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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「雲山の夜と月」(5話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「迷い路」の続きになります。


「続きを読む」からお入りください







雲山の夜と月(5話)





料理とデザートを食べ終えた魏無羨と藍忘機は、食事処を出ることにした。

藍忘機に食事をおごると豪語していた魏無羨だったが、
結局、店に代金を全額支払いしたのは藍忘機だった。

魏無羨も手元に払えるだけの十分な資金はあったのだったが、
藍忘機が、魏無羨に金(かね)を出す隙を与えずに、女将に食事代を銀で支払っていた。

藍忘機から、食事代以外の手当も沢山はずんでもらった女将は、
もともと愛想のあった顔をさらに良くした。

「また、ぜひお越しくださいませ」

―――後に、この女将が魏無羨と藍忘機、二人の正体を知った時、
店の看板の横に『仙督と夷陵老祖、お墨付きの料理店』という文字を入れることになる。

それは、まだ先の話だったが、そんな女将に見送られて、魏無羨と藍忘機は店を後にした。

街の中を藍忘機と二人でもっと長く散策したい気持ちの魏無羨だったが、
歩いて雲深不知処に戻るには、それほど時間は残されていなかった。

藍忘機と並んで、街の外に出る通りを歩きながら周囲を見ていた魏無羨は、ふと足を止めた。

以前、兎の形の飴を買った露店が出ていた。

「藍湛、ここでちょっと待ってて」

そう言うと、魏無羨は、不思議そうな顔で足を止めた藍忘機をその場において、
露店に走っていった。

そして、並べられている飴の中から、棒に刺さった兎の形の飴を見つけると、
それを取って、店主に代金を渡した。

店主が、保管用に、とおまけしてくれた笹の葉と飴を手に、魏無羨が藍忘機のところに戻った。

「ほら藍湛、兎の飴。俺のおごり。食事の礼だ。」

そう言って、魏無羨は藍忘機に兎の飴の棒を差し出した。

金(かね)はもともと藍忘機の物で、飴の代金など、先ほどの食事に比べたら安い物だった。

だが、魏無羨に兎の飴を差し出された藍忘機の様子は、魏無羨が目を見張るほど変化した。

兎の飴を差し出す魏無羨に、藍忘機は、嬉しそうに口元を綻ばせた。

「ありがとう」

そう言った藍忘機の声色は、優しく甘かった。
そして、飴を受け取った藍忘機の表情は、まるで美しい花が咲いていくような風情だった。

魏無羨は思わず立ち尽くし、今の瞬間がもう一度見られるなら、この店の兎飴を全部藍忘機に買ってあげたいという気持ちになった。

藍忘機は、兎の飴をまじまじと見つめた後、「後で食して良いか?」と魏無羨に尋ねた。

「もちろん。さっき食事したばかりだから満腹だよな。菓子も食ったし。藍湛の好きな時に食べればいいよ」

そう答えて、魏無羨は飴屋の店主からもらっていた笹の葉も藍忘機に差し出した。

「ん…」

藍忘機は、魏無羨から受け取った笹の葉を兎の飴に巻くと、それを大切そうに、そっと懐の中に仕舞った。

そんな藍忘機の様子を魏無羨は、ぼーっとした眼差しで見つめていた。

…うわぁ…。藍湛の見た目が麗しいってことは分かってたけど、今日の藍湛からはさらに色気みたいなものを感じる。仲英がこの前ふざけて、藍湛の事を仙子(美人の仙女)顔負けの別嬪って言ってたけど、確かにそうだ。
こんな容姿で、仙界1と言えるほどの怪力とパワーを持つ仙人の男なんだから、人は見かけによらないってホントだよな。藍湛がもし仙子だったら・・・。

魏無羨は、心なしか、不埒な考えに至りそうな自分の思考を振り払うように、藍忘機を促して、街の出口に向かって、勢いよく歩き始めた。

二人が街を出て、雲深不知処の帰路とへと続く人気の無い林道に差し掛かった時、魏無羨は、その先で遭遇した空師の親子と犬の屍傀儡の事を思い出した。

「藍湛、食事処で聞いた話。仲英が対処を請け負っているという玉家の屍傀儡のことだけど、犬は、玉家の飼い犬で、老婆も玉家ゆかりの者なんだよな?」

魏無羨の問いかけに藍忘機が頷いた。

「老婆の屍傀儡は、玉家の何だ?」

「彼女は、今の玉家の主の母親だ」

「それは、藍湛と縁談のあった玉嬢の祖母にあたる人ということだな。でも、誰が、彼女に屍傀儡の術を施したんだ?」

「玉家の主だ」

「…そうか」

魏無羨は、藍忘機から話を聞いて考えた事が当たっていることを確信して頷いた。

「犬も母親も、情があって、復活させたかったんだな」

「だが、失敗した」

藍忘機が淡々と応えた。

「玉家の主は、それをずっと隠していた。しかし、何者かが、隠していた犬と母親の屍傀儡を連れ出し外に解き放った。しかも、清河ではなく姑蘇に。主は、腕が確かな流浪の仙術使いに秘密裏に対処して欲しいと依頼した。だが、噂は漏れ、私のところにも報告が入った。私が動く前に、魏嬰、君が犬の屍傀儡を滅していた」

「うん…。あの空師の親子に遭遇した時だな。でも、母親の屍傀儡はどうなったんだ?俺は、夷陵の闇狩りの後、彼女の行方を捜して裏街道付近を張っていたけど、陳情の音色にも反応は無かった。もうこのあたりにいないんじゃ無いか?それとも、すでに仲英に闇狩りされたのか?」

「いや…」

藍忘機がかぶりを振った。

「まだ、彼も見つけられていないようだ。しかし、彼に依頼した者が玉家の主だけでは無い事も分かっている」

「それって、どういうことだ?仲英は、誰か他の者からも何かの依頼を受けているのか?」

眉をひそめた魏無羨の顔をチラリと見た後、藍忘機は口を閉ざし、そのまま黙ったまま歩いていた。

藍忘機がこんな顔をしている時は、何か話したくないことがあるか、話せないことがある時だと、魏無羨はもう知っていた。

これ以上は自分の目と耳で確かめて知るしかない。
または、仲英に直接聞くか・・・。

魏無羨は、仲英の顔を脳裏に浮かべながら、しばし考えにふけった。

出会ってからの仲英は、魏無羨に決して嘘を言っていたわけでは無かった。
曖昧に話をごまかすことはあっても、魏無羨を騙そうとしたり、何かの策略に陥れようとしているようには見えなかった。

それに、仲英自身、魏無羨が仙督の藍忘機と一緒に暮らしていることを知っていたのだから、当然、いつか真実を知られることも分かっていただろう。

しかし、あえて魏無羨に言わなかった理由は、魏無羨が藍忘機に全てを伝えなかった想いと似ているのでは無いか?と考えた魏無羨だった。

…仲英は、山で会って、老婆の屍傀儡の話をしていた時、“闇狩りの依頼”は受けていない。と言っていた。
そして、藍湛と沢蕪君から聞いた話から考えると…。

「…俺は仲英を信じたい」

ポツリと呟いた魏無羨の言葉を聞き逃さず、藍忘機が魏無羨の方を見た。

「悪いことをする人間に見えなかった。でも、もし万一そうなら、俺の心眼が曇ってたってことになる」

独り言のように続ける魏無羨の横顔を見つめ続けながら、藍忘機は、無言のままだった。

しばしの沈黙の後、藍忘機が先に口を開いた。

「玉家の屍傀儡を放った人物が、今各地で魔物の封印塚を荒らしている者達と繋がりがあるかはまだ確証がない。だが、些細な事も大事となる。…魏嬰、君は玄武洞の魔物のことを覚えているな?」

「ああ、…覚えてる」

コクリと魏無羨が頷いた。

その昔、藍忘機と二人で閉じ込められた玄武洞。
神と崇められている玄武に似て非なる邪悪な偽玄武の魔物。
魏無羨と藍忘機は、死闘の末、倒していた。

「では、聖なる四神獣と四霊のことは知っているか?」

「もちろん。東方の青龍、南方の朱雀、西方の白虎、北方の玄武。
天地の守り神と言われている伝説の神獣だ。四霊の場合、白虎では無く、麒麟。そうだろ?」

藍忘機が頷いた。

「闇の四魔獣のことは?」

「闇の…」

魏無羨はハッとなった。

「それって…聖なる四神獣や四霊のように、あの俺たちが倒した偽玄武の他にも、まだ強大な魔物が3体この世に存在してるってことか?伝説では無く?」

藍忘機が頷いた。

「過去、それもかなり昔に、封印されたという伝承がある。でも、位置や詳細を記した文献が見つからない。おそらく温氏討伐後行方不明になっている」

「・・・・・・」

街に入る前も藍忘機から聞いていた話の続きではあったが、魏無羨は事の重大さを改めて知り、少なからず衝撃を受けていた。

偽玄武も強大な力を持った魔物だった。
だが、古代の言い伝えによれば、闇の四魔獣の中で、特に『黒龍』と呼ばれる魔物は、その姿が現れる時、世が滅亡する、とまで言われるほどの魔力と破壊力を持っているという話だった。
もし、そんな魔物が、突如、人の多く住む街に現れたら、世の混乱は想像を絶するものになるだろう。

「封印の古文書は、あの時の仙督が処分したのか、それとも、あの騒乱で消失したのか、何者かが持ち去ったのかは分からない。闇の四魔獣の事は、仙界でも伝説の域でとらえられているが、事実であることを一部の者は分かっている。そして、それが悪しきことを考える者が知っていた場合、見過ごすことは出来ない」

魏無羨は、藍忘機の話の内容にも内心驚いていたが、それと共に、こんなに饒舌な藍忘機を見るのは初めてなのではないだろうか?という思いになっていた。

そして、藍忘機は、仙督就任を妨害し、封印を荒らしている者の話をしていたが、同時に、仙督としての覚悟を話していると感じた魏無羨だった。

藍忘機の背負っていることは、魏無羨が考えていたより、ずっと重大な責務だった。

…藍湛が仙督就任を妨害している者の話をしてくれなかった、なんて、拗ねたことを一瞬でも考えた自分が恥ずかしい。

魏無羨は、そんな思いで、藍忘機の話に重々しく頷いてみせた。

…もしかして、やっぱり藍湛が仙督就任式を延期した理由もそこにあるのか?

魏無羨は藍忘機にその事を尋ねようと口を開きかけた、まさにその時、
どこかで犬がけたたましく吠える声が聞こえた。

…犬!?

「藍湛!」

魏無羨は、震え上がり、とっさに隣にいた藍忘機の後ろに回り込むと、その背に飛びついた。

いつもなら背に隠れるくらいだったのだが、魏無羨は無意識に藍忘機の背中から両手を回すと、背後から藍忘機の体を抱きしめるような形でしがみついていた。

「……」

魏無羨にしがみつかれた藍忘機は一瞬身を固くしたが、
すぐに、周囲に冷静な目を向けると、犬の姿を探した。

「魏嬰、犬は近くにはいるが、ここにはすぐに来ない」

「すぐに来ないなんて、どうして藍湛に分かるんだよ?」

藍忘機の背中に顔を伏せるように、しがみついている魏無羨の声は震えていた。

「早足で歩いて、ここから離れれば大丈夫だ」

そう諭すように言う藍忘機の声も半分聞き流して、魏無羨はただ藍忘機の体に回した両手に力を込めた。

「…足が上手く前に進まない」

苦手な犬への恐怖のあまり足がもつれていた魏無羨だった。

犬の屍傀儡と対峙した時は、空師の親子を守る為に勇気をふりしぼってみせた魏無羨だったが、今、藍忘機がそばにいるという安心感で、すっかり意気地を失くしていた。

藍忘機にかっこ悪いところを見せたくない、というプライドも、この際どうでも良くなっていた魏無羨だった。

「・・・・・・」

己の背に抱きつき震えている魏無羨に、藍忘機が小さな吐息を漏らした。

藍忘機は、自分の前身に回っている魏無羨の両手に手を置くとそっと体から外した。

そして、後ろを振り返り、藍忘機を縋り付くよう目で見ている魏無羨に優しい眼差しを向けた。

「仙剣で飛ぶ」

藍忘機は、そう言うと、手に持っていた仙剣を鞘から抜いた。

そして、背後の魏無羨に「つかまっていなさい」と告げた。

藍忘機がどうするつもりか分かった魏無羨は、素直に頷くと、藍忘機の腰におずおずと手をまわした。

藍忘機は、術を発動させると、仙剣を浮かせた。
そして、魏無羨と共に仙剣の上に飛び乗ると、地面より高く上昇した。

そのまま加速した藍忘機の仙剣は、雲深不知処に向って一気に飛び立つと、
あっという間に雲深不知処の結界門の前に到着した。

「…藍湛、ありがと」

魏無羨は、ボソリと、藍忘機に小さく礼を述べると、藍忘機の仙剣から降りた。

藍忘機は、頷き、鞘に仕舞った仙剣を手にして、雲深不知処の門に向って歩き始めた。
その後に、少々きまり悪げな顔をした魏無羨が続いた。

本来なら、後半刻ほどは二人で散歩を続けられていたのだったが、
アクシデントによって、それは突如終わりを告げた。

「藍湛は、今夜、雲深不知処を出て、今度はいつ戻ってくるんだ?」

「6日から7日のち」

「…そっか」

…今回の藍湛の仕事は長引くのか。

おそらく、さっき藍湛が話していたことと関わりがあるのだろう。
静室で、二人で過ごすのは、しばらく先になりそうだ。

そんな事を考えた魏無羨の胸に寂寥感が押し寄せていた。

あと少しで雲深不知処の結界門が見えるという場所で、藍忘機が魏無羨を振り返った。

「まだ時間がある。少し雲深不知処の中を歩こう」

…え?

驚きながらも、無意識に頷いた魏無羨を待つように藍忘機が足を止めていた。

魏無羨は藍忘機の横に並ぶと、再び足並みをそろえて雲深不知処の門をくぐった。

…藍湛?


魏無羨自身、まだ藍忘機と一緒にいたい気持ちが大きかった。

しかし、こんな風に、雲深不知処の中を歩こうと誘われたのは初めてのような気がした。

こうして歩くのも、あの、旅に出る前、雲深不知処にいる兎を二人で抱き合った時以来かもしれない。

…藍湛は、まだ俺に何か話があるのかな?

前を見つめて歩いている藍忘機の清廉な横顔に、魏無羨はそんな疑問を持った。
同時に、よく分からない己の胸の高鳴りに戸惑いを感じながら、魏無羨は藍忘機と共に雲深不知処の階段を上っていった。




(続く)




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