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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「背馳」(最終話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

「陳情令」は現時点、日本語翻訳未公開のドラマです。(2020年3月より初放送予定)
原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「邂逅」の続きになります。


背馳(5話)



「話?」

きょとんとしている魏無羨を、さらにジッと見つめた後、藍忘機は踵を返した。

「静室で待っている」

そう言い残すと、藍忘機は去り、姿が見えなくなった。

呆気にとられ、しばし呆然としていた魏無羨だったが、
自分が全裸だということを思い出すと、あわてて、竿にかけていた内衣を取り下腹部を隠した。

しかし、それは、藍忘機が去った後のことだった。

同性で、しかも同じ屋内で暮らしている身。

別段やましいことも、悪いこともしていたわけじゃないのだったが、魏無羨はなぜか気まずい思いになって、手早く洗髪をすませた。

井戸水での行水を終えた魏無羨は、肌に付着している水分を今まで着ていた内衣でふき取り、それで下半身を覆うと、静室の中に入った。

部屋の中で、藍忘機が、いつも、琴を弾いたり、本を読んだりしている座卓の前に座っていた。

瞑想はしていなかったが、伏し目がちの顔で、微動だにしない座姿。

…よく分からないけど、藍湛から何かただならぬ空気を感じる。

魏無羨は、少々気後れしながら、藍忘機の目の前を通り過ぎた。
そして、衣装箪笥を開けると、そこから清潔な衣服を取り出して着込み、藍忘機の座っている座卓の対面に座った。


「藍湛、いつ帰って来ていたんだ?」

「昨夜」

「昨日、帰れたのか。昨晩はよく休めた?」

「・・・・・・」

魏無羨の問いには答えずに、藍忘機が魏無羨の前にすっと風呂敷袋の包みを出した。

「君にだ」

「これ何?俺への土産?」

魏無羨は不思議そうに藍忘機の顔と風呂敷袋を見比べながら、包みを開けた。

中に、天子笑の大甕が1つ。そして、雲深不知処の紋が描かれた布。半手甲帯。折りたたまれた紙が1枚入っていた。


「今日の昼頃に、これを持って雲深不知処を訪ねてきた者がいたそうだ。山で家族が屍に追われ、大怪我をしていたところを助けてもらったと。この布を手掛かりにここを訪ねたそうだ。名前は名乗らなかったが、黒衣の若い男に礼を伝えたい、と。魏嬰、君のことだな?」

「あ、ああ。うん」

「門番がその者は留守だと伝えると、これを渡して、おかげ様で夫の怪我は順調に回復している、と伝えて欲しいと、言付かったそうだ」

布と半手甲帯は、綺麗に洗濯され折りたたまれたものだったが、それが、魏無羨が山で助けた空師の男の怪我の手当に使用したものだと分かった。

魏無羨は、風呂敷の中の手紙を手にとって広げた。

たどたどしい字で、こう書かれてあった。

『おにいちゃん。うさぎ。あめ。おとうさん。けが。ありがとう。』

文の最後に、絵が描かれていた。

丸い大小の団子のような円に、目鼻口。大きな長い耳のようなものが2つついている。

「…可愛いな」

魏無羨が、思わず微笑んで言った。

あの幼女が一生懸命描いてくれたのだろう。

「ほら、藍湛見て。女の子が描いてくれた兎の絵だ」

そう、藍忘機の顔の前に手紙を掲げて見せた魏無羨に、それまで固い表情だった藍忘機の口元が少しだけほころんだ。しかし、すぐに元の顔に戻ると、視線を伏せた。

藍忘機の視線の先に、雲の紋が描かれた布があることに気づいた魏無羨は、幼女の手紙をそっと座卓の上に置くと、布を手に取り藍忘機の方に差し出した。

「藍湛のこの布。洗って干してあったのを、つい持ち出してしまった。ごめん。返すよ」

藍忘機は、黙って魏無羨から布を受け取ると、それを懐の中に入れた。

魏無羨は、自分の半手甲帯を手首に巻きながら、広げた風呂敷袋の上にある「天子笑」の大甕を見つめて嬉しそうに言った。

「奥さんがわざわざ礼を言いに来てくれたんだな。空師の怪我の具合が回復にむかっているようで良かった」

そんな魏無羨の様子をジッと見つめて藍忘機が口を開いた。

「それと、彼らも来た」

「ん?彼らって?」

「思追達」

そう言って、藍忘機は袂から、魏無羨の通行玉礼とズシリと重そうな巾着袋を取り出して、座卓の上に置いた。

「金が必要なら補充する。これからはすぐに言いなさい」

巾着袋の中には、銀が多量に入っているのだろう。
魏無羨は、藍忘機からもらった金をほぼ使い切ってしまった事を言いそびれていたが、
通行玉礼と共に置かれたことで、状況を把握した。

「あ、ああ…ありがと」

…まあ、真面目なあいつらが黙っていられなかったんだろうな。

魏無羨は、心の中でのんびりとそんな風に考えて、
悪びれもせずに鼻のあたまを指で数回こすった。



今より、時をさかのぼること数刻前。


「静室」の門の前で、藍忘機に、魏無羨と昨日の事を問われた弟子達は、
顔を見合わせた後、観念したように項垂れて全てを白状していた。

夷陵の乱葬洞に行き、鬼将軍の慰霊碑建設や、野菜づくりを手伝っていたこと。
藍景儀達が姑蘇藍氏の街で会った魏無羨も合流して、仙剣に乗せて一緒に行ったこと。
帰りに、古代の魔物たちに遭遇し、戦った後、用事があるという魏無羨が、自分たちに通行玉礼を渡して、姑蘇の街に降りて残ったこと。

若い弟子達の話を聞いていた藍忘機の顔は、次第に極寒の氷原のようになっていた。

含光君は、普段から冷えた表情をしてはいるが、態度は決してそうでは無かった。

だが、今は、これまで弟子達が感じた事が無いほど怒っているように見える。

それまでの闇狩りでどんなに凶悪な魔物と対峙しても冷静だった藍忘機が、今は感情を乱れさせている。

藍忘機に、そんな雰囲気を無意識に感じ取った若者たちの間に緊張が走った。

当然、重い罰を言い渡される覚悟をしていた弟子達だったが、藍忘機の口から出たのは「わかった」の一言だった。

さらに、それだけ?という顔を見合わせて、当惑している弟子達に、
「さがりなさい」と冷たく命じた。

…罰は追って沙汰が下るのかもしれない。

その場に居づらくなった弟子たちは、藍忘機に揖礼すると、そそくさと門外の階段を下り始めた。

藍思追だけが去らずに残り、藍忘機の方に向かい合っていた。

「まだ何かあるのか?」

そう問う藍忘機の声は静かだったが、どこか苛立っている気を内包していた。

「含光君、魏先輩を叱らないでください」

藍思追の目は真剣だった。

「先輩のお金が無くなったのは、闇狩りの後で、私たちや他の仙門の弟子達にも食事をご馳走したからです。それに、先日のことは、私たちが、門限に遅れて、さらに、夷陵の温先輩のところに行っていたと知られたら、藍啓仁先生に罰を与えられると思って、先に帰してくださり、用事がある身で、ご自身の通行玉礼を貸してくださいました。魏先輩が昨夜、雲深不知処に帰れなかったのはそのせいです。どうか、寛大なご配慮を」

「わかっている」

藍忘機が言った。

その一言で、藍思追は、藍忘機がほとんど見抜いていたことを察した。

何もかも見透かした上で、それでも、やはり藍忘機が憤然としている理由は別にあるのだろう。

「余計なことを申しました。失礼いたします」

これはもう、藍忘機と魏無羨の問題だということを悟った藍思追はあわてて揖礼すると、同輩たちの後を追って、階段を下っていった。
去っていく藍思追の後ろ姿を見つめながら、藍忘機が深い吐息をもらしていたのを見た者は誰もいなかった。


そして、現在。

藍忘機の目の前に座っている魏無羨が浅い吐息を漏らしていた。

それは、ほぼ無一文でいることが知られたせいでも、正直な弟子達が結局自分たちで藍忘機にすべてを打ち明けてしまったからでも無かった。

「彼らを罰しないでくれ」

魏無羨が言った。

「あいつらは、温寧を気にいっている。温寧も、あいつらと会うと嬉しいみたいだ。それに、当然、思追にも」

黙したままの藍忘機に、魏無羨が続けた。

「啓仁先生の考えも何となく分かる。雲深不知処には雲深不知処の規則があるってことも知ってる。俺がそのことで、どうこう口は出せない」

温寧は雲深不知処を襲撃し、一時期壊滅状態にまでした温氏の一族。
そして、魏無羨の邪道により蘇った屍傀儡。藍啓仁が最も警戒する対象者だった。

「でも、弟子達が、温寧に近づいただけで罰せられるなんて理由は変だ。彼は、ただ友達が必要な優しい男なんだ」

魏無羨は、その昔、藍忘機も、雲深不知処の中で規則を破った者に対して厳しい態度をとっていたことを知っていた。
だが、藍忘機が仙督となった今、弟子達への罰は藍啓仁が決め、その監視には違う者がついていることだろう。
だとすれば、以前より弟子達への罰が重くなる可能性もある。

そんなリスクがありながら、夷陵にいる温寧に会いに行った藍思追と他の弟子達。

彼らが育みつつある友情を雲深不知処の規則で制限させたくなかった。

「温寧は、もう俺の助けは必要ないと言っていた。でも、俺は友人として温寧にしてやりたいことがあるし、時々でも会いたいとも思う。それに、思追や姑蘇の若い弟子達が温寧と会うことも許してほしい」

…藍湛には分かって欲しい。

そんな気持ちを込めた、魏無羨の真剣なまなざしに見つめられた藍忘機は、しばらく無言で魏無羨を見つめ返していたが、そっと目をふせると「分かった」と口にした。

「叔父上には、私から話をしておく」

藍思追や弟子達が温寧に会っても罰せられないように、藍忘機がとりはからってくれるのだろう。

「藍湛」

魏無羨は、顔を輝かせた。

「やっぱり、藍湛に話して良かった」

そう嬉しそうに頷いて見せた魏無羨だったが、藍忘機の顔は晴れていなかった。

「魏嬰、君には、私に話していないことが、まだあるのではないか?」

「ん?藍湛、何のことだ?」

「姑蘇に最近出没している、君の術を真似て復活させられた屍傀儡のことだ」

ハッとなって、魏無羨は藍忘機の顔を見つめた。

「藍湛、知っていたのか?それとも、沢蕪君から聞いた?」

「両方」

藍忘機が言った。

「なぜ私に話さなかった?」

「…藍湛に話す必要が無いことだと思ったからだ」

魏無羨は、藍忘機の顔から目をそらさずに言った。

「俺がすることで、藍湛が知らなくていいこともある」

忙しい藍湛の耳に何もかも入れる必要はない。
ささいなことで、仙督となった藍湛をわずらわせたくない。

そんな思いで魏無羨が発した言葉だったが、藍忘機は違う受け取り方をしたようだった。

いつも感情が分かりにくいと思われている藍忘機だったが、
魏無羨でもわかるほど瞳の色が変わった。

失望。落胆。苛立ち。悲しみ。

そんな感情が渦巻いたような藍忘機の瞳を見て、魏無羨は当惑した。

…この瞳に似たものを見たことがある。

あれは…温晁に復讐し、とどめを刺そうとしたあの夜、
俺を「魏無羨」と呼んだ藍忘機の瞳。

今は、その瞳に、別の感情の揺れも加わっていたが、魏無羨にはそれが何か分からなかった。

藍忘機は、己の感情を封印するかのように目を閉じた。
そして、次に瞼を開けた時、先ほど魏無羨が感じたものは消え去って、
いつもの藍忘機がそこにいた。

雲深不知処の門限を告げる鐘の音が聞こえ始めた。

「…魏嬰、私は、もう行かねばならない」

藍忘機が立ち上がった。

「しばらく留守にする。この話の続きは、次に会った時にしよう」

そう言って、藍忘機は、部屋の外に向かって歩き始めた。

…どうしてだよ。
どうして、藍湛がそんな顔するんだよ。

魏無羨も立ち上がった。

…あの時とは違う。

あの時は、藍湛を遠ざけたくてわざと言ったところもある。
だけど、今は違う。
それに・・・。

去ろうとする藍忘機の背中に、魏無羨はやるせない想いと疑問をぶつけるように言った。

「藍湛に縁談があったという噂話を聞いた」

藍忘機が振り返った。

魏無羨が続けた。

「過去に縁談があった同じ人と、最近もあったって。でも、姑蘇藍氏からの発表も無いし、俺、藍湛からそんな話を1度も聞いたことない。冗談だよな?」


ただの噂だと、藍忘機がそう答えるのを待っていた魏無羨だったが、
藍忘機の口から出たのは意外な言葉だった。

「本当だ」

…!

「それって…」

魏無羨はとっさに出す言葉を失った。

「…昔の話じゃなくて、今の話で?」

藍忘機が小さく頷くのを、魏無羨は見開いた目の視界でとらえた。

…どうして?

魏無羨は、なぜ自分がこんなに混乱しているのか分からないまま、
動揺を必死に抑えようとギュッと両手を握りしめた。

「俺は、闇狩りで、他の仙家の者たちから聞いた。それだけじゃない。姑蘇の街でもだ。
姑蘇藍氏以外の者。いや、姑蘇藍氏の弟子たちや門下生も他から聞いている話を俺は知らなかった。藍湛はどうして、この話を俺に言ってくれなかったんだ?」

…こんなに近くにずっといたのに。

そう感情的に問う魏無羨を藍忘機は、冷静な目で見つめた。

「君に話す必要のないことだからだ」

…話す必要のないこと?

冷たい藍忘機の声色に魏無羨は唇をかみしめ、
心の中で言葉を繰り返した。

自分が先ほど口にした言葉と同じだった。

だが、意味が違う。

「俺が知る必要がない話だと?」

藍忘機が固い表情でうなずいた。

…どうして…。

魏無羨の瞳にも、失望と悲しみと苛立ちを含んだ色が浮かんだ。

「藍湛!どうしてそんなこと言うんだよ?俺は藍湛が婚姻したら誰よりも一番に祝福したいと思ってるのに」

魏無羨の言葉に藍忘機の眉がぴくりと動いた。

…そうだ。
こんな大事なことを教えてくれないなんて。
俺たちは、お互い一番近くにいる盟友だって思っていたのは、俺だけなのか?

魏無羨は、藍忘機をジッと見つめた。

「藍湛、俺は藍湛にとって何なんだ?」

魏無羨が尋ねた。

そんな魏無羨を藍忘機がじっと見つめた。

「…魏嬰、私は君にとって何だ?」

藍忘機が問い返した。

十数年前の前世でも同じやりとりをしたことがあった。

あの時、魏無羨は藍忘機に「ソウルメイトだ」と答えていた。

だが、今、その言葉がなぜか出てこない。

そして、もし、そう答えたとして、藍忘機はあの時と同じ返事をくれるのかも分からなかった。


「・・・・・・」


魏無羨と藍忘機は互いに黙したまま見つめ合った。

藍忘機がそっと魏無羨から視線を外した。
そして、踵を返すと、静室の外の方に歩き始め、そのまま門から出て行った。

魏無羨は、ただ、その背を見つめながら、しばらくその場に立ち尽くしていた。




(終わり)




なんとか、連日更新できました。(更新時間はずれましたが)
この続きはタイトルを変えて次の話になります。
ドラマ「陳情令」での、あの雪の日の静室からの二人の強い絆はどうした?みたいな展開になってますが、二次小説でこうなってしまった背景があったりします(みつばの中では)その詳細は次作品の二次小説の中で語られる予定。

詳しいあとがきは又後日に。
読んで頂きありがとうございました。
現在、周囲だけでなく世界で大変なことになっていますが、皆さまもお体お大事にしてください。

【拍手コメントレス的な話】

「魔道祖師」「陳情令」のファンの方のイラスト、創作動画、どれも素晴らしいですよね。見ていると、1日つぶれます(汗)
ご紹介して頂いた動画見たことあったのに、後半覚えてない?とか思ったら、弁当作りながら流し見していたので、肝心の映像を見逃していたようです。「静室」のあの日に、二人は…~♪という妄想動画ですよね。みつばも、あれ考えました♪もし、ドラマ中、二人が初めて結ばれていたとしたら、あの後かな?って。ドラマ中でも、翌日の二人、お互いに視線をそらし合ってちょっと怪しかったですし(笑)
でも、みつばの二次小説では、「まだ」、という設定です。


みつばの二次小説を読んで頂きありがとうございました。
記事を気にいって頂けたら、
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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