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「みつばの裏箱」、【裏箱】1コマ漫画劇場INDEX(専用ぺージ)に、
「陳情令」二次創作漫画、「藍ぢゃん日記」02を更新しました。

(以下の注意点をよく読んでください)

「藍ぢゃん日記」02は、【裏箱】1コマ漫画劇場INDEXで見られます。

このページの裏箱には、ありません←ここを読み飛ばすと、裏箱迷路にはまります。


先日、更新した「藍ぢゃん日記」01を見たい方は、
裏箱の中のページをめくって(裏箱内の「もっと送る」ボタンを押す)ください。

※「裏箱」を初めて見る方は、「裏箱」の注意点をよく読んでから、入室ください。
「裏箱の見方について(補足)」



(以下、呟き雑記)

みつばは、「陳情令」の藍忘機が大好きなのですが、妄想の中では、あまりいい関係では無いです。
二次小説書く時に、心情を読もうとしても、弾かれるのです。

清らかで高尚な精神の持ち主なので、みつばのように邪心をもった者は受け付けないのかも(汗)

だって、ドラマ中も、己にも他者にも。
藍忘機は、原作キャラ設定より、厳しいように感じました。

献舎した後、原作の藍忘機は(アニメの藍忘機も)、魏無羨に優しくて甘かったのに。

ドラマの藍忘機も、魏無羨への接し方が、以前よりやわらかくなっていたけど。

(というか…。「陳情令」藍忘機は、前世でも、藍忘機なりに魏無羨にすっごく優しくしていたと、ドラマを見返したら分かったみつば。さらに、『君だけは私の特別な人だ』を、分かりやすくアピールもしてた。自分も。君を、今もソウルメイトだと思っていると伝えているから)

ただ、みつばが、一番怒っていたのは、献舎後、乱葬の騒乱の後、皆で蓮花塢に来た時のこと。

江澄に睨まれ、屋内に入れない魏無羨が、入口で寝そべろうとしたのを、藍忘機に咎められた時。

・・・そうだよね。
いずれ「仙督」の情侶(嫁)になるのだから、そこは、しっかり躾けておかないとね♪。

~という、腐れ乙女の妄想をonにしても、「陳情令の藍忘機、厳し~」とか思ってしまいました。

あの後、魏無羨が倒れた時も、藍忘機、あの時、休ませてあげていれば!とか、思ってしまったみつば。(倒れた原因は、原作設定が反映されているなら、違うだろうけど)

そんなわけで、みつばの、藍忘機視点の二次小説には、
「魔道祖師」イメージの藍忘機と、ggに接する中の人のイメージが入っています。

―――しかし。

裏箱漫画では、そういうところ、全部ぶっ壊しました(笑)


1コマ漫画劇場は、「藍ぢゃん日記」だけでなく、「羨ちゃん日記」も登場させる予定なのです。

ただ、羨羨君って、みつばの中で、日記とか書かないイメージ(苦笑)

他のキャラ、たとえば、江澄とか、聶懐桑とか。兄様、叔父様(笑)の日記ネタも考えています。


たとえ、他者の需要や反応が無くても、自分が楽しい!
それが、「みつばのたまて箱」の原点!!

~と、ブログ11年目最後になって思い出せて良かった。

一人で、1コマ漫画劇場に盛り上がっていますが。

6月20日までに、二次小説、「陳情令」の逢月編の最終話と、韓国ドラマの二次小説最終回話の更新は忘れないように気をつけます。


…濃厚接触では無いのですが、外出先で発症した方が近くに複数いたので、自主的にしばらく自宅待機中のみつばです。
微熱と頭痛は、いつもの事だと思いつつ、夜はしっかり眠り、日中は、今のうちに、庭と室内の植物の土いじりして、ブログ記事書いておこう♪と前向きに過ごしています。


ブログへのご訪問、ありがとうございました!

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「陳情令」みつばの二次創作。

【裏箱】1コマ漫画劇場INDEX(専用ぺージ)

(更新日 2022.0530~ 2023.0202)

「羨ちゃん日記」01 (魏無羨の日記) ←更新NEW(2023.0202)

「藍ぢゃん日記」05 (藍忘機の日記)

「兄さま日記」 (藍曦臣の日記)

「藍ぢゃん&羨ちゃん日記」03 (藍忘機&魏無羨の日記)

「藍ぢゃん&羨ちゃん日記」02 (藍忘機&魏無羨の日記)

「藍ぢゃん日記」04 (藍忘機の日記)

「藍ぢゃん&羨ちゃん日記」 (藍忘機&魏無羨の日記)

「藍ぢゃん日記」03 (藍忘機の日記)

・「藍ぢゃん日記」02 (藍忘機の日記)

・「藍ぢゃん日記」01 (藍忘機の日記)



(以下の注意点をよく読んでください)

※「裏箱」を初めて見る方は、「裏箱」の注意点をよく読んでから、入室ください。
「裏箱の見方について(補足)」

【1コマ漫画劇場の説明】

「陳情令」みつばの二次創作、新たなカテゴリ。

「一コマ漫画劇場」始めました♪

「冷やし中華始めました」みたいなノリで(笑)

読めるのは、この専用ページの「みつばの裏箱」のみとなります。

「裏箱」陳情令4コマ漫画創作のINDEXと同じで、新しいものがアップされると、上に重ねられていきます。

古いものを見たい時は、裏箱ページの内にある「(拍手を)もっと送る」ボタンを押していただくと、次のページになります。

初回は、「藍ぢゃん日記」。

「藍忘機が、ひっそりと日記をつけていたら?」という二次的妄想を1コマ漫画つきでお送りします。

評判が良ければ…いえ、みつば自身が楽しい♪と思っているうちは、この二次創作物をまた出現させるつもりです。

今までと趣向が違う創作物ですが、ご興味ある方は、専用ページの「裏箱」からお入りください。
(別のジャンルの二次創作でも、一コマ漫画劇場カテゴリがありますが、こちらは表で更新していました)

(注意)「裏箱」でも、大人向けとは限りません。



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説「鏡の女」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

※この二次小説は、時間軸では、「温泉へいこう」後あたりのお話です。




鏡の女




「動くな」

イヌに拳銃を向けた女が言った。


それは、イヌが、マンションの自室でシャワーを浴びた後。
夜風に涼もうとテラスに出た矢先のことだった。

手すりの近くにいた女に、イヌは驚きもせず、「びっくりさせる為に、テラスに潜んでいたのか?」とノンビリと言った。

イヌは、時々突拍子もないことを思いつく恋人、マ・ヘリの悪戯だと思っていた。

だが、女は、ヘリでは無かった。

暗がりの中で、そっくりな容姿に、一瞬見誤ったが、雰囲気が全く違う。

ハッとなったイヌが気づいた時には、女に鋭い眼光と銃口を向けられていた。

ショートヘアのやつれた顔。
薄汚れたシャツと破けたジーンズから出ている手足には、傷が沢山ついている。

かろうじて立っている様子だったが、女の目はギラギラと生気に満ちていた。

「声を発しても、動いても撃つ」

女の言葉に、イヌは、両手を上げてみせた。

「こんな所で撃てば、サプレッサーがついていても、
周囲に気づかれるが、それでもいいのか?」

冷静な態度で言ったイヌに、女は険しく目を細めた。

「…そのまま、後ろに下がって、部屋に入れ」

…このなりと身のこなし。彼女は、一般人じゃない。だが、公的機関に属している者にも見えない。持っているのは、小型の自動銃。本来なら殺傷能力は低いものだが、改造している可能性があるな。

イヌは女と、持っている拳銃を観察して、そう考えた。

手をあげたまま、女の言う通りに部屋に入ったイヌの後を、女が拳銃を向けたままついてきた。

「君の要求はなんだ?金か?いや、その前に治療か?」

イヌが冷静に尋ねた。

「…救急箱をよこせ。それと電気コードを」

不愛想な調子で言った女の声も、ヘリに似ていた。

イヌの四肢を縛り、自由を奪った後、女はこの部屋の中で必要なことをするのだろう。

女の行動が読めていたイヌだったが、黙って言うとおりにした。

救急箱を手に戻ってきたイヌは、女に渡さず、ソファの方に来るようにジェスチャーした。

「手当してやるから。そこに座れ」

「お前が命令するな。立場を分かってるのか?」

女がイライラした口調で言った。

「妙な真似をしてみろ。下の階にいる、私と顔がそっくりな女がとばっちりを受けることになる」

女の言葉に、イヌの周囲の空気が一変した。

「彼女に何をした?」

「まだ、何も。ただ、さっき、下の階の部屋の中に爆弾を仕掛けておいた。何かあれば、すぐに起爆装置を押す」

女は、起爆装置はここにあると言わんばかりに、羽織っていたジャンバーの胸元に手を置いた。

「下の階の女は、お前の大切な女だろう。彼女を守りたいなら、言うとおりにしろ」

「…わかった。だが、脅すのなら、縛る必要はないだろう」

「ふん。私を見くびるな。お前は体術が使えそうだ。隙を見て、私を一瞬、抑えられるくらいにはな。その電機コードを前に置いて、後ろを向け」

女は、イヌの両手をコードで後ろで縛り上げると、救急箱から取り出した物で、傷の応急手当を始めた。

「どこの機関の者だ?」

「黙れ。余計な口をきくな。クッションで銃声を消すことも出来るんだぞ」

女がイヌを睨みつけた時、銃声以外の音が女の方から聞こえた。

あまりにも大きな腹の音に、女は、ハッとなって赤面し、イヌは、苦笑を浮かべた。

「空腹なんだな。今何か作ってやるから、縛りを解いてくれ」

「ふざけるな。…インスタント食品がどこかにあるだろう。その場所を教えろ」

イヌは、顎でキッチン棚をさすと、女は、イヌを睨みながら歩いていった。
そして、キッチン棚と冷蔵庫を物色したあと、中から鍋と袋麺、卵と葱を出し、調理を始めた。

「キムチは、下の棚にある。・・・おいおい。危ない手つきだな。拳銃の扱いは慣れていても、包丁の使い方が分かってないんじゃないか?」

座っていたソファから声をかけたイヌに、雑に葱を切っていた女は「うるさい」と言って睨んだ。

「刃物の使い方にも慣れている。葱のようになりなくなかったら口を閉じていろ」

「物騒だな」

イヌが大げさに溜息をついて見せた。

「彼女と顔が似ているから、なんだか、見ていられなくてね」

「『あの女』は、お前の恋人か?」

『あの女』と言ったことで、イヌは、女がヘリの素性を知らないことを悟った。

…この女は、ヘリが検事だということを知らない。
知っていれば、余計に危ない橋を渡ることを避けたはず。

彼女が、この部屋に来たのは偶然。
それとも、冷静な判断ができないほど追い詰められているか…。

「なるほど。君が、ここに来た目的は、僕や彼女じゃない」

「よく動く口だな」

女は呆れたように言った。

いつでも放てる拳銃を向けられ、脅されているのに、怯えた様子を見せないイヌに、女は警戒心をあらわにしながらも、感心しているようだった。

「お前は、何者だ?」

女が油断の無い顔でイヌに尋ねた。

「一市民だよ」

飄々と答えたイヌに、女は眉をしかめた。

「…調子が狂う」

ポツリと呟いた後、女は、煮込まれたラーメンをキッチンの鍋から、直接、立ったまま食べ始めた。

「安心しろ。命はとらない。お前も、お前の恋人もな。」

よほど、お腹がすいていたのか、ラーメンを口にかけこむように食べながら女は言った。

女は、鍋の中のラーメンの汁もすべて飲み干した。
さらに、冷蔵庫の中にあったペットボトルの水も一気に飲み干すと、ようやく人心地ついた顔になった。

それから、女は、納戸の中に入り、非常避難用のロープを見つけてくると、イヌの体を柱に縛り付けた。

「少し眠ったら、ここをすぐに去る」

「ああ、そうしてくれると助かるよ」

イヌがのんびりと言った。

「明日の午後は、彼女とデートの約束をしているんでね」

「デートの約束が守れるかどうかは、今夜のお前の態度しだいだ。
私が仮眠をとる間、大人しくしていれば、明朝には解放する」

「その言葉、約束しろ。彼女には、絶対に手は出さないと」

「ああ。約束する」

女の約束が信用できるのか分からなかったが、イヌは、なぜか本当だと感じた。

女の雰囲気と身のこなしは常人のものでは無かった。
おそらく、相当、戦闘訓練を積んだ者だろう。
ならば、拳銃で無くとも、イヌの命を奪うことは出来ていた。

一時的な避難所を求めていても、部屋の住人のイヌを生かしておく理由は、逃走の為の人質というわけでは無いようだった。


ベッドの方に向かって歩き出した女にイヌは「ベッドは駄目だ」と声をかけた。

「なんだと?」

「そこで寝ればいい」

イヌはソファの方に目を向けた。

女は一瞬唖然とした顔でソファを見やった。

「女性にソファで寝ろっていうのか?」

こういう場合、普通男は女にベッドを貸すものだろう?
…と言うような女の視線にもイヌは素知らぬ顔をした。

「こんな居直り強盗のような仕打ちをする『奴』が、寝る時だけ女性扱いされたいのか?だが、確かに君は女性に見える。だから、ベッドを貸すのはお断りだ。僕の彼女は、例え友人でも女性が部屋のベッドで寝るのを嫌がるんだ。悪いね」

全く悪いと思っていないようなイヌの口ぶりに女はますます眉をひそめた。

「黙っていれば分からないだろう」

尚も食い下がる女にイヌが顎で窓の方を指した。

「ソファが嫌ならテラスで寝るといい。寝袋を貸すよ」

「…お前の彼女は、よっぽど心の広い女なんだな」

女は唖然を通り越して憮然となって言った。

「こんな冷たい男のどこが好きなんだ?」

独り言にしてはあまりにも大きな声で聞こえよがしに言う女に
イヌが黙ったまま冷笑を浮かべた。

「君は、その答えを本気で知りたいと思っていないはずだ」

「……」

女は、拳銃の中身が麻酔弾なら今すぐ撃ってやるのに。という表情で、イヌを見やった後、言うとおりに、ソファの上に横たわった。

ほどなくして。柱に縛られているイヌの耳に女の寝息が届いた。

…顔も似ているが、年齢もヘリと変わらないくらいだろう。
彼女が何者か分からないが、危険な世界にいる人間のようだ。
つくづく、今夜、この部屋にヘリがいなくて良かった。

イヌは、遠目から女の寝姿を見ながら思った。

そうして、イヌは吐息をつくと、自らも就寝の為に目を閉じた。


「…おい起きろ」

イヌは、女の声で目をあけた。

部屋の窓の外は、まだ薄暗かったが、夜明け前の時刻なのだろう。
イヌの目の前に、拳銃をむけた女が立っていた。

休息をとったせいか、女はイヌが最初に見た時より顔色が良くなっていた。

「このマンションを出る。外に出るまで一緒に来てもらおう」

「勝手に一人で出ればいい」

「この部屋を出たとたん、お前が通報するかもしれない。
それに、廊下に防犯カメラがある。お前と外に出れば、都合がいい」

「どこまで一緒に行けばいい?」

「大通りで、タクシーを拾うまでだ。それまでに妙な真似をしたら分かってるな?下の階の恋人の部屋を吹き飛ばす。通報したところで、いずれ『無かったこと』になるが、少しの間でも騒ぎになるのは面倒だ。私が消えた後は好きにしろ」

「…わかった」

女は、拳銃を向けながらイヌの縛りを解いた。
それから、すぐに、キッチンの方に歩いていくイヌに、女は「どこに行く?」と再び銃口を向けた。

イヌは、棚から非常食のビスケットバー数本と、冷蔵庫にあったジュースを1本取り出し、袋に入れて女に差し出した。

「朝食がわりに持っていくといい」

「……」

女は、無言でイヌから袋を受け取ると、『部屋を出ろ』という風に目で合図した。

イヌは、女と共に歩き出すと、マンションの部屋を出た。

人が起床するには早い時間。

だが、イヌと女は、マンションのエントランス近くで、ペットの散歩に出るような老婦人と
行き会った。

それも、イヌとヘリが顔見知りの人物だった。

「あら?ヘリさん。髪型かえたの?」

ヘリを知っている老婦人が不思議そうに女を見つめた。

「ええ。似会います?」

女はあわせたようにそう聞いた。

「ええ、似会うわよ。美人ってどんな髪型にしても似会うわよね」

老婦人は、にこやかな愛想笑いで答えると、
イヌに向かって、「いつも仲がよくていいわね」と言って去って言った。

…ばれてなかったみたいだな。

まだ周囲が十分に明るくなっていなかったことも幸いだった。
顔も体型もヘリにそっくりな女はイヌといたことで完全にヘリに見えたようだった。

大通りに出るマンション前の小路を歩いている時、イヌが「これからどうするんだ?」と尋ねた。

「その答えを、本気で知りたくて尋ねているわけじゃないだろう?」

女の言葉に、イヌがおどけたように肩をすくめて見せると、女は軽い吐息をついた。

「人に会いにいく」

女が言った。

「…恋人ではないがな」

危険をおかしてまで、会いにいこうとする相手だ。
恋人でなくとも特別に想う者のことなのだろう、とイヌは察した。

「あいにく、外見も中身も、お前に似ても似つかない男だ」

女の言葉にイヌが笑った。

「君も、外見は彼女にそっくりだが、中身は全く違う」

「しかし、私が恋人に似ていたから手加減していたのだろう?
お前は、その気になれば、私の拳銃を取り上げ、抑えつけることも出来た。だが、しなかった」

女が鋭く言った。

「恋人の部屋に爆弾を仕掛けているからという理由でも、私から起爆装置も奪えたはずだ」

「かもな。もし、起爆装置というものを本当に君が持っていたのならね。
だけど、そんなものは無いんだろう?君は、部屋に爆弾なんて仕掛けていないのだから」

「……」

イヌの言葉に女が無言でイヌを見上げた。

…なぜ、分かる?という目をしている女にイヌは話を続けた。

「下の階の部屋に彼女は住んでいない。今は、まったくの空き家状態だ。もし爆弾を本当に仕掛けたのなら、誰も住んでいない事に気づいたはずだ。君は、以前、あの部屋にいる時のヘリと、一緒にいる僕を見かけたことがあったんだろう。そして、昨夜、何等かの理由で、この地に逃げ込んだ君は、その事を思い出し、僕を利用しようとした」

「…それだけ、最初から見抜いていて。なぜ、大人しく私に協力した?」

「さあな。君が、彼女にそっくりだったからかもしれない」

とぼけたように言ったイヌに女は呆れたように苦笑した。

その顔は、ヘリがイヌに苦笑を浮かべる時にそっくりだった。

「おまえみたいな男と付き合っている私に似た女に会って話をしてみたかった。だが、もう時間が無い」

ちょうど、大通りに出たイヌと女の前に『空車』のタクシーが走ってきた。

女は手をあげると、止まったタクシーの中に滑り込んだ。

そして、外に立っているイヌに、「迷惑をかけた。彼女を大事にな」と淡々と言った。

「ああ」

タクシーのドアが閉まると、女は、ふいっと目をそらせ、前を向いた。
そして、タクシーが動き、去っていくまで、イヌの方を見ることは無かった。

イヌは、冷たい女の横顔を見送った後、踵を返し、マンションの自室に戻っていった。


―――その日の夕方。

イヌは、ヘリと外で待ち合わせ、レストランで夕食を食べた後、一緒にマンションに帰って来ていた。

ヘリは、今は、職場の春川地検の近くにマンションを借りて住んでいた。

そして、休みの日は、ヘリかイヌ、どちらかが、高速道路を車で走って会いにいくという遠距離恋愛になっていた。

マンションのエントランスに、二人が入ろうとした時、イヌが朝会った、老婦人とまた遭遇した。

飼い犬を抱いていた老婦人は、首をかしげて、挨拶したヘリの顔を見つめた。

「ヘリさん、それウィッグ? 髪、もっと短かったわよね?」

住人の言葉にヘリがきょとんとした顔をした。

「えーっと。まとめ髪していた時の事でしょうか?」

「ああ、そうだったの」

住人は、納得したように頷いた。

ヘリが不思議そうにイヌを見やった。

「あの方、視力が落ちたのかしら?」

イヌが、黙って微笑んだ。

部屋に入って。

ソファに座り、イヌのいれたコーヒーを飲んだヘリが一息ついた頃、
イヌが、ヘリに女の話を切りだした。

とくに秘密にしておくことでも無いと思ったからだった。

それに、ヘリの反応も見たかった。

『銃でおどされた?そんな危ない事があったの?』と驚き、怯えるか、
『どうして、捕まえておかなかったの。そんな怪しい人』と、驚き、叱咤するか。

…かくして、話終えた後の、ヘリの反応は。


聞き終えて、深い溜息を1つついた後。

「そんなにそっくりな人、私も会いたかったな~」だった。

のほほんと、本気で、会えなかった事をがっかりしているようなヘリ。

ある意味、予測外で、ある意味、予想通りのヘリの言葉にイヌが笑った。

「似ていたのは顔と体型だけだよ」

「ね?美人だった?」

「だから、君とそっくりだったって」

ヘリが、ベッドの方をチラリと見た。

「今朝まで、私のそっくりさんが、そこに寝てたのね」

そう言うヘリにイヌが首をふった。

「彼女はそこでは寝ていない。ソファで寝たよ」

「えっ?どうして?」

「僕がソファで寝ろって言ったから」

「女性にソファで寝ろって言ったの?」

しかも怪我をして、疲労している女性に。

「ベッドに女性を寝かせるのは君が嫌がると思ったから。寝かせても良かったのか?」

うーん・・・ヘリは真面目に考え込んだ。

「他の女性だったら嫌だけど…自分とそっくりの女性だったら許せるような気がしないでもないかもしれない」

「別人だ」

イヌが素っ気なく言った。

「君は、もし、僕とそっくりの男が君の前に現れたらどうする?」

そう問うイヌに、ヘリは、「以前、会ったことあるわ」と答えた。

「そうなのか?いつ?」

多少なりとも驚いたイヌに、ヘリは「あなたがアメリカに行ってた時期」と答えた。

「街で偶然見かけたから、とっさに声をかけちゃった。
あなたと、顔と体型がそっくりな人だったけど、口調や雰囲気は全然違った、赤の他人だったわ。じつは、あなたに、生き別れの双子がいたって新事実があれば別だけど」

「無いな」

「でしょ。だから、別にどうもしないわ。だって似てるだけってこと。私は、あなたを顔で好きになったわけじゃないもの」

女の言っていた「あなたのどこが好きかわらかない」という言葉が蘇ったイヌがフッと笑った。

「じゃあ、どこが好きなんだ?」

「あれ?そう言われてみると、一体どこなのか分からないわ」

視線を泳がせ、とぼけるヘリにイヌが苦笑しながら近づくと、ヘリの横に座った。

「素直に白状しろよ。全部好きなんだろ?」

「んーっ…自信過剰な所はちょっとNGね」

「それ以外は?」

「それ以外は……」

じょじょに体も顔も距離をつめていくイヌにヘリがクスクスと笑った。

「そういえば、イヌは、その女性と一晩一緒に過ごしてどうだったの?
別人だけど、私に顔が似ているってところで、惹かれたりしなかった?」

「たしかに。僕の方は、正直、君の顔が好きなところがあるからね」

「本気で言ってる?そっくりさんに惹かれちゃった?」

焦ったように聞くヘリに、イヌは微笑を浮かべた。

「残念だけど。彼女は、僕とは全然違うタイプと顔の男が好みらしい」

「その人と、そんな話までしたの?」

ヘリは、興味深々で目を輝かせると、イヌの顔を覗き込み、甘えたように肩に寄り掛かった。

「ねえ。もっと詳しく聞かせて。顔が似ている女性がどういう人だったのか知りたいわ」

「話すことは、もう無いよ」

イヌは吐息をついた。

…まるで、夢だったと錯覚するほど。
出会いも別れも一瞬だった。

ヘリと顔は似ていても、心は動かされなかった女。
名前も素性も知らない。
おそらく、すぐに忘れてしまうことだろう。

ただ、女は、あの後、会いに行くと言っていた男に、無事、会えたのだろうか?
ふと、それだけが気になった。

遠くにいる想い人に。
何をしてでも、すぐにでも会いたいという気持ち。

あの時、イヌは、女と共感しあった気がした。

―――例えるなら、鏡に映ったヘリと視線が合った時のような感覚。


「僕は、君の話が聞きたい。
ヘリ、今週は、どんなことがあった?」

イヌは、ヘリの肩を抱くと、優しく笑いかけた。

それは、鏡ではなく、本物の愛しい女に向けた笑顔だった。



(終わり)


(「鏡の女」 最終更新日、2012年7月18日。2022年5月加筆修正版)



【あとがき】


この二次小説中、リンクしている、ヘリの言っている話は、「Without you」(イヌのそっくりさんが出てくる話)

ヘリと似た女のことは、中の人(女優さん)が、他で演じられたドラマのキャラ(たぶん、当時放送していた韓国ドラマ「IRIS-アイリス-」)のイメージより。

「検事プリンセス」みつばの二次小説、第2シーズン(ドラマ後1年以上たった世界)。

二次創作設定で、ヘリは、ソウル地検から、春川地検に異動になり、住んでいたマンションも引っ越して、イヌと離れて暮らしている頃の話です。

(経緯は、シーズン1で更新している「追憶の香り」「高く飛ぶ君へ」)

これで、以前(10年前(?))更新していた「温泉へいこう」や「月が見ていた」などの話とようやく時間がつながっています。

来月、6月20日まで。あと、いくつ話が更新できるか分かりませんが、蔵で未公開になっていて、未完でも少し修正すればアップできそうなものは、更新していきます。

二次小説シリーズ、シーズン2(遠恋編)、シーズン3(夫婦編)は、ドラマ世界から時間がたっている続きで、オリジナル要素が増す二次創作物ですが、それでも、イヌ×ヘリ世界が好き。という方は、お読みください♪

ブログへのご訪問ありがとうございました!

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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「華燭夜話」です。

二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


コメント欄は、二次小説記事の下方にあります。
コメント記入に関しての説明は、こちらから。(期間限定。2022年6月20日までは、コメント欄内でお返事しています)

「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。

※これは、時間軸では「逢月編」シリーズ、「逢月撤灯」34話のおまけ話です。

【注意】この小説には、大人向けの表現と描写があります。
自分は、精神的に大人です、と思う方のみ、お読みください。



「続きを読む」からお入りください
(スマホで見ている方は、すでに小説が開いています)

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「みつばの裏箱」に、陳情令二次創作のイラストを2点アップしました。

今回は、全体の裏箱(専用記事以外、全部の記事)でご覧になれます。

※「裏箱」を初めて見る方は、「裏箱」の注意点をよく読んでから、入室ください。

「裏箱の見方について(補足)」


タイトル「枇杷愛す(あいす)♪」→「アイス(冰淇淋)」と日本語の「愛す」をかけてます。

アニメ「魔道祖師」のコラボCMで、アイスクリーム(広告)が出てくるアニメがありました。

あの時代、アイスクリームってあったのかな~?とか、思いながら、広告がアニメシーンにちゃんと組み込まれている。(「完結編」の中のCMでは飲み物だった)

ちょうど、今から「陳情令(魔道祖師)」では、重要アイテムの枇杷の時期。

CMアニメでも「一緒に食べよう」と言っていた魏無羨ですが。

二人で、「枇杷アイスクリーム」を一緒に食べたら?というイラストです。

1点目、どうしても納得がいなかったので、2点目も描きました。

20年たって。

漫画家修行していた時。漫画の絵を上達させようっていうのより、君は、違うところに力を注ごう。って、アドバイスされた意味が、ようやく分かった!

長い道のりだったけど、これから漫画を描くのが、これまでより楽しくなりそう♪~

…という、独り言です(笑)


ブログへのご訪問ありがとうございます。
記事への拍手、ありがとうございます。

コメント欄からコメントを書いてくださった方のお返事遅くなっています。
6月20日着までのコメントには、まとめてになっても返信します。
返信不要の方、ハンドルネームを明記されたくない方は、その旨を明記でお願いします。

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説「プリンセスは本日もお騒がせ」(後編)です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
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※この二次小説は「嘘つきは恋のはじまり」前あたりのお話です。




プリンセスは本日もお騒がせ(後編)




検察庁、刑事5部の会議室。

妙な空気が流れる中、皆は、チラチラと、座っているヘリの方に目をやった。


「マ検事、大丈夫か?」

「大丈夫じゃないです」

隣の席で、何げなく尋ねたチェ検事に対するヘリの答えに、皆が一斉に注目した。

ヘリは、うつむき加減で、沈んだ様子を見せていた。

「私、ありえないミスをしてしまったので、反省しています」

「それは……。ありえないミスでも、それは、マ検事だけのミスだけじゃないよ」

慌てて、横から口だしするイ検事に、ヘリは首を振った。

「いいえ。私がミスしたのです。もっと慎重に事を進めるべきでした」

「いや。…『あの時』って、理性を失くすのが普通だろ。
冷静になる方が難しい。そんなミスを犯すのはよくあることだ」

「先輩。よくあることで済ませられませんよ。人生がかかっているんですから」

「ああ。うん。そうだな。命と人生がかかっている問題だな」

ヘリの話を、予想外の妊娠話だと思いこんでいるチェ検事とイ検事は、殊勝な顔をつくって、こくこくと頷いていた。

しかし。ヘリの落ち込んでいる原因は、当然、仕事のことだった。

ヘリは、ひさしぶりに、仕事でミスをしていた。

幸い、担当の被疑者の運命を左右するものでは無く、しかも、すぐにミスを訂正出来てはいた。

だが、気分屋な面がある、ナ部長の今日の虫の居所は悪かった。

会議が始まると同時に、ナ部長のヘリへの説教がはじまった。

「マ検事、もう新人じゃないんだ。
こんな初歩的なミスをするとは、信じられん。
最近は、庁内で君の評価が上がっているからと言って、慢心し、たるんでいるのじゃないか?」

「部長、そんなにマ検事を怒らないでください」

あわてて、チェ検事が言った。

「なに?」

「そんなに怒鳴りつけたら、お腹の子に…いえ、頭の毛に悪いですよ」

「余計なお世話だっ」

ナ部長が、チェ検事を一喝した。


「部長。マ検事も反省しているようですし、そのくらいで」

「なんだ?ユン検事まで、マ検事の肩をもつのか?」

「今回は、マ検事のミスをフォロー出来なかった我々にも責任があります」

イ検事が言った。

「そうです。部長。ヘリ先輩だけじゃなく、刑事5部の責任です。
ヘリ先輩。いえ、マ検事を責めるなら、私たちも叱ってください」

「…どうした?みんな。いつのまに、こんなに団結力がある部署になったんだ?刑事5部は」

首をかしげたナ部長を、チェ検事が「まぁまぁ」と言って、席に座らせた。

「コーヒーでも飲んで落ち着いてください」

「はぁ・・・」

ナ部長は、目の前の珈琲を口に含むと大きな溜息をついた。

そして、気を取り直したように、次の議題に話をうつした。


こうして、刑事5部のメンバーたちのとりなしで、部長のヘリへの説教は、過去最短で終わったのだった。

ヘリは、会議の後、かばってくれた仲間たちにお辞儀すると、ユン検事と共に部屋を出ていった。

そんなヘリの後ろ姿を見送った後。

“団結力の強い”刑事5部の人々は、ナ部長を取り囲むように集まった。

きょとんとなったナ部長に、

「ヘリ先輩に今はストレスを与えるのは厳禁ですよ」と
怖い顔で言うキム検事をはじめ、皆がナ部長を威圧するように見下ろしていた。

「な、なんだ?」

意味も分からず、たじろぐナ部長に、キム検事は、結局、他の先輩たちに言ったことと、同じ話をした。

「はっきりするまで、他の人には内緒ですからね。
私たち、刑事5部だけの、ここだけの秘密ですから」

女性二人の部署内で、『ヘリのデリケートな秘密を守るのは私の役目』
と言わんばかりに、キム検事が鼻息荒く、ナ部長と、男検事たちに命じた。

しかし。秘密を一番守っていないのはキム検事だった。

そして、「ここだけの秘密」というものは、往々にして守られないことが多い。

そのことを証拠づけるかのように。

その日の夕方には、庁内で、ヘリの秘密を知らない者はいないほどになっていた。

ここで、仕事終わりの後、キム検事がヘリに真相を確認していれば、大した騒ぎにならずにすんだかもしれない。

だが、お騒がせの女神が、またも、ヘリに微笑んだかのように、その日はこれで終わらなかった。

イヌが、仕事で検察庁を訪れたからだった。

その日のイヌの担当は、刑事5部では無かった。

だが、検察庁の廊下を歩いていたイヌは、
自分に、妙に絡んでくる人々の視線に気づき、いぶかしげに振り返った。

…気のせいじゃない。
今日は、妙に注目されている。
いったい、何だ?

イヌが通り過ぎた後、ひそひそと小声で話している検事達の気配を感じながら、イヌは首をかしげた。

そして、庁内での仕事を終えたイヌは、ヘリの顔を一目見ておこうと、刑事5部のフロアを通りがかった。

ちょうど、開いた自室の扉から廊下を見ていたチェ検事が、歩いているイヌに気づき、椅子から飛び上がった。

「ソ弁護士だ!」

チェ検事は、部屋を出ると、資料室にいた、イ検事とナ部長に声をかけた。

その慌ただしい動きをユン検事のオフィスの中にいたキム検事も察すると、
ユン検事の制止も聞かずに廊下に飛び出していった。


皆は、廊下に集合し、ヘリの部屋の方を鉢植えの植物の影から、そっと覗き込んだ。

部屋の外でヘリとイヌが話していた。


「……それで、いいのか?ヘリ」

「ええ。もう決めたから」

「後悔しないんだな?昨日、電話で話した時と考えが変わっているけど」

「いいの。お腹に負担がかかるのは嫌なの」

そう言って、腹部に両手をあてるヘリの姿に、刑事5部の面々は息をのんだ。

「遠慮するな。君が無理な時は、僕が責任を持つ」

イヌの答えを聞いたキム検事が、思わず「そうです。ソ弁護士が、責任をもってください」と声をかけていた。

「キム検事?……だけじゃなくて、みなさん、そんなところで何をしているんですか?」


ヘリとイヌは、植物の後ろに隠れるように立っていた刑事5部の人々を、不思議そうな顔で見やった。


ユン検事は、いきなり部屋を出ていったキム検事を追いかけて来ただけだったのだが、『出歯亀』の者たちと仲間のように見えていた。

「ばれては仕方ありませんね」

すでに、植物からはみ出すくらいの人数で、隠れるもバレるも無かったのだったが、開き直ったように、キム検事が言った。

「ソ弁護士。ヘリ先輩のこと、ちゃんと責任取ってくださるのですか?」

「ええ、まぁ」

息巻くキム検事に、イヌが答えると、「そんな曖昧な態度でどうするんだ」とチェ検事が言った。

「ここは、男らしく、しっかりと『全責任を持つ』と言うべきだと思いますよ」

イ検事が口を挟み、ナ部長も「大変だろうが、職場では我々もマ検事をサポートする」と言い添えた。

…だから、心おきなく、子育てして欲しい。


すっかり、ヘリの妊娠を思いこんでいる検事達が、一致団結姿を見せる中、
ヘリは、一人、当惑した顔で佇んでいるユン検事に視線を向けた。

「あの~。みなさん、何の話をされているのですか?」

ユン検事は、軽い吐息をつくと、「彼らは、君が妊娠していると思っている」と答えた。


「……はい?」

耳を疑ったように固まったヘリの横で、イヌも目を丸くしていた。

「ちょっと、待ってください。どうして、そんな勘違いを?」

慌てて言ったヘリに、刑事5部の一同は、きょとんとなった。

「勘違い?じゃあ、妊娠していたんじゃないのか?」

「していません」

「でも、じゃあ、今、ソ弁護士としていた会話は?」

「週末のディナーの話ですけど」

「お腹に負担が、とか、責任取るとか言っていただろう?」

「ええ。私が肉料理が食べたくて、彼に店を予約してもらっていたのですけど、やっぱり、あっさりした物が食べたい気分になったから、変えてもらうって話をしていたんです。肉はお腹に重くくるから、食べ残しちゃうかもって」

「それで、彼女が残しても、僕が責任をもって食べる、という話をしていました」


ヘリとイヌの説明に、刑事5部の人々は、「なんだ」と気抜けした顔で脱力した。

「…それで、ヘリ先輩。本当に、妊娠していないのですか?」

おずおずと尋ねるキム検事に、ヘリが「そうよ」ときっぱりと答えた。

「今の会話で、そんな早とちりをするなんて、皆さん、変ですよ」

「ハハハハ。そうだな。よく考えたら、おかしな勘違いだったな」

「そうですね。ハハハ」


刑事5部の人々は、顔を見合わせ、空笑いで誤魔化すと、こそこそと、立ち去った。

その中でも一番気まずそうにしていたキム検事は、ユン検事の視線から圧力を感じて、首をすくめた。

「頃合いを見て、マ検事に謝っておくほうがいい」

「はい。そうします。私、ヘリ先輩にとっても迷惑かけちゃいました。それに、騒ぎにまでしてしまって、恥ずかしいです」

「まあ。元気だせ」

慰めるようにイ検事が言って、キム検事の肩をポンっと叩いた。

「そうだよ。新人の頃のマ検事が起こした、数々の騒ぎに比べれば、可愛いものだ」

「まったくだな」

同意する、チェ検事とナ部長の言葉に、キム検事が信じられないような顔になった。

「そうなのですか?ヘリ先輩は、いつも完ぺきなのに」

「マ検事が完璧か。ハハハハハ」

空笑いでは無く、本気で笑い出した先輩たちに、ヘリの過去を知らないキム検事は、訝しげに首をひねった。



こうして。

検察庁内では、『マ・ヘリ騒動』は、すぐに収束を迎え、いつも通りの静けさを取り戻した。

だが、この騒動の、とばっちりを受けた人物は、納得していない様子だった。


仕事が終わり、マンションの自室に戻ったヘリは、合鍵ですでに部屋の中にいたイヌに迎えられた。

「今日の検察庁でのこと。どういうことか説明しろ」

イヌが怖い顔でヘリを見つめた。

「今日、勘違いしていたのは、刑事5部の検事たちだけじゃなかったようだ。
庁内で、僕は、好奇な視線を浴びていた。
あれは、君が妊娠しているって噂がたっていたということだよな。
どうして、こんな事態になったか、君には、心あたりがあるんじゃないのか?」

詰問するイヌに、ヘリは、気まずげな上目つかいで見つめ返すと、はあ、と溜息をついた。

「だからね。勘違いだったのよ」

妊娠したってことも。みんなの騒動も。

「最初から勘違いだったのか?それとも途中で勘違いと気づいたのか?」

するどい着眼点のイヌの質問にヘリがつまった。

…あいかわらず鋭いわね。

「最初は、疑惑があったのよ。だから検査薬を購入したの」

ヘリの自供に、イヌが、ふうっと溜息をついた。

「どうして、すぐに僕に言わなかった?」

「だって、そんな、まだはっきり決まってもいないのに、
あなたに言えるわけないじゃない。現に勘違いだったわけだし…。
そんなことで煩わせたくなかったのよ」

「わずらわせなくない?」

イヌの目が細くなった。

「事実だったら、君だけの問題じゃなかったんだぞ?」

僕と君の問題だったはずだ。

そう言うイヌにヘリは首をすくめた。

「それにしても、どうしてそんな疑惑がわいた?
月のものが遅れていたからって、すぐにそんなことは考えないと思うが?」

「でも、確実に『ない』とは言い切れないじゃない?」

ヘリが、気恥かしそうに言った。

「…いつも『完璧』だったわけでもなかったし…」

「そうか?」イヌが首をかしげた。

「最初思っちゃったのよ。ほら、あの、いつかの金曜日の夜、外で飲んだ時…あの日じゃないか、と」

「あ~、僕の部屋に二人で戻ってきて、君が部屋に入ったとたん、
僕の服を脱がせた、あの日だな」

「ちょ、ちょっと、何言っているの」

「『お酒が入っている時っていいのよね♪』とか言って、
僕の上着のボタンをはずしていただろう?」

「あ、あれはね~、あなたが酔っ払っていたから服を着替えるのを手伝ってあげただけでしょう?」

…結局、着替えの服は着せなかったけど。

「そ、それに、あなたの方が『こういう時は“つけない”方がいいんだよな』って言ってたじゃない」

「そういう時じゃなくても“つけない”方がいいけどな」

「もう、話をはぐらかさないでよ。…だから、心あたりがあるとすれば、あの日だと思ったの。…他の時ってことも考えられるけど、ほら一応気をつけていたわけだし…?」

「…一応ね」

イヌが意味ありげに笑ったのを、ヘリは、呆れたような目で見て、頬を膨らませた。

「もう。こういう時までふざけるんだから」

「ふざけてないよ。あの日は君も酔っていて、はっきり覚えていないかもしれないけど、僕はいつも通り、最初から“手順”を踏んでいた。ぬかりは無いよ」

「……」

ヘリが、ちょっとうつむいた。

「私ね…少しの間だけど、ほんとに悩んでいたのよ」

沈んだようなヘリの顔に、イヌが真面目な顔に戻った。

「悩むというのは、妊娠したかどうか?という点に?それとも、もしそうだったら、これからどうしたらいいかっていう所に?」

「…全部」

ヘリがぎこちなく小さく笑った。

「だから、確実なことになっていたら、イヌには、ちゃんと報告しようと思っていたのよ。
今回は、先に外の人に知られてあんな騒動になっちゃったけど…」

…キム検事だけでなく、まさか刑事5部のメンバーすべてに知られてしまったなんて。

キム検事に妊娠検査薬を見られた時点で、その後の展開は決定されていたようなものだったが、そこは、まだヘリの思慮が足りなかった落ち度と言えるかもしれない。

落ち込んでいるようなヘリをイヌがじっと見つめていた。

「それで?」

イヌが言った。

「それで、妊娠が本当だった時、君はどうするつもりだった?」

「だから、あなたに相談しようと…」

「相談する前に、君はどうしたいと思っていた?」

「・・・・・・」

ヘリは黙ってイヌの顔を見つめた。

「…どうしたいかってことまで考えられなかったの。ただ、今こんなことになっちゃったら、いろいろ大変だってことしか思いがよらなかった」

結婚はしていない。
仕事はしている。

今、冷静になってみれば、それを知った両親の反応が一番怖いヘリだった。

「それに、イヌも…」

ヘリが言葉につまった。

「僕も?」

「イヌも、どう思うんだろう?ってそんなことばかり考えてた…」

本当だった時、報告した時のイヌの反応が、どういうものなのか。
ヘリには検討がつかなかった。


「マ・ヘリ」

イヌは一つ溜息をついた。

そして、うつむいたまま黙りこくったヘリに近づいて、
顎に指をあてると顔をあげさせた。

ヘリの感情のゆれた瞳がイヌを見つめていた。


「君は、いつになったら、僕のことをわかってくれるんだ?」

「たぶん一生、完全には理解できないと思う」

…どれだけ一緒にいても掴みどころのない男だもの。

ヘリが、ジットリとした上目づかいでイヌを見つめた。

そんなヘリにイヌが苦笑すると、ヘリに顔を近づけた。

「もし、妊娠が本当だったら、僕がどんな反応をするか」

…どんな反応?

戸惑うようなヘリの視線に、イヌが微笑んだ。

「…こうする」

そして、ヘリの体を引き寄せるとギュっと抱きしめた。

「イヌ…?」

イヌの肩口でヘリが不思議そうに首をかしげた。

「君と、君の体の中の小さな命をこうして抱きしめる」

イヌは、ヘリの体をやさしく揺するように包み込んでいた。
そうして、静かに目を閉じて言った。

「守るよ。君ごと。僕の子供をね」

時がたって、命が無事に誕生して、誕生してからもずっと。

君と同じように、その命も守っていきたい。
全身全霊をかけて。

「イヌ…」

ヘリは、心の中に温かく、せつなく、愛しい想いが溢れてきて、胸がいっぱいになった。

いつも、ふざけたり、茶化したりするイヌが、真剣に受けとめ、真面目に話してくれている。

イヌの本気を知ったヘリは、心から安心すると、ほっと吐息をついた。

そして、イヌの腕の中で目を閉じると、イヌを抱きしめ返した。

「次に、こういう事態になったら、真っ先にあなたに伝えるわ」

「こういう事態には、ならないよ」

きっぱりと答えるイヌにヘリが「ん?」と目を開けた。

「僕に抜かりはないからね」

自信たっぷりなイヌの声に、ヘリが苦笑した。

「私。あなたの、その、自信過剰なところ。ちょっと慣れてきたわ」

「僕は、君のお騒がせに、慣れはじめてきた自分が怖いよ」

「もうっ!」


頬を膨らませ、ヘリが振り上げた拳をおろす前に、イヌが手首を握って止めた。


…今後、君が、どんな騒ぎを起こそうとも。
全部受け止める自信が僕には、ある。
だから、安心しろ。

―――僕の、可愛いプリンセス。

イヌは、細めた目でヘリを見つめた後、微笑を浮かべた唇を、ヘリの唇に重ねた。





(終わり)


(二次小説『マ・ヘリ騒動』(旧タイトル)最終保存日 2011年12月11日)
※後編は未完だった為、2022年5月に加筆修正いれています。



【あとがき】

はぁ。・・・懐かしい空気。

大好きな、ラブコメディ調創作で、
過去のみつばは、楽しそう(笑)

読み返したら、すぐに、あの頃の妄想映像が浮かびました。
やっぱり、二次妄想の世界は、脳の中だけだと消えてしまうこともあるけど。
こうして、形にしておけば、時間がたっても、蘇るものなのね。(しみじみ)

未来の話「高く飛ぶ君へ」の中でも、このエピソードが少し出てきています。
ようやく、リンクしたというか、脳内では繋がった妄想話だったから、当然といえば、当然。

10年たっていますが、「検事プリンセス」を好きな方に、この二次的妄想世界の小説が届きますように。


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プリンセスは本日もお騒がせ(前編)




ヘリは、薬局の棚に陳列されていた妊娠検査薬の箱をそっと手にとった。

そして、そのままレジに進もうとして、

「マ検事?」

と、後ろからかけられた聞きなれた声に、驚きのあまり、手にもっていた箱を落としてしまった。

「あっ…」

声をかけた人物が、ヘリの落し物に目をやり、驚きの声をあげた。

ヘリは、おそるおそる後ろを振り返ってその人物を確認した。

案の定、声の主は、職場の検察庁で同じ部署に所属する後輩、キム検事だった。

キム検事は、驚きを隠せない表情で、ヘリの足元に落ちている妊娠検査薬の箱と、自分を見つめて固まっているヘリを、交互に見つめたあと、そっと近づき、箱を拾い上げた。

「どうぞ。ヘリ先輩」

「あ…ありがとう。キム検事」

ヘリはおずおずとキム検事から妊娠検査薬の箱を受け取った。

「あの…それって…」

キム検事が聞きづらそうに、ヘリの手の妊娠検査薬の箱を指差した。

「もしかして…ヘリ先輩が使用されるんですか?」

もしかして、と言っておきながら、

すでに『そうなんですね?』と確認しているような顔をしているキム検事だった。


「ち、違うのよ」

ヘリは慌てた。

「こ、これはね。わ、私の友人から頼まれて買ったのよ」

ヘリはとっさに噓をついた。

…バレバレ。本当に噓が下手な人だわ。

キム検事は内心ヘリの事をそう思いながらも、目を泳がせて誤魔化しているヘリにつきあうことにして、うなずいた。

「そうなんですか。じゃあ、この2本入りを買うといいと思いますよ」

そう言って、キム検事は棚から検査薬が2本入っている箱をとった。

「え?2本入り?」

ヘリは、目をぱちぱちさせて…どうして?という顔でキム検事を見つめた。

「私の姉が以前、妊娠したかどうか調べる為に妊娠検査薬を買ったことがあるんです。疑いのある初期の頃って、妊娠していても、時期が早いと薬に反応が出ない時があるそうなんですよ。だから、日を改めて、もう1度検査してみることが出来るように2本入りの方が、後で買う手間がはぶけるって、姉が言っていたもので」

「へえ、そんなものなの?」

ヘリはキム検事の話に感心したようにうなずいていた。

「じゃあ、この2本入りのを…友人に買うことにするわ」

「それがいいと思います」

キム検事がヘリに箱を渡した。

「アドバイスありがとう。キム検事」

ヘリがぎこちなく笑って言った。

そして、レジに行こうとして、立ち止って、
キム検事の方に小走りで慌てて戻ってきた。

「あの、キム検事」

「なんでしょう?ヘリ先輩」

「…今のこと、他の人には黙っていてもらえる?」

「え?」

「だから、これを私が買っていたこと。検察庁の中でも、他の人にも黙っていてもらえるかしら?」

気恥かしそうに言うヘリに、キム検事は、力強くコックリとうなずいた。

「分かってます。言いません」

「ありがと」

ヘリは、キム検事に曖昧に笑いかけると、そそくさと箱をもってレジの方に歩いて行った。

そんなヘリの後ろ姿を見つめつつキム検事は、心の中で、

…マ検事が妊娠してるの!?きゃーっどうしましょう。
こんなビッグニュースを一番に知ることが出来るなんて!

相手はやっぱり、あの。イケメン弁護士の彼氏さんに違いないだろうけど、彼氏さんはこのこと知っているのかしら?あの感じじゃまだ知らないみたいよね。

うーっ…誰かに言いたい。でも、言わないって約束したのだから、ヘリ先輩の秘密は私が絶対に守らなくっちゃ。誰かにバレたらマ検事が気まずい思いをするのだもの。

そんな事を考えながら、あこがれのヘリ先輩の秘密を共有出来たことにはりきっていた。


ヘリはと、いうと、レジで支払いを終え、袋に包んでもらった箱をさらにバッグの奥底にしまうと、店を出てから大きな溜息をついた。

…よりにもよって、キム検事に見られてしまったわ。

知り合いに会わないように、マンション近くの薬局もさけて、わざわざ町はずれの薬局に来たというのに…。


『分かっています。いいません』


そう言っていたキム検事の顔は、明らかに、ヘリの噓を見破っていた。
もちろんヘリがコレを使うということが分かっているという感じだった。

ヘリは常日頃自分になついてくれている後輩が、約束を守ってくれることを
期待しつつ、もう一度溜息をついて帰路についた。

妊娠検査薬を購入したのは、もちろん、自身を調べるためだった。

いつも正確に来る生理が、今月は数日遅れている。

…まさかね。

そう思いながらも、恋人のソ・イヌとは、清い関係という仲では無かった。
そして、全く心あたりが無い、と自信をもって言えないところもある。

…『僕に抜かりはないよ』とか言っていて、イヌって、時々、怪しい事があるのよね。

…信頼はしてるけど、信用は出来ないもの。

もし、イヌが聞いたら、間違いなく、何か言い返してくるような事を思いながら、ヘリは、ハァっと軽い溜息をついた。


マンションの自室に戻ったヘリは、すぐにバッグから妊娠検査薬を取り出した。

…もし・・・。もし、これで、陽性反応が出たら?
ううん。ここで悩んでいても、始まらないわ。まずは確かめないと。
反応が出なくても、2本あるから、数日後に又調べればいいのよね。

そんな事を考えながら、妊娠検査薬の箱を持ってトイレに入ったヘリだったが、箱を開封して説明書を読む前には、1本も使用しなくても良いことが発覚した。

ヘリは、トイレの中で、ちょうど、月のものが来たのを知った。

「ふぅ・・・」

一気に拍子抜けしたヘリは、脱力して便座に座りこんだ。

…最近、仕事が忙しくて、体もあまり休めていなかったから、月のものも遅れていただけなのね。でも、この検査薬は消費期限が切れるまでとっておいたほうがいいかも。

なんにせよ。騒ぎにならなくて良かったわ。


―――こうして。

気分転換したヘリは、キム検事に薬局で会ったことも、すっかり忘れた。

もし、今後何か聞かれたとしても、『私は、検査薬を使っていない』と、堂々と言える。
そう思ったからだった。


しかし、このヘリの甘い考えは、ソウル地検、刑事5部、『検事プリンセス、マ・ヘリが検察庁で起こした騒動ランキング』の上位に入るほどの騒ぎに発展するのだったが・・・。


―――翌日の検察庁。

刑事5部、マ・ヘリ検事の部屋で。


朝、一番に部屋に入ったヘリは、いつものように、着ていた私服を脱ぎ、職場に置いている紺色のスーツに着替えた。

そして、飲み物のペットボトルを入れようと、冷蔵庫を開けた。

ヘリは、冷蔵庫の下方に置かれた、風呂敷に包まれた四角いものに目をとめた。


…これ、何かしら?

不審な物体に、ヘリは、首をかしげると、
風呂敷に包まれたものを盗り出した。

風呂敷を開けると、中に弁当箱が入っていた。

…へんね。昨日、夕方に冷蔵庫を開けた時は、こんなの無かったわ。
今朝は、私が一番のりで、この部屋に入ったはずなのだけど。
いったい、誰のかしら?

そう訝しげにお弁当箱を開けたヘリは、
次の瞬間、「うっ」と、呻いて、口と鼻を両手で押さえた。

弁当箱の中には、腐り、溶解化して、さらにカビのはえた
得体のしれない食べ物らしき固まりがあった。

「…何これ?」

悪臭に顔をしかめて、弁当の中身を見つめているヘリを、
偶然、部屋の前を通りかかったキム検事が、開いたドアの隙間から目撃した。

キム検事は、口元をおさえて気持ち悪そうにしているヘリを見て、
目を丸くして立ち止った。

…やっぱり!ヘリ先輩は妊娠しているんだわ。

キム検事はあわてて、ドアから退くと、

…今見たこと。ヘリ先輩が知ったら気まずい思いをするわ。知らないふりをしなくちゃ。

そう考え、そろそろとヘリの部屋から離れていった。


しばらくして、ヘリの部屋に、イ事務官とチャ捜査官が入ってきた。

「マ検事、おはようございます」

挨拶した後、二人はデスクの前で、悪臭を放つ弁当箱の前で固まっているヘリに気づいた。

「なんです?その強烈な匂いをはなっているものは?」

そう不気味そうに顔をしかめるイ事務官の横で、

「あ、それ!!」と声をあげてチャ捜査官がヘリのデスクにつめよった。

「ぼくのです。2週間ほど前、妻が僕にもたせてくれた弁当。捜査で外に出て、食べそびれてしまって、デスクの中に置いていたのを、すっかり忘れていたんです。昨日の夕方に気づいて、今日こそは持ち帰ろうと冷蔵庫にいれていたのですけど、それも持ち帰るのを忘れて…」

「チャ捜査官にも、意外と抜けたところがあるんですね」

ヘリが苦笑しながら弁当箱のふたをしめて、チャ捜査官に渡した。

「すみませんでした」

捜査官が恐縮したように弁当箱を受け取ると、呆れた眼差しをむけているイ事務官にも「ご迷惑かけました」と、ぺこりと頭を下げた。


そんなヘリの部屋での一件を。

すっかり勘違いしたキム検事は、指導役の、ユン検事の部屋に戻ってからも、悶々としながら、考えていた。

マ検事の、さっきのあれ。どう見てもつわりだったわよね。
…ってことは、もう妊娠も初期のころにはいっているってことよね。

検査の結果はどうだったのかしら?病院には行ったのかしら?
今妊娠してるってことは、予定日はいつなのかしら?

そんなことを考え、すっかり仕事の手のとまっているキム検事に気づいたユン検事が眉をひそめた。

「キム検事、悩むような案件なのか?」

「あ、いえ。その、ちょっと…。すみません」

ユン検事の言葉にあわてて、キム検事はデスクの上の書類に目を通すふりをした。

そんなキム検事にユン検事は浅い溜息をつくとチラリと時計に目をやって、デスクから立ち上がった。


「キム検事。もうすぐマ検事との打ち合わせの時間だ。君も一緒に来い」

「は、はい」

資料を片手にキム検事があわててユン検事の後を追った。


資料室で。

ヘリとユン検事の打ち合わせに、キム検事が立ち会うような形で、座った。

二人の先輩検事の事件検証や資料説明を聞きながら、キム検事はヘリの顔をずっと見つめていた。

「・・・・・・・という感じなのだが。…、キム検事、キム検事?」

「え?あ、はい!!」

キム検事がユン検事の声にあわてて反応して、ユン検事の顔を見た。

「今。我々が話していたことを聞いていたか?」

ユン検事が呆れたような声で言った。

「話についていけなくても、メモくらいはとっておくべきだぞ」

「すみませんでした」

しゅんとなって、うつむくキム検事に、なおも、説教をしようとしたユン検事に、キム検事の肩をもつようにヘリが言葉をはさんだ。

「先輩。難解な事件の内容だと、初めのうちは、どこが分からないのかも自分でも気づきにくいのだと思います。こうして話を聞いてるだけでも、少しずつ慣れてくるものですから」

ヘリの優しい言葉に、キム検事は、感動の面持ちでヘリを見つめた。

「君もずいぶんと成長した先輩になったものだな。マ検事」

新人のころとは見違えたぞ。というユン検事の嫌みに、ヘリがいたずらっぽく笑った。

「鍛えてくれた先輩が良かったもので」

「先輩へのよいしょも、磨きがかかったな」

珍しいユン検事の微笑んだ顔にキム検事が一瞬ひるみながらも、

…やっぱり、マ先輩って素敵な人だわ。
でも、妊娠して、もし出産されるなら、近いうちに検事をやめてしまうのかしら?
それって寂しい。

…と考え、暗い面持ちでうつむいた。

そんなキム検事の表情を、ユン検事とヘリは怒られてへこんでいると受け取ったようだった。

「じゃあ、打ち合わせはこのへんにして部屋に戻ろう」

ユン検事は立ち上がって、持っていた資料をヘリに手渡した。

「結構、かさばるが、これで全部だ。持っていけるか?」

「はい。部屋はそんなに遠くありませんし」

そう言って、厚めのファイルを数冊ユン検事から受けとったヘリに、
キム検事がはじけるようにソファから立ち上がって、その手の資料を奪い去った。


「だめです!!」

そう、大きな声で言って、キム検事は、ヘリから奪った資料を自分で抱え直した。

「私が持っていきます!!」

「キム検事?」

そんなキム検事をユン検事とヘリは呆気にとられたように見つめた。

「大丈夫よ。そんなに重くないし、すぐそこまでだから…」

「ぜったいだめです!!!」

きっぱりといって、キム検事はヘリを置いて、資料を抱えたままさっさと先頭を歩きだした。


そんなキム検事の後ろ姿を見たあと、ヘリはユン検事と不思議そうに顔を見合わせて、首をかしげた。

…どうしたんですか?キム検事は?

…さあ、わからん。


資料をヘリの部屋のデスクの上に置いたキム検事は、
すぐにユン検事の部屋の自分のデスクに戻った。

…やっぱり。ヘリ先輩のこと。ユン検事にはお話しておこう。
今、ヘリ先輩を守れるのは、真実を知っている私だけなんだから。

キム検事は、少し考え込んだあと、ユン検事の庁内メールにアクセスした。

『今、資料室で、二人だけでお話がしたいのですが、お時間いただけますか?』

目と鼻の先にいるキム検事からのメールに、ユン検事は、すぐ近くにいるキム検事の顔をいぶかしげに見つめたが、ゆっくりと立ち上がって、部屋を出た。

キム検事もその後を追った。



「…なんだ?話とは?」

ユン検事がソファに座って、キム検事と対峙した。

きょろきょろとあたりを見渡すキム検事は、まわりに誰もいないことを確認すると、ユン検事の顔を思いつめたような顔でじっと見つけた。

「私、ユン検事を信用しています」

「…それは良かった」

キム検事の言葉にユン検事はますます不思議そうな顔をした。

「なので、この話は、他言無用にお願いします」

「一体何の話だ?」

…仕事の話じゃないのか?

そうつづけるユン検事に、キム検事はユン検事のほうに身をのりだした。

「じつは、マ検事のことなんですけど」

「マ検事がどうした?」

キム検事はもう一度まわりを見渡したあと、
口元に手をあてて小声でユン検事に言った。

「マ検事、ヘリ先輩は、妊娠してるみたいなんですよ」

「……にんしん?」

ポーカーフェイスのユン検事の顔が一瞬くずれ、驚きで目が見開くのを見たキム検事は黙ってうなずいた。

しかし、すぐに冷静さをとり戻したユン検事は、

「それは確かか?」と静かにキム検事に聞いた。

「詳しいことは言えませんが、実は、私、先日証拠を見てしまったんです。それに、今日の朝も、つわりで苦しんでいる姿を見ました」

『薬局で、検査薬を買っていた』ということは、約束通り言ってないから。…と心の中で言い訳するキム検事だった。

「つわりだと?」

「ええ、自室で吐きそうになっていて、気分が悪そうでした。
妊娠初期にはある症状ですよね。だから、マ検事には重いものをもたせちゃ駄目なんです」

…さっきみたいに。

そう言うキム検事に、ユン検事は信じられないな、という顔をして聞いていた。

「だが、マ検事からそのような報告はうけていないが」

もし、そうだったとしたら、まず上司に報告するはずだが?

そう続けるユン検事にキム検事は首をふった。

「もう、男の方はわかっていらっしゃいませんね。妊娠していたとしても、女性というのは、安定期に入るまで、周囲にはそういう事は報告しないものなんですよ。それに、マ検事は独身です。こんなこと上司といっても男性の先輩にすぐに打ち明けられるわけないじゃありませんか。その前にいろいろ決めることもあるでしょうし」

「決めることって?」

キム検事の言葉にとっさに疑問が口から出たユン検事に、
呆れたようにキム検事が首をふった。

「ほら。やっぱり分かっていらっしゃらない。独身の女性が妊娠したと分かったら、何を考えるか想像してください。相手の方にも相談して、今後のことを決めなくてはいけないのですから」

「……!」

無言で眉を上げたユン検事に満足そうにキム検事が溜息をついた。

「そんな決断もしなくちゃいけないんですよ?その前に職場で発表なんて出来るわけないじゃありませんか?」

…話の内容に疑問を持っていたユン検事だったが、キム検事の言葉がだんだんともっともらしく思えてきた。

「だけど、今大事な時期の体には間違いないんです。だから、他の人達にはさとられないように、私たちでマ検事を守ってさしあげなきゃ。最初は私だけでも、と思っていましたが、事情を知らない人達が、さっきのユン検事みたいなことをマ検事にするかもしれないじゃないですか。そしたら、新人の私では、ヘリ先輩をかばいきれなくなる事だって出てくると思って」

…だからユン検事の助けも欲しい。そうキム検事が言った。

「わかった…」

ユン検事が頷いた。

「だが。キム検事。この件は、マ検事にしっかりと事実確認したのか?」

「いえ。はっきりとは聞いていません」

「だったら、まず、本人の口から報告があるまでは、ここだけの話にしろ。だが、可能性は0では無い。だから、マ検事が話さなくても、無茶なことはさせないように見ている。君も騒がず、しばらくは静観するんだ。」

「はい。ユン検事」

さすが、刑事5部の首席検事と貫禄でいったユン検事の言葉に、キム検事も素直に返事した。

だが。

こちらも、さすが、過去、入庁以来、検察庁を一番騒がせた、プリンセス検事、マ・ヘリをリスペクトしている新人検事といったところだった。

キム検事は、結局、刑事5部の、他の先輩検事。
チェ検事と、イ検事にも、ユン検事に話したのと同じことを伝えてしまった。

チェ検事とイ検事の二人は、驚きはしたものの、『あの、マ検事だから、あり得ないことじゃない』と、キム検事の話を、すっかり信じ込んでしまった。

そして、その日の午後の刑事5部の会議の時には、
ナ部長以外、全員が『マ・ヘリの秘密』を共有していた。

そんなことになっているとは、つゆ知らず。

ヘリは、・・・今日は、ひさしぶりに、部長からお目玉をくらうに違いないわ。と、浮かない顔で、会議室の席についた。



(「後編」に続く)



(二次小説『マ・ヘリ騒動』(旧タイトル)最終保存日 2011年12月11日)


【あとがき】

今年、1月に更新した、二次小説「高く飛ぶ君へ」の中でもチラリと紹介していたエピソード。

これは、時間軸だと、二次小説シリーズ、シーズン1の後期の話。
最終保存日、2011年の12月って(我ながらびっくり)

「聖夜の願い」とか、「聖夜の祈り」(数年かけて完結させた)のイラスト予告とかをブログでアップしていた頃。

妄想の世界には、時間という概念が無いのかも。
そして、脳の萌え容量って、もしかして無限なのかな?
現実世界で起きた事は忘れるのに、妄想映像のことは、ずっと忘れない(笑)

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韓国映画「デュエリスト」。

二次小説シリーズとして最初に更新するはずだった話が未公開になっています。

そのため、二次的妄想を補足説明します。

このブログの「デュエリスト」記事のカテゴリは、こちら。

唯一、ブログにアップした、デュエリスト二次小説「守願銭」。

ナムスンがでてこない(汗)
そして、これは、ガラケー携帯で書いた二次小説。
第二子を出産した後に入院中もコツコツ書いていて、看護師さんに「休みなさい」と言われた記憶(笑)


映画「デュエリスト」のラストで「なくなった」設定のはずの暗殺者「悲しい目」。

二次小説は「悲しい目」が、実は生きていた。という設定でした。
この経緯を書いた二次小説が未公開の『春待花』。

他にも短編のプロットがいくつか。
さらに、「現代に転生した二人」というパラレル設定プロットもあった、みつば二次小説。

(以下、みつばの二次的妄想設定)

※映画のネタバレも含むので、未視聴で、今後、見ようと思っているかたはご注意ください。

暗殺者「悲しい目」は、捕盗庁に捕えられた後、国の秘密機関の任務につく代わりとして、恩赦を与えられる取引をしました。

二次小説「守願銭」の中で、「悲しい目」は、「シビル」という名で、アン刑事に呼ばれています。

この「シビル」は韓国語で、「십일」(シビル)、数字の11という意味。

「悲しい目」は、朝廷秘密機関で、11番目の特務工作員になったということです。

しかし、本来の名を捨てても、以前と同じような仕事をさせられ、生きることになった「悲しい目」に、ナムスンが「ハヌル」「하늘」(空という意味)という、新しい名をつけます。

それで、「悲しい目」は、ナムスンには、「ハヌル」と呼ばれている。・・・という、二次的妄想設定。


そして、すでにアップしている「守願銭」より、先に書いて保存していた短編話が、「睦言」となります。

タイトルから分かるように、二次小説は、大人話風。
おもいっきり、ただ、若い恋人たちが、イチャついているだけのピロートーク話です。

(シリーズ話の時間軸より、とにかくラブシーンが書きたい気持ちが先走るのは、昔も今も変わらないみつば(笑))

表現控えめだから、「裏箱」じゃなくても、大丈夫かな?

キャラクターや、映画の内容を知らない方も。
ご興味のある方は、お読みください。






睦言




―――閨中。

「ナムスン」

「…な、なんだよ」


ほとんど余裕を無くして、荒く、甘い吐息だけを必死に吐いていたナムスンの耳元にハヌルは唇をよせていた。

そして、低く、囁かされる声。

「可愛いよ」

「!」

…この男~~~!

普段、滅多に余計な口を利かず、無口な男のくせに。

二人っきりでこうなる時はいつもは絶対言わないような事を、聞かないような口調で、
話してくる。

しかも、ただでさえ、余裕のない状況に、この言葉。

これ以上、私の体をどうしようっていうんだ。この男は。

「う、うるさい」

目を閉じて、気にしてないそぶりで言おうとしても、口を開いて出たナムスンの声が上ずっている。

ハヌルが楽しそうに、うっすらと笑う気配がした。
そして、さらに耳元に熱い吐息がかかる。

「すごく可愛い」

「~~~っ。…普段、すかした面してるくせに、どこからそんな言葉が出てくるんだよ?」

「顔は関係ない」

悔し紛れに言ったナムスンの言葉にもハヌルは、しれっと答えた。


「…ナムスン。僕にもっと、その可愛い声を聞かせて」

…こいつ。面白がってる。

ナムスンは、心の中で歯ぎしりした。

完全に主導権を握って、上位にたっているような愉悦に満ちた表情が、なんとも憎らしい。

優雅で、見惚れるほど整った美しい顔で、
低く、なめらかな声で、そんな事を言いながら、
逞しい肉体で、私の背中を布団におさえつけて激しく抱く行為をゆるめようとしない。

たしか、いたな。そういう生き物。

水面上では優美で、水面下では激しく動いているやつ。

…こいつは白鳥か?

そんな間抜けな事をとっさに心に浮かべた自分にナムスンは恥ずかしくなって唇をかみしめた。

「聞かせないっ。」

「どうして?」

「もったいないっ」

「減るものじゃない」

「減るっ」

そう、自分の中のプライドと理性がなくなってしまう。

こんな所を、こんな事をしていても、こいつにそんな自分を見せたくない。

ただの意地っ張りだと分かっているけど。

「ただでとは言わないよ」

そう、ハヌルの不吉に聞こえる言葉にナムスンは、ビクリっと体をこわばらせた。

ハヌルの片手がナムスンの両手首を握り、頭上で強く押さえつけた。

「なっっ!!」

とっさに、反抗しようとしたナムスンだったが、ハヌルの力にビクともしない。

「ハヌル!!」

「抵抗しないで。ナムスン」

まるで、魔術の呪文のように囁かれるハヌルの声。

「君を気持ちよくしたいだけなんだ」

「ふっ!・・・あっ」

ハヌルはもう片方の手でナムスンの両足を曲げさせると、体重をかけるように、
ナムスンの体に自身の体を深く埋め込んでいた。

痛いと思うほど、感じすぎてしまう。

「はっ…っ…やっ!…やめろよっ」

嫌々をするように、頭を横にふり、サムスンは涙目になった。

「…気持ちよくない?」

「良くないっ。痛いっ。奥までいれすぎっ」

「しぐさは可愛いのに」

ナムスンの素直なありのままの心の声に
ハヌルがわざとらしく溜息をついて苦笑した。

「言葉は相変わらずだね」

…そこも、また可愛いけど。

「可愛い事なんて言えるかっ。ばかっ。そういうの期待したいんなら、
花街の女でも抱いてろっ」

「…本気で言ってる?」

ナムスンを見つめるハヌルの目が細くすぼめられた。

僕にほかの女を抱け、なんて。

…うっ。

体の動きをとめて。

自分を見つめる。怒気を含んだような、でも、心底悲しげなハヌルの目に
ナムスンは一瞬言葉につまった。

「本気なわけなんだろ。ばかっ。本気にするなよ。お前が、変な事ばっかり言うから、こっちも、心にもない事を言っちゃっただけだろ」

あわててナムスンは言い訳を始めた。

ハヌルの悲しげな目には弱い…。

「いいか?本気にするなよ?花街で他の女を抱いたりなんかしたら、ぶっ殺すからな。分かったか?」

なんとも物騒な言葉で、でも顔を真っ赤にして、必死でいきまく、体の下の愛しい女。

どんなに言葉や態度が乱暴でも、どこまでも、言う事もやる事も可愛い過ぎる。

そんな事をまた口に出せば、この愛しい女は又、照れ隠しに悪鬼雑言を自分に並べ立てるだろう。

ハヌルは、返事のかわりに、微笑むと、
ナムスンにこれ以上心無いことを言わせないためにも唇を己のそれで塞いだ。


―――なにもかも、愛しい。

ふだん、茶母として、男装をし、男まさりな言葉で話しているくせに。

こうして二人きりで過ごす時間で、自分を見つめる瞳の色は、優しく甘い。

どこまでも可愛い女。

こうなる時、饒舌になる自分とは逆に、ナムスンは信じられないくらい無口になる。

聞いていると、体の内側が熱くぞくぞくするような、喘ぎ声以外は。

艶やかで、妖しく、男を掻き立てる女の声。
そして、うっとり見惚れるほど、美しい女の顔のナムスン。

こんなナムスンを知っているのは僕だけだ。
―――僕だけのものだ。


ハヌルはそんな自己満足に陶酔した自分の想いに、自嘲した。

「僕が好き?」

「お前の余裕たっぷりなところは、嫌いだ。
でも、それ以外は悪くない」

喘ぎながら、悔しそうに答えるナムスンに、ハヌルは嬉しそうに笑った。

「好きだよ」

ハヌルが低く囁く声に、ナムスンは、またも赤面した。

これ以上、赤くなれば、熟れたザクロのように割れてしまいそうだ。

くすっと微笑したハヌルにナムスンは、「からかうな」と怒った。

そして、ハヌルの背にまわしていた手を拳にして振り降ろすと、その背中をポカポカと殴った。

「離せよ。からかうなら、もうやめる」

「離さない」

ハヌルが言った。

「僕は、いつも本気で言ってる」

君に嘘は言わない。

「……じゃあ、離れるなよ」

手をおろしたナムスンが、低い声で言った。

「いいか? もう、私から離れるな」

「うん」

「絶対だからな。危険な任務につこうが。
どこの僻地に行かされようが。
かならず、戻ってくるって。約束だからな」

「わかった」

ハヌルが素直に頷いた。

「それと・・・・・」

「ん?」

「…さっきの。もう1回言って」

「どれ?」

「その……、好きってやつ」

赤面したまま、上目遣いでもじもじと言うナムスンの可愛さは、ハヌルの中で限界値をこえた。

「ごめん、ナムスン」

「え?」

「もう、我慢できないから、それは終わった後」

「ん? え? あ…?」


きょとんとしたナムスンに、ハヌルは、もう睦言を紡がなかった。

そして、ナムスンの口からも言わせなかった。


「あ…っ! ハヌル」

動きを再開させたハヌルの下で、ナムスンが嬌声をあげた。


これからの僕たちには、睦言を交わす時間がたっぷりある。

だから、今は。

―――君だけの声を聞かせて。ナムスン。




(終わり)


(二次小説「睦言」 「蔵」最終保存日、2012年 4月18日)




【あとがき】

あら。初々しい。
二次小説の二人も、みつばの文体も(汗)

誰視点で書いた二次小説?
ナムスンと「悲しい目」の視点が混ざっています。

「蔵」に眠らせていたんじゃなくて、小説として完成度が低くて、本気で「ボツ」作品にして隠していただけかも(苦笑)

一周まわって、自分で読み返すと逆に新鮮な二次創作物でした。

「悲しい目」って、クールに見えて、しれっと言ったり、やったりする、むっつりなんとかキャラに、みつばには、見えていました。←いつものごとく、妄想脳が勝手に変換しただけ。


「デュエリスト」

キスも抱擁も無い恋愛映画。
むしろ、会うたびに、決闘(デュエル)している二人。
それなのに、互いを特別に感じている視線と剣が交差するシーンを見るたびにゾクゾクします。

そして、切ない(涙)

映像を何度見ても、萌えるCP。
みつばは、何年たっても、やっぱり「デュエリスト」が好きです。

そして、妄想の中で「悲しい目」を生かし、ナムスンと幸せな物語を夢見る、みつばです。

「デュエリスト」二次小説読んでくださった方、ありがとうございました。

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「みつばのたまて箱」にお越しいただき、ありがとうございます。


10年間、「蔵」(保存フォルダ)にあった二次小説を出します。というお知らせです。

来月、6月20日は、「みつばのたまて箱」を開設して、11周年になります。

まだ、具体的なことは決めかねているのですが、この日を境にブログ更新を制限するか、ほぼ休眠状態にしようと考えています。

それで、現在、更新中の「陳情令」の二次小説、「検事プリンセス」の二次小説最後の話以外、過去に更新していた二次創作の未公開プロットを永久封印する方向で、「蔵」(過去作品の保存ファイル)を見直しました。

しかし。

そうしたら、自分自身、創作したことを忘れていた未公開、未完成状態の二次小説が出てくる、出てくる(汗)

そのほとんどが、2011年、2012年のもの。

2年前ころにパソコンが故障した時に救出したハードディスクのデータの中にありました。

2011~2012年は、萌え脳が一番、活性化していた時期で、ジャンル問わず、浮かんだものをかたっぱしから書いていました。

きっと、当時は、ブログにアップして、同じ作品を好きな他の人たちと萌え心を共有したかったのだと思う。

ただ、あの時は、シリーズものとして更新出来るタイミングじゃなかったから、いつか二次小説の世界が「時間軸」に追いついたらアップしようと「蔵」に保存していたのでしょう。

しかし、10年もたってしまって。

これを読む、萌え仲間の読者さんも、ほとんどブログにいらしていない。

ただ、ここにアップしておけば、同じドラマや映画を好きだった人が、ふと思い出して、見つけてくれるかな?

少しは楽しんでくれるかな?

そんな気持ちで、完全封印する前に、いくつかブログに残しておきます。

中でも、完成に近い形で残されていた「デュエリスト」、「検事プリンセス」の二次小説を、順次、更新予定です。


(ひさしぶりにブログにいらした方へ)

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この記事の「みつばの裏箱」に、4コマ漫画記事「520- 我愛你-」を更新しました。

(以下の注意事項をよく読んでください)

その他の裏箱4コマ漫画はこちら。(陳情令)


【裏箱】陳情令二次創作漫画INDEX2

他の裏箱4コマ漫画を読みたい時は、
「裏箱」の中の、「もっと送る」ボタンを押して、ご覧ください。

表版の4コマ漫画は「陳情令二次漫画INDEX」にリンクがあります。(表と裏記事が混ざっています)

※「裏箱」を初めて見る方は、「裏箱」の注意点をよく読んでから、入室ください。

「裏箱の見方について(補足)」

「陳情令」みつばの二次小説シリーズ。

「陳情令B」の裏箱二次小説のリンクページはこちら

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詳しくは、「お知らせ」をご覧ください。


※この4コマ漫画は、「陳情令」みつばの二次小説シリーズ。
「転生編」シリーズ(パラレル系)の世界の漫画版となります。

(「陳情令B」ではありません)

「転生編」は二次小説では、どれも今のところ、未公開。
世界観だけ、イラストで描いている記事が、裏箱だったり、表だったりに点在しています(汗)

・裏箱のイラストは、「転生編の二人」(裏箱イラスト)の中の「裏箱」にあります。

(表のイラストはリンクページにいれていないので、後でまとめておきます)

「いっちー&にぃに」シリーズは、「陳情令(魔道祖師)」の忘羨の二人が、現在に転生したら?というパラレル設定な物語なのですが、諸事情で、二次小説公開したとしても、裏箱更新になります。

諸事情というのは、「裏箱」で説明書きしています。

今日は「5月20日」→「我愛你(愛してる)」の日。
(中国語の520の発音が、「我愛你」に近いから)

それにちなんだ、4コマ漫画でした。

二次小説版(現在は未公開)は、結構シリアスなので、せめて4コマ漫画は、ほのぼのコメディで描きたかったの(汗)

ブログへのご訪問、コメント、拍手を送ってくださった方、ありがとうございました。
コメントレスは遅くなりますが、(6月20日まで)は、コメント欄内でお返事書かせていただきます。
ハンドルネーム未記名、返信不要の方は、その旨を明記ください。

裏箱4コマ漫画を気にいってくださった方。
二次小説「転生編」シリーズも読んでみたいと思ってくださった方は、「白い拍手ぼたん」を押してお知らせください。

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今、みつばが、見たい中国ドラマ。

「成化十四年」





このドラマは、かなり前からチェックしていました♪
ブログの読者さんの中にも、おすすめしてくださっていた方がいました。

日本に上陸していたのも知っていたのですが、有料チャンネル放送だと見られなくて。

DVD廉価版か、動画見放題に来ないかな~。と期待していたり。

CMとかカットシーンでチラ見していたのですが。

みつばは、武官(かっこよいイケメンさん)と文官(美人なイケメンさん)みたいな、このコンビ、もろ好みです♪

しかも、アクション&ミステリー謎解き(?)ぽい感じも良い♪

しかし、どうしても、ちょいちょい、みつばの「腐」アンテナに引っかかるのですが、そういうドラマなのでしょうか?(汗)

もし、違うなら、みつばの又悪い癖が出たのでしょう。

原作がBLで無いなら、尚更、好みの設定とキャラクターではあります。

視聴したら、萌え萌え右脳くんが復活してくれるかも?♪←復活しても、二次創作は、させませんけどね。


あとは、これ。




「有翡」




見たい~。見たい~。と、以前からブログ雑記に書いていました。

だって、みつばの、好きな俳優さんと、好きな女優さんが主演のドラマ♪

見られる日を夢見て(←萌え節約)、ブログにリンク貼っておきます。

とりあえず、契約している動画サイト解約日までに、「陳情令」日本語字幕版を全部見なくては(焦)←まだ、見てなかったのかいっ&Blu-ray全部持ってるのにっ、というダブルツッコミ(苦笑)。


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【裏箱】陳情令二次創作漫画INDEX2に、4コマ漫画、「愛の欠片」を更新しました。

予約投稿の出来ない「裏箱」記事の為、4コマ漫画は、INDEXページで、すでに更新されています。

(以下の注意事項をよく読んでください)



裏箱4コマ漫画「愛の欠片」は、専用ページの中でしか読めません。
※このページの裏箱には入っていないので、ご注意ください。

↓「愛の欠片」記事が入っている「裏箱」

【裏箱】陳情令二次創作漫画INDEX2(クリックするとリンクページにとびます)

他の裏箱4コマ漫画を読みたい時は、
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表版の4コマ漫画は「陳情令二次漫画INDEX」にリンクがあります。(表と裏記事が混ざっています)

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「裏箱の見方について(補足)」

「陳情令」みつばの二次小説シリーズ。

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みつばの二次小説「花燭洞房」の後日談的なネタです。

みつばは、シリアス系の創作をしていると、ほのぼのしたものを描きたくなってしまいます。
または、コメディタッチの大人話とか。
創作していると、妄想キャラなのに、その心や感情にシンクロしすぎてしまう。

「天に楼閣を描く鳥」は、そういう意味で、主観的に入れ込んで創作している為、メンタルにきます。
というか、本当に、闇に沈みそうな感覚におちいります。

みつばの中の「忘羨」の二人の印象が、いかに純粋なのかが、よく分かりました。
「忘羨」二次創作の時は、たとえシリアスでも、心が洗われるよう。

ーーーって、これ、
今回も全く同じ心境だったので、前回の4コマ漫画の記事を、ほとんどコピペ。

純粋で、ラブラブな二人に会いたかったの♪
でも、中身は、おバカな妄想漫画。

4コマ漫画の(脱線ぎみ)藍湛を描く時は、とてもなごみます♪←これも、前回のをコピペ(笑)


記事への拍手、コメントを送ってくださった方、ありがとうございました!

ブログへのご訪問ありがとうございます。
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ブログの「禁止ワード」の件。

「みつばのたまて箱」のブログのコメント機能で、規定で決まっている「禁止ワード」が入っていると、コメントが送信できない、という設定を使用していました。

この規定の禁止ワードの中に何が含まれているか、ブログのヘルプを見ても、詳細が書いていないので、みつばにも分かりませんでした。

ただ、この禁止ワードで、コメントが送信できないという方が増えていたので、しばらく前から、設定を解除しました。

でも、それからも、「禁止ワード」で送信出来ません。と、なります。という方が、何人もいらっしゃるので、「おかしいな」とコメント設定を確かめたのですが、やはりブログ規定の「禁止ワード」設定は解除されていたのです。

それで、詳細に調べてみているうちに、思い出しました。

数年前に、このブログで、唯一、みつばが誹謗だと認めたコメントが、何度も送られた時期のこと。

その事について書いた記事。→「読者さんへ今年最後のお願い

最初は、この読者さんの気がすむまで、とも考えました。

しかし、誹謗コメントを送っているのが、同じ方で、しかも、通りすがりや、アンチファンでは無く、二次小説や他のブログ記事読みの読者さんだと知った時の衝撃は大きかったです。

当時は、読者さんもとても少なくなっていたので、拍手コメントでも、はっきり足跡がつき、調べれば、その人が他にどんな記事を読んでいるのかも分かりました。

ブログやサイトを管理している方は、ご存じかもしれませんが、特定の読者さんをブロックする方法、つまり、ブログを見られなくする方法があります。

でも、みつばに、どんな憎しみや執着があろうと、少なくとも、ブログの二次創作物も読んでくれていた、アジアドラマのファンの方。いきなりブロックして、ブログ記事を読めなくしてしまうのは、どうなのだろう。と正直、悩みました。

しかし、リアルの世界で、いろいろな事があって、心身共に弱っていたので、余裕をもって、受け止めることも出来ない状態でした。

それで、コメント内で、みつばが読みたく無い語を単発で「禁止ワード」に個別登録しました。

それでも、おさまらない状態だったので、コメントの話をブログで公表して、全体に向けて発信して、「読者さんへ今年最後のお願い」記事を出しました。

今まで、みつばの記事を読んでくれていた方なら、それで、分かって欲しいと思ったのです。

そして、その方に届いたのか分からないのですが、それ以降、誹謗コメントはこなかったです。


その後、今になって、ようやく気付いたのですが、この時設定していた「禁止用語」を、みつばが、解除せずにいたため、そのままの状態になっていました。

そういう理由で、その後、何年も、そのジャンルの読者さんだけでなく、別ジャンルの二次小説読みの読者さんのコメントまで、「禁止用語」が入ったものは、弾かれていたと思われます。

みつばが禁止ワードにしたのは、ごく普通に使われる言葉なので、コメント内で、みつばにあててでは無く、ドラマ感想などでも、その語が入る可能性があります。

このブログでは無く、別のサイトで、ですが、「禁止ワード」を使わなくても、なんでもない語の組み合わせ方次第で、十分、人を貶めたり、落ち込ませることは出来るのだという、巧みの技を見たことがあるので、言葉は、良くも悪くも「力」だと思います。

ただ、悪い言葉を使わなくても、他人を故意に傷つけようと画策して発したものは、全部、自分に帰ってくるので、みつばも気をつけたいところです。

・・・そういうわけで。

みつばが設定して、忘れていた「禁止用語」のせいで、何年もの間、かなりの人のコメントが今まで送信できない状態になっていたことでしょう。

それで、誤解された読者さんもいたかもしれません。
「私、ブロックされています?」と。

コメントで、それっぽいメッセージもあったのですが、誰一人、ブロックした覚えが無いので、何のことだろう?って、不思議だったのです。

読者さんをブロックしていませんでしたが、いくつかの言葉はブロック対象に入っていたので、その語を書いた方のコメントは送れなかったのだと思います。

そういうことで、改めて、お詫びします。

コメントエラーになっていた方、
申し訳ありませんでした。

これで、「禁止ワード」うんぬんのエラーメッセージは出なくなるはずです。


現在、「拍手コメント」の機能は停止していますが、非表示になっていても、それまで頂いていたコメントは、全部保管されています。

コメント欄のコメントも非表示でも、今までのもの、全て見られる状態です。

コメント欄のコメントは、引き続き、2022年6月20日(ブログ開設記念日)までは、期間限定で、お返事させていただきます。

コメントのお返事が遅くなったり、複数まとめてになることもありますが、ご了承ください。


今まで、コメントを送って、応援、励ましをしてくださった方、ありがとうございました!

ブログへのご訪問、そして、この記事を読んでいただき、ありがとうございます。

引き続き、6月20日までは、確実に更新(毎日更新出来ないけど)予定の「みつばのたまて箱」をよろしくお願いします。


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中国ドラマ「陳情令」、映画「乱魄」の、みつばの二次小説「天に楼閣を描く鳥」(12話)です。

「陳情令」(魔道祖師)のキャラクター、「聶懐桑」中心の二次小説。
みつばの二次小説シリーズ、番外編。「回家編」のスピンオフ。


二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


コメント欄は、二次小説記事の下方にあります。
コメント記入に関しての説明は、こちらから。

「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから二次小説をお読みください。

※(注意)ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」
「陳情令」のスピンオフ映画作品「乱魄」のネタバレがあります。
これから見る予定の方はご注意ください。


二次小説のイメージイラスト【裏箱】天に楼閣を描く鳥(イラスト)

「天に楼閣を描く鳥」登場人物紹介(イラストつき)
※未公開(今後更新予定)の二次小説中の登場人物も含まれています。


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中国ドラマ「陳情令」、映画「乱魄」の、みつばの二次小説「天に楼閣を描く鳥」(11話)です。

「陳情令」(魔道祖師)のキャラクター、「聶懐桑」中心の二次小説。
みつばの二次小説シリーズ、番外編。「回家編」のスピンオフ。


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※(注意)ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」
「陳情令」のスピンオフ映画作品「乱魄」のネタバレがあります。
これから見る予定の方はご注意ください。


二次小説のイメージイラスト【裏箱】天に楼閣を描く鳥(イラスト)

「天に楼閣を描く鳥」登場人物紹介(イラストつき)
※未公開(今後更新予定)の二次小説中の登場人物も含まれています。


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中国ドラマ「陳情令」、映画「乱魄」の、みつばの二次小説「天に楼閣を描く鳥」(10話)です。

「陳情令」(魔道祖師)のキャラクター、「聶懐桑」中心の二次小説。
みつばの二次小説シリーズ、番外編。「回家編」のスピンオフ。


二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


コメント欄は、二次小説記事の下方にあります。
コメント記入に関しての説明は、こちらから。

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とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから二次小説をお読みください。

※(注意)ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」
「陳情令」のスピンオフ映画作品「乱魄」のネタバレがあります。
これから見る予定の方はご注意ください。


二次小説のイメージイラスト【裏箱】天に楼閣を描く鳥(イラスト)

「天に楼閣を描く鳥」登場人物紹介(イラストつき)
※未公開(今後更新予定)の二次小説中の登場人物も含まれています。


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いつのまにか、地上波で、韓国ドラマ「風と雲と雨」を放送してたーーーっ!という、みつばの叫びです。←(情報収集不足は、通常運行)

「検事プリンセス」、ソ・イヌ役を演じた、パク・シフさん主演。

さらに、日本語吹き替えの声優さんが、ソ・イヌと同じ方。←嬉しすぎるっ。

古代の時代背景で、パク・シフさん演じるキャラは、「観相師(占い師)」。

これは、見たいっと、密かに地上波放送を待っていたのに。
もう、すでに数話見逃してしまった分は、動画レンタルで追いつくしかない(涙)




パク・シフさん、中川さん(声優さん)

「検事プリンセス」視聴から11年たって。
同じような時期に、みつばに光を与えてくれてありがとう。

ネットの片隅でお礼を。
テレビ放送だと、ドラマはカットされている箇所もあるかもだけど。
録画して、しっかり視聴しよう。

楽しみ~♪

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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「花燭洞房」です。

二次小説を読む注意点、「陳情令」の他の二次小説も ←(以下、必読の注意書きです)
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


コメント欄は、二次小説記事の下方にあります。
コメント記入に関しての説明は、こちらから。

「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

ドラマ「陳情令」、原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は、時間軸では「道侶編」(忘羨CPは夫夫関係)シリーズ内の二次小説です。


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(スマホで見ている方は、すでに小説が開いています)

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このブログの二次小説読みの方へ。
雑記を読み飛ばしている方も、訪問の際に、目にする「お知らせ」と「注意点」には、目を通して頂けると助かります。

お知らせ①

「陳情令」みつばの二次小説INDEXを更新しました。

【番外編】に
・「天に楼閣を描く鳥」5話~9話。

【道侶編】に
・「白黒黒白-しろくろこくびゃく-」1~4話。あとがき&裏箱4コマ漫画

「陳情令B」【裏箱】陳情令二次創作INDEXのリンクページを更新しました。

・4コマ漫画「I love you too」

…陳情令二次創作ってタイトルなのですが、厳密には「陳情令」の二次創作では無いです。

お知らせ②

4月28日以降、コメントを送ってくださった方に、コメント欄で返信をしました。

「承認」、「非公開」、どちらの方にも、ハンドルネーム伏字で送っていますが、もし、公開の返信に不都合がある方は、ご一報ください。その場合は、みつばのコメント部分を削除します。

「承認」の方にも、返信はしていますが、コメント内容は、「非公開」の状態のままにさせて頂きます。

今まで、沢山の方が書いてくださっていて、さらに、同じ方が何十回と書いて下さっていたのに、1度もお返事していませんでした。

1年以上、コメント欄からのコメントにも個人的に返信をせずにごめんなさい。

そして、本当にありがとうございました。

コメントに関しては、今後も、「コメント欄について」の記事に書いていたことを基本適応します。

返信がいらない方は、コメントに「返信不要」と明記でお願いします。

これからのブログ記事は、二次小説更新の時は、なるべく二次創作関連のことだけ載せたいという想いと、雑記でも、全体に発信するのは萌え話にしたいので、全体のコメントレスの方は、軽くまとめてとさせて頂きます。

コメント内容は、このブログの二次創作に関連したもの、アジアドラマ系の話だけでなくとも良いのですが、基本、「みつばからの返事が無くても、遅くなっても平気です」という方でよろしくお願いします。

お知らせ③

次回は、「陳情令」二次小説「道侶編」シリーズの短編話の更新を予定。

本来なら、「道侶編」シリーズを再開させてから公開するつもりだった二次小説を蔵出しさせていただきます。

「忘羨」二次小説読みの方は、更新まで少々おまちください。

ブログへのご訪問、ありがとうございます。
記事への拍手コメントを送ってくださった方、ありがとうございました。

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