということを言っていたが、ありゃ相当怯えているな。何せ、仙督のお膝元に来て、藍宗主、聶宗主のいる場で、おしかりを受けるかもしれんのだ。もしかしたら、こっちに仙剣で来る途中、1度は逃亡を試みているかもしれん」

仲英は、完全に面白がって言っているようだったが、魏無羨には、冗談に聞こえないところもあった。

その時、ちょうど「冥室」へ続く路を歩いてくる藍曦臣と他の一行が見えた。

先頭に藍曦臣と並んで歩く聶懐桑の姿が。
そして、少し離れて、その後ろに聶懐桑の側近らしき者と並んで玉家の主らしき男が歩き、さらに後方に姑蘇藍氏の門下生二人が続いていた。

魏無羨は、この時、聶懐桑が間違いなく、大きな仙門の長だということを感じ取った。

広げた扇子をゆっくりと仰ぎ、藍曦臣のやや後ろを歩いている聶懐桑は、何も考えていない顔をしながらも、どこか威厳のようなものを漂わせていた。

後ろに配下の者を従わせているせいだろうか。

聶懐桑の側近らしき仙師は、すらりとした体躯で身長は藍曦臣ほど。
そして、気配を抑えていたが、仙術も体術も、かなりの使い手のようで、全く隙が無い。
玉家の主の動向を見張ると同時に、聶懐桑を守護しているのが分かった。

対して、その横にいる玉家の主は、聶懐桑よりも背は高かったが、小さくうなだれて歩く様は、引き連れられた罪人のようだった。

まるで、聶懐桑の側近に脅され連れてこられたかのような玉家の主の様子に、魏無羨は、仲英の冗談がほとんど当たっていたのではないか?という思いになった。

聶懐桑の側近らしき男が、チラリと魏無羨に目をやった。
殺気とまではいかずとも、何かを警戒するような鋭い眼差し。
魏無羨は、今までもこのような目で見られることに慣れていた。

…俺が夷陵老祖だと分かっているのだろう。
でも、安心してくれ。俺は、君の大切な宗主に危害を加える存在じゃない。

魏無羨は、そんな思いで、軽い吐息をついた。

藍曦臣達が、「冥室」に到着すると、魏無羨をはじめ、その場にいた者たちは一斉に藍曦臣と聶懐桑に揖礼した。

聶懐桑の側近と玉家の主も魏無羨たちに揖礼した。

魏無羨は、チラリと聶懐桑を見やった。

聶懐桑は、微笑を浮かべると、ただ目礼だけで魏無羨に挨拶した。

藍曦臣は、後ろを振り返ると、聶懐桑と玉家の主に言った。

「先ほどもお話しましたが、ここにいる藍思追が問霊を行います。供養の儀は仲英殿に。それから、魏公子にも立ち会って頂きます」

「…魏公子?」

玉家の主がハッとしたように顔を上げた。

「魏公子というと、あなた様は、もしや夷陵老祖でいらっしゃいますか?」

それまで意気消沈していた玉家の主が息を吹き返したように大声を発した。

気圧された魏無羨が、ただ曖昧に頷いてみせると、玉家の主は、「なんと…!」と涙ぐみ、わなわなと震えだした。

「私が長年、夢にまで見た夷陵老祖に、こんな風にお目にかかれる日が来ようとは!これも、母のお導きなのでしょうか?」

感極まって周囲を見回している玉家の主の問いに、誰一人答える者はいなかった。

寛大な態度で、黙って微笑んでいる藍曦臣以外、ある者は、うんざりと呆れた眼差しで見つめ、ある者は当惑したように視線を逸らせ、ある者は恥じた顔で俯いていた。

魏無羨は、というと、ひきつった顔を、横に立っていた仲英の方に向けた。

玉家の主を助ける前に、まず俺を助けてくれ、というような魏無羨の表情に、仲英は薄く笑った。

「藍宗主。全員揃ったようなので、儀式を始めさせて頂きたい」

仲英の言葉に、藍曦臣が「ええ」と頷いた。
そして、その場にいる者たちに「どうぞ。部屋にお入りください」と告げた。

「冥室」の扉があき、皆が部屋に入っていくなか、後ろについていた姑蘇藍氏の門下生二人は藍曦臣に揖礼すると、元来た路を戻っていった。
そして、聶懐桑の側近も、聶懐桑の視線だけで意をくんだようにその場から立ち去っていった。


その後、

冥室での供養の儀式は、滞りなく進んだ。

藍思追が、問霊で、玉萃香の祖母の霊魂を呼び出し、玉家の主と玉萃香との会話をつなげた。

玉萃香の祖母の魂の力は弱く、意識は、とぎれとぎれではあったが、“息子と孫への愛を伝えて欲しい”という想いを、藍思追が二人に伝えた。

そして更に、「安らかに眠らせて欲しい」という意を受けた玉家の主と玉萃香は、藍思追を通じて、彼女に今までの感謝と愛を伝えた。

家族の、優しく穏やかな別れだった。

問霊が終わると、供養の儀式に入った。

前もって、仲英からの要望で姑蘇藍氏が用意していた棺の中に、玉萃香が飼い犬の首輪をそっと入れた。

その後、玉萃香の祖母が横たわった棺の周囲に仲英が結界陣を描いた。
それから、印を結ぶと、仲英は、棺の上で、仙剣を何度か払うようなしぐさで振った。

棺は、青白い炎のような光に包まれたが、周りにいた者たちには、その熱は全く感じられなかった。

次第に、棺の形が薄くなり、100を数えるまでに、その姿を完全に消し去っていた。

棺が消えた後、仲英が結界陣を解いた。
そして、「終わりました」と、その場にいた者たちに告げた。

玉家の主は、ほおっと深い吐息をつくと、へなへなと、その場に腰を落とした。

そして、そのまま、仲英や、立ち会った魏無羨たちの方に、深く揖礼すると、「多謝(大変、ありがとうございました)」と震える声で言った。

玉萃香も、父の動作に続いた。

そんな二人を、藍曦臣は、微笑んで見つめ、聶懐桑は、無表情で見下ろしていた。

魏無羨には、聶懐桑の雰囲気が、自分が知っている聶懐桑の物と異なる理由が分かっていた。
そして、そのようにふるまわなくてはならない事情も。

己の仙門の配下の者が、禁忌とされていた術を勝手に使用していた。
さらに、その事を利用して、現、仙督を廃しようと画策した一味の一人も門下生だった。

その聶氏の仙女は、「封印の書」を悪用し、姑蘇の中の封印塚も荒らしていた。

仙督である含光君、藍宗主の沢蕪君、そして、姑蘇藍氏一門の働きにより、災厄を防ぐことは出来たが、ともすれば、姑蘇のみならず、仙界全体を危険に巻き込んでいた。

1つの仙門を束ねる長の宗主としての責任は重く、厳しい態度で、この局面に臨まねばならない。
聶懐桑は、そう考えているのだろう。

聶懐桑の固い表情に、魏無羨は、勝手にそんな事を思っていた。

「では、この後は、「雅室(会客の部屋)」で話をしましょう」

皆が、冥室の外に出た後、藍曦臣が言った。

「魏公子も」と顔を向けた藍曦臣に魏無羨が条件反射的に頷いた。

その横で、仲英が「俺は、席を外すことにする」と、間の抜けた口調で申し出た。

「はぁ?」

仲英以上に間の抜けた声を発したのは、玉家の主だった。

そして、仲英の方に、慌てて近寄ると、「一緒にいてくれと頼んだでは無いか?」と皆に聴こえるような声で、仲英に耳打ちした。

「儀式をするために来たが、この先の話し合いの場に、雇われただけの俺がいるのはおかしいだろう。身内のことは、身内の中で解決してくれ」

「いや。でも…。そうだ!一緒に来てくれたら、謝礼金をさらに増やすぞ?」

動揺しまくっている玉家の主にも仲英は冷めた態度だった。

「もう働き分は十分にもらったから必要ない。それに、俺は、かたっ苦しい場が苦手なんだ。出来れば、あんたらが話し合っている間、この雲深不知処の中を散策していたい。姑蘇藍氏は他の仙家より守りが固い。中に入って、このように敷地内を拝める機会など滅多にないからな」

「こ、これ!…仲英!口を慎め」

焦って、仲英を注意する玉家の主に、藍曦臣は「かまいませんよ」と声をかけた。
そして、藍思追の方に視線を送った。

藍思追は、藍曦臣の視線の意図をすぐに悟ると、仲英の前に出て「私が雲深不知処の中をご案内いたします」と言った。

仲英は、満足気な顔になると、手で顎を撫でながら、藍曦臣と藍思追を見比べた。

「へえ。話が通じる宗主に、気のいい若者だ。姑蘇藍氏の仙督も、あんたらくらい愛想があったら、もっといいのにな」

「これ!仲英!!」

玉家の主は、顔を赤くしたり、青くしたりしていた。

仲英と藍思追が連れ立って、その場から離れようとしている背中を見ながら、

…じゃあ、俺も。

という気持ちになって、つい後を追おうとした魏無羨の心を読んだように、藍曦臣が「魏公子、雅室はこちらです」とニッコリと微笑んで言った。

魏無羨にとって、沢蕪君の、ニッコリ釘差し発言は、藍忘機の冷たい視線より威圧感があった。

「…はい」

魏無羨は、憐みを請うような玉家の主のことは、もう、どうでも良い気持ちになっていたが、すがるような眼差しを向けている玉萃香の為にひと肌脱ぐことにした。

…あの時、玉姑娘(玉家のお嬢さん)に約束したからな…。

姑蘇の森で。父親の身を案じていた玉萃香に魏無羨は、こう言っていた。

『俺も口添えするよ。術の発明者は俺だからな。無関係じゃない』


魏無羨は、心の中でため息をついた。

そして、雲深不知処の森の方に歩いていく仲英と藍思追の後ろ姿を、うらやましげに見送った後、藍曦臣と聶懐桑の後ろに続いた。




(続く)



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