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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「雲山の夜と月」(1話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「迷い路」の続きになります。


「続きを読む」からお入りください







雲山の夜と月(1話)





……ん?


ゆっくりと瞼を開けた魏無羨は、人の気配を感じて横を向いた。

部屋の中。
座卓の前に藍忘機が座って、何か書き物をしている姿が見えた。

灯はついていないが、視界が明るい。

一昨日の夕方、魏無羨にしばらく留守にすると言って、静室を出ていった藍忘機だったが、
いつの間に戻ってきたのだろう?

魏無羨は、寝起きのボンヤリとした頭でそんなことを思った。

しかも普段だったら、魏無羨が起きる時間に藍忘機が部屋にいることは滅多にない。
いったい今が何時なのか分からなくなった魏無羨だった。

「藍湛」

魏無羨の声に藍忘機が顔を上げて、魏無羨の方を見やった。

「藍湛、今…うーん…」

起き上がり、今何時?と聞こうとした魏無羨はとっさに自分の額に手を置いた。

珍しく二日酔いを起こしているようだった。

「魏嬰」

「んん…頭が少し痛い。俺、どれだけ酒を飲んだか思い出せない」

こめかみを指で押さえ、魏無羨は顔をしかめて首を振った。

「昨晩のことを覚えてないのか?」

藍忘機が聞いた。

「昨晩…?買ってきた天子笑を部屋で飲んでいて、それから…」

「私と話をしたことは?」

「藍湛と話?…昨晩俺たち何か話してた?」

「・・・・・・」

二日酔いの頭痛に耐えるように目を閉じていた魏無羨は、魏無羨の言葉に、藍忘機が微妙な表情になったのを見逃した。

「酒甕を次々空けたことは覚えているんだけど…俺、寝所に入ったことは覚えてない。そういや、藍湛はいつ帰って来たんだ? 」

「戌の刻前に。君は床の上で寝ていた」

「藍湛が俺を寝台に寝かせてくれた?」

藍忘機が小さく頷いた。

魏無羨は昨夜の記憶を呼び起こそうと試みたが、まったく思いだせなかった。

「んー…。覚えてない。…ああ、喉がすごく乾いてる」

魏無羨の言葉に藍忘機はスッと立ち上がると、茶器に水を注いだ。
そして寝所まで運んでくると、寝台の上の魏無羨に差し出した。

「あ、ありがと」

魏無羨は藍忘機から茶器を受け取ると、水を一気に喉に流し込んだ。

「ふう…」

「平気か?」

「ああ、うん。大丈夫だ。これしきの二日酔い。ちょっと体を動かせばすぐに良くなる」

「では、これから街に行こう」

「うん…て…え?」

魏無羨が藍忘機に軽く相槌を打った後、言葉の理解が遅れてついてきた。

「何?…街?」

「体を動かせば良くなるのなら、私と一緒に一番近い姑蘇の街までいこう」

再び藍忘機が言った。

「魏嬰、君の今日の予定が無ければ」

「いや、俺の予定はないけど…」

魏無羨は目をぱちくりさせながら答えた。

「藍湛の予定は?今日は街で仕事?」

「仕事ではない」

藍忘機がかぶりを振った。

「でも、雲深不知処でやることは?」

仙督の仕事。姑蘇藍氏の弟子達の指導。最近は特に忙しそうに見えた。

「雲深不知処の門限時刻後、夜から外出するが、それまでは時間がある」

藍忘機はそう言った後、じっと魏無羨を見つめた。

魏無羨の返事を待っているようだった。
魏無羨は、ボンヤリとしていた頭が急にはっきりしだしたのを感じた。

…つまり、藍湛は、今日は夕方まで、一緒に過ごそうと言ってる?
仕事じゃなくて、ただ、一緒に街に行こうって誘ってる?

ようやく、藍忘機の話が呑み込めた魏無羨は顔を輝かせると、力強く頷いた。

「うん、いいよ。藍湛。一緒に行こう。街に」

…久しぶりに藍湛と二人で出かけられる。

無意識に満面の笑みを浮かべた魏無羨の顔に藍忘機も口元を綻ばせた。

その、藍忘機のやわらかな表情に、魏無羨は内心とても弾んだ気持ちになっていた。

そして、一昨日、重苦しい空気で別れた事が、まるで、ただの夢だったかのような気持ちになっていた。

藍忘機に話したいことが沢山あった。同時に、藍忘機に話して欲しいこともあった。

…何から話そう。
ああ、こんなことなら、もっと早く起きておくんだった。

そんなことを思いながら速攻で身支度を整え、藍忘機と一緒に静室を出た魏無羨は、もうすでに高く昇っていた太陽を恨めし気に仰いだ。

藍湛と一緒に街に行くのが楽しみで仕方ない。

そんな気持ちで、雲深不知処の中の階段も、弾んだ足取りで一気に降りたい気分の魏無羨だったが、横に並んで歩く藍忘機の歩調に合わせて歩き、それは心の中だけにとどめた。

それでも、魏無羨には、いつもは長く感じる雲深不知処の階段が、今日はなぜか短く感じられていた。

…いっそ、藍湛と並んで歩いているこの道がもっと続けば良いのに。

雲深不知処の門を出る時には、そんな事すら感じた魏無羨だった。

雲深不知処の門を出た魏無羨は、待っていたとばかりに、せきを切ったように藍忘機に話しかけ始めた。


雲深不知処の中の木の上の鳥の巣のひな達が最近巣立ってた。とか、
食堂の朝ご飯に混ざっている雑穀の種類が変わった。とか。

話したいことは沢山あったはずなのだったが、
魏無羨の口から出たのは、たわいのないことばかりだった。

それでも、魏無羨のどんな話にも、藍忘機は、「ん」と相槌を打ちながら聞いていた。

「今日は、空がとても青い。天気の良い散歩日和だな。藍湛」

「ん」

「昨日も、その前も天気は良かったよな」

「ん」

「藍湛は、一昨日と昨日はどこに何しに行ってたんだ?」

藍忘機は、隣の魏無羨にチラリと目をやった後、「近隣の仙門の領地に闇狩りの視察に行っていた」と答えた。

「闇狩りの視察って、仙督が直々にしなくてはいけないことなのか?」

魏無羨は、ようやく藍忘機に尋ねたいと思っていたことを切り出した。

仙督になってからの藍忘機は、ずっと雲深不知処の中にいることは無かった。
元々、逢乱必出の含光君ではあったが、今は仙督としての仕事で出ているようだった。

魏無羨には不思議だった。

仙界で上に立つ者。仙督自身が、闇狩りの視察にあちこち動かなくてはいけないのだろうか?
それは、配下や他の仙門の宗主達に伝えて、分担作業で任せて良いのではないだろうか?
そんな考えをぶつけるように魏無羨は藍忘機に尋ねていた。

歩きながら無言で魏無羨を見つめ返している藍忘機に「俺、仙督って仕事がよく分かってなくて聞いている。秘匿しなくてはいけない事なら、話さなくていい」と魏無羨が言った。

「いや…」

藍忘機が小さくかぶりを振った。そして、真面目なまなざしで(藍忘機が真面目では無い顔をしていること自体無いのだったが)「魏嬰、君に聞いておいて欲しいことがある」と言った。

「何?」

「かつて、封印されていた闇の者が出没しているという話だ」

「それは、仙督就任を妨害するために何者かが封印を破っているという話のこと? 」

「ん。君は兄上から聞いているな?」

「ああ、沢蕪君から聞いた。でも、今までの仙督の時もあったことだと。今回も本当にそんな奴らがいるのか?」

頷いた藍忘機に魏無羨は、眉をひそめた。

「夷陵近くで闇狩りをした時に噂話を聞いた。
仙督が新しく代わる時に魔物が出るというジンクスのようなものがあると。その原因は全部そういう理由?」

「いや」

藍忘機がかぶりを振った。

「仙督が交代する時、魔物が出やすいというのは本当だ。
しかし、それは、仙督就任に反対した者が起こしているものばかりではない」

「…と、いうと?」

耳をそばだてるように聞く魏無羨に、藍忘機が続けた。

「代々、仙督は、各地で封印されている強い魔物たちがいる情報を収集し、把握している。
そして、封印術が解けそうな場所に定期的に封印を施す手配をすることも出来る。
しかし、急に仙督の座が譲渡されることになった時、前任の仙督が急に身まかった時などは、封印が弱っている箇所などの引継ぎがうまくいかないことが起きる。
ここ何代かの仙督交代は慌ただしかった。
それゆえ、新しい仙督が就任した後に、強い魔物が封印を破るということがしばしば起きていた」


「そうだったのか…」

魏無羨が重々しく頷いた。

仙督だった、温氏、金氏、聶氏の者たち。
全員、自然に身まかったのでは無かった。

「ただ、人為的なこともある。
そのことを知っていて、利用し、封印を破っている者たちも中には存在する。
新しい仙督に抗議する意味もあるのだろう。
私が仙督に就いて間もなく、そういうことがあった。
最近も姑蘇近くで古代に封じられた魔性の塚が壊されたという報告が入った。
調べてみたら自然に破壊されたものでなく、人為的な跡があった」

「…抗議なら直接言えばいい。
まわりくどく、しかも、民に迷惑をかけ被害を出してまで、何の抗議だ」

魏無羨の口から苛立ち交じりの呟きが出た。
もちろん、藍忘機に対してのものでは無い。
影に隠れて、悪行している者たちへの侮蔑だった。

「悪い藍湛。つい汚い言葉を使った。だが、俺には、そいつらの考えが理解できない」

悪口を言うべからず。という姑蘇藍氏の家訓。

しかし、藍忘機は、気にするな、というように小さくかぶりを振った。

…君が、この事を知ったらそう思うだろうと考えた。

そう言っているような藍忘機の顔。

「…そうか」

ようやく魏無羨は藍忘機の行動の意味を知った。

…沢蕪君も言っていた。仙督就任を妨害している者たちのことや、封印破りのことは、他の仙門の宗主たちも協力して処置にあたっていると。藍忘機は、それとは別のことで動いている。
おそらく、仙督にしか出来ないこと。

魏無羨は、顎に指をあてて、しばし思考を巡らせた。

「仙督の引継ぎが上手く出来なかったから、強い魔物たちが封印をやぶる事態が起きる。…もしかして、この十数年間の仙督就任の混乱で、かなりの数の魔物たちの封印場所が行方不明になっているってことか?」

「そうだ」

「それって…結構まずいことだよな」

頷く藍忘機に魏無羨は思わず独り言のようにつぶやいた。

まずいどころではない。滅することが不可能だからこそ、過去に何とか封じた強い魔物たちの場所が分からないとあっては、それらがいつ出没するのかも分からなくなっているということだ。

突然、強い魔物によって破られる封印。

それが、もし、各地を統治している仙門たちも目の届かない人里近くだったら…。

魏無羨の危惧は、すでに仙督の藍忘機や各仙門の宗主たちも抱いているのだろう。

魏無羨の考えを読んだように藍忘機が口を開いた

「不明になっている魔物の封印場所に関しては、各仙家も今調査している。私は、今まで仙督がいた仙門を訪ね、まだ見ていない資料が残存していないか調べている」

秘匿しているということは無いかもしれない。
だが、各仙門にも、その仙家に隠された秘密の場所がある。
金氏にもあった、藍氏の禁室のようなところ。
そこには、仙門の上位の者しか立ち入ることが出来ない。
また、たとえ、その資料を目にしたとしても、内容を把握している者が生きていなければ
気づかれることなく残存している可能性もある。
だが、仙督なら…藍忘機なら、そんな場所に入ることが許され、かつ、暗号も解くことが出来るのだろう。持ち出し不可能な物を確認する為に、藍忘機は動いていた。

それは仙督の藍忘機にしか出来ないこと。

合点のいった魏無羨は、藍忘機の話に頷いて見せた。

…もしかして、仙督就任式を延期したのは、そういう理由もあったのか?
事態が落ち着いてから行うつもりで?

魏無羨は、藍忘機にずっと聞きたかった事を口にしようとした。

しかし、魏無羨の口から出る言葉ではなく、魏無羨の腹が、先に己の欲求を示すように音をたてた。

「あ…」

あわてて、己の腹を手でおさえて、「ハハハ」と苦笑いした魏無羨に「お腹がすいているのか?」と藍忘機が尋ねた。

「ああ、うん。昨晩から食事を抜いていたから。藍湛は朝ご飯を食べた?」

「ん。薬草茶を」

藍忘機の返事に魏無羨が目を丸くした。

「薬草茶?…まさか、だけど、藍湛がいつも食べたって言っている朝食って、薬草茶だけ?」

「薬膳スープを飲む日もある」

「藍湛・・・」

淡々と応える藍忘機に、魏無羨は呆れたように苦笑を浮かべた。

「食事が、薬草茶や薬膳スープだけって、伝説の仙人?民の中には、仙師は、そういう物や霞を食って修行してるって本気で信じてる者もいるみたいだけど、本当は他の人間と同じように食べ物を摂取しないといけない。どんなに忙しくても、食事はとれる時はちゃんとしないと駄目だ。俺は師匠からそう教わった。それに…」

魏無羨は、藍忘機の横顔をじっと見つめながら言った。

「俺は藍湛の体が心配だ。最近は仙督業が忙しくて、ゆっくり食事や睡眠がとれてないんじゃないか?」

「以前と変わりない」

魏無羨の質問にそう答えた藍忘機だったが、疑わし気に横顔を見つめ続けている魏無羨の視線に気づき、気まずげに目を伏せた。

「少し」

ぼそっと付け足すように言った藍忘機に魏無羨が笑った。

「じゃあ、これからすぐに食事に行こう。俺も腹が減ってるし、藍湛も今後の為に精のつくものを食べなきゃ駄目だ。わかった。食事は俺のおごりだ。今はいっぱい金を持ってるからな。だから藍湛は、遠慮なく食べて」

胸をそらせて、偉そうに「おごる」と言っている魏無羨だったが、元をいえば、魏無羨の持っている金(かね)は、全部藍忘機からもらった物だった。

それでも、藍忘機は、魏無羨の言葉に小さく頷いて見せていた。

こうして、街についた二人は、まず先に食事処が並び立つ通りに向かった。

前を見て、まっすぐにすたすた歩き続ける藍忘機に、横にいた魏無羨は不思議そうに声をかけた。

「藍湛、どこで食事するか決めてるのか?」

「君のお気に入りの店」

「いや、でも、あそこは辛い料理が多い。藍湛は、本当は苦手だろ?」

「他にも料理はある」

「でも…」

戸惑って周囲を見回した魏無羨は、ある看板に目を留めた。

“雲夢郷土料理食事処”

…雲夢。

かつて、魏無羨が住んでいた雲夢江氏の治める領地だった。

思わず足を止め、その店を見ている魏無羨に気づいた藍忘機も足を止めた。

そして、魏無羨の視線の先に目をやった藍忘機は、魏無羨の横顔をじっと見つめた。

「魏嬰」

藍忘機の呼びかけに魏無羨がハッとなって藍忘機を見た。

「あ、ああ。いや、姑蘇にも他の領地の料理を出す店があるんだな」

「入るか?」

「いや・・・」

そう言いながらも、看板から目を離さない魏無羨の腕を藍忘機がそっと手で握った。

…え?藍湛?

驚いて、藍忘機の方を勢いよく振り向いた魏無羨に、藍忘機は「行こう」と言うと、
魏無羨の腕をとったまま、食事処の方に歩き出した。

危険なことでも無いかぎり、こんな風に、強引に藍忘機に腕を引かれた覚えの無かった魏無羨は、目をぱちくりさせながら、藍忘機について行った。




(続く)



「陳情令」みつばの二次小説シリーズ、「雲山の夜と月」更新スタートです。
予約投稿でも更新時間が違ったり、連日更新では無いかもしれません。
また、拍手コメントレスは、急ぎで無い時は、シリーズ話が落ち着いてからまとめてさせて頂きます。
よろしくお願いします。


みつばの二次小説を読んで頂きありがとうございました。
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