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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「風雲と隠れ月」(後編)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

「陳情令」は現時点、日本語翻訳未公開のドラマです。
原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「屋兎の愛」の続きになります。



風雲と隠れ月(後編)



魏無羨と聶懐桑は、しばらくの間、並んで立ったまま黙って小川のせせらぎを見つめていた。


ややあって、「私は、そろそろ帰らなければ」と、聶懐桑が口を開いた。

「一人でここに来たわけじゃないだろう?配下の者は?」魏無羨が聞いた。

「共の者は、仙督との面会が終わった後、先に街に行かせました。私はここで、一人で思い出にふけりたかったのです。でも先ほど話したことは冗談ではありませんよ」

「先ほど話したことって?」

聶懐桑がじっと魏無羨の顔を見つめた。

「上に立つ者は、そこにいない者には分からない何かを背負います」

魏無羨の横にいる聶懐桑は、もう先ほどまで昔を懐かしんでいた学友では無かった。
それは、大きな仙門を束ねる宗主の眼差しだった。

真面目な顔で聶懐桑が続けた。

「それが望むものであれ、望まぬものであれ、個人の感情を抑えなければ対処できない事も起こります。己の気持ちを優先させるのか、それとも、それを犠牲にして状況を優先させるのか、選択しなければならない事も出てきます。思い出にふけり、昔の学友に会う為に、一人ここに残った私が何者かに胸に仙剣を突き立てられても、それは私の選択ミスか、認識の甘さが招くこと」

魏無羨は、聶懐桑の話していることが理解出来ていたが、聶懐桑が話の中で、魏無羨にもっと他にそこに含む何かを伝えたがっているような気がしてならなかった。

しかし聶懐桑の表情の中にそれは読み取れない。

それは決して魏無羨の能力や知力が劣っているせいでは無かった。
今の魏無羨にはまだ分からぬ現実を聶懐桑が知っているだけのことだった。

「聶兄の命が狙われることが本当にあるのか?」

そう、真面目に問う魏無羨に聶懐桑がクスリと笑った。
それは、真に嬉しそうな笑みだった。

「私の心配をしてくれるのですか?魏兄。私は大丈夫ですよ」

聶懐桑は言った。

「雲深不知処の結界のすぐ外には私の守り人もいます。万一何かあったとして、魏兄にさしあげた“胸あて”が無くとも平気です。・・・では、そろそろ私は行きます」


パチリと手に持っていた扇子を畳むと、聶懐桑が魏無羨に背を向けた。

そして、数歩歩いた後、何か思いとどまったように、立ち止まって魏無羨を振り返った。

「魏兄」

「ん?」

「もし・・・」

聶懐桑が一瞬唇を引き結んだ。
そこに、意を決したような顔があった。

聶懐桑が言った。

「もし、これから先、魏兄が姑蘇藍氏を、雲深不知処を出ようと思うようなことがあれば、私のところに来ませんか?」

「え?」

本心からきょとんとした魏無羨に聶懐桑は真面目な顔で続けた。

「雲深不知処はとても美しく、姑蘇の街はとてもいいところです。
それでも、もし、魏兄が、ここを離れたいと決意するようなことがあれば、こちらに来てください。私の配下になって欲しいとか、仙門に下って欲しいという意味ではありません。魏兄は先ほど言いましたね。広い世界のどこでも住処に出来ると。ならば不浄世も魏兄の住処の一つと考えて欲しいのです。私は魏兄をいつでも歓迎します。それを覚えておいてください」

「あ、ああ~…。うん。わかった」

曖昧ながらも、頷く魏無羨に聶懐桑が微笑を浮かべた。

そして、頷き返すと、魏無羨に「再見」と言った。
聶懐桑は踵を変え、雲深不知処の門の方角に向かって歩き出した。そして、魏無羨が「土産ありがとな」とその背にかけた言葉に振り返らずに手を振ると、林の茂みの中に姿を消した。


魏無羨は、聶懐桑の姿が見えなくなっても、聶懐桑からもらった本を手に、しばらくその場に立ちつくし、ただ小川の中で悠々と泳ぐ魚たちの姿を目で追っていた。


魏無羨が聶懐桑と雲深不知処の敷地内で別れたころ・・・。



別の場所では、藍思追と藍景儀をはじめとした闇狩りに赴いていた姑蘇藍氏の若い門下生達が、他の仙家の門下生たちと偶然、出会っていた。

姑蘇藍氏より規模の小さな仙家は闇狩りで共闘するためにいくつか集まって行動することがあった。

今回集まっていたのは、雲深不知処に近い場所にある仙家の者たちで、率いていたのは尊湖柳氏一門の門下生だった。そして、そこにいた門下生たちの大半は藍思追達と同じくらいの年ごろの顔なじみばかりだった。

皆は互いに丁寧に拝礼した後、和んだ雰囲気になった。


「姑蘇藍氏は何の依頼を受けたんだ?」

尊湖柳氏一門の一人が藍思追に聞いた。

「私達は、ふもとの村の作物を荒らす魔獣を滅する依頼を受けて、こちらにまいりました。先ほど依頼も無事終え雲深不知処に帰るところです」

「魔獣が出ているという話は聞いている。ただ、我々の仙家では荷が重い闇狩りゆえ、姑蘇藍氏の方に依頼が回ったのだろう。凶悪な魔獣だと聞いていたが、どうだった?」

「少々手ずったけど、楽勝だった」

藍景儀が左腕の打撲を手でさすりながらも得意げに言った。

「含光君様の手を煩わせることにならずにすんだよ」

そう言った姑蘇藍氏の門下生に、他の仙家の門下生達が訳知り顔で頷いた。

「仙督様は、今いろいろとお忙しそうだから、こんな闇狩りで弟子達を助ける時間も無いだろう。就任式の他に結婚式も控えていらっしゃるのだからな」


「・・・え?」


姑蘇藍氏の門下生達は、皆同じ表情で固まった。

まるで、聴覚と思考力を奪われる術をかけられたかのように。

「一体何の話だ?」

ややあって、真っ先に意識を戻したらしい藍景儀が口を開いた。

「どなたが、どなたの結婚式を控えていらっしゃると?」

「何で恍けているふりをしているんだ?」

姑蘇藍氏以外の門下生達が一斉に笑った。

「姑蘇藍氏の含光君様、いや、仙督様が婚姻なさるのだろう?不浄世の仙女と」


「は?」

目を丸くして、自分が今聞いたことが正しいのかどうか信じられないように、
藍景儀は隣にいた藍思追の顔を仰ぎ見た。

「思追、今、含光君様が婚姻されるとか、何とか、聞こえたんだが」

「・・・私も聞こえました」

茫然としていた藍思追がようやく意識を戻したように、ぼんやりと呟いた。

藍思追と藍景儀だけでなく、姑蘇藍氏の門下生達が近くにいる者たちと当惑した顔を突き合わせていた。

「なんだ。お前達。姑蘇藍氏のくせに、知らないのか?」

あきれたように言う尊湖柳氏の門下生に藍思追は「違います!」ととっさに勢いよく返した。

「それは違います。単なる噂話でしょう」

「どうして、そう言いきれるんだ?まだ極秘事項だから、お前達が単に上の者から聞いていないだけなのではないか?」

「極秘事項と言うのなら、何故君たちは知っている?」

姑蘇藍氏の門下生の一人が負けじと口を出した。

「そうだ。我ら門下生も知らない話だぞ。そんな大切な話があったら、まず雲深不知処内で話題になっているはずだ」

そうだ。そうだ。と、ようやく息を吹き返したように、姑蘇藍氏の門下生達がコクコクと頷いて見せた。

「そんな事は知らない。だけど、この話は有名でもうかなり広まっているという噂だ。疑うなら、他の仙家の者たちにも聞いてみろよ。とくに清河聶氏の者たちなら知っているだろう。
仙督様の奥方になられる方は、聶家ゆかりの方で、この話もその仙家の者たちが、他に広めているという話だからな」

「そんな・・・」


…こんな大事な話を門下生の我々が聞いていなかったなど。
…なぜ、藍宗主様は集会でお話しして下さらなかったのだ。
…いや、やっぱり、ただの噂話なのだろう。
…しかし・・・。

その後、

他の仙家の者たちと別れてからも。

姑蘇藍氏の門下生たちは、その場で衝撃と興奮から冷めやらぬ体で話をしていた。

藍景儀は、そこからやや離れた場所で腕を組みながら憮然とした顔で佇み、
藍思追は、その隣で、師匠ゆずりの伏し目がちな表情でうつむいたまま黙していた。



その夜の月は、厚い雲に覆われたまま、ほとんど姿を見せなかった。


魏無羨は清室の濡れ縁にあぐらをかき、
雲に覆われた夜空を仰ぎながら、天子笑の酒を口にしていた。

風はやんでいで、竹林の葉が揺れる音すら聞こえない。

暗闇の中で、かえって不気味なほどの静けさだったが、
かつて乱葬洞で暮らしていた魏無羨にとって全く怯える環境では無かった。

だが、何故か、今日は胸騒ぎのようなものを感じる。

魏無羨はその漠然とした正体不明の予感を振り払うように、天子酒を豪快に口に流し込んだ。

その時、清室の門の外から微かに足跡が聞こえた。

魏無羨は、一人微笑むと、天子酒の甕を濡れ縁の床に置いた。

「藍湛、おかえり」

門を開け、真っ先に清室の濡れ縁の上で手を振る魏無羨の姿を認めた藍忘機が、微笑のような物を顏に浮かべた。

「魏嬰…」

「先に一人でお疲れ会してた」

魏無羨が天子笑の甕を手に掲げて見せた。

「今日は、何か疲れることがあったのか?」

清室の中に入り、着ていた外着を打ち掛けに下げた後、
いつもの座卓前に座った藍忘機が問うた。

「いや。べつに。いつも通りだったけど…」

魏無羨は、チラリと、一瞬衣装箪笥の方に目をやった。

聶懐桑から受け取った春本。

それが、この部屋に持ち込んでからは、結構曲者だったのだ。

表紙が真面目な題目にすり変えられているとはいえ、藍忘機の書物と一緒にしておくわけにはいかない。
かえって興味を持った藍忘機に見られてしまう可能性がある。

少年期に戯れで春本を見せた時、「恥知らず!」と激昂した藍忘機によって本を粉砕された記憶は健在だった。
今の藍忘機が春本をどう考えているかは分からなかったが、少なくても、今のこの部屋に無いということは、好まれている物では無いから、目につくところに置くのは止めた方がいいだろう。

魏無羨が清室に戻ってから、そんな事を考え、春本をどこに置こうか右往左往しているうちに時間が過ぎていた。
そして、迷ったあげくに、魏無羨は、衣装箪笥の自分用の服が入っている引き出しの下方に春本を置いておくことに決めた。

こうして春本隠しに、闇狩りで眩惑術を使う魔物を封印する時と同じくらいの気力と注意力を使った魏無羨なのだった。

「いつもと違うことといったら、聶懐桑に会った」

そう言った魏無羨に、藍忘機が茶を用意していた手を止めて顏を上げた。

「いつ、どこで会った?」

「昼過ぎに、雲深不知処の姑蘇藍氏領内の中で。偶然散歩していたら会って、少し話をした」

「何を話した?」

「思い出話だよ。ここで学んでいた時のこと。昔の事って忘れているようで話していると結構思い出したりするんだよな」

…こっそりと小川の魚を取って、殺生を禁じている姑蘇藍氏領から離れた雲深不知処外れの森の中で焼いて食べたりもしたな。そういや、あの時の焼魚は旨かった。

焼き魚の味を思い出した魏無羨は思わず涎が出そうになり、慌てて口元を手の甲で拭った。

「聶懐桑に聞いたけど、今日藍湛に会っていたんだろう?藍湛こそ何を話してたんだよ?ああ、さすがに昔話ばかりはしないか。仕事の話だよな」

藍忘機がコクリと頷いた。

仕事の話で無くとも、昔から藍忘機と聶懐桑はたわいもない世間話をするような仲では無かった。
それどころか、二人で話をしている所も見たことが無い。
聶懐桑は、藍忘機を昔から苦手としているような態度で、藍忘機を見るとこそこそと魏無羨の影に隠れていた。

それでも、立場上話をしなければならない状況もあるのだろう。
魏無羨は、聶懐桑が言っていた話を思い出しながら、そう考えた。

『上に立つ者は、そこにいない者には分からない何かを背負う』

「大変だな」

そう独り言のように言って、天子笑の酒を口に含む魏無羨を藍忘機が座卓の対面からジッと見つめていた。
何か思慮しているような藍忘機の心は、外の月のように隠され、魏無羨に気付かれることは無かった。

魏無羨の関心事は、すでに聶懐桑から離れていた。

「藍湛の仙督就任式が延期されるという話は、集会で沢蕪君から聞いた。
規則や予定をきっちり守る姑蘇藍氏にしては珍しいと思うんだけど、何かあった?」

…他からの妨害や反対があったとか?

魏無羨の少し含みも込めた質問に藍忘機が静かにかぶりを振った。

「準備に時間がかかる」

「確かに。招く仙家も多いだろうからな」

「・・・・・・」

それ以上話そうとしない藍忘機に魏無羨も特に話を追及することもせずに、
再び天子笑を飲み始め、清室の開け放した戸の向こう側に目をむけた。


藍忘機が茶の湯を茶器に注いだ。
秋茶から湯気が立ち上り干草香が魏無羨の鼻孔をくすぐった。

「今日はやけに外が静かだな。こんな夜の後は嵐が来ることが多い」

魏無羨がぽつりと言った。

藍忘機も頷いた。

「寝る前に窓は全部閉めておこう」

「うん。昔、子どもだった時は、こんな夜はかえって眠れなかった。
何かが起きそうな気がして目が醒めていた」

「嵐が怖いのか?」

藍忘機の問いに魏無羨が苦笑してかぶりを振った。

「いや。嵐よりも、その前の前兆が嫌だっただけだ。得体の知らない魔物と向かい合っている気分になる。でも、その正体が分かれば、何てことは無い」

魏無羨は、外から藍忘機の方に顔を戻した。

「それに、ここには、俺のような弱い男も守ってくれる含光君がいてくれる。
怖いことなど何も無い。そうだろ?藍湛」

藍忘機は何も答えなかった。

ニコニコとした笑顔を向けている魏無羨をじっと見つめながら、ただ、やわらかく口角を上げると、
手にしていた茶を口に含んだ。


魏無羨は、藍忘機の姿が清室に現れてから、
漠然と感じていた不安がいつの間にか消えていることに気づいていた。

清廉で美しい藍忘機の顔を見ているだけで、モヤモヤした気分もおさまっていた。

魏無羨は、再び目の前の藍忘機の顔に笑いかけると、寛いだ姿で、天子笑の酒を煽った。


藍忘機の私邸清室は、結界がはられているかのように守られた聖域だった。
その聖域を照らす月は、いつも、清室の主、藍忘機のように魏無羨には見えていた。

だがその日、夜空に昇った月は光を隠され、ついに出てくることは無かった。

聖域を侵すかのように立ちこめる風雲は、雲深不知処全体を覆い、
雲はやがて霧の深山を暗い闇に化すかのように広がり、いずれは清室の上にも影を落とすだろう。


虞(おそれ)の無い魏無羨は、
その事にまだ真の意味で気づいてはいない。



(終わり)


この二次小説を読んでいる方の大半は、「陳情令」ドラマをラストまで見ているか、原作「魔道祖師」を読んでいる方ですよね?
聶懐桑のことや、ラストシーン、黒幕さん、など。
これから二次小説の展開で書くのが避けきれなくなってきます。
来年、「陳情令」日本に上陸して日本語字幕で見るのを楽しみにしている方は、ネタバレが多くなるので、ドラマ見た後に読んでくださいね♪←って、あとがき読んでるくらいなら、本文読んでるって。

シリーズ話は、これから佳境に入ります。

拍手コメント、ありがとうございます。いろいろ気になる話が沢山出てますが、
お返事はまた次回ゆっくりとさせていただきます。


二次小説読んで頂きありがとうございました♪
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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