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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「Without you」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話は、ドラマ16話中、イヌがヘリと離れてアメリカに行っている間の話になります。
イヌ役パク・シフさん出演ドラマ「逆転の女王」とのコラボ二次小説。



Without you



繁華街を行き交う見知らぬ人々の雑踏。
その中であの人の気配を無意識に探している自分がいる。


ヘリは、立ち止まるとぐるりと辺りを見渡した。


『マ・検事。偶然だな』

そう言って、ビルの影からおどけた表情であの男が出てくる。
この街にはいないはずの男。ソ・イヌが。

そんな白昼夢を振り払うようにヘリは頭を振った。

「マ先輩?どうかしました?」

ヘリの後輩、キム検事の不思議そうな呼びかけでヘリははっきりと我に返った。

「なんでもないわ」

「そうですか?何だか深刻そうな顔をしてましたけど。
もしかして例の男のことを考えていたんじゃないんですか?」

「例の男って?キム検事、誰の話?」

内心ギクリとしたヘリにキム検事が「先日の会議で出た男の話ですよ」と答えた。

「ヘリ先輩が今扱っている案件の重要参考人の男。
事情聴取する前に逃亡したんですよね?どうなったんですか?」

「その男のことね。ええ、指名手配にしたわ」

「そうですよね。被疑者では無いのに逃亡なんて怪しすぎます。
何かやましい事を隠してるに違いないですよ。もう遠くに行っちゃったでしょうか?」

「いいえ、まだ国外には逃げてないようだし、
今日、その男をこの辺りで見たっていう情報も入っていたから、案外まだ近くにいるのかもしれないわ」

「それで、マ先輩はさっきからその男を探しているんですね?」

「え?」

「だって、ランチでこうして外に出てからよくキョロキョロしてますから」

自分ではそんなつもりは無かったのだが、
近くにいる人間にまで悟られるほどあからさまに態度に出ていたのだろうか。

しかし、そんなヘリを日頃から尊敬しているキム検事は、ヘリに感心した眼差しを向けていた。

「さすがです。マ先輩。どんな時でも感覚を研ぎ澄ましているなんて。
それに、指名手配中の人間も自分で探そうって意欲。検事のかがみです」

・・・ちょっと違うけど。

「そう?」

ヘリは、キム検事の勘違いに気まずげに苦笑すると、あいまいに首をかしげてみせた。

口には出来なかったが、目で追っていたのは違う男だった。
今仕事で追っている逃亡者の男ではなく、アメリカに行ってしまった男。

ソ弁護士。ソ・イヌ。

数か月前、ヘリの家を訪ねて来たジェニー・アンが教えてくれた話。

ソウルの弁護士事務所で、ジェニーとイヌをスカウトしたいという話があるということ。

果たして、すべての目的を終えてアメリカに帰ってしまったイヌが再び韓国に来ることなどあるのか?

この話を別の人に聞いていたなら、そう疑うヘリだった。
現にジェニーからこの話を先に聞いていたらそう思っただろう。

しかし、ジェニーは、この話を持ち出す前にヘリにいろんな事を話してくれた。

イヌは、祖国の韓国に住みたがっていること。
イヌは、事件のことでヘリの生活を変えてしまった責任を感じていること。
それまでのイヌと変わってしまったこと。

――― 今でも、ヘリを気にかけていること。


「イヌが韓国で働くことになったら連絡するわ」

ジェニーはそう約束してくれた。


それから、ヘリはジェニーの連絡を心待ちにして日々を過ごしていた。
でも、あれからまだジェニーからの連絡は無かった。

もし、韓国に来る話が無くなったとしても、イヌが韓国行きを選ばなかったとしても、
ジェニーは連絡をくれるはずだ。

そう信じて、ヘリは連絡を待っていたのだった。

…指名手配…出来るものなら、あの男にもしてやりたい。

そう思いながら、小さなため息をつき、ヘリがふと顔をあげた時だった。

人込みの中で、その姿は一瞬ぼんやりとした視界に入っただけだった。

今までだってソ・イヌと同じような背格好の男を見ることは何度もあった。

だけど・・・

「マ先輩っ!?」

驚いたキム検事の声を背にヘリは無言で走り出していた。

歩道の青信号が点滅している。

風を切り、勢いよく駆けるヘリをすれ違う人々が怪訝そうに一瞥して通り過ぎる。

ずっと前を歩いている細身で黒っぽいスーツ姿の男。

その後ろ姿も、チラリと見えた横顔もあまりにも似ていた。

・・・ソ・弁護士はアメリカにいるはず。
こんな所にいるはずがない。いるはずないけど。

ヘリは確かめずにはいられなかった。

脳裏に『重症だな』と嘲笑するイヌの声が聞こえた気がした。

…そうよ。重症なのよ。悪い?
それもこれも誰のせいだと思っているのよ?


心の中でイヌの幻覚に悪態をつきながら、それでもヘリは
男の背中を追うことをやめなかった。


そして、ようやく追っていた男に追いつきそうになった。

目の前のビルの中に入ろうとしている男の腕をヘリはとっさに後ろからつかんだ。

「待ってっ」

息せき切って、なんとかそう叫んだヘリに男が振り向いた。

驚いた表情でヘリを凝視する男の瞳が、ヘリの視線とかち合った。

その瞬間、ヘリの緊張が一気に途切れた。

…違う。

振り返り、立ち止まった男はソ・イヌに酷似していた。
顏だけでなく、背丈もスタイルも似ていた。

外見だけは、まるでヘリが待っていたイヌの姿そのものを具現化していた。

「なに?」

そう不思議そうにヘリに問う男の声もイヌに似ていた。

しかし、ヘリを見ても誰か分からないという、きょとんとした表情。
その態度を見なくてもヘリには、この男がイヌとは完全に別人だと分かった。

ヘリは、自然に力が抜けた手を男から離した。

「ごめんなさい。…人違いだったわ」

失望から、イヌに似た男から目をそらしたままヘリは答えた。

「人違い?」

男は、ヘリに掴まれた腕のスーツの皺を伸ばすように、もう片方の手で撫でつける素振りを見せた後、目を伏せたままのヘリをぶしつけに眺めた。

「それにしてもすごい剣幕だったな」

「強くひっぱるつもりじゃなかったの。ただ確認したかっただけなのよ。
顏はそっくりだったから」

「ふーん…」

謝罪の意識より完全に気落ちしているヘリの姿を、男は面白くなさそうに顎をそらせて見下ろした。

「新手のナンパ?」

「え?」

「ずいぶん強引な手みたいに見えたけど。」

「違うわっ。何を言ってるの?そんなんじゃないわ」

あまりのことに、一瞬呆気にとられたヘリだったが、あわてて反論した。

「あなたが、知っている人に本当にそっくりだったのよ。
でも、もしかしてあなた…」

ヘリは、目の前の男をまじまじと見つめた。

醸し出す雰囲気は全く違うのに、顔の造作はやはりイヌに似ていた。

「顔のそっくりな兄弟がいたりする?その、生き別れた双子の兄弟とか」

ヘリの問いに男が思いっきり眉を潜めた。

「…いないな。そっくりな兄弟なんて」

今の質問はこの男の逆鱗に触れてしまったのかもしれない。

嫌悪感を露わにした男の顔にヘリは失言をしてしまった事に気付いた。

イヌに兄弟がいるという話は聞いたことが無かった。
他人のそら似だということはすぐ分かることだったが、
イヌとの僅かな接点すら求めるヘリの願望だった。・・・目の前の男には不機嫌になる要素を多分に含んだ。

ヘリが改めて謝罪してこの場を去ろうとした時、「マ先輩っ」と後ろからキム検事の声がかかった。

黙って行ってしまったヘリを追いかけてきたのだろう。

「マ先輩。いきなり誰かを追いかけて走っていくからびっくりしましたよ」

「キム検事」

キム検事は、ヘリの傍らに並ぶと、
ヘリと、ヘリの前にいる男を見比べ「もしかして」と言った。

「もしかしてこの男ですか?指名手配の男って」

「指名手配?」

「キム検事」

ますます憮然とした顔になっていく男に、ヘリはあわててキム検事の言葉をさえぎった。

「違うわ。私の勘違いだったのよ。この人は全く関係ないから」

「そうなんですか?先輩が必死に追っていくから、
てっきり先輩の追っている指名手配犯の男かと思いました」

人の往来の多いビルの前。
ハキハキと声の通るキム検事の言葉に、人々は何事かとこちらを窺いながらビルに入っていった。

「検事さんだったのか。
指名手配犯とは、勘違いも甚だしいな」

嫌味っぽい男の口調にヘリは一瞬知己の男の面影を重ねた。
ソ・イヌも似たような話し方をする男だった。
だが、目の前の男の声にはヘリに対する親しみは全く感じられなかった。

ソ・イヌの言葉には、
どんなに嫌味っぽく聞こえても
どこかにヘリを気遣う優しさのようなものを感じた。

その感覚が記憶のつくった幻だったとしても。

似ていれば、似ているほど、
目の前の男とソ・イヌとの歴然としたその差を見せつけられ、
ヘリは次第に冷静さを取り戻していった。

「失礼しました」

ヘリは、検察庁のオフィスにいる時の顔になって男を見据えた。

「わたくしは、ソウル中部地検のマ・ヘリと申します。
あなたのお名前もお聞かせいただいてよろしいでしょうか?」

今までの空気を一変させて毅然としたヘリに男は目を細めた。

「ク・ヨンシク」

「ク・ヨンシクさん」

ヘリがその名を反復した。

「この近辺で指名手配中の人物を見たという情報があったので捜索中でした。
改めて、私の勘違いで呼び止めてしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

「そんなに僕は指名手配犯に似ていたってわけ?」

「いえ、全く似ていません」

きっぱりと答えて、ヘリは持っていたショルダーバッグの中から名刺を取り出した。

「でも、もし、この辺りで不審な人物を見かけたという情報がありましたら、こちらまでご連絡ください」

そう言って、ヘリは自分の名刺をヨンシクに差し出した。

“中部地検 マ・ヘリ検事”

ヨンシクはそう書かれたヘリの名刺をまじまじと見つめた後、微かに頷いた。

「了解した。このビルは、僕の会社の系列だ。そんな人物が入り込んでいるという話を聞いたら連絡しましょう」

「お願いします」

ヘリは、ヨンシクに軽く会釈すると、ヨンシクを興味深げに観察していたキム検事をうながしてその場を去った。

佇んだまま、そんなヘリの後ろ姿をしばらく見送っていたヨンシクに後ろから近付いてきた男があきれたような声をかけた。

「こんな所で女性を物色中ですか?」

「何を言ってる」

うんざりという顔でヨンシクは振り返ると、指にはさんだヘリの名刺を男にほおり投げた。

「なんですか?この名刺は?」

「とっておけ。この先何か役に立つかもしれない」

男はヨンシクから受けとった名刺に目を通した。

「マ・ヘリ検事…。さっきの女性は検事だったんですか。何をしたんです?」

「僕は何もしてない。検事が勝手に勘違いして声をかけてきたんだ」

「…本当に身に覚えないんでしょうね。女性検事に手を出したりして訴えられたんじゃないんですか?」

「手を出したら覚えくらいあるさ。さっきの女性検事くらいのレベルだったらな」

「じゃあ、どうして僕がこの名刺をとっておかなくちゃいけないんですか?」

「お前は、僕の秘書だろ」

「名刺くらいはご自分で管理してください。それに今に女性関係の管理までさせないでくださいね」

「あのな…」

こんなヨンシクと秘書の会話が続く中、
ヘリは、キム検事と職場の検察庁に戻っていった。


結局、この翌日、指名手配の男は街の管轄の警察に逮捕された。


それから数週間後、

ヘリの元にジェニーからの連絡が入った。


『イヌが韓国の事務所で働くことが決まったわ』
詳しい日程が決まったらまた連絡するわね。
とりあえず、決まったこと、早く貴女に知らせたかったのよ』

そんなジェニーとの会話の後、
ヘリは通話のきれた電話を両手で握りしめた。


…ここに戻ってくる。


ソ弁護士。

あれから、
あなたがいなくても、私はちゃんとやっていけた。

だけど。

ヘリは携帯電話を離すと、今度はイヌが置いて行ったデジタルカメラを手にとった。
そして、イヌが映っている写真を眺めて微笑んで呟いた。

広い世の中、似た人は存在する。
でも。


「・・・あなたじゃないと駄目みたい」


時が止まった写真の向こう側、
笑って、ヘリに手を振っているイヌがこう答えているように思えた。

『もうすぐ会えるよ』


「ええ、待ってるから」


ヘリはそう答えると、
イヌのデジタルカメラをギュッと胸に抱きしめて目を閉じた。


(終わり)


登場人物

マ・ヘリ(マ検事)

キム検事・・・ヘリの後輩検事

ジェニー・アン…イヌの親友の弁護士

ク・ヨンシク…イヌにそっくりな男
秘書…ヨンシクの秘書


ひさしぶりの新作描き下ろし短編です。

ク・ヨンシクは、「逆転の女王」のヨンシクです。
「逆転の女王」で、秘書が「マ・ヘリ検事に連絡しますか?」ってシーンがあるのですが、
ヘリと、ク・ヨンシクがいったいどうやって出会って、どんなかかわりだったのか?って
妄想したらこんな話が出てきました。
・・・かなり昔にネームは出来てたのですが、短編すら書き下ろせない昨今。
今頃アップとなった次第。

で、みつばは結局、2度目のテレビ放映「逆転の女王」ちゃんと見られませんでした。
ちょうど、日本で見たいドラマとぶつかってしまっていたので、録画もできず、
「部長」じゃなく、「ぶちょお」でもなく「課長」に一時期はまっていたもので(汗)


小説のヘリも言ってますが、
やっぱり、みつばもそっくりさんじゃダメなんです。
イヌじゃなきゃ。
もう、イヌのいない(妄想)人生は考えられないです。

ひさしぶりに小説書き下ろしたのは楽しかったけど、
今回はイヌが出てこなくて寂しい創作活動でした。
早くイヌに会いたいな~。。。(笑)

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