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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「迷い路」(3話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「背馳」の続きになります。


「続きを読む」からお入りください







迷い路(3話)




…師姉!

離れた場所で見えている後ろ姿。その声。

師姉の江厭離に似ている。と魏無羨は思った。

生きていて、こんな場所にいるはずが無い。
そう分かっていても、魏無羨は女人の所に駆け寄っていた。

「師姉!」

しかし、魏無羨の声に女人は反応せず、買い物を終えると、露店から離れていった。

その日の街中は、天候も良く、露店通りはとても賑わっていた。
喧騒の中で、魏無羨の声は、川向うにいる女人には届いていないようだった。

魏無羨が、女人から目を離さずに橋を渡ろうとした時、
魏無羨と勢いよくぶつかった野菜売りが体勢を崩し、背負っていた籠の中身を道にぶちまけた。

「おいっ。どこを見ているんだ!」


丸い芋がいくつも転がっていく。

「すみません」

魏無羨は、あわてて、身を屈めると、散らばった芋や野菜を拾い集めた。

ようやく、全部の野菜を拾い、魏無羨が野菜売りに謝罪して顔を上げた時には、もう川向うに歩いていた女人の姿は見えなくなっていた。

諦めきれずに橋を渡った魏無羨は、女人が買い物をしていた露店に行き、女人の行先を尋ねた。

「あっちの方向に行ったのは見たけど、他の客の相手もあったから、その後、どこに行ったのかは分からないよ」

そう言われた魏無羨は、女人が去ったという方向に目を向けたが、脇道が目の前にいくつも分かれていた。人通りも多い路で、もう女人の後は追えそうも無かった。

…俺は、何をしているんだ。師姉のわけがないのに。

魏無羨は、肩を落としながら、自嘲した。

『阿羨』

自分を呼ぶ、あの優しい声も、頭を撫でてくれた柔らかな手の感触も。
もう感じることなど出来はしないのに。

こんなに鮮やかに覚えているのに。
師姉はもういない。

もし、師姉が生きていたら、話したいことが沢山あった。
聞きたいことも、相談したいことも。

『人は、どうして、一人の人を好きになるの?』

…あの日、俺がそう聞いた時、師姉は何て答えていた?

師姉が生きていたら、今の自分の悩みや、自分自身よく分からない胸の痛みやもどかしい想いの正体を教えてくれるだろうか?
もしかしたら先ほどの女人は、そんな自分の想いが見せた幻想だったのだろうか?・・・

「…藍湛」

魏無羨は、今度は師姉ではなく藍忘機の名を無意識に口にした。

世の中で、たった一人、自分を信じてくれる、信じられる藍湛がいれば、それで十分だ。
そう感じていたのに。

魏無羨は、自分の腹部にそっと手を置いた。

…今の自分の中に足りない物がある。

雲深不知処に来て暮らし、闇狩りを行っていくうちに、魏無羨の中で日に日に大きくなっていく正体不明の不安のような塊が今、足りない物の代わりに腹の中に居座っているような、そんな感覚になっていた。

不安が焦りを生み、この世で一番信じている藍忘機にさえ、話せずにいた。

魏無羨は、最近の自分の行動を振り返って、そんなことを考えた。

…藍湛が仙督で忙しいからという理由付けを勝手にしていたのは俺だ。
俺が、藍湛に何でも話せずにいたから、そんな姿を見た藍湛も、俺に話せないことが出来ていたのかもしれない。

魏無羨は、そんなことをボンヤリと考えながら、姑蘇藍氏の街中を彷徨うように歩いた。

ほとんど意識していないまでも、魏無羨は、いつのまにか天子笑を置いている馴染みの酒家の前に来ていた。

魏無羨が顔を上げると、酒家の外で、酒や料理を口にしている客達の中に、仲英の後ろ姿を見つけた。

…本当によく会うな。いや、仲英も闇狩りの対象者と酒がある場所によく出没する。
俺と行動パターンが似ているんだ。

仲英の朗らかな顔は、魏無羨の気分をいつも楽しくしてくれた。

魏無羨は、笑みを浮かべると、仲英の方にそっと近づいて行った。

一人でまた酒を飲んでいるとばかり思っていた魏無羨だったが、仲英は一人では無かった。

仲英の対面に見知らぬ女人が座っていた。

卓子の上には、仲英の仙剣が置いてあったが、女人の近くにも仙剣が置かれていた。
女人の見た目の年の頃は20代前半くらい。仙子と呼んでも良いほど美しい造作の容姿をしていたが、隙の無い雰囲気で、闇狩りに卓越した仙術使いのように見えた。

…この前、街で仲英と一緒のところを見かけた女人か?

前回は、顔確認できなかったが、魏無羨は薄っすらとそんなことを思い出した。

女人と仲英は何か話をしていた。

あの時、仲英は、「ナンパか?」と問うた魏無羨の言葉を煙に巻くように笑っていたが、二人の会話風景は、そんな浮かれた男女の雰囲気からかけ離れた物だった。

仲英が懐から何か取り出すと、それを卓子の上に置いた。

…あれは?

魏無羨が、思わず足を止めて、仲英の置いた物を凝視した時。

女人が、さっと顔を上げた。
そして、魏無羨の視線を感じ取ったのか、魏無羨の方に鋭い眼光を向けた。

仲英も女人が顔を向けた方向を振り返り、魏無羨に気づいた。

「よお、魏嬰」

魏無羨を見ても、何の驚きも戸惑いも見せず、仲英がのんびりと手を上げた。

「この前の話を考えて来てくれたのか?」

「この前の話って?」

魏無羨はそう返しながらも、仲英の置いた物に意識を向けていた。

布にくるまれた何か。
それも普通の布では無い。封印術がかかっていることに魏無羨は気づいていた。

女人が、さっと布の包みに手を伸ばすと、それを素早く懐の中にしまい込んだ。

そして、卓子の上の仙剣を手に取ると立ち上がり、仲英に黙ったまま目礼した。

仲英も小さく頷き返すと、女人は、往来の雑踏の中に消えていった。

仲英の座っている卓子の上には、酒やつまみは無く、茶しか置かれていなかった。

「この前の話って…ナンパのことか?」

魏無羨は、仲英に近づきながらも、女人が消えた方向に目を向けていた。

「ここにいた女人は、この前、街で仲英と一緒にいた女性か?」

「ああ」

仲英は隠す素振りも無く、頷いた。
そして、女人がいなくなった空席を勧めるように、魏無羨を手招きした。
魏無羨は、先ほどまで女人が座っていた場所に座った。

「ナンパ相手なんていう色っぽい関係じゃないけどな。だが、なかなかの仙子だったろ?」

「そうだな」

頷く魏無羨に仲英がニヤリと笑った。

「魏嬰の好みのタイプはどんな人だ?」

「俺の好みは…、そうだな」

昔だったら、魏無羨の女性の好みははっきりしていた。

美人で、明朗快活で、話していても会話が盛り上がり、一緒にいて楽しくなるようなタイプ。

しかし、今は…。

「…自分がとても惹かれる人だ」

そう答える魏無羨に仲英は面白そうに笑った。

「ようするに、自分の感覚が全てってことか?ハハハ。守備範囲が広いな、魏嬰は」

「仲英の好みは、さっきみたいな女性か?恋人じゃなくても、以前からの知り合いか?」

それとなく、女人の正体を探ろうとした魏無羨の思惑を知ってか知らずか、仲英は惚けたように首を傾げた。

「彼女に対してそういう考えはなかったな。まあ、もし男女の関係が結べる機会があるのなら、それも悪くはないが」

つまり、深く付き合う気はないが、体の関係だけならいい。と言うような仲英に魏無羨は苦笑を浮かべた。

「仲英の泊っている宿はこの近くだったな。まさか逢引の場所をここにして、“贈り物”をしたのはそういう理由か?」

封印術のかかった布の中身が、妙に気になっていた魏無羨だった。

仲英は、太鼓の芸の他にも、時々闇狩りの依頼を受けて生計を立てているようだった。
その依頼人のようにも見えた女人が、仲英から受け取った物。
闇狩りに関わっている物だとしても、それ相当の邪気や瘴気を浴びている場合。
または、外部の者に見られては差しさわりのある物の場合。
ただの布ではなく、封印術が施されてる、ということは、中身が穏やかでは無い可能性がある。

…封印術のかかった布には一体何が入っていたんだ?

「俺の泊っている宿といえば…」

魏無羨の質問の意図に気づかないふりで、仲英は、顎に手をやると首をひねった。

「あの仙督、姑蘇藍氏の含光君が、俺を訪ねて宿に来たぞ」

「は?」

魏無羨は目を丸くした。



(続く)


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