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中国ドラマ「陳情令」、みつばの二次小説「噂」(3話)です。

二次小説を読む注意点、コメント記入、「陳情令」の他の二次小説も
「陳情令」二次小説INDEXページからお願いします。


「陳情令」の登場人物・名称紹介のページはこちらから(名称、説明、更新しました)

とくに初めてこのブログにいらした方は注意点を一読してから
二次小説をお読みください。

「陳情令」は現時点、日本語翻訳未公開のドラマです。
原作「魔道祖師(作者):墨香銅臭」、アニメ「魔道祖師」をご存じない方。
これから見る予定の方は、ネタバレがありますのでご注意ください。

二次小説はドラマ50話最終回後の話になります。
また、この小説にはBL(男同士の恋愛)描写があります。
そのあたりが受け入れられる方のみお読みください。


※この話は「予兆」の続きです。


噂(3話)




姑蘇藍氏が闇狩りを依頼された山の麓にたどりついた時、すでにあたりは闇と化していた。

冷ややかな風が時折木々の葉をざわめかせ、汚泥の中の枯葉の腐臭が仄かに周囲に立ち込めている。嵐の後で荒れているとはいえ、雲深不知処の清涼な大気と異なり、それこそ雲泥の差のある瘴気のような空気が漂っていた。

そんな鬱蒼とした林の中のあぜ道を、松明を持つ弟子が集団の先頭と背後で周囲を照らして進んだ。

姑蘇藍氏の一行はまず闇狩りを依頼した村の長の家を訪ねた。

村長の家の門には屍と幽鬼除けの護符が貼られていた。
それらが正常に機能するものか確認した後、魏無羨は村長に話を聞いた。

「これらの護符は村の家全部に貼っている物ですか?」

「はい。同じ物です」

「護符が効かない家もあったと聞いたのですが」

「はい。この先の道をしばらく歩いて行き止まりの家です。
護符を門と家の戸の内外に貼っていたにも関わらず、屍が入りこんできたそうです」

「今、その家の住人は?」

そう聞く魏無羨に「ここに」と村長の後ろに集まっていた村人達の中からおずおずと一人の男が妻と子らしき者たちと一緒に歩み出てきた。

「今は村長さんの家に世話になっております。護符の効かない家にいる気になれなくて。
これが貼っていた護符です」

魏無羨は男が差し出した護符を手にとった。

「村長の家に貼られている物と同じですね」

横から見ていた藍思追が魏無羨に言った。

魏無羨は頷くと、村人から家に入り込んだ屍の特徴を聞いた後、その護符を懐に仕舞った。

「…明日には家に戻れるでしょうか?」

護符が効かなかったという家主の男が不安そうに聞いた。

安心させるように魏無羨が男の肩に手を置いて頷いて見せると、村長の方に目をやった。

「村人はここにいる人たちで全員ですか?」

「はい」

「では、ここから離れた場所に屍たちを誘導します。
今夜は村長さんの家の周囲に結界をはりますので、皆さんは、我々が良いと言うまでその中から出ないようにしてください」

「分かりました」

こくこくと頷く村人の面々を見回した後、魏無羨は再度確認するために村長に聞いた。

「屍は3体出ると聞いていますが、間違いないですか?」

「はい、3人です」

「分かりました」

村長に頷いた後、魏無羨は弟子達を振り向いて、結界を張る指示を出した。

含光君、沢蕪君、藍啓仁くらいの術者であれば一人でも広範囲に結界を張ることも出来たが、
弟子達は総出で取り掛からなければならなかった。

もちろん、魏無羨も一人で結界を張ることが可能だったが、引率者が何もかもお膳立てしてしまうと弟子達の為にはならない。

魏無羨は、弟子達の張った結界に不備が無いか確認すると、念のため、自分で作成していた護符を結界の周囲に置き二重の守りを築いた。

それから魏無羨は弟子達と共に結界を張った場所を離れて歩き始めた。

そして、林を抜けた見晴らしの良い空き地に召陰旗を設置させ、円形を組み、今後の闇狩りの手はずを確認した。

一通り、各自の役割や手順の確認を終えた後、魏無羨は、「聞いておきたいことは無いか?」と弟子達に聞いた。

弟子達は、かぶりを振った。

「では、先ほど街で何か気になった情報があった者は話せ」と魏無羨が続けた。

弟子達は互いの顔を見回した後、気まずげに目を泳がせた。

「遠慮しないで話せ。団体行動の時は些細な情報も共有しておいた方がいい」

魏無羨の促しに、弟子の一人がおずおずと手を挙げた。

「あの…、先ほど、街で情報収集をしていた時に又話を聞きました」

「何の話だ?」

「含光君様の婚姻の話です」

「・・・・・・」

「今は闇狩りの話をしています。その事は関係ないでしょう」

藍思追が横から口をはさむように言った。

「それは、そうなんだが…」

挙手した弟子は助けを求めるように隣にいた者に目をやった。
隣にいた弟子も、恐る恐る口を開いた。

「街では我々の外見で姑蘇藍氏だと分かる者に会うと、まず『含光君様のご婚姻、おめでとうございます』と言われるのだ。まるで婚姻がもう決定しているような口ぶりで。今日はもう5人に言われた」

「わたくしも…仙督様の婚姻式はいつですか?と問われた。仙督就任式の話より、婚姻式の話の方が有名になっている」

「それで、そうやって言われたり、問われたりして何て答えたんだよ?」

藍景儀が聞いた。

「まさか『ありがとうございます。もうじきです』なんて返事していないよな?」

「していない。ただ、『我々にはわかりかねます』と答えただけだ」

「景儀は街で聞かれなかったのか?」

「僕は闇狩りの情報収集するのに必死でそんな話はしていない」

「…景儀はゲームを仕掛けられて、躍起になっていただけじゃないのか?」

「情報を教えてもらうためだ」

脱線しそうな雰囲気になった話を止めるように、
魏無羨が黙したまま手をスッと上げると弟子達の会話がピタリと止まった。


「…他に闇狩りのことで新しい情報を聞いた者は?」

静かな口調で問う魏無羨に、弟子達がシンとした。

「先ほど村長や村人から聞いた話以外の情報は聞きませんでした」

藍思追が代表するように答えた。

魏無羨は小さく頷くと、「では、俺が聞いた話を伝えておく」と前置きして言った。

「少し気になる噂話を聞いた。木を盗んでいく屍がいるという話だ」

…木を盗む?

弟子達は、きょとんとした後、また近くの者と顔を見合わせた。

「今回の闇狩りで出没している3体の屍たちの中の一人ですか?」

「そうかもしれない。しかし、そうでは無いかもしれない」

藍思追の問いに魏無羨が言った。

「今回の闇狩りの情報では無かった話だ。もしかすると、この依頼された闇狩りの対象以外にも付近で別の屍が出没しているのかもしれない」

「木を盗む…」

しばし考えこんだ後、藍思追はハッとしたように顔をあげた。

「もしかして、誰かに操作された屍傀儡?」

魏無羨が重々しく頷いた。

「そうなると対応を変えなくてはいけない。しかし、情報が不鮮明な上に未確定だ。
まずは、今回の闇狩りの対象3体の屍の確保。もし、召陰旗に引き付けられ、噂の屍も現れた場合は、作戦を変更し俺が指示を出す。ただ、そうなっても狼狽えるな。確保する手順は同じだ。落ち着いて行動しろ」


「はい」

魏無羨の言葉に弟子達が気合のこもった返事をした。

何度か魏無羨と闇狩りに同行し、その実力や能力が含光君と同じくらい信頼に値すると分かっていた弟子たちだった。

「でも、なぜ魏先輩は、先ほど、村長に木を盗む屍の話をしなかったのです?」

藍景儀が不思議そうに聞いた。

「不確かな情報でただでさえ怖がっている村人たちをこれ以上不安にさせないためですか?」

魏無羨の代わりに半分答えたような藍思追の問いかけに魏無羨が微笑を浮かべた。

「そうだ。もし被害があったのなら、村長や村人たちは知っていただろう。だが、屍が木を盗むという話はしていなかった。俺の聞いた話でも出没した場所は今回の闇狩りの場所からは遠い。それに3体だということも先ほど再度村長に確認している。村人達が見た屍の特徴は3体以上は無い。まずは、確保した3体を確認してもらい、木を盗むという屍がその中にいるかいないかは後ではっきりする。対応はそれからだ」

「もし、今回の闇狩りで、噂の屍傀儡がいなかった場合は?」

「今回の闇狩りを完了させ、姑蘇藍氏に戻った後、まず藍宗主に情報を報告する。捜査や指示はそれからになるだろう。藍景儀この説明で納得したか?」

「はい」

「では、各自、持ち場につけ。そろそろ屍たちが現れる時刻だ」


魏無羨の指示に弟子達全員が動いた。

魏無羨は一人、陳情を手に召陰旗が設置された場所から離れた岩陰に身を潜めた。

準備を終え、口を閉じ、屍の出現を待つ姑蘇藍氏一門。

しばらく、あたりは不気味なほど静まりかえっていた。

だが、やがて頬を撫でる風の匂いが変わったのを感じた魏無羨だった。
生臭い瘴気がこもっている。

魏無羨は岩陰から召陰旗の方を覗き見た。
林の中から何者かが召陰旗の方に近づいてくる気配が濃厚になってきた。

…来た。

ユラユラと体を揺らし、足をひきずるような動きで現れたのは2体の屍だった。

傀儡では無く、怨念のような霊気に魔の邪気が入り込み、屍体を動かしている類。

計画通りの動きで、確保は可能だろう。

姑蘇藍氏一門の弟子達も息をひそめて、屍の動向を見守っていた。
2体の屍はゆっくりとした動きで召陰旗の周囲をうろつきはじめた。

…あと1体はどこにいる?

魏無羨は岩の上に足をかけ上から周囲を見回した。

すると、かなり離れた場所にもう1体の屍らしき姿が見えた。

屍は、こちら側の様子を伺うかのような姿勢でジッと立ち尽くしていた。
しかし、何かを察したように後ずさり場から離れていく。

…やはり、この屍は、他とは違う。

離れていくもう1体の屍に弟子達も気づいていた。
だが、動くことは出来ない。
召陰旗の近くにいる傀儡たちは結界符の中にいたが、これ以上時間をかけるとその結界陣から出てしまう恐れがある。

…魏先輩、どうしますか?

そんな眼差しを向ける弟子達に魏無羨は手話で指示を出した。

『あの1体は俺が追う。お前たちは、計画通り残り2体を確保して待機しろ』

魏無羨の指示を了解したという合図で、弟子達が結界を張った。

召陰旗の近くにいた屍たちが結界の中で暴れまわった。

藍思追と藍景儀が結界の中に入り、霊符を屍たちに向けるのを横目に魏無羨は岩陰から飛び出し、もう1体の屍の姿を追って、林の中を駆けた。

逃げた屍の動きは素早かった。

…聞いた特徴が同じ。おそらく、これが護符が効かなかったという屍だ。
屍の体の中に別の魔性が潜んでいる。

魏無羨は懐から霊符を取り出すと、新たに組んだ術を書き込んだ。
そして、それを目の前で走っている屍の方に放った。

霊符は屍の背中に直撃し、屍は足をもつれさせ倒れこんで動かなくなった。

しかし、完全に倒せてはいないことは魏無羨には分かっていた。

魏無羨は陳情を構え、慎重に倒れた屍に近づいて行った。

うつ伏せに倒れていた屍の体がぴくりと動いた。

屍の体から一気に大量の妖気が噴き出した。

「!」

まるでボロ布でも裂くように、屍の体が真っ二つになり、
黒黒とした邪気と共に中から大きな影が現れた。

影がみるみる膨れ上がり、実体を作った時、それは魏無羨の身長よりはるかに大きな魔物だった。

…大蜘蛛の妖魔か。

この相手に既存の術符や護符は効かない。

そう瞬時に判断した魏無羨は懐から再び霊符を出すと、指先を噛み、血で新しい術を組みこんだ符号を書き込んで大蜘蛛に放った。

効果はあったようだが、想定した以上に大蜘蛛の表皮は強固だった。
衝撃は与えられたが、決定的な打撃は与えられていない。

大蜘蛛の魔力の保有はそれほどでも無いようだったが、体力は格段に大きい。
符術では、長期戦でしか体力を削れない。
魏無羨の編み出した邪気を利用した陳情の魔力も、同じ質を持つ者に放つには、練るのに時間が必要とされた。

こんな時は、仙剣での攻撃の方が有利に進められる。

そんなことは分かっていた魏無羨だったが、今の魏無羨には仙剣をふるうことは出来ない。
以前のように印を結び、即座に霊力で念糸を出す術も不可能だった。

魏無羨は大蜘蛛を観察しながら術式を編み込んでいる霊符を放った。

大蜘蛛の動きが少しでも止まっている間に結界の陣を張り、中で消滅させる策だった。

魏無羨の目論みは、うまくいったかに見えた。

魏無羨に足を振り上げていた大蜘蛛の動きが止まった。

魏無羨はすぐさま結界の陣を張るために霊符を取り出そうとした。

だが、想定していたより早く大蜘蛛が動いた。

魏無羨は瞬発的に身をよけることが出来たが、
大蜘蛛の複数の足が魏無羨の動きに合わせてゆるみない攻撃を仕掛けてきた。

動き続けて攻撃はかわせても、陳情も霊符も使えない。
大蜘蛛の動きは素早く、拘束が出来る糸を呪符から繰り出す猶予も無い。

魏無羨は頭の中で策略を巡らせながら、勝機を待つように大蜘蛛の攻撃を避けた。
大蜘蛛の足は細い木をなぎ倒すほどの威力を持っている。
接触すれば、姑蘇藍氏の秘薬でも簡単に治療できないほどの打撃を受けることだろう。

魏無羨は大蜘蛛の動きをかわしながら、周囲に目を向けた。

林の中で木々の間隔が狭くなっている場所を見つけた。

…あの場所に大蜘蛛を追い込めば…。

魏無羨が身を屈めて、その木の間を駆けた。
魏無羨を追うように大蜘蛛が追いかけてきた。

案の定、狭くなっている木々の隙間に大蜘蛛の体がひっかかった。

…今だ。

魏無羨が霊符で結界を張ろうとした時、木々に挟まれた大蜘蛛が大きく身を震わせ、
内から膨大な邪気を放出し体を阻んでいる木々を粉砕した。

「!!」

魏無羨は腰帯の陳情を抜くと、口にあて構えようとした。

しかし、魏無羨は目の前の大蜘蛛に集中していた為、気づいてはいなかった。
足元に窪みがあり、そこに先日の嵐で出来た深い泥濘(ぬかるみ)があったことを。

魏無羨の片足が泥濘にはまり、動きを封じられた魏無羨は横向きに倒れた。

一瞬の過失だったが、この戦いにおいて、その短い間は命取りに値するほど危険だった。

魏無羨の上で大蜘蛛が巨大な足を上げ、魏無羨の体めがけて勢いよく振り下ろした。

霊符が間に合わない。


魏無羨の脳裏に藍忘機の姿が浮かんだ。
危険の時にはいつも駆け付け、助けてくれた藍忘機。

…藍湛!!

心の中で藍忘機の名を呼び、魏無羨はとっさに身をかばうように陳情を掲げた。

大蜘蛛の足が魏無羨を直撃しようとした寸前、
魏無羨と大蜘蛛の間を白刃の煌めきが走った。

ザクッと大きな幹が切られたような音と共に耳をつんざくような妖魔の叫び声が聞こえた。

魏無羨を突き刺そうとしていた大蜘蛛の足は切り離されていた。

もがきながら、後退していく大蜘蛛を目で追いつつ、魏無羨は急いで、泥濘から足を抜いた。

そして、白刃が通った方向を振り返った。

とっさに魏無羨は「藍湛」と呼びそうになったが、背後にいる人物を見て目を見開いた。

闇夜の中で、まるで熱い炎をまとわりつかせているかのように青白く光る仙剣。
その仙剣を手に構え、魏無羨の後ろに佇んでいたのは、藍忘機では無かった。

…この男は。

男には見覚えがあった。
それは、魏無羨が宿屋に向う前に街で見た太鼓叩きの芸をしていた男だった。

「よお。又会ったな」

そう言って、男は、腰を落としたままの魏無羨に数珠を巻いた手を差し出すと、ニッと人好きするような笑みを浮かべた。


(続く)



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