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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「予兆」(後編)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

「陳情令」は現時点、日本語翻訳未公開のドラマです。
原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「風雲と隠れ月」の続きになります。



予兆(後編)




姑蘇藍氏の食堂に来た魏無羨の姿に門下生たちは驚きの眼差しを向けた。
早い時間に魏無羨が現れることは滅多に無かったためだった。

魏無羨の姿を見て、食堂にいた藍思追が近寄ってきた。

「魏先輩、どうなさったのですか?今は朝食の時間ですが」

「朝食の時間だから、朝食を食べに来たんだよ。俺の分ある?」

「多めに作られていますから、もちろんございますが」

そう言って、藍思追が魏無羨の分の朝食を運んで魏無羨が座った卓の前に置いた。

肉や魚のような食べ物は無かった。
雲深不知処の中では動物の殺生も禁じられている。

豆で作られたメイン料理に、苦い薬膳スープ。(これは朝夕関係なしに出てくる)
雑穀が多量にいれられ、白い米がほとんど見えないご飯。
雲深不知処の道端に沢山生えているものと区別がつかない緑黄色の何かの山菜の炒め物。
薄味の野菜の煮物。干した果物がデザート替わりに少量。
そして、やはり雲深不知処のいたるところに植えられている(勝手に生えていると魏無羨は思っている)薬草を煎じた茶。

少年期の魏無羨はこの朝食を初めて見た時は、すでにゲンナリとして食べる前から箸を置いていた。
だが、藍忘機と清室で暮らすようになってから多少耐性がついてきたらしい魏無羨は、心の中で何度かため息をつきながらも、門下生や弟子達の前で顔には出さずにそれらをそそと口にした。

…それにしても。

魏無羨は、無言で食事を進めながら、居心地の悪さを感じていた。

食不言の規則のため、食堂内は沢山の門下生たちがいながら、静まり返っていた。
それは、まだよい。
郷に入れば、郷に従え。
姑蘇藍氏の掟には、適当なところでやる気になれば従え。という魏無羨独自のルールを適用していた為、食不言は守ることは出来た。

それよりも、食堂で食事を始めてからも、ずっと視線を感じるのだ。

しかも一人、二人ではない。

いくら朝の早い時間に食堂に来る魏無羨が珍しくても。姑蘇藍氏に来てから日が浅いといっても、もうそろそろ慣れてもいい頃だろう。

食事をしながらも、ちらちらと魏無羨の方を伺うように見ている者たちがいる。
それも1度見では無い。

珍しさで見ている者は1度見で終わりだったが、何度も見ているのは、若い弟子たちだった。

魏無羨の方に何か問いたげな顔を向けた後、結局無言でまた食事を続けている。
それも魏無羨と一緒に闇狩りに行ったりしている馴染みのある弟子たちばかり。

魏無羨の目の前で食事している藍思追と藍景儀もだった。

何か言いたげに、ちらりと魏無羨を見ては、魏無羨の視線に慌てて目をそらしている。

…もしかして俺の顔に何かついているのか?

ふと、そんな思いで、魏無羨は自分の顔に手で触れた。

朝目覚める前に、藍忘機が魏無羨の顔を濡れ布巾でふいていた。

それは、魏無羨を起こす手段だったのだが、それで汚れどころか、むしろ顔は清められているはずだった。


…他に変化があったとすれば。

魏無羨は、頬を撫でていた手をずらして自分の左耳に触れた。

藍忘機の唇が触れた場所。

転んだ魏無羨を助けようとした藍忘機が魏無羨の上に弾みで覆いかぶさった時に、当たってしまっただけだった。

紅をつけている女性にぶつかったのなら、耳に跡が残るだろうが、藍忘機はもちろんそんな物はつけてはいない。
いないのだが、藍忘機の唇はまるで紅でもさしているかのように、艶やかで赤く熟れた甘い果実のようにも見える。

そんなことを藍忘機に冗談でも言おうものなら、昔のように仙剣を抜かれることにはならなくても、冷たい視線を向けられることになるかもしれないが。

魏無羨はそんなことを考えながら、とりあえず、食事に集中しているふりをした。

そして、完食した後、おかわりはいかがですか?と勧める門下生に丁寧に辞退の意を示すと、
姑蘇藍氏の食堂を後にした。

先に食べ終わって席を立っていた藍思追と藍景儀が目の前にいることに気づいた魏無羨は、「おい」と声をかけて二人の歩みを止めた。

二人とも後から来る魏無羨をまるで待っていたかのような顔で振り向いた。

「何か俺に言いたいことがあるんじゃないのか?さっきからお前たちの視線に気づいてたぞ」

腕組みしてそう問う魏無羨に、藍景儀が「聞きたいことはあります」と答えた。

「聞きたいこと?」

「はい。含光…」

「あ、あの。今夜の闇狩りで使用する召陰旗のことで聞きたいことがあります!」

藍景儀の話を遮って藍思追が勢いよく言った。

「召陰旗?召陰旗の何が聞きたいんだ?」

「以前、魏先輩が、召陰旗を見て、機能しているけど不完全だとおっしゃっていたことがあります。闇狩りに行く前に用意した召陰旗を確認して頂き、どこが不完全なのかお聞きしたかったのです」

「ああ~。たしかにお前たちが書いた符号は一部違うところがある。
あれでも使えるには使えるが、闇狩りの相手によっては、効き目が薄いかもしれない」

「では、この後、闇狩りに出発するまで魏先輩のお時間が大丈夫でしたら、ご指導お願いします」

「わかった」

頷く魏無羨に、藍思追は藍景儀の方を見て、何やら目配せした後、

「まだ食事中の者もおりますので、魏先輩は、半刻後くらいに弟子寮の方にいらしてください。よろしくお願いいたします」

そう言って、魏無羨に揖礼すると、藍思追は藍景儀と連れ立って歩き始めた。


しばらく歩いたのち、藍景儀は、ちらりと後方の魏無羨に目をやった後、
怪訝な顔を藍思追に向けた。

「思追、なぜ、魏先輩に含光君様の婚姻話のことを聞かなかったんだ?」

「景儀、その話は、あくまで他の仙家たちの噂話にすぎない。姑蘇藍氏で正式に伝えられていない話を魏先輩にするわけにはいかない」

「でも、気になる。他の者たちも知りたがっている」

藍思追と藍景儀たちと闇狩りに行った時、他の仙家の弟子たちから、その話を聞かされた弟子たちは特に。

いや、その時の弟子たちだけでは無い。

闇狩りで、街で、用事で、他の仙家の者たちと交流した姑蘇藍氏の門下生たちの中には、
藍思追と藍景儀たちと同じような話を聞かせれた者たちがいるようだった。

その噂話の中身は弟子たちが聞いた話と相違無かった。
そのうえ、共通しているのは、噂話が姑蘇藍氏以外の者たちには急速に広まりつつあるということ。

姑蘇藍氏一門には、まるで雲深不知処の結界が噂話を阻んでいるかのように、外部に出ないと入ってこない情報だった。


「魏先輩なら何か知ってるかもしれない。含光君様と昔からのご友人なんだから」

…いや、おそらく知らないと思う。

藍思追は、心の中でそう思いながら、自分の考えは述べなかった。

「とにかく、今日、魏先輩にこの話を振るのはやめよう。何か知っていたら、魏先輩の方から話してくれる」

「そうだよな。そんな話を魏先輩が黙っているわけ無いしな」

藍思追の言葉に藍景儀が単純に納得したように頷いた。

…闇狩りの前でも後でも含光君の婚姻話の件を魏先輩に聞くのはやめよう。

二人は、その意思を他の弟子たちにも伝えるために、弟子寮の方にむかった。


一方、魏無羨は、

藍思追、藍景儀と食堂近くで別れてから、約束の刻までの時間つぶしをしていた。

満足のいく朝食ではなかったが、自分の体の中の毒素が雲深不知処の食事によって浄化されるようなイメージで腹を膨らませながら、魏無羨は雲深不知処の中をぶらぶらと散歩した。

途中で出会った門下の弟子達は朝に雲深不知処を歩いている魏無羨の姿に一瞬ぎょっとして歩みを止めた。しかし、あわてて揖礼され軽く挨拶を返す、を繰り返した魏無羨だった。


…やはり、今日の姑蘇藍氏の門下生たちの様子がおかしい。
早朝に歩いている俺の姿がそんなに変なのか?

魏無羨は首をかしげながら歩き続けた。

…そういえば、清室で転んでから、なんだか顔がほてっている感じがする。
藍湛が頭を支えてくれて、俺も受け身をとったけど、知らずにどこか打ったかな?
闇狩りに行く前に冷泉で顔を冷やしておくか。

雲深不知処の冷泉は、精神の鍛練、修行の場としても使用されていた。
精神だけでなく、体の鍛練を行ったあと、ここでクールダウンすることもある。
また、傷や打撲痕の体のダメージを早く癒す効能もある水場だった。

魏無羨が冷泉に向う坂を下りていると、茂みの隙間から先客がいるのが見えた。

魏無羨はすぐにそれが誰か分かった。


冷泉で藍忘機が半身浴をしている。

遠くからでも、透き通るように白く美しい藍忘機の裸体は、冷泉の中において
ひときわ清らかに見えた。

ただ、その背は、懲罰の戒鞭の痕がいくつもつけられ、無残なまでに美しい肌を破壊していた。
あの傷は冷泉でも癒せはしない。

あれほど深く沢山の傷であれば、癒えた後も時々痛むのではないだろうか。
魏無羨はふとそんな心配をした。

1度、目にしていたものの、懲罰の痕の理由を、藍忘機の兄、藍曦臣から聞いていた魏無羨は、いたたまれない想いでその背中から目をそらせた。

魏無羨は、藍忘機のそばに近づくことが出来ずに、息をひそめ、気付かれないうちに立ち去ろうとした。

しかし、「魏嬰」と背後で呼び止める藍忘機の声に魏無羨はぎくりと振り向いた。

そこには、すでに内衣を着込んだ藍忘機が立っていた。

「藍湛」

「君も来たのだな。冷泉に入るのか?」

「まさか」

魏無羨は苦笑してかぶりを振った。

「俺は今、雲深不知処の朝食を食ってきたばかりだ。これ以上身が清められたら夷陵老祖の称号を返上しなくてはいけなくなる」

冗談めかして言ったのだったが、藍忘機はクスリとも笑わなかった。

ただ、無言でじっと見つめる藍忘機に魏無羨はドギマギしながら、ひきつった笑みを見せた。

藍忘機の濡れた体に白い内衣がはりつき、体の輪郭を浮き彫りにしている。
つい、無意識に藍忘機の顔から上半身、そして、下半身に視線を下ろして眺めた魏無羨はハッとなって慌てて目をそらせた。

「藍湛は朝食を食べた?」

ごまかすように魏無羨が聞いた。

「ん…君は食べたのか?」

「俺は、食堂で食べた。藍湛はいつ食べたんだ?食堂では姿を見なかったけど」

それには答えずに、藍忘機は内衣の上から上着を羽織り、置いていた仙剣を取った。

そして、歩き始めた藍忘機に魏無羨が連れそうように一緒に歩き始めた。

「魏嬰、今日の闇狩りは、泊りで行くのだったな」

「ああ。対象が夜出没するからな。姑蘇藍氏一門の宿泊場所も沢蕪君から聞いている」

「宿泊所ではめを外しすぎないように」

「ああ、もちろん、はめを外さないように弟子たちには目を光らせておくよ」

「いや。君のことだ」

「は?俺?」

目をむいて、とぼけたように己を指さす魏無羨に、藍忘機はコクリと頷いた。

「宿泊所の自室では酒を飲んでもいいが、弟子たちの前ではひかえなさい」

雲深不知処の規則では禁酒だった。
魏無羨は特別扱いされてはいたが、目の前に誘惑物があれば弟子たちも落ち着けまい。

「分かってる。分かってる。俺ももういい大人だ。修学旅行生みたいに、宿泊所で出会った仙子をナンパしたり、寝所で枕投げしたり、就寝時間後にこっそりゲームしたりしないし、外の飲み屋に繰り出しても、弟子たちを誘わないから」

「・・・・・・」

もし、藍忘機が釘を刺さなかったら、最後の台詞以外は全部やったのだろう、と思えるような魏無羨の発言だった。

ジトッと見つめている藍忘機の冷たい視線は、他の者であれば、全身が凍り付くように固まる物だったが、魏無羨は全く動じずにいた。

にこにこ、満面の笑みで泊りの闇狩りに心躍らせているような魏無羨。

その顔を見つめ、出来ることなら、自分が魏無羨と弟子たちを引率したいというような面持ちのまま、藍忘機は小さなため息をついた。

「気をつけて」

「もちろん。朝転んだみたいな、うっかりな粗相はしないよ」

魏無羨の言葉で何かが一瞬蒸し返された。

目を見開いた藍忘機とは対照的に、魏無羨は別段何の自覚も無いまま飄々とした顔をしていた。

「じゃあ、俺、そろそろ弟子たちとの約束の時間だから行くよ。藍湛も金麟台は仙剣でも遠い。気をつけて」

「ん」

先に足を踏み出した魏無羨が、途中で止まって、藍忘機を振り返った。

「藍湛!明日帰ったら、夜には一緒に酒と茶を飲もう」

そう言う魏無羨に答えるように藍忘機が頷いて見せた。

二人の約束はそれで十分だった。

笑って手を振った後、魏無羨は弟子寮の方に歩き始めた。

藍忘機は、その後ろ姿を、他の者には見せない微笑を浮かべて見送った。


だが、この二人のささやかな約束は果たされることは無かった。


これから後、

魏無羨の行く先には、清室での転倒より予測出来ない数々の出来事と出会いが待っていたのだった。



(終わり)



ブログへの拍手コメントレスとあとがきは次回以降にさせて頂きます。

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