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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「雲山の夜と月」(2話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「迷い路」の続きになります。


「続きを読む」からお入りください








雲山の夜と月(2話)





「いらっしゃいませ」

食事処の店者の愛想良い声に迎えられた魏無羨、藍忘機の二人は、店の2階の個室に案内された。

店は、雲夢郷土の家庭料理という名目を掲げていたが、大衆食堂というより、高級感のある料亭だった。

高価な置物や、品の良い調度品に囲まれた個室。
かつての雲夢江氏の建屋の雰囲気も感じさせる、魏無羨にはどこか落ち着く空間だった。

爽やかな木の香りが満ちた、室内。
時期が外れているため、花瓶に飾られている花は蓮では無かったが、蓮の形の木彫りや、蓮花の画が飾られている。

魏無羨は、以前の雲夢江氏の宗主であり、師匠の江楓眠の部屋を思い出していた。

部屋の中を見回し、感慨にふけっている魏無羨に、対面にいた藍忘機も黙したまま座していた。

「ようこそ、いらっしゃいました」

店の女将らしき女性が二人の個室に現れ、丁寧に挨拶した。

…あ、雲夢なまり。

魏無羨は、女将の口から出た懐かしい発音に、おもわず微笑んで聞いた。

「女将さんは、雲夢の方なのですか?」

「はい。生まれも育ちも雲夢です。5年ほど前に姑蘇に来て、このお店をひらかせていただいております。お客様方は、姑蘇藍氏の仙師様とお見受けしますが…」

女将が姑蘇藍氏の姿をしている藍忘機の方をチラリと見て言った。

「昔の雲夢においでになられたことはございますか?」

「ええ。もうかなり昔のことですが」

「そうですか。では、以前の江氏宗主様はご存じですか?」

女将の言葉に、魏無羨が固い表情で頷いた。
女将は微笑みながら、昔を思い出したように懐かし気な顔になった。

「あの頃の雲夢は、素敵なところでした。
この姑蘇の街も、とても良いところですが、私にとっての理想郷は、かつての江宗主様がいらした、まさにあの時代の雲夢だったと今でも思っています」

「・・・・・・」

無言になった魏無羨に、女将も取り繕った笑みを浮かべた。

「でも、温氏襲撃で前の江宗主様が身まかられた後、若くして座に就かれた今の宗主様が、一生懸命に復興、再建してくださったおかげで、今の雲夢があります。以前と同じ雲夢ではありませんが、とても活気のある街です。今の江宗主様は、悪さをした者や、闇に魅入られた人には厳しく、容赦なく処罰しますが、身よりの無い他の土地からの流れ者や貧窮で生活に困っている人達には、温情を与え、とても良くしてくださっています。私どもが、この姑蘇に来て商売することも快く許可して頂き、さらに資金まで与えて頂きました。良い宗主様です」

…江澄が…。

魏無羨は、女将の話で心の中に、江宗主となっている江澄の姿を浮かべた。

「昔の雲夢をご存じのお客様だと嬉しくなって、つい、話しすぎてしまいました。申し訳ありません」

そう恐縮する女将に、魏無羨は「いえ」とかぶりを振った。

「今の雲夢の話を聞けて良かったです」

「最近の雲夢にはおいでになられたことは?」

「通りかかったくらいで…」

そう言葉を濁す魏無羨に女将は「機会があれば、ぜひ、おいでになられてください」
と言って、器に注いでいた茶を魏無羨と藍忘機に差し出した後、料理の献立表を座卓の上にひらいた。

「ご注文は後で伺いにまいります。おすすめの料理は、こちらに記してございます」

そう言ってお辞儀した女将は、二人のいる個室を出ていった。

献立表を見ながらも、魏無羨の心は、しばらく違うところを彷徨っていた。

そして藍忘機も、そんな魏無羨に気づきながら、手元の献立表に目を落としている体を装っているようだった。

魏無羨は、チラッと目の前の藍忘機に視線を向けた。

「藍湛は、この店で食事したことある?」

「ない」

藍忘機がかぶりを振った。

「じゃあ…。店のおすすめって書いてあるものを食べてみようかな。
他は、俺の知らない料理名も多く並んでいるけど…」

江氏領の雲夢の街も、蓮花塢が温氏の襲撃を受けた時に、あおりを受け、一度半壊的な状態になっていた。
女将の言う通り、昔のまま復興したわけでは無いことは分かっていた。

魏無羨は、献立表をざっと眺めながら、ふと、ある品書きに目を留めた。

『蓮根と排骨(豚肉)の汁物』

「・・・・・・」

江厭離、魏無羨の師姉がかつて、よく作ってくれた料理だった。
魏無羨が大好きだった師姉のスープ。

「これも食べる。俺が一番好きだった料理なんだ」

魏無羨が言って、献立表を指さして藍忘機に見せた。

「私もそれを」

藍忘機が言った。

「うん。後は、これと、これと。これも。腹が減ってるから、今はいくらでも食べられそうだ」

魏無羨は、献立の中で気になる料理をいくつもあげた。

そして、注文を取りに来た女将に、魏無羨と藍忘機は料理を注文した。

「少々お時間いただきますが」と伺う女将に、藍忘機とゆっくり話をする時間が欲しかった魏無羨は「かまいません」と答えた。

本当は、酒も飲みたかった魏無羨だった。
だが、前夜、飲みすぎた上に、朝に二日酔い姿を藍忘機に見られている。
魏無羨は、酒は我慢しようと献立表を閉じた。

料理の注文をとり、「では」と立ち去ろうとする女将を藍忘機が呼び止めた。

「酒を下さい。つまみも」

…え?

驚いて目を丸くしている魏無羨に、藍忘機は淡々と女将に酒とつまみ料理を注文した。

女将は、いったん下がった後、すぐに酒とつまみを部屋に届けた。

そして、「ごゆっくりおくつろぎください」と告げると、個室の引き戸を閉じて去っていった。

藍忘機の前に置かれた酒甕を手に取った藍忘機は、空の杯の中に酒を注ぎ入れた。
そして、それを対面にいる魏無羨に差し出した。

「あ、ありがと」

…今日の藍湛は、ちょっといつもと違う。でも、悪くない。むしろ凄くいい感じだ。

そんなことを思った魏無羨は、ニコニコしながら、藍忘機から差し出された酒をぐいっと飲みほした。

そして、「藍湛は酒を飲むなよ。夜は仕事なんだからな。これは全部俺が飲むから」

そう言って、藍忘機の目の前にあった酒甕を奪うように自分の座卓の前に置いた。

藍忘機が仕事だからという理由や、雲深不知処の規則で、気遣っていたわけではなく、藍忘機が酒を口にすると、後々、手をやくことになるということを2度ほど経験していたからだった。

魏無羨の言葉に藍忘機は、異論が無い顔で、ただ「君が全部飲んでいい」と答えていた。

魏無羨は、藍忘機に笑いかけると、手酌で酒を杯の中に注ぎ入れた。

そして、2杯目の酒を飲んだ後、魏無羨は杯を座卓に置いて、藍忘機に向き直った。


「藍湛」

魏無羨の呼びかけに、茶を口に含んでいた藍忘機が顔を上げた。

「俺、藍湛に聞きたいことがある」

お互い、話をどう切り出すか、タイミングを計っていたように見えた。
先に口を開いたのは魏無羨だった。

意を決したような魏無羨の顔に、藍忘機は小さく頷いた。

「ただ、その前に、俺から話したい。いいか?」

そう問う魏無羨に、藍忘機が再び「ん」と頷いて見せた。

「まず…ごめん」

真っ先に謝罪の言葉を述べた魏無羨の顔を藍忘機は無言のまま見つめた。

…何の謝罪だ?

そう問うているような藍忘機に顔に、魏無羨は一呼吸ついてから話し始めた。

「藍湛には関係の無いことだって言ったことだ。…俺の技が使われていた屍傀儡のこと」

魏無羨は、藍忘機をまっすぐに見つめ返して続けた。

「俺、やっぱり、ちょっと時差ボケを起こしてたみたいだ。あれから16年の時間が流れたってこと。理解しているつもりだったし、正直、時間の長さも特に気にしていなかった。実感するのは、思追や金凌の成長を見る時くらいで、俺の中身は変わってないつもりだったから。でも、やっぱり16年は長い」

魏無羨の脳裏に、現実で藍曦臣に言われたこと。夢の中で金光瑤に言われたことまで浮かんだ。

『あなたがこの世にいない間にどれほどの年月がたったと思っているのですか?』

「…ずっとこの世にいた藍湛が、どんな風に16年間を生きてきたかも知らずに…」

…16年前に自分が不夜天の崖から落ちた後、藍忘機の身に起きたことも知らずに。

魏無羨は、戒鞭痕が無数につけられた藍忘機の背中を思い出していた。
さらに、不夜天のあの騒乱の中、藍忘機の呼びかけと手を振り払って「あっちに失せろ」と言っていた自分の言葉も脳裏に蘇らせていた魏無羨だった。

「…俺は藍湛にひどいことを言った。昔も今も、だから…」

そこまで言って、自分の過去の言動を恥じたように口を閉じた魏無羨に藍忘機は小さくかぶりを振った。

「過去の謝罪は、もう聞いている」

あの雪の日の静室で。

藍忘機が言った。

「それに、今のことも。屍傀儡のことも。君は知らなかった。私に謝る必要はない」

「…うん。俺、藍湛の手を煩わせたくなかった。藍湛には他にやるべきことが沢山あるから。それに、これは、自分でけじめをつけたい事でもあった」

「それは、分かっていた」

藍忘機が頷いた。

「君ならそう思っていると考えた」

「藍湛…。でも、じゃあ、なぜ、あの時あんな顔をしたんだ?」

魏無羨が不思議そうに首をかしげた。

「あんな顔とは?」

「俺が、藍湛に、“俺がすることで藍湛が知らなくていいこともある”って言った時。まるで昔の俺に仙剣を抜く前みたいな顔してた」

「・・・・・・」

急に目を伏せ、おもむろに茶器を取り、口に含む藍忘機を見つめながら、魏無羨も、酒を入れた杯を口に運んだ。

「…君が滅したあの犬の屍傀儡のことだが」

茶を飲んだ後、器を座卓に戻した藍忘機が口を開いた。

「対処を依頼された人物がすでにいた」

「ああ、そのことは沢蕪君から聞いた。仲英の話していた年配の老婆の屍もそうだと」

顔を上げ、藍忘機が魏無羨の顔をジッと見つめた。

「その対処を依頼されていた人物というのが、彼のことだ」

「彼って…」

魏無羨が驚いて、身を乗り出した。

「まさか、仲英?」

コクリと頷く藍忘機に魏無羨は、唖然となって手に持っていた杯を危うく落としかけた。

「じゃあ、やはり、あの犬の首輪についていたのは、どこかの家紋だったんだな?そして、老婆の屍傀儡も、犬と同じゆかりの者。仲英は、その家に対処を依頼されていたってことか?」

藍忘機がまた頷いた。

「沢蕪君が藍湛も追っていた案件だと言っていたけど、どこの家の者かも知ってるのか?」

もう、誤魔化しも、秘匿も無しで聞きたい。

そんな魏無羨の顔に藍忘機は、静かに頷いた。

「清河の玉家だ」

「…玉家」

唇で小さく反復した名前に、魏無羨はハッとなって顔をあげた。

「玉家って、あの、藍湛と縁談が持ち上がってるっていう不浄世の玉嬢の仙家か?」

「ん」

藍忘機の頷きに、魏無羨は、目と口が開いたままになった。

藍忘機の口から仲英の名前が出たことだけでも驚きだった魏無羨だが、さらに、藍忘機の噂の縁談相手の家の名前まで出てくるとは。

あの、魏無羨の編み出した技が中途半端にほどこされた屍達の縁が、思いもしなかったところでつながっていた。

しかし…。冷静になって思い返せば、思い当らないことも無かった。

仲英、…仲英が裏街道で聞いたという老婆の屍の話…山で会った犬の屍傀儡…首輪…仲英が街で仙女に渡していた封印術のかかった包み。

…そういうことか。

魏無羨は、鼻の頭を指でかくと、ようやく繋がった糸に納得したように頷いた。

ただ、まだ気になっていることは残っていた。

魏無羨は、手酌で酒甕の酒を杯に注ぐと、一気に飲み干した。

そして、意を決したように口を開いた。

「藍湛、聞きたいことがある」

「何だ?」

「藍湛は…」

魏無羨は、目の前の藍忘機を見据えた。
それは、魏無羨にとって、ある意味、
闇狩りで強大な魔物と対峙した時より緊張する瞬間だった。


「藍湛は、玉家のお嬢さんと婚姻するのか?」


魏無羨が言った。




(続く)



ブログへのご訪問ありがとうございます。
予約投稿でも記事の更新時間が違ったり、連日更新では無いかもしれません。
また、拍手コメントレスは、急ぎで無い時は、シリーズ話が落ち着いてからまとめてさせて頂きます。
よろしくお願いします。

【追記】コメントで誤字(名前間違い)の御指摘ありがとうございます!
修正しました。誤字について、お気づきの点がありましたら是非お知らせください。
取り急ぎ。


みつばの二次小説を読んで頂きありがとうございました。
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