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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「邂逅」(2話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

「陳情令」は現時点、日本語翻訳未公開のドラマです。
原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「」の続きになります。


邂逅(2話)




…藍湛!

魏無羨の視線が、ジッとこちらを見ている藍忘機の目とかちあった。

いつの間にか魏無羨達が座っていた酒家の卓子に他の客たちの姿は無く、魏無羨と仲英だけが並んで座っていた。
ひらけた視界の中で、藍忘機が魏無羨のいる所にまっすぐに歩いてきた。

先日の朝から金麟台に行くと言っていた藍忘機。
仙督としての用事を終え、姑蘇に戻ってきたのだろう。

しかし、周囲に共の者の姿は見当たらず、藍忘機一人。
そして、仙剣で金麟台(蘭陵金氏の場所)に行ったのなら、雲深不知処への帰り道としては遠回りになるこの街中にいるのは不自然だった。

だが、その時の魏無羨は、偶然にも藍忘機に会えた驚きで、そこまでの考えが及ばずにいた。

笑顔になり、思わず「藍湛」と呼んで立ち上がりそうになった魏無羨だったが、仲英の手が魏無羨の肩を抱いて座っていた為、わずかに腰を上げただけに留まった。

酒家の卓子まで歩み寄った藍忘機は、魏無羨と仲英を見下ろすように対面に立った。
そして、魏無羨の肩に腕をまわしている仲英をチラリと一瞥してから、魏無羨の方に視線を戻した。

「魏嬰、闇狩りは滞りなく終わったのか?」

まるで、魏無羨の隣にいる仲英のことが見えていないかのように藍忘機が口を開いた。

「ああ。依頼されたことは、しっかりやり終え、沢蕪君にも報告した。滞りなくって言いたいところだけど、実は、危ないところを、この人に助けてもらった」

魏無羨は仲英の方を指さしながら言った。

さりげなく、藍忘機に仲英を紹介しようと思った魏無羨だったが、藍忘機は魏無羨の言葉の中で違うところに意識を向けて眉をひそめた。

「危ないところ、とは?何があった?」

「いや。弟子達には何も無かったから心配しないでくれ」

魏無羨は慌てて言った。

「俺が一人で追っていた屍が妖魔に憑依されていて、転んだ隙に襲われただけだ」

藍忘機の眉がますます険しくひそめられた。

「魏嬰、誓約はどうした?」

「あ?誓約って?」

藍忘機が何を言っているのか分からず魏無羨はきょとんとなった。

そんな魏無羨に藍忘機は厳しい表情を崩さなかった。

「昨日の朝、君は家の中で、私の目の前で転び頭を打つところだった。その後君は、あんなうっかりな粗相はしないと私に言っていた」

傍らで、二人の会話を黙って聞いていた仲英の目が僅かに見開いた。
しかし、藍忘機と向き合って話を続けていた魏無羨にその顔は見えていなかった。

「ああ、ああ。うん。そうだった」

昨日の朝の事を思い出した魏無羨がこくこくと頷いた。そして苦笑しながら手で頬をかいた。

「昨晩は“うっかり”転んだわけじゃなくて、“つい”転んだ」

「・・・・・・」

おどけて言い訳をする魏無羨にも藍忘機の表情は変わらなかった。

藍忘機の無言の圧力のような視線に耐えきれなくなった魏無羨は、アハハと自嘲した後、「紹介するよ」と話題を変えて仲英の方を見た。

「彼は、俺が今身を寄せている姑蘇藍氏の藍忘機」

そう言った魏無羨に仲英は、藍忘機の方をジッと見たまま「知っている」と答えた。

そして、魏無羨の肩から腕を離すと、席から立ち上がった。

「含光君…いや、仙督」

そう言って、仲英は姿勢を正すと、藍忘機にむかって深い揖礼をした。

「含光君を知ってるのか?」

魏無羨の問いに仲英は頷いた。

「姑蘇藍氏の藍忘機、含光君の称号は、仙界ではおそらく知らない者などいない。最近仙督になったことも知っている。俺のような流れ者でもな。
逢乱必出。この十数年間、いろんな場所に現れて闇狩りを行っている含光君。昔、俺も実際にお目にかかったこともあった。含光君は俺をご存じないだろうがな。しかし、あいわからず仙子顔負けの “別嬪”ぶりだ」

仲英の話は、仙督に対する態度としては無作法気味だった。
それに加え、男性に向けるには無礼な世辞にも藍忘機は何の反応も示さなかった。

冷たい視線を向けたままの藍忘機に仲英はニッと笑うと「失礼しました」と恭しく再び揖礼した。

「俺の名は仲英。属する仙家も、字も無い。ここにいる魏嬰とは昨日、街と山での闇狩りで知り合い、さらに今日奇遇にも又会ったから、こうして酒を酌み交わしてる」

愛想良く自己紹介した仲英に藍忘機は小さく頷いた。

そして、魏無羨の方を見やると、仲英に向き直って両手を前に出した。

「彼を助けて頂いたこと、感謝します」

そう言って、丁寧に揖礼する姿に仲英だけでなく魏無羨も驚いて目を見張った。

身分の高い仙督が流れ者に揖礼するなどありえない。
仲英は、そんな思いでいたようだったが、魏無羨は別の意味で驚愕していた。

藍忘機が品行方正だということは分かっていたが、自分の為に藍忘機が初めて会った者にこんな風に揖礼するなど思いもしなかった魏無羨だった。

たしかに今、魏無羨は姑蘇藍氏に身を寄せている者に違いは無かったが、
まるで藍忘機の本当の身内のような存在として扱われていると感じた。

仲英は、よしてくれ。という風に首を振った。

「助けたとは大げさで、少し手を貸しただけだ。それに俺が手を貸さなくても一人で闇狩り出来るだけの腕が彼にはある。たとえ魔道の術を使わなくてもな」

魏嬰の正体を知っている。

そんな含みを込めた仲英の言葉に、藍忘機は目を細めた。
微妙な空気が流れかけた時、

「仙督殿もここに座って一杯どうだ?」

仲英が目の前の席に視線を投げながら藍忘機に声をかけた。

「俺たちと一緒に酒を飲まないか?」

仲英の誘いを藍忘機は固い表情のまま、かぶりを振って辞した。

「私は雲深不知処に戻る」

「でも、藍湛。街に立ち寄る理由があったんじゃないのか?」

今さらながら、藍忘機が街にいる理由を変に思った魏無羨が聞いた。

金麟台からだと、仙剣で姑蘇藍氏に帰るには雲深不知処に直接むかった方が早かった。

不思議そうな魏無羨の面持ちを見た後、藍忘機は視線を伏せた。

「…用事をすませたら戻る」

そう言って黙する藍忘機に、魏無羨は、それは、仲英が横にいる場では言えないことなのだろう、と悟ると、「そうか」と頷いて見せた。

…君はこれからどうするのだ?

再び顔を上げて、そんなことを問うているような藍忘機の顔に魏無羨は、チラリと横にいる仲英を見やった。

…藍湛の用事というものが何か分からないけど、俺が一緒に行くと用事の妨げになるかもしれない。

そう考えた魏無羨は「俺は、もう少しこの人と一緒に飲んでから帰るよ」と答えた。

藍忘機が、ジッと魏無羨を見つめた。


「門限までには帰りなさい」

「わかった」

藍忘機の言葉に頷く魏無羨に仲英が横から口をはさんだ。

「門限って何時だ?」

「17時45分」

「早すぎるだろ」

仲英が苦笑した。

「いや。門限が過ぎたら俺がいま滞在している宿の部屋に一緒に泊まればいい。ほら、ここからも見える、あの赤い提灯が3つ門の前にぶら下がっている宿場だ」

そう言って仲英が指を向けて、宿屋の方を示した。

「部屋は狭いが寝台はまずまず広いぞ。魏嬰、あんたくらい華奢な奴なら共寝できる」

「あ?…仲英、お前酔ってるだろ?」

呆れ顔の魏無羨に仲英は豪快に笑った。

「いやいや。本気だ。俺はこう見えて寝相はいいぞ。朝起きたら寝台の方がひっくり返ってることが多いけどな」

そう笑いながら、再び魏無羨の背に腕をまわし肩を抱いて座る仲英に、魏無羨はひきつった笑みを浮かべて対応した。

「この酔っ払い」

「あんたももっと飲め、魏嬰。俺のおごりだって遠慮するな」

二人のやりとりを冷ややかな目で見つめていた藍忘機だったが、そっと踵を変えると、その場から静かに立ち去って行った。

「あ、藍湛!藍湛!」

目の前から藍忘機の姿が消えたことに気づいた魏無羨が、遠ざかる藍忘機の白い背に向って慌てて声をかけた。

「また後で!」

その声が、振り返らない藍忘機に届いたか分からなかったが、魏無羨は、ほっと小さな吐息をついた。

…藍湛が無事、姑蘇に帰ってきた姿が見られた。
この後、「清室」に戻れば、藍湛がいる。

そう思うと、魏無羨の胸には、言いようのない安堵感が広がっていた。

自然に口元をゆるませながら酒を口にしている魏無羨の顔を仲英が覗き込んで見ていた。

そして、すでに姿が見えなくなった藍忘機が去っていった方向に目をやると、魏無羨の肩に回していた手をそっと離した。

「…あれは牽制だな」

そう呟いた仲英に魏無羨が「ん?」といぶかし気に首をかしげた。

「牽制って?」

「さっき仙督が言っていただろ」

「ああ~、門限の話か」

魏無羨は盃の酒を飲み干すと、もう手酌で仲英の酒を自分の盃にあけていた。

「あれは別に牽制じゃない。姑蘇藍氏は規則を重んじる。俺は門下生じゃないが、最低限のルールは守れってことを含光君は言っていただけだ」

「いや。仙督の牽制っていうのは、あんたにじゃなくて、俺にだ」

「は?藍湛が仲英に牽制?何を?何かそんな素振りがあったか?気のせいだろ」

そう言って、すでに天子笑に心を奪われたような顔で盃の酒を全部飲み干す魏無羨に、仲英は呆気にとられた顔をした。

仲英がそんな顔をしたのは、魏無羨の酒を飲む量と勢いが増したせいでは無かった。

「魏嬰…あんた、気づかなかったのか?」

「ん?何に?」

「何って、仙督があんたを…」

仲英は何か言いかけたが、思い直したように首を振ると、苦笑を浮かべて魏無羨から酒甕を奪った。
そして、自分の盃に酒を注ぎ入れると、「何でもない」と言って、それを飲み干した。

「しかし、本当に門限までに帰るのか?」

魏無羨の盃に酒を入れながら仲英が聞いた。

「ああ、そのつもりだ」

「まるで良家の箱入り娘みたいだな。そんなにあの仙督が怖いのか?」

「おれが藍湛を怖がる?まさか」

魏無羨が軽く鼻をならした。

「藍湛は昔からの友人だ。門限を守るのは、ただ、身を寄せているところに最低限敬意をはらおうとしている」

「それで姑蘇藍氏の規則に従ってるのか?ふーん…。俺が感じたあんたの印象と違うな」

「俺の印象って?」

「好きなところに行き、好きな時に好きなようにする。そうやって生きていくように見えた」

「仲英、俺にはお前がそう見える」

魏無羨が笑って、盃を持った手を仲英に向けた。
その魏無羨の盃に仲英が自分の盃を合わせると、微笑み返して酒を口に含んだ。

「そうだ。俺はそういう風に生きてきたし、これからもそうしていく。
お前はどうだ?魏嬰」

「俺?」

「ああ。これからも、制限の多い仙門の中で、お目付けのようなお偉いさんのそばにいるつもりなのか?」

仲英の言う“お目付けのようなお偉いさん”というのが、藍忘機を指していることがすぐに分かった魏無羨は噴き出すと面白そうに笑った。

「仲英、お前もあれか?夷陵老祖が雲深不知処で監視されているように見えるのか?」

「いや…」

仲英は真面目な顔で否定すると、魏無羨の顔から視線を外して、往来の方に目を向けた。

夕暮れ時、街の往来は人の行き交いが多くなっていた。
商いや買い物を終え、家路にむかって帰る人々。夜の街で商売を始める者たちが昼の者と入れ替わりに空いた場所に露店をひらく準備をしている。

魏無羨も酒を飲み切った後、仲英が見ているものと同じ景色に目を向けた。
そんな魏無羨に仲英が話をつづけた。

「あちらさんの思惑はどうでもいい。だが、魏嬰。お前の話だ。この先もずっと、今の環境の中で満足して過ごせるか考えたことはあるのか?」

「ない」

あっさりと答えた魏無羨の横顔を仲英は見つめた。

「なぜ雲深不知処にいるんだ?いなければいけない理由があるのか?」

そう問う仲英に、魏無羨は、目の前を通り過ぎていく人々を眺めながら空の盃を手でまわした。

「俺が雲深不知処で暮らすと決めたのは、そうしたいと思ったからだ。そして、これからのことは分からないが、俺は今の環境を悪いとは思っていない」

「…そうか」

仲英が魏無羨の答えに頷いて見せた。


「仲英、お前は、これからどうするんだ?また旅に出るのか?」

今度は、魏無羨が仲英に問う番だった。
魏無羨は、流れ者だという仲英がこの後どうするのか気になった。

「俺はここでやることがある」

仲英が答えた。

「それに、他に気になることもあるしな…。しばらくは姑蘇に滞在するつもりだ」

「じゃあ、また酒を酌み交わせる機会があるな」

そう嬉しそうに言う魏無羨に仲英が微笑んだ。

「そうだな」

そうして、魏無羨と仲英が酒甕に残った最後の酒を飲み干した時。
折しも、申の刻の終わりを告げる鐘の音が街に響いた。

魏無羨が椅子から立ち上がった。

「じゃあ、俺は行くよ。仲英、酒をありがとう」

「ああ、魏嬰、またな」

「うん。また」

…また。

そう、再会の約束が出来ることを喜ばしく思いながら、魏無羨は晴れ晴れとした顔で仲英に手を振った。そして心なしか足早に雲深不知処に向って歩き始めた。

薄暗くなった街中に灯篭の灯がつき始めていた。
宿場や酒場には提灯の火がともり、街は昼とは違う夜の賑わいを見せ始めている。

酒や夕飯を飲み食いしている仕事帰りの男たち。
派手な衣装に身を包み、おしろいの香りを濃厚にふりまきながら歩いていく妖艶な女たち。
可憐な娘たちが、ある者は魏無羨に色目を使い、ある者は魏無羨の方を振り向きながら通り過ぎていく。
香辛料の強い食べ物や酒の匂いがあたりを漂っていたが、魏無羨の足は立ち止ることなくひたすら雲深不知処を目指していた。

…藍湛は、もう「清室」に戻っているころかな?

魏無羨は、歩きながら、懐から取り出した笹に包まれた兎型の飴を眺めた。

…藍湛はこれを喜んでくれるだろうか。

魏無羨は、兎の飴を見た藍忘機の顔を想像して、思わず顔をほころばせると、ふたたび飴を懐に仕舞った。

次第に夜の顔になり始めた街を出て、魏無羨は人気のない林道に入った。
その道を過ぎれば、雲深不知処へ続く坂道になる。

シンと静まり返った林道を護符で照らしながら歩いていた魏無羨は、ふと、微かに聞こえた人の助けを呼ぶ声に立ち止り、弾かれたようにその方向に目を向けた。

「助けて。助けてくれ」

遠くで聞こえていた声と音がさらに遠ざかっていく。

切羽つまった男の声。草むらを荒く踏みわけて走っている音。
それらと共に別の存在が駆けている音も混ざっている。人では無い何か。

誰かが、闇の者に追われて逃げている。

その方角は雲深不知処へと続く道から外れていた。

「誰か、誰か助けて」

魏無羨は、躊躇せず、助けを呼ぶ声のする方に駆けだした。



(続く)



拍手コメントで「邂逅」1話の感想を送ってくださった方々ありがとうございます♪
皆さんの反応がどれも同じような感じで面白かったです。
原作「魔道祖師」の、本編後に、魏無羨と完全に道侶(伴侶)となっている藍忘機が、今回のような現場を目撃しようものなら、相手の男に命は無かったかもしれません。または、魏無羨が夜に寝所で大変な目にあうかな?想像したら怖いのに、なぜかワクワクします(笑)


みつばの二次小説を読んで頂きありがとうございました。
記事を気にいって頂けたら、
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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