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みつばの検事プリンセス二次小説、携帯更新。

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抱き枕
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明日は、休日。

一緒に夕食を食べて、恋人達の甘くて楽しい夜の時間は、まだこれから、という時だった。

「じゃあ、私、帰るわね」

そう言って、そそくさとイヌの部屋を出て行こうとするヘリを、驚いたイヌが玄関まで追いかけて来た。

「何か怒ってるのか?」

「何も怒ってないわよ」

「じゃあ、今日の夕食が気にいらなかった?」

「いいえ。あなたの手料理はいつも通りとっても美味しかったわよ。ご馳走様。」

「明日、休日出勤なのか?それとも、他に予定が入ってる?」

「仕事は無いわ。用事も無いけど…」

歯切れの悪いヘリに、イヌがますます訝しげな顔になった。

「それなら、何故部屋に帰るんだ?てっきりここに泊まって行くと思っていたが」

「だって、先週の休日前も泊まったから悪いと思って…」

今さらなヘリの言葉にイヌが苦笑した。

「じゃあ、今夜は僕が君の部屋に泊まるよ」

そう言って、ヘリと一緒に玄関で靴を履こうとするイヌにヘリが慌てた。

「駄目よ。来なくていいから。今夜はやめて」

「怪しいな。何か隠し事か?」

素直なヘリが隠し事は苦手だと知っていたが、だからこそヘリの挙動不審な行動に疑いを持ったイヌだった。

機嫌を損ねたというより、興味深げな目を向けているイヌに、観念したヘリが困惑顔で溜め息をついた。

「…今日、アノ日なの」

イヌから目をそらし、ボソボソと消え入りそうな声で言いながら、ヘリは首筋を手でかいた。

イヌには、ヘリの言う“アノ日”というのが、 女の“月の日”だという事はすぐに分かった。

しかし、

「だから?」

それが何だ?と言うようなイヌの態度に、ヘリがますます居心地の悪そうな顔になった。

「今夜は、一緒に寝ない方がいいでしょ?」

「どうして?」

「どうしてって…」

ヘリは、唖然としてイヌを見上げた。

「もう、鈍いわね。それともからかってるの?今理由を言ったじゃない。アノ日だから、駄目だって」

「駄目なのは、アレだろ?君が嫌ならしなければいいだけだ」

あっけらかんと、何でも無いように言うイヌに対してヘリは、まだ、…どうしよう。という顔で、イヌと玄関ドアをチラチラ見比べていた。

「…何にもしないで一緒に寝てもいいの?」

「恋人は、何かしないと一緒に寝られないと思ってる発言だな」

「だって、私はいいけど、あなたに申し訳無いと思って。今夜はやらないって約束してくれるならいいけど」

ヘリの気遣いは可愛かったが、イヌの男としての行動も完全には信頼されていないようだった。

…しょうがないな。

確かに、イヌ自身、自信を持って否定は出来なかった。

愛しい女が同じベッドにいるのに、手を出すなというのは、男にとって酷な話だ。

それでも、一緒にいたい。
欲だけでなく、そんな純情な感情もちゃんと存在している。

と、どうしたら目の前の恋人に伝えられるのだろう。

そんな心の声を言葉にする事の出来ない男、ソ・イヌは浅い溜め息をついた後、「約束する」と口にした。

しかし、イヌの言葉に安心したヘリが、玄関先に足を向けた時と同じように、そそくさと、部屋の中に戻って来た。

「寝る前にあなたのいれた美味しいお茶が飲みたいな~。いれてくれる?」

心配事も消えて、すっかりリラックスした様子のヘリが甘えた声でイヌにおねだりした。

「了解。ソファーに座って待ってろ」

ゲンキンなヘリの態度に失笑すると、イヌはヘリの好きなお茶を淹れる為にキッチンに入った。

すると、ソファーに座りかけていたヘリも、やおら立ち上がって、イヌのあとをついて来た。
イヌが不思議そうに振り返った。

「ヘリ?」

「何か手伝う事は無い?」

「無いよ」

それでも、カウンターを周りこんで、ヘリがイヌの側に近づいて来た。

そして、イヌの背後から両手を前に回し、体に抱きつくと、背中にスリスリと横顔を寄せた。

「何がしたいんだ?」

お茶を準備する手を止めないまま、イヌは面白そうに笑って、後ろに寄り添っているヘリに声をかけた。

「アノ日だからかしら。体が寒い気がするの」

「そうなのか?今、羽織れる服を持って来るよ」

そう言ったイヌに、ヘリは慌てて「大したことないから」とかぶりを振って、ギュッとしがみついた。

「本当は、あなたに甘えてるだけなの。」

言葉と仕草だけでなく、声色も甘い。

今夜は一緒に過ごせないかも、と思っていたから余計に嬉しい。

そんな気持ちで、抱きついているヘリの心が、密着した温もりからもイヌに伝わって来た。

微笑ましさに、自然に緩む頬を前に向けながらも、背中にしがみついているヘリに愛しさも募らせたイヌだった。

「ほら。入ったぞ。良く休めるようにミルクを多めにした。ジンジャーもいれたから体も温まるお茶だ」

「うん、いい香り。漢方薬入りのドリンクより、効きそう」

そっとイヌから身を離したヘリが、キッチンカウンターの対面に座った。
そして、イヌが淹れた温かいお茶を嬉しそうに口にした。

「美味しいわ。ありがと。イヌ」

「いつもなら、寝酒を出すところだけど、今夜はこれで我慢しろ」

ヘリの体を気遣っているイヌに、ヘリは益々嬉しそうな顔で微笑んだ。

「うん。でも、あなたは飲んでもいいのよ。イヌ」

「僕も飲まないよ。今夜は、とことん君と我慢比べをするつもりだからね」

「頑張ってね。勝てたら、ご褒美をあげるわ」

ふざけた台詞に、ふざけた応酬。

お互い、お茶のカップを手に顔を見合わせて、イヌとヘリは笑い合った。

お茶を飲んだあと、ヘリが先にシャワーを浴びた。
ヘリの後にシャワーを浴び、バスルームから出たイヌは、ソファーに座って、イヌの本棚にあった法律関係の本を読みふけっているヘリを見つけた。

「熱心だな。興味深い所でもあったか?」

「ええ。今担当している案件に関わりがある事が書いてあったから」

「ふーん、どこ?」

半渇きの短髪をふいていたタオルを肩にかけたイヌがヘリの横に座った。

そして、案件の詳しい内容は語らないまでも、ヘリはイヌと一緒に本を読み、お互いの考察をのべあった。

共通している部分もあれば、双方違った見解もあった。

勿論、仕事では無く、プライベートな空間にいる恋人同士だったが、いつのまにか真剣になっていた空気に気づいたのは、時間もかなり過ぎてからだった。

「もう、こんな時間か。そろそろ寝ようか」

チラッと、置き時計で時刻を確認したイヌが言って立ち上がると、ベッドに足を向けた。

しかし、ソファーに座ったままのヘリに気づいたイヌが、「どうした?」と言うような目を向けて立ち止まった。

「先に寝てていいわよ。イヌ。私はもう少し後に寝るから」

ヘリのもじもじした態度にイヌが薄く笑った。

「まだ、身構えてるのか?それとも、君の方がただ寝る事に我慢出来そうも無い?」

「そんな事無いわ。ただ、まだ気になってる所があるだけよ」

気恥ずかしそうに、ムキになって反論するヘリにイヌが、今度は明るい笑い声をあげた。

そして、ベッドの上でヘリを手招きした。

「討論や検証の続きはここでしよう。…おいで」

イヌの魅惑的な声と、優美な手の動きに誘い込まれたように、ヘリが素直にベッドの中に入った。

捲り上げていた一枚のダブルサイズの毛布を自分とヘリの下半身に被せた後、イヌはヘリの肩を抱くようにして、背中を後ろのクッションにもたれさせた。

「眠くなるまで、今夜はこうして話そう」

イヌの提案にヘリは、コクリと頷いた。

しばらく、ベッドの中で話を続けていた二人だったが、ヘリが、突然クスクスと一人笑いをしだした。

「何だか、くすぐったいわ」

「え?」

「こうしてあなたとベッドで話をしてるだけで、胸がときめくの。何もしないのが勿体ないくらい」

計算では無い。

無自覚に煽るヘリに、イヌは心の中で溜め息をついた。

「…もう寝ろ。明日君の体調が良ければ、外でデートをする予定だから」

スタンドランプの明かりを落とし、

ヘリの体を横抱きで、両腕に包み込むと、イヌは目を閉じた。

「うん…」

返事をしながらも、まだ腕の中で身じろぎするヘリの気配にイヌが瞼を上げた。

「どうした?」

「ちょっと寝苦しくて…」

「お腹が痛いのか?」

「そうじゃなくて、背もたれが高くて寝るには姿勢がつらくて。もう少し上半身を横にしていい?」

「ああ、ごめん」

イヌは、立てていたクッションを倒すと、ヘリの体を横たえて、今度は腕枕をする形でヘリを抱き包んだ。

「これで平気か?」

「ええ、…イヌ。前にも思った事があったんだけど、あなたって普段寝ているの?」

「勿論寝てる。何故そんな事を聞くんだ?」

「あなたの部屋のベッドの縁とクッションがいつも立ってるから。ベッドの中でも本を読んだり仕事をしていて、あまり寝て無いのかと思ったのよ」

「確かに癖になってたかな」

イヌが薄暗い部屋の天井を見上げて言った。

「子供の時から、就寝時にも気になった事があると、ベッドの中に本を持ち込んでた。それで座って読んでるうちに眠ってる。そんな事がよくあったな」

「大人になってからも、仕事が気になっちゃう?それとも…」

少しためらったようにヘリが間を開けた。

「眠る前に気になる事があるの?」

イヌが横にいる肩口の上のヘリの顔を無言で見やった。

暗がりの中でも、至近距離ではっきり見えるヘリの表情は、イヌを労るような慈愛に満ちていた。

…今まで誰にも、悟られる事は無かったのに。

イヌは、自分の中で秘密の檻に封じていた物の鍵を、ヘリに見つけられた、と感じて、正直に話す事を決めた。

「…夢を見るのが怖かったんだよ」

ポツポツと、呟くように言葉にするイヌの声を、一言も聞きもらさないというように、ヘリはじっとイヌを凝視していた。
イヌが続けた。

「体を横たえて、眠ると、よく昔の夢を見た。僕にとって、あまり良く無い過去をね。
苦しくても目覚められなくて、ようやく朝が来て、それが夢だけど現実だと思い出す。それが怖かった。だから、熟睡するのが嫌で、眠る時もすぐに目が覚めるような姿勢で寝ていたんだよ」

…母が亡くなった時の夢を見るのが辛かった。
そして、獄中の父の無念そうな姿を思い出すたびに心が痛んだ。

目を閉じた闇の中で、悪夢より酷な記憶という牢獄に捕らわれて、抜け出られなくなりそうで怖かった。

話し終えたイヌは、優しく自分の頭を撫でるヘリの手に気づいた。

「辛かったわよね」

潤んだ瞳で、ヘリが言った。

「でも、もう大丈夫だからね。イヌはお父さんとの約束を守ったんだから。お母さんも誉めてくれてるはずだわ。だから、ゆっくり眠っていいのよ」

ヘリの優しい声と手が、イヌの心の闇を照らし、凍った檻を溶かしていくようだった。

…ヘリ。

「そうだ。今度、抱き枕を作ってあげる」

ヘリがいいことを思いついたという風におどけた声で言った。

「体を横にしても、きっと安心して眠れるから。今夜のあなたへのご褒美はそれにするわ」

茶化しでもしないと、イヌが気まずくなる。

ヘリのそんな優しさが、逆にイヌの心を強く揺さぶって、泣きたくなるような気持ちにさせた。

「…抱き枕は必要ないよ。今は君がいるから」

イヌはそう言うと、ヘリの体を胸に引き寄せて、強く抱きしめた。

「こうしてるだけで、いい。だから、アノ日だろうと、なんだろうと気にしないで、いつでも僕の抱き枕になりに来い」

えらそうな命令口調。

反面、表情を見せないようにヘリの肩に顔を埋め、震えて聞こえるイヌの声も受け止めて、

イヌの、息苦しさを感じるほどの抱擁にも、逆らわず、ヘリは答えのかわりにイヌの体を優しく抱きしめ返した。

…うん。そうする。


ヘリの返事にイヌは満足げに微笑むと、そっと静かに目を閉じた。


(終わり)
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ブログへのご訪問ありがとうございます。

毎年の事ですが、夏休み、家を離れます。
でも、今年は、みつばが、とても遠出に行ける体調でないので、
恒例の旅行はとりやめで。
かわりに、実家の方にしばらくいることに…実家もかなり遠出ですが、
のどかな田舎生活は子供達には楽しいだろうし、みつばには休養になります。

こうなる前に、少しでも二次小説を書いておきたかったけど、
子供達が、次々と熱を出して寝込んだので、バタバタと(汗)
水分とって、安静にしてたら、すぐに良くなったから、
熱中症で、脱水症状起こしてたのかも。
暑い日続いてますので、皆様も熱中症には気をつけて下さい。

実家で、みつばも静養してきます。
それで、いくつか更新したかった短編小説ネタがあるので、
携帯電話で細々と書いて、出来たら、アップしますね。

コメントやメッセージ等のお返事は、かなり遅くなりますが、
何かあったら、お知らせください。

非公開コメントで、他の方に書いたことも知られずに返事が必要な方は、
アドレス記入欄ではなく、コメント文章欄の方に、メールアドレスを書いてください。
設定上、そうしないとメールアドレスが読み込めないのです。
面倒でごめんなさい。

メッセージを送る、の方は、遅くなっても、メールアドレスの方に返信します。

1度でもメッセージを送って下さった方は、みつばのメールアドレスをご存じだと思うので、
直接そちらに送って頂いても大丈夫です。よろしくお願いします。

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あくまで、みつばの中では「検事プリンセス」のソ・イヌが一番ですが、
元々、もろ好みの男、キム・スンユから目が離せないのは仕方ないですよね?

…という、誰に向かって言い訳しているのか分からない、
今回も、ストーリーほとんどカットばしのスンユシーンだけ録画を低速で見ている
みつばの「王女の男」感想雑記です。

えーっと、前回までは、スンユをかばって、背に矢をうけたセリョン。
無事だったのですが、スンユとはまた離れ離れに。
しかし、セリョンの父の命を狙ってウロウロしてるスンユと再会。

セリョンは、かくまっていたスンユの兄妻と姪をスンユに会わせる。

それで、まあ、いろいろありまして。←ほとんど見て無いでしょ。

スンユは、とうとう王様になったセリョンの父、スヤンを倒そうとする人達と一緒にクーデター計画にのるのだけど、失敗して、スンユ以外、スンユの師匠も含め、全員つかまって、処刑されてしまう。元王女のキョンヘの命乞いで、スンユの親友、ジョンは助かるも流刑に。

セリョンは、“王女”になるも、父に反発して、縁を切ると言って、髪を切り寺に。
そこにスンユが現れて。さらにスンユを裏切った友のミョンもやってきて、セリョンに迫る。

…スヤンが勝手に決めた許嫁のはずだったミョンだけど、セリョンに惹かれていることと、
スンユへのライバル心みたいなもので、ムキになっている気が・・・。

セリョンに対する態度もだんだんLサイズ。
宮廷に帰ることも、ミョンもがんとして拒絶するセリョンに「俺も何をするか分からないぞ」と脅して去って行く。

このシーンを見たみつばは。

…え?何するの?ミョン。ねえ、何するつもり?ドキドキ。
と、ハード系レディースコミック妄想に走るみつばの脳内。←あいかわらず(苦笑)

しかし、影でじっと耐えながら、そんな一部始終を見ていたスンユも
そんな危機を感じたようで。←いや、違うから。

セリョンを自分の隠れ家に連れていく。

しかし、すぐに王女だとばれて。
しかも、ミョンにも居場所がばれて。
結局、スンユの留守中に、ミョンに連れ戻されるセリョン。

セリョンの弟でもあり、スヤンの息子が死の病にかかっている最中、
自分の言うことを全く聞かない長女、セリョンが、自分の命を狙っているスンユと
一緒にいること…など。とうとう、ブチ切れちゃったスヤンが、ミョンを呼んで、

「お前は判官(ミョン)の使用人になるのだ」と命令。

字幕では、“使用人”って、やわらかな表現使ってるけど、
言いかえれば、「奴隷」です。

それって、ミョンが、気持ち次第で、セリョンをどう扱おうが自由ってことに・・・。

「えええええっ」って驚いた顔のミョンとセリョンのシーンで20話は、続く…ってなったのだけど、みつばも、ミョンと同じ顔で見てたと思う。


…だめだ。やっぱり、ハード系レディコミ妄想にはしってしまう、みつば。


たぶん、次回、王子様…じゃない、スンユがセリョンを助けに行くんだろうけど、
なんだか、ミョン…だんだん、乙女話展開では必要な汚れ男キャラになってる気がする。
結構かっこいい男なのに。

ミョンがスンユを裏切ったとか、スヤンのコマみたいで、悪っぽく見えるのだけど、
冷静に客観的にキャラを捕えたら、立場上、ミョンの行動は仕方無いもの。

家族や家を守る為だから。

でも、最初はそう思ってたけど、だんだんね。
ミョンがスンユが生きている事をスヤン達に報告しなければ、あそこまで悲劇にならなかったんじゃないかと…。
でも、スンユを見逃せば、スヤン側が、つまり自分の家族が窮地に立たされる危険もある。
悩むところだけど、セリョンへの私情も入ってきて、悪役男のポジションになってきてるミョン。

せつないな~。ミョーン。

みつばは結構ミョンも気にいってたから。

でも、このドラマで、一番好きなのは(スンユ除く)ソクチュ♪
スンユが流刑地におくられる船で殺されそうになったのを助けた兄貴さん。
みつば好みのかっこいいおじ様です♪

それで、スンユの姪っ子、アガンが超かわいい!!!
めちゃくちゃ可愛い女の子です。見てるだけで癒される。…いや、うちの息子たちも可愛いけどね。
でも、女の子の可愛さってやっぱり違うな~。…でも、みつばの妹たちの小さいころや姪っ子ちゃんたちも…(てんてんてん)。

「王女の男」もラスト4話。

この辺りから、スンユとセリョンのラブ度がますますアップして、
ラブシーンも多くなるし、萌えシーンも増えるはず。わくわく。

…ただ、やっぱりテレビ放送。
かなり編集カットされてます。みつばが知っている、スンユとセリョンの萌えシーンが、今までの中にもほとんど無かったです。やっぱり、ノーカット完全版を見るしかないかな。。。


↓今、仕事を休止している身には…。



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の祈り」13話です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話はシリーズの最新作になります。

「NYへいこう」「招かれるもの」の続編。


聖夜の祈り(13話)



ヘリは、イヌと共に2階に上がった。

「ヘリ、忘れ物は無いか?」

「ええ。大丈夫だと思うわ」

「もし、忘れたものがあったとしても、僕が後で持って帰るから安心しろ」

「うん」

ヘリは、前もって部屋で荷造りしていたスーツケースや荷物一式を、
イヌに客室からリビングまで運んでもらった。

リビングでは、ジョンが最新型のカメラを手に二人を待っていた。

「ヘリさんが、ここに来た記念に1枚皆で写真を撮りましょう。いいですか?」

ヘリとイヌは顔を見合わせた。

「もちろんです」

イヌが、ソファの中央にヘリを座らせ、その傍らに腰を下ろした。
カメラをタイマーセットしたジョンが、続いて、ヘリの横に座った。

「はい、私の可愛い子供達、笑って」

ジョンの言葉に、ヘリとイヌが、思わず本気で笑った。

パシャリ☆

シャッター音がして、3人の写真が撮れた。

「うん。とてもいい写真だ」

ジョンが画像を確認して、満足そうに頷いた。
そして、ヘリとイヌの携帯電話にカメラの画像データを転送した。

携帯電話でそれぞれ、画像を確認したヘリとイヌも、自然と顔がほころんでいた。

写真にうつった3人とも、いい笑顔を向けていた。
仲睦まじい、本当の家族のような光景。

ヘリは、韓国に帰ったら、イヌの養父、ジョンの事を気にしていた両親、サンテとエジャにもこの写真を見せようと考えた。

「楽しい時間をありがとうございました」

ヘリは、ジョンに深々と頭を下げると礼を述べた。

「おうちに招待して頂いて、そして、沢山のおもてなしをして頂いて、感謝しています。
お父さんにお会い出来て嬉しかったです。ふつつかな娘ですが、これからもよろしくお願いします」

最後の台詞は、まるで、嫁に来た女性のような台詞だったが、
ジョンは笑顔で「こちらこそ、よろしくお願いします。ヘリさん」と言って、頭を下げた。

「いつでも遊びに来てください。
話していた、友人の葡萄園にも、それから、別荘の方にも一緒に行きましょう。
イヌ、また、近いうちに、ヘリさんをこちらに連れてくるんだよ」

「うん」と、はっきり頷くイヌにジョンが微笑んだ。

「じゃあ、行っておいで。晴れてはいるが、今日は冷え込みが激しいから雪が降るかもしれない。車の運転には気をつけなさい」

「父さんも」

イヌが言って、車のキーをズボンのポケットに入れた。
そして、ヘリのスーツケースと、自分のバッグを持って、ガレージに続くエントランスに向かった。

ヘリが、その後に続き、ジョンが二人を見送る為にエントランス前まで出てきた。

ヘリを車の助手席に乗せたイヌは、荷物をトランクに詰めると、運転席に座った。

「お世話になりました。またイヌと一緒に伺います」

ヘリが車のウインドウを下げて、もう一度ジョンに言った。

「ええ。また会える日を楽しみにしてますよ」

ジョンが手を振ったのを、合図にイヌが車のエンジンをかけた。

そして、“行ってきます”という風にジョンに軽く手をあげると、車を発進させた。

ヘリは、振り返り、遠ざかるジョンの姿が見えなくなるまで名残惜しげに目で追っていた。

やがて、

ジョンの家もすっかり見えなくなって、
イヌの車が、ニューヨークの都心に向かって、大通りを走りだした頃、
ヘリは、次第にそわそわと落ち着きの無い態度になっていた。

それは、運転席にいるイヌにすぐに伝わった。

「トイレか?」

「違うわ。こうして、あなたと二人きりになったのが、
すっごく久しぶりな気がするから、なんだかちょっとね。変?」

「いや。気分的にな」

むずむずするような、こそばゆい感じ。

同意するようなイヌの言葉に、
イヌもヘリと同じような気持ちでいる事が分かったヘリは、
照れた顔をほころばせた。

「それに、今日はクリスマスイブだから。
周囲が楽しそうな雰囲気だと、自分もはしゃいじゃいそうだし、
写真やニュースでは見たことあるけど、ここのクリスマスツリーは綺麗でしょ?
ワクワクして、落ち着かない気分なの」

「十分楽しめばいい。でも、浮かれすぎて調子に乗るなよ。
君は、はしゃぎすきると、何か突拍子もないことをやりそうで心配だ」

「お父さんの前では、何も起こさなかったわ」

「君が起こさないように気をつけていたからな。
街中で野放しにさせたら、何をしでかすか分からない」

「ちょっと、人を運動不足の珍獣みたいに言わないでよ。
私の行動より、あなたの計画の方が予定外になる時だってあるじゃない」

「マ・ヘリが絡んでなければ、完璧に遂行する自信はあるよ」

車中で、軽口を叩き合いながらも、
ヘリとイヌは、ほとんどしまりの無い顔で笑っていた。

イヌとヘリが共に過ごすクリスマスは初めてだった。
そうじゃなくても、恋人との時間に、ときめかないわけがない。

養父と3人で過ごした時も、楽しかったが、
これからの二人の時間は、また違った色をそえられる事だろう。

ヘリ同様に浮かれてはいたが、運転中という身で、
イヌは判断力を鈍らせないように努力していた。

「まずは、今日予約したホテルまでドライブだな」

郊外のジョンの家からは、車で1時間以上かかる場所だった。

「ちょうど、チェックインできる頃に到着する予定だから、
部屋に荷物を置いてから出かけよう」

イヌの計画にヘリも異論は無かった。

「今日泊まるホテルって、どこなの?」

「それは、着いてからのお楽しみだ」

「楽しみにしてる。うーん。でも、やっぱり待ちきれないわ」

両手を身体の前で握りしめてはしゃぐヘリを、
イヌがチラリと横目で見ると微かに笑った。

その顔に、ヘリは、あわてて、手を膝の上におろすと、
「だから、違うんだからね」と、焦って運転席のイヌの方に体を乗り出した。

「楽しみにしてるのは、ホテルだけじゃないんだから。
勘違いしないでね」

「わかってる。ドライブも楽しめよ」

「もちろんよ」


ヘリは、車外を流れる、見慣れぬ景色を目に映した。

大気は冷たく、空は、白く濁った色をして、日中ではあったが、
薄暗さもあった。

そんな地上の電柱を飾るオーナメントや、電飾。

まだ、高い建物の少ない郊外の街中の風景だったが、
車通りも、歩道にもクリスマスの雰囲気が満ちていた。

今まで祖国のクリスマスでも似たような景色を見てきたが、
やはり違う。

そして、今までと一番違うのは、隣にイヌがいることだ。

恋人として、イヌとこうして、一緒にいられることが嬉しくてたまらない。

「私、本当に、楽しみなことはいっぱいあるのよ」

ヘリは、窓の外を見ながら、あふれる想いを口に出すように、言った。

「まずは、有名なあの場所でスケートでしょ?
それから、レストランで食事して…あ、予約を任せてたけど、大丈夫だった?
この時期で、人気のレストランだから、余計に予約も取りづらかったでしょ?」

「誰に聞いてる?ちゃんと予約してるから安心しろ」

「ええ、ソ・イヌさんに任せておけば、大丈夫よね。
1年前くらい前から計画に入っているでしょうから」

いつも自信満々なイヌに、嫌味のつもりでサラリと言ったヘリの軽口だったが、
イヌは言いかえしもせずに、少し口角を上げただけだった。

当然、1年前の今日、まさかヘリと一緒にこんな風にクリスマスを過ごせるなどと思ってもいなかった。

こんな奇跡のような日を迎える事ができたなど、
誰が計画出来たというのだろう。

そんな考えを秘めて、イヌが口を開いた。

「スケジュールはおおまかにたててたけど。スケートにレストランでクリスマスディナー。
他に君が今日やりたい事はないのか?」

「そうね。一番楽しみにしてるのは、クリスマスツリーのイルミネーションを見ることなの。ほら、ニューヨークには有名で綺麗な所がいっぱいあるでしょ?実際に見るのは初めてだから、出来る限り見たいわ。あとは…、そうね。
クリスマスのプレゼント贈呈かしら。イヌ、あなたは?私の希望ばかり盛り込んでくれているけど、何かやりたい事はないの?」

「ほとんど君と同じだ」

ヘリの問いにイヌが答えた。

「君が行きたがったレストランは、ここに来たら、君を連れていってあげたいと思っていた店だ。
スケート場も、この時期、有名なツリーが立つ場所でもあるからね。
それにしても、君は、スケートが出来るのか?」

「やったことあるわ。一応滑れるわよ。そう言うあなたはどうなの?」

「子供の頃から冬に一度は滑っていたよ」

「…プールの時みたいに、競争しようなんて言わないわよね?」

「人が多くて無理だな」

「あなたって、ほんとに負けず嫌いよね」

面白そうに笑うイヌに、ヘリが呆れた眼差しを向けながらも一緒に笑った。

長い道のりのようでもあったが、こうして、たわいのない話で盛り上がっているうちに、
イヌの車は、目的地に着いたようだった。

今夜、クリスマスイブに二人で泊まるホテル。

イヌが予約したホテルは、養父のジョンがプレゼントしてくれたホテルと同じくらい有名な高級ホテルだった。

いつか泊まってみたいと思いながら、
セレブだった頃のヘリも、まだ1度も訪れた事の無いホテル。

この時期に、予約を取るのは難しかったのではないだろうか。
もしかすると、もうかなり前からイヌは、そのつもりでホテルの部屋を予約していたのかもしれない。

…イヌならありえるわ。

そんな事をチラリと考えながらも、ヘリは、チェックインの手続きをしたイヌと、荷物を運ぶベルマンの後についてホテルの中を歩いて行った。

案内された部屋は、エグゼクティブフロア内の高層階で、
窓から街の景色が一望出来る、広いスイートクラスのシティビューだった。

ヘリが、ネット友達のモニカに会ったカフェではなく、本物の“セントラル・パーク”も見下ろせた。

イヌからチップをもらったベルマンが去ると、
それまで、慣れたセレブな淑女のように澄ました顔をしていたヘリが、
とたんに相好を崩した。
そして、部屋の中をうろうろしながら、調度品や設備を眺めて回った。

イヌは、荷物をワードロープにしまった後、
落ち着きの無いヘリの後ろ姿を、ほほえましく見ながら声をかけた。

「どう?お姫様のお眼鏡にかなうお城だったかな?」

「ええ」

答えながらも、ヘリは、部屋の観察に余念が無かった。

重厚的な外観と内装の、老舗の高級ホテルだったが、部屋の中の設備は最新式だった。
インテリアは全体的にモダンで、クイーンサイズのベッドのデザインはアンティークな雰囲気だったが、マットレスや、クッション素材は、心地よい眠りに導く上質なブランドのものだった。

「今夜は、ここで、王子様と一緒に過ごすのね」

ミニバーの冷蔵庫、広めのジャグジー付バスタブのあるバスルームの中まで、
一通り見たヘリが満足げな顔で振り向くと、悪戯っぽい目で、イヌに言った。

「そうなるかな。後悔してる?」

「そんなわけないじゃない。
ただ、なんだか、こっちに来てから、ずっと夢を見てるみたいなの」

ヘリは、本当に、夢見心地のようなうっとりとした表情をしていた。

「あなたのアメリカの実家も、私には、まるでお城だったわ。
ずっと前から住んでたみたいに居心地よくて、それでいて、お父さんやあなたにお姫様みたいに大事に接待されて。その上、ずっと夢見ていたようなホテルの部屋で、クリスマスを好きな人と一緒に過ごせるなんて。もしかして、これも夢?」

あいかわらず、直球で素直に心のままを語るヘリに、
イヌの方が夢を見させられるような気分になった。

「夢じゃないよ」

イヌがヘリの方に近づき、手を伸ばして届く距離で足を止めた。
そして、ヘリの顔にスッと片手を伸ばすと、その頬を指で優しく一撫でした。

「今日は、僕達が初めて一緒に過ごすクリスマスだ。…特別な夜にしよう。ヘリ」

浮かれまくっているヘリに比べて、淡泊な態度で、
いつも通り、冷静に答えているように見えたイヌ。

だが、頬に優しく触れたイヌの指先の温もりと、
最後の台詞が、ヘリの中で、甘い余韻を残して、さらに胸をときめかせていた。

コクリと、恥らった顔を伏せるように頷いたヘリは、
照れ隠しに、イヌから目を逸らせると、「ちょっと喉が渇いたわ」とわざとらしく口元に手をやった。

「あなたも、長距離の運転で喉が渇いているでしょ?どこかでお茶をしてから、出かけない?」

「そうだな。この部屋の宿泊客は、この上の階にある専用特別ラウンジも使える。
軽食や飲み物もあるようだから、行ってみるか?」

イヌの提案にヘリがすぐに二つ返事をした。

そして、特別ラウンジに向かう為に、共に部屋を出た。

部屋の扉を閉め、ホテルの廊下に出たイヌは、
何の気負いもなく、隣にいたヘリの手を握った。

驚きこそしなかったものの、

ドキンと胸の高鳴りを如実に伝える瞳で、イヌを見上げたヘリに、
イヌが優しく微笑むと、手をつないだまま歩き出した。

…こんな甘い行動を、こんなにも自然に、
ふざけもしないで仕掛けてくるなんて、今日のイヌは、変よ。
やっぱり、これは夢かもしれない。

こんな事をイヌに直接言えば、手を離されるかもしれない。

そんな事を考えたヘリは、黙って、夢で無いことを確かめるように、
イヌとつないでいる手を反対の手で自分の頬を軽くひねりながら、歩いていた。

そんなヘリに気付いて、口元に微かに笑みを浮かべながらも、
ヘリの手をしっかり握って、イヌは、前を向いて歩いていた。


異国の街の聖なる日。

ホテルの廊下の壁に設置された、
幻想的な雰囲気を演出する燭台を模した電灯の明かりの下。

ヘリとイヌは、まるで、初めて、互いの気持ちがつながった日のような想いで、
肩をならべ、その先の未来に向かって足を踏み出していった。


(「聖夜の祈り」13終わり、14に続く)


登場人物


マ・ヘリ
ソ・イヌ

ジョン・リー(アメリカに住むイヌの養父)


みつばは、この体調なので、
リアルイヌさんには会いに行けないのは以前から分かってたので、
この夏は、妄想イヌさんと妄想世界に浸ります。←元々そうだろ。

あの辺は、独身の頃、住んでた時は、庭みたいなもので、
よく友人たちとショッピングやランチしたり、相方とデートしたり、バイトしたり。
昔、某芸能人さんのイベントを手伝った場所かな。
結構広い場所で、有名な方だったのに、その日はガラガラだった記憶が…。

懐かし~。また、遊びに行きたいな~。
…いつ行けるかな~(苦笑)

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…録画予約しているテレビでさえ、ほとんど見られない状態ですが、
みつばが今、気になっている韓国ドラマをメモ書きがわりにピックアップしてみました。


1番はやっぱり、これ。↓




…イヌ役パク・シフさん出演のドラマ。

ただ、前もコメントで呟いたのだけど、
ドラマの設定、ストーリー、キャラのほとんどが私の好みで無いようで(汗)
でも、シフさんの話題の演技が見てみたい♪

あとは、これ。



「キング」のシギョン役のチョ・ジョンソクさん出演の恋愛ドラマ。

ジョンソクさんが、ある思惑でヒロインをたきつけて一流女優にしようとする、
芸能事務所の社長役。

この、出生の秘密もあるヒロインとの恋の行方が描かれる~ドラマ。

ジョンソクさんの演技にも注目だけど、
ストーリーも、(ほとんど展開が予想出来るけど)面白そう♪

きっとヒロインのスンシンちゃんにだんだん惹かれていく社長なんですよ。
それで、影からファン装って、紫の薔薇を贈ったりするんだよね♪←それは、違う話(笑)


そして、これ。



脚本家が、「検事プリンセス」の作家さん。
そして、ヘリ役のキム・ソヨンさんが、検事役再び、のドラマ。

気になる~と思ってたらDVDが発売されていて、
でも、高いな~。とか思ってたら、なんと、もう。シンプルBOX版が発売されてますよ。

このドラマは、結構制作が新しいものだと思ってたのだけど。
シンプルBOX版って、どういう基準で選ばれて発売されているのかしら?
単純に視聴率高いものや人気高いものだけチョイスされているわけでもなさそう。
日本で話題で人気の役者さん出演作だと、新作でも選ばれるのかしら。


どれも、見てみたいな~と思い続けて、うまくいけば、地上波に来ないかな~と
期待しているみつばです。

「王女の男」も、録画がたまってて、しっかり見られてないから。
このままだと、全部見ないまま、録画消さないといけないかも。ハード容量が子供番組でいっぱいいっぱい←新しいハード買えばよいのに。
せめて、スンユの素敵シーンだけでもちゃんと見たいな~(涙)
…でも、検事プリンセスの録画は、絶対消さない。←DVD持ってるのに(笑)

夏休み始まりまして。
世の中のママ業さん、お疲れ様です。
上の子がサマースクール、下の子が昼寝の間に、
気分転換で、今日は雑記です。
近いうちに、「検事プリンセス」二次小説の
「聖夜の祈り」の続きをアップ予定←予定希望。

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みつばがはまっている韓国ドラマ「検事プリンセス」のソ・イヌ役、パク・シフさん出演の韓国ドラマ「王女の男」

このブログでも以前から、「気になっている~、早く地上波に来て欲しい♪」って
楽しみにしてたドラマなんですけど、ようやく念願かなって、テレビ放送を録画してるのですが、


今もう、ドラマも後半に突入しているのに、ほとんどまともに見られてません(涙)

でも、ちらっと見たシーンのみで、感想雑記を。

今週は仕事をしていたからだけど、
少し余裕があっても、「検事プリンセス」の創作してるからかな。
あと、やっぱり、物語設定が重くて、なんとなく直視出来ない(汗)

以下、「王女の男」のネタバレもあるので、
見て無い方や、これから見る方はご注意ください。


愛した女性が、親の仇のような男の娘だった…っていうところが、
「検事プリンセス」に似てるかなって、ちゃんと見る前は思ってたのだけど、
もう、シリアス加減も、内容も、重さが全然違いました。
時代もののドラマだし、拷問とかのシーンもあってね(汗)

さらっとあらすじを知ってたので、前半部分が特にちゃんと見られてない。
これからのスンユの過酷な運命を知ってる分、かわいそうで見られない(涙)

でも、好きなシーンも萌えツボもいっぱいあるのだけど。

その1つは。
スンユ(イヌ役のパク・シフさん)が、ヒロイン、セリョンと運命の出会いを果たして、
だんだんと惹かれあって、恋に落ちるところ。

スンユは、セリョンが父と政治的に敵対している男の娘だと知らずに愛するんですよ。

最初は、王女と入れ替わっていたセリョンを婚約者の王女だと思い込んでいたけど、
王女じゃないと知って、ショックを受けるスンユ。

でも、まだこの時点でセリョンを王女の女官だと思ってる。

セリョンに冷たく接するスンユだけど、セリョンへの想いが募り、
「もう、気持ちを偽らない」と言って、セリョンを抱きしめるシーンが、
みつば的名シーン♪←多分、ドラマでの名シーンの1つだと思う。

で、・・・セリョンの方もスンユを慕っているのだけど、
自分がスンユの父親と仲の悪い男の娘だと言い出せない。

それで、スンユに「本当の名前は?」と聞かれた時も
自分の女官の「ヨリです」なんて答えちゃってる。

その後で、それを見ていた本物のヨリに、「いいのですか?(スンユと恋すること)」と聞かれた時に

「もう、私も偽りたくないの」と言うセリョン。


おいおい、今、嘘ついたところだから!


思いっきり、スンユに名前偽ったから!



って、このシーン見ながら、大きくツッコミをいれた、みつば。

その後も、スンユに素性を語れないままのセリョン。

そんな事は知らない、恋に浮かれたスンユが可愛い♪


デートのように手をつないで歩くスンユとセリョン。
じっと、からかうように見つめるスンユ(イヌっぽい♪←(笑))に、
「見ないでくだい」と恥かしくなって扇子で顔を隠すセリョン。

セリョンが扇子をずらすと、まだ見つめ続けているスンユが。
そして、セリョンにキスするスンユ。

ドキドキと照れているセリョンに、“やってやった♪”みたいな得意げなスンユが
可愛い(笑)

その後、浮かれ足でセリョンを見ながら、後ろ向きに歩いて帰るスンユの浮かれっぷりも可愛い♪

もう、シフさんの、恋した女性が「好きで、好きでたまらない」って演技は、
イヌといい、スンユといい、乙女の心を鷲掴みにすると思う。←少なくてもみつばはそう♪

そんな感じのスンユだったのに、残酷な運命がやってきて。

セリョンの父親に、策略にはめられて、父と兄を殺され、自らも投獄されるスンユ。
そして、セリョンが誰の娘か知ってしまう。

牢獄のスンユに会いに行ったセリョンの首を絞めるスンユ。
その憎悪に満ちた眼差しが、やっぱりすごい。

スンユは、現在で言う大学の教授みたいな肩書きの人で(たぶん)
政治家の父を持ってたけど、兄もいる次男。だから、政治的な事も政権争いにも、
直にかかわってなかった人だから、こんな事になる前は、御曹司でおっとりしていた部分もあったと思う。

それが、復讐鬼のような男に変わっていく所。

本当に切なくて、悲しいのに。

・・・ここからのスンユから目が離せなくなるみつば。

黒髪、長髪で黒装束姿。セリョンへの憎しみと愛の狭間の葛藤姿。
激しい憎悪の中、時折見せる、寂しげで、不安そうな、哀愁を帯びた瞳。

セリョンじゃないけど、抱きついて、よしよしってしてあげたくなる。

セリョンが、自分を裏切った親友との婚礼の日。

セリョンを強奪した後、「お前の父親と一族を皆殺しにして、お前もむごたらしく殺してやる」と、心も身体も傷ついた手負いの獣のようになったスンユを、抱きしめるセリョン。

「あなたが救われるなら、私の命を何度でもさしあげます」

・・・この辺りから、だんだんとセリョンが好きになってきたみつば←(笑)


そして、朝、うっかり熟睡してしまったスンユは、隣に監禁していたセリョンがいないことに気付いて、あわてて外に。

そこに、水を汲んできたセリョンが戻ってきて、スンユに水の入った器を差し出す。

そのセリョンの手を払って、“こんなものいるかっ”と、頑なな態度で、器を叩き落とすスンユ。

…わ~。「検事プリンセス」の少女ヘリと少年イヌのシーンみたい♪←あいかわらず。


で、セリョンを人質に、セリョンの父を呼び出して、殺そうとするスンユなのだけど、
・・・どうして、弓矢なんだろう?←誰か疑問に思いませんでした?

結構至近距離にいたのに。刀でも良さそうなのに。

で、兵を影に潜ませていたセリョンの父。
スンユの親友ミョンが放った矢に気付いたセリョンが身を呈して、スンユをかばって、
背中に矢を受ける。

この時にスンユは、セリョンの言葉が、口から出まかせではなく、
本当なのだと思い知るんだよね…。はあ、名場面♪

まあ、今までセリョンに嘘というか、誤魔化されていたスンユだから、
セリョンへの想いが心にあっても、父親の件もあって、セリョンへの懐疑心も残ってたと思うのね。

「純真なふり、わかったふりの、そんな目で私を見るなっ」って
セリョンに言っていたスンユだし。

セリョンの自分への気持ちも、本心から信じられずにいたんだよね。


…で、その後、いろいろあって、再会するセリョンとスンユ。

怒涛の後半に続く…な感じで。


主観入りまくりの、雑な感想ですみません。


でも、こうやって感想書くと結構しっかり見てる風。

でも、スンユとセリョンの場面しか見て無いの。
だから物語や他キャラの詳細が分からない (汗)

でも、スンユとセリョンの恋にだんだん目が離せなくなる。


スンユはイヌと違って、素直な男です。(←どうしても比べる(笑))
想い人へのアプローチもまっすぐだし、甘い台詞もぽろぽろ出ちゃいます。
イヌは…妄想の中でもあまり想像できない(苦笑)

もともと、全然時代背景も設定もキャラも異なるって分かってるのだけどね。

敵の娘だと知らずに愛したスンユと、ヘリの正体を知っていて愛してしまったイヌ。

でも、どっちも、先ゆき困難な恋に苦悩する姿が、切ないけど、


素敵♪



結局、検プリ感想交えてる、みつばですが、
今後の黒スンユからも目が離せませんよ。
黒スーツのイヌと同じくらい(笑)

以下、コメントレス的な話。

ブログへのご訪問、拍手、拍手コメント等ありがとうございます!

体調の御心配もありがとうございます。

仕事はひと段落ついたので、余裕がある時に「検事プリンセス」の二次創作に戻ります♪
体調は、今は良いので。ただ、子供が夏休みにはいっちゃったから、妄想の海につかってばかりもいられませんが(苦笑)

【追記:7月20日】

誤字直しておきました。ご指摘ありがとうございます!
スンユの親友ミョンと書こうとして、イヌの親友とか書いてましたね。
以前も、シフさんをイヌさんと何度も間違えて書いてましたし(汗)
本当、みつばは、イヌが好きみたいです。
もう、ソビョン病じゃなくて、ソビョン狂の域ですから(笑)


↓商品の紹介というより、
黒スンユの画像の紹介。
素敵な横顔なので、拡大画像でご覧ください♪



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さあて、寝る前に、ちょこっとでも妄想イヌに会って小説書こうっと♪


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「みつばの裏箱」にて、検事プリンセスの二次小説「紅薔薇姫」(「Rose night」の続編・裏箱バージョン)を更新しました♪

前回アップしたイラストと一緒にご覧ください。

「裏箱」に関しての説明はこちらから。
注意事項をよく読んでご覧くださいね。


…イヌ視点(男目線)のせいか、文章も表記事より過激(?)なので、
くれぐれも、見る時は周囲に気を配ってこっそりとお願いします。

チャレンジしてみよう♪とか言いながら、でも、小説は表記事とどこが違うのだろう?って、いつもの感じですが(汗)

オカルトにも言えることですが、大人話って、比喩表現をやりすぎると、
ギャグになる気もします。でも、直接的な描写だと生生しいし。

男視点になりながらも、乙女モードので、読者の性別関係なく、ドキドキと、
愉しめる大人話を書けるようになるのが目標です♪←一体何を目指してる?(笑)

もちろん、胸きゅん純愛ものや、はらはらアクション、シリアス話、
プッと笑えるギャグ漫画も、もっと上手に描けるようになりたいな。

「聖夜の祈り」は、いよいよ後半に向けて、構成中(ようやく)。

ただ、やっぱり忙しくて、日々の疲れがたまると、大人話が描きたくなるみつば(笑)
暑い夜は、熱いイヌ×ヘリの妄想話で、乗り切りましょう♪

(追伸)

拍手、拍手コメントありがとうございます!

「裏箱」だけじゃなくて、ブログ見る時は、出来る限り一人の時にゆっくりと♪
みつばも油断していたら、もう字が読めるようになってきた長男に最近、
見られたブログ記事を音読されて、慌てました。(苦笑)

ブログの「裏箱」記事が気にいって頂けたら、
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検事プリンセス二次小説「Rose night」の裏箱バージョン「紅薔薇姫」(小説未公開)のイメージ1コマ漫画を
「みつばの裏箱」にて更新♪


「裏箱」に関しての説明はこちらから。
注意事項をよく読んでご覧くださいね。


いずれ、裏箱小説も後に加えて更新する予定ですが、
取り急ぎイラストのみで。

やっぱり、過激なポーズなので、
見る時はこっそりとお願いします。

ブログで、イラストや漫画が連投してますが、
じつは、体調が良いので、つい漫画アシスタントの仕事依頼
引き受けちゃったんです(汗)←一応医者から今は安定してるって言われたので。

それで、ブランクで、漫画ソフトの使い方とか、
忘れてしまってたので、リハビリに、漫画描いてます。

別に、自分が主線描くわけじゃないけど、
師匠のストーリー漫画の絵を見ると、
「私も絵を描きたい~」って触発されちゃうんですよね。

…でも、こんな裏箱なのね(笑)

(追伸)

ブログへのご訪問、拍手、拍手コメントありがとうございます!
「i一枝梅ーイルジメー」は見てないんです(汗)
シフさんファンの方から少し内容聞いちゃってましたが、
イヌとそっくりな人が切なすぎる役なんですよね?←だから、同じ役者さん。
妹(?)にかなわぬ恋に身を焦がす兄役ってのも。
兄妹萌えがあるみつばが見て、はまっちゃったら、
イルジメファンの方の意向や設定無視して、禁断妄想創作しちゃいそうだから(汗)

スンユ(王女の男)は、毎日、録画で登場シーンちょっとだけ見てます♪



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みつばの「検事プリンセス」二次小説INDEX2を更新しました。

シリーズ話に。
「聖夜の祈り」6~12話

短編の話に。
「Kiss day」前編、後編
「Rose day」前編 後編
「Rose night」(Rose dayおまけ話)


更新報告だけだと味気ないので、
イヌ×ヘリイラストも♪



イヌ×ヘリnewyork


ヘリ役キム・ソヨンさんの、新作ドラマの画像の構図参考で、
それを、「聖夜の祈り」のイメージイラストとして
イヌ×ヘリに置き換えて描いてみました。

「Rose night」に負けないくらいラブラブな聖夜を
過ごす二人・・・のはず♪
結局、真夏に、真冬のクリスマス話更新してますね。1年以上がかりで(汗)


リンク間違い等、気づいた事があったら、
コメントなどでお知らせ頂けると助かります。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「Rose night 」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話は、現在シリーズ話で更新中の「聖夜の祈り」より、
半年ほど後の5月14日「ローズ・デー」という恋人記念日のお話で、
Rose day 」のおまけ話。



【注意】この話には、大人向けの表現や描写が出てきます。
自分は精神的に大人だと思える方のみ、お読みください。



Rose night



ベッドサイドに置かれたスタンドランプ以外、
部屋の明かりはほとんど消えているのに、
空間いっぱいに、艶やかな真紅を感じる。

それは、瞼を閉じても、鼻腔を埋め尽くす
濃厚な薔薇の香りが見せる幻覚なのだろうか。

それとも、薔薇の香りを全身でまといながら、
蠱惑的に誘っている、腕の中の愛しい恋人のせいなのだろうか。

そう思い、
心も、体も、すべて、恋人マ・ヘリにのっとられそうになっている男、ソ・イヌは、
そっと自嘲を浮かべながら、ヘリを抱きしめていた腕を緩めた。

そして、ヘリの視線を自分から薔薇の花が敷かれたベッドに向かせた。

「ほら、君の念願だった薔薇のベッドだ。横になって」

「うん」

はにかんだ大人の女性から、
一気に、童女のような無邪気な笑みを見せて頷くヘリ。

そして、イヌの腕から離れると、
思いっきり、ベッドの中の薔薇のシーツに飛び込んで倒れた。

「きゃあっ!」

ぱふり…。

ヘリがベッドに勢いよく倒れ込んだ振動で、
その周辺の薔薇の花びらたちが、一斉に乱れ飛び広がった。

舞い上がった真紅色の薔薇の花びらが、
薔薇の中に顔をうずめて、横たわっているヘリの上にチラチラと舞い降りてきた。

「あはは。やだ。面白~い」

体の下や上に積もるように溢れた薔薇の花の感触に、
ヘリは、くすぐったそうに身をよじった。
そして、仰向けで寝転がったまま、手にあたった薔薇を掴んでは、
空中に投げやった。

「見て、見て。イヌ。ローズシャワー。
すっごく綺麗。ねえ、あなたも横になって一緒にやりましょうよ」

手足をバタバタさせて、ベッド上の薔薇の花をわざと弾ませて
はしゃいでいるヘリに、イヌが苦笑で応えた。

以前、自分から、この薔薇ベッドを、
「ロマンチックなシチュエーション」と言っていたヘリだったが、
この行動には、ロマンの欠片も無かった。

プレゼントした物を、どう『ロマンチック』に扱うかはヘリの自由だが、
イヌの思い描いていたヘリの反応と、かなり違ったようだった。

しかし、心底楽しそうなヘリの様子に、イヌの頬がゆるんだ。

「…いや、予想通りかな」

フッっとため息をつき、腰に手をあて、小さく呟いたイヌに、
「何か言った?」と、ヘリが無邪気に聞いた。

「ああ。プレゼントしたかいがあったな、と思っていたところだ」

「ええ。とっても素敵よ。イヌ。
ねえ、ほら、あなたも、早くこっちに来て。一緒に寝てよ」

台詞だけ聞いていれば、大胆な誘い文句だったが、
薔薇の花びらを体中にくっつけて、大口開けて笑いながら、手招きしている恋人に
色気という物は、今のところ見当たらなかった。

「っとに…しょうがないな」

ハッと苦笑交じりに、短いため息をついたイヌは、
ヘリがポンポンと、手で叩いている場所に足を向けた。

そして、

「よっと…」

ボスン…。

弾みをつけ、勢いよく転がるように、
ヘリの横に身体を倒したイヌの反動で、さらに薔薇の花が舞いあがった。

「きゃあっ。あはははは」

ヘリが大喜びで笑う姿につられて、イヌも笑った。

しょうがない、と言いながら、ヘリの酔狂に同レベルでつきあう自分も、
まったくもって、しょうがないな、とイヌは思った。

ヘリが、隣であおむけに寝転んでいるイヌの方に、ゴロリと転がって、
その身体の上にまたがった。

そして、戯れるように、イヌの上半身に自らの半身と体重を預け、
薔薇のベッドに横たわるイヌを上から抱きしめた。

イヌもそんなヘリの背中に片手をまわすと、
やわらかく抱きとめた。

舞い落ちてくる花も笑いも、少し落ち着いた後、
ヘリが、顔を上げ、下にいるイヌに顔を向けて聞いた。

「お風呂の薔薇と違って、ベッドの薔薇は、赤色だけなのね。
どうして?何か意図があるの?」

「花言葉って知ってるか?ヘリ」

「ええ、知ってるわ。と言ってもメジャーな物しか知らないけど。
薔薇は確か…恋とか…美しさだったかしら?」

「花の色によっても違うそうだ」

「ふーん…」

ヘリが、ちょっと唇を尖らせた。

「どうして、そんなに花言葉に詳しいの?」
…もしかして、昔女性に聞いたとか。

トーンが落ちたヘリの声色に、イヌがすぐに考えを悟って微笑した。

「花屋さんから聞いたんだよ」

「花屋さんって、もしかして、シン・ジョンナムさん?」

「ああ。店に通ううちに、花の事をいろいろ教えてくれた」

「それで、薔薇の花のことも聞いたのね。
じゃあ、赤い薔薇の花言葉は何?」

ヘリが首を傾げた。

その仕草と表情で、ヘリが本当は赤い薔薇の花言葉を薄々知っているのが分かったイヌだった。

分かっていながら、あえて、イヌに言わせたい女心も。

期待に満ちた目で自分を見つめている可愛い恋人の顔に、イヌは口角を上げた。

「なんだと思う?」

「…あなたから教えてよ」

「何でも他人に聞いて知るのは、良くないな。
とくに君は、正誤に関係なく、人の言うことをすぐに真に受けるから。
後で、自分で調べろ」

「今言ってよ」

ヘリが焦れたように、頬を膨らませた。
そして、上から挑むような眼差しをイヌに落した。

「あなたから、今教えて欲しいのよ。イヌ。
この薔薇のベッドをローズ・デーにプレゼントしてくれた、あなたの気持ちを知りたいの。ソ・イヌがマ・ヘリをどう思っているかって。それって、花辞典に書いてあることなの?」

「もちろん、書いてないな」

率直な気持ちを真正面からぶつけてくるヘリに、誤魔化すことは出来ない。

イヌは、観念したように、フッと吐息をついた。

そして、自分の体の上に馬乗り状態で、見下ろしているヘリに手を伸ばすと、
胸に引き寄せ、その身体を、反転させた。

今度は、イヌが、ヘリを見下ろす体勢で、二人の身体が重なりあった。

じっと、視線をからめた後、イヌが言った。

「愛してる」


トクン…と、ヘリの胸が高鳴った。

…もう、こうして付き合うようになってから、何度も聞いているのに。

イヌの声と言葉が、身体中を包む、薔薇の濃密な香りとの相乗効果で、
魔力のようにヘリを強く呪縛した。

「何度言われても、嬉しい」

ヘリが、照れたように微笑んだ。

「あなたから、そう言われるたびに、
私は、自分が綺麗になっていく気がするの」

一緒にいた時間の中で、お互いの想いを何度も確かめあって、
「愛してる」と確信した時に、また、愛が芽生えていく思いになる。

「イヌは、肝心なことは、あまり言ってくれないけど、
時々でいいから、これからも沢山言って欲しい」

イヌが苦笑した。

自己評価で、イヌにしてみれば、出血大サービスくらいに、
ヘリに伝えているつもりだった。

確かに、言葉でなくても、
ベッド上のシーツを隠すほど散りばめられた真紅の薔薇を見た瞬間に、
イヌの気持ちは十分ヘリに伝わっていたのだが。

「言ってるだろ?」

イヌが言って、指先で、ヘリの鼻先をチョンっと弾いた。

「だから、君はこんなに綺麗だ。薔薇よりもね」

「口が上手いんだから」

「言ったら言ったで、文句が多いな。この紅薔薇姫は」

「紅薔薇姫?いいわね。それ。気にいっちゃった」

ヘリが嬉しそうに笑って、下からイヌの首に両手を巻きつけた。

「ね、もう一回言ってよ。綺麗な紅薔薇姫って」

「今夜は注文も多いな」

「だって、ローズ・デーの夜なんだもの。
ちょっとくらい大胆にハメを外したっていいでしょ?」

…いつも羽目を外しているくせに。

イヌは、もう反論するのも諦めて、ハッと短い息をついて、
目を閉じた。

天真爛漫で、自由奔放

側ではらはらして見守っている人間の心配をよそに、
時々、危なっかしく向こう見ずに行動しているのに。

全く無自覚なんだな。君は。

そんな恋人に自分は、もう取り戻せないほど心を奪われているのだけど。

イヌは、目を開けると、
ヘリの髪を飾っていた薔薇の花首を一輪、指でつまんで取った。

そして、その薔薇を、ヘリの頭から、横顔、唇、顎に触れ、そのまま首筋をつたわせて、ゆっくりと下に滑らせた。

さわさわとした薔薇の花びらの感覚と、イヌの艶めかしい指先の動きに、
ヘリが、くすぐったそうな顔をした。

「もう、苛めないでちょうだい」

「ローズ・デーだからな。僕も“ちょっと”羽目を外したい気分なんだよ」

イヌがクスリと笑った。

「あなたの羽目を外すっていうのは、かなり怖い気がするんだけど」

ヘリの予感はかなりの確率で当たることだろう。

ヘリの肌に薔薇越しに触れているイヌの手の動きだけで、
もう吐息さえ、ときめきの色に染まっている。

悪戯っぽく薔薇の花で、肌をなぞって、
それまで無邪気にはしゃいでいた雰囲気を、一変させて、甘い刻に誘う男は、
やはり策士だと、ヘリは思った。

もちろん、嬉しくて、楽しくて、ふざけていたヘリだったが、
その行為には、多分に照れ隠しも含まれていた。

『私のことずっと恋人だと思っていて』

薔薇のベッドに感動して、そんな事をつい懇願してしまったヘリ。
そして、それをあっさりと承諾したイヌ。

まるで、プロポーズにも似たシチュエーション。

軽口を叩き合ういつもと違う雰囲気が、妙にこそばゆくて。

薔薇の花で、愛撫を続けるイヌの行為をなすがままに体感しながらも、
ヘリは、イヌを直視する事が出来ず、半眼で、目を逸らしていた。

やがて、イヌの手の動きが、ピタリとヘリの胸元で止まった。

ヘリの微かに上下するふくらみの間に、薔薇の花を置いたイヌは、
上半身を起こし、着ていた上着を脱ぎ捨てた。

そして、ベッドに手をつき、体の向きを変えると、
ヘリの下肢の方に屈みこんだ。

イヌにマキシワンピースの裾を腰元までまくり上げられたヘリは、
興奮で、剥き出しになった両足が泡立つのを感じた。

さらに、イヌから与えられた柔らかで、甘美な感触に、
ヘリの身体がビクリっと小さく震えた。

イヌが、ゆっくりとヘリの片足に顔をよせ、
そして、その内腿に唇を這わせている。

「イ…イヌ。何してるの?」

イヌが何をしているか、もう明確なはずなのに、
そう聞いてしまう方がおかしいと分かっていて、ヘリは声に出さずにいられなかった。

「ローズ・デーの“薔薇”を愉しんでいる」

イヌがくぐもった声で淡々と答えた。

薔薇風呂と、薔薇のベッドで、香りが深部にまで染み込んだ恋人は欲しい。

まるで、こうする為に、ヘリにここまでの薔薇の贈り物をしたようなイヌの言葉に、
ヘリが苦笑した。

「花はいらないなんて言っておいて、イヌは、最初からこうする気だったのね。
薔薇漬けにした恋人の体が目当てだったんでしょ?それに、どうして、ローズ・デーなんだろう?って恍けちゃって。本当は、薔薇の意味を知ってたくせに」

ようやく今になって、イヌの思惑を知ったようなヘリに、イヌがヘリの足の影で笑った。

昨夜の電話で、「ローズデー」をほのめかすヘリの気持ちを分かっていながら、
わざと恍けていたのは、作戦というわけでも無かった。

もうすでに、「ローズデー」にヘリに贈るプレゼントは手配済みで、
驚かせたい気持ちもあったが、本心から、薔薇の花をもらいたいという気が無かったのも事実だった。

「当然だ」

イヌが言った。

「僕が欲しかったのは、この薔薇だけだ。
それに、意味は二人で確かめるものじゃないのか?」

詭弁のようにもとれたが、ヘリはイヌの言葉に納得したように、コクリと頷いた。

――― 熱愛。

真紅の薔薇の花言葉の意味を、
これから、二人で確かめ合いたい。

薔薇の化身のような衣服を着込んだヘリの意図も、
もう言葉にしなくても、イヌに伝わっていた。

「そうね…」

ヘリが言って、目の前にある、イヌのスラックスに手を伸ばした。

「今夜、じっくり確かめましょう」

艶美なヘリの声とベルトにかけられた手に、
イヌが煽られるように再び瞼を閉じた。

やはり、目を閉じても、広がるのは、薔薇色の眩惑。

…愛しすぎて、
眩暈がするほど、愛してる。

今夜だけじゃない。

――― 二人でいる夜が、いつもRose night だから。

そう、同じような事を思って、
イヌとヘリは、お互いの心も身体も愛する行為に身を投じていった。


(終わり)




これのイメージイラストは、これ
大人度低めだったので(糖度低めみたいな)裏箱でなく、表で。

「Rose day 」では、すぐに、情熱的に愛し合うような展開になっている風ですが、
実は、その前は、まだ、ふざけて、じゃれ合っていたイヌとヘリ♪
イヌはともかく、ヘリは、いつもより真剣なイヌにかえって照れていたようで。
交際1年もたつと、イヌもかなり素直な男になってます。←これで(笑)

イラストはつけられないかもしれませんが、
「Rose night 」のイヌ視点、裏箱バージョンも密かに妄想してたので、
いつかアップします♪
イラストはともかく、表と裏箱の大人話の境が今だにはっきりしない「みつばのたまて箱」でしたが、
ちょっとチャレンジしてみちゃおうかな~と。←何を?(笑)

でも、大人話が書けるってことは、体調もかなり回復してるんじゃない?自分。
もしかして、書いてるから、元気になってきてるとか♪


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みつばの検事プリンセス二次創作イラスト

検事プリンセス二次小説「Rose day」の「おまけ話」(未公開)


「Rose Night」のイメージイラストです。





ローズナイト


…イヌ上半身裸だけど、とくにきわどいカット(←きわどい?)じゃないから、
裏箱じゃなくても大丈夫だよね?(汗)

先日の4コマ漫画もそうだけど、
久しぶりにイラスト描いたら、手がまったく動かなかった(涙)
いつもお世話になっているデッサン集のカットを参照に
薔薇ベッド上のイヌ×ヘリのラブイチャシーンを描いてみたんだけど、
線も色塗りも荒いので、拡大しないで見てください。

薔薇は、小説イメージでは、本当はもっとベッドに敷き詰められているの。

人物デッサン描いて、ふ~。かいたかいた=。と思ってて、
薔薇を描くのをうっかり忘れてたんですよ(汗)

それで、これの小説版は?って。


もう少々お待ちください(ぺこり)

場合によっては(なんの場合か)「おまけ話」と「裏箱」に分けるかも。


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「検事プリンセス」のソ・イヌ役パク・シフさんの「王女の男」の放送始まりました♪(みつばのいる地域で)
なんとなく話の筋と、シフさんのスンユ姿は知ってたのですが、
いいですね♪ダークサイドに堕ちる前の貴公子スンユも素敵♪
王女の、現在でいうところの家庭教師ですか…。

うわ~!!素敵。いいな~!!
みつばも家庭教師して欲しい!・・・イヌに♪←テンション高っ(笑)

イヌに家庭教師してもらったら、教えてもらっている間は、もうドキドキして勉強にならないじゃん。
でも、一人で猛勉強しちゃう♪それで成績上げて、イヌ先生に、「よく頑張ったな」って褒めてもらうの~♪
きゃあー。やだ。もう♪←妄想の中で勝手に盛り上がっているので、お気になさらずに。

…そんな事を考えていたら、ふと浮かんだネタ。


もし、「検事プリンセス」の高校生ヘリが、司法修習生のイヌに家庭教師に来てもらったら…?


みつばのたまて箱の4コマ漫画は1年ぶり(汗)
そして、漫画を描くのも久しぶりなので、荒いですが、
最新の恵理ちゃんと仁優くんシリーズで♪


韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ59です。

他の4コマ漫画作品は、検事プリンセス漫画INDEXからどうぞ♪

4コマ漫画は、完全にコメディタッチなので、
「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
このブログの二次小説のイメージが崩れると思われる方は
スルーでお願いします。
どんなヘリもイヌもOKという方はご覧ください。


運命の出会い?


運命の出会い?

4コマラストの二人は誰?…って、
検事プリンセスの高校生時代ヘリと、司法修習生時代のイヌです。
ドラマの映像を参考に描きました。

その後、ヘリは、受験勉強の息抜きに乗馬クラブで馬に乗っていた時に、馬から落ちそうになって、イヌに助けてもらったり、公園でブランコこいで、イヌに高く押してもらったりして、だんだんと、二人の距離が近づくんですよ♪←「王女の男」参照(笑)

でも、4コマ漫画の二人が、今後ロマンスに発展するの?
って、しますよ♪どんなイヌ×ヘリも、「運命の出会い」ですから♪

だんだんイヌに惹かれていくヘリは、頑張って、受験合格して、ダイエットもして。
イヌといい感じになるけど、実は、イヌは、目的があって、ヘリに近づいていたって事が判明して・・・ね?ほら。検プリロマンス。パラレル小説のネタが一つ完成♪(笑)


やっぱり、いいな~。。。
みつばは、家庭教師のアルバイトをした経験はあるけど、
自分が、家庭教師や塾講師に勉強教えてもらった事ないから。
イヌのような、家庭教師、塾講師…先生だったら。ふふふ。

先生×生徒萌えもあるみつばの、妄想炸裂記事でした♪

しかし、こんな記事を書いていながら、「王女の男」録画たまってます。
連日放送枠で、全然見られません(泣)

各回、スンユの出るシーンだけチラ見で。
毎日、限りある短い時間、「王女の男」のスンユに会うか、
ブログ創作にあてて、「検事プリンセス」の妄想イヌに会うか、究極の選択です。

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の祈り」12話です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話はシリーズの最新作になります。

「NYへいこう」「招かれるもの」の続編。


聖夜の祈り(12話)



…ずるい。

ヘリは、きゅっと唇を引き締めた。

意地悪をするくせに。
すぐからかうくせに。

本心を言う時の、この男の声と目は、どうして、こんなにも、
逆らい難く、私の心を強く縛り付けるのだろう。

「クリスマスプレゼントは、明日の夜のお楽しみにしてちょうだい」

ヘリは、必死で平静をよそおったクールな声色で言った。

イヌの言っている「プレゼント」という意味は、おそらく「物」の事だけでは無い。
そんな事を分かっていながら、あえて恍ける事に決めた。

「今夜、くれないのか?」

「だって、クリスマスプレゼントっていうのは、クリスマスイブに渡すのが定番でしょ?
お父さんには、前から、今日のディナーにお渡ししようって決めていたけど、
あなたには、明日の夜も会えるもの。だからあと1日待ってね」

そう言いつつ、吐息が触れ合うほど近くにいたイヌと距離を置くように、
ヘリは、少し横にずれて座った。

そして、じっと、誘惑めいた瞳で見つめ続けるイヌから視線をそらせると、
ヘリは、あえて、はしゃいだように話続けた。

「それにしても、お父さんからのクリスマスプレゼント、びっくりしちゃった。
もう。イヌったら、知っていたのに、隠してるんだもの。ホテルの名前は知っていたけど、
私は泊まった事が無いからすっごく楽しみなの。あ、もちろん、あなたが予約してくれたホテルもよ」

ヘリのNYまでの往復航空チケットは、イヌが支払ってくれていた。

その上、イヌの養父の家に滞在後、明日泊まるヘリのホテル代もイヌが全額持ってくれると言っていた。

どちらも、ヘリの今の給料では厳しく、イヌが出してくれなければ、
クリスマス休暇にNYに気軽に遊びに来ることなど出来なかった。

イヌの予約したホテルは、どこなのかは、ヘリもまだ聞いていなかった。
だが、イヌの事だ。航空券もファーストクラスだったが、
おそらく、明日のホテルも素敵な部屋を予約していることだろう。

「明日の夜が待ちきれないくらい、とっても楽しみ」

素直な気持ちで礼を言ったつもりのヘリだったが、黙って微笑んでいるだけのイヌの顔に、
ハッとなって、あわてて手をブンブンと振った。

「やだ。今、勘違いしたでしょ?違うの。そうじゃなくて。
そんな意味じゃなくて。変な意味でもないからっ」

「そんな意味じゃないとか、変な意味でもないとかって、いったいどんな意味なんだ?」

失笑してイヌが面白そうに聞いた。

ヘリが気まずそうに、頬を指でかいた。

「恋人と一緒にクリスマスイブを過ごせるのが楽しみって意味よ」

ヘリとイヌにとって、初めて一緒に過ごすクリスマスイブ。
そして、外国のホテルで、二人きりで過ごす夜。

ロマンチックな事を考えてはいたが、
本当に、意味深なことまでは込めていないヘリだった。

ベッドの上で並んで座っている状況で、
しかも、今にも情欲が燃え上がりそうな雰囲気の中で、ヘリの発言は、
イヌに、“そんな意味”と受け取られても仕方ないのだったが。

「そういうわけだから、明日は、私、朝は早く起きて、
イヌとお父さんと一緒にジョギングするから、もう寝るわ」

何がそういうわけ、なのかも、意味不明だったが、

誤魔化すように、あたふたと、ヘリは、ベッドの布団をまくり上げると、
その中に深く身をすべり込ませた。
そして、恥かしさで、勢いよく布団をかぶっていたヘリだったが、
ベッドの端にまだ腰かけているイヌの気配を感じて、おずおずと顔を出した。

「眠れるのか?君が寝るまで、ここで添い寝してあげようか?」

からかっているようで、怖がりのヘリを気遣っているイヌの言葉。

ただ、イヌの優しい声色の中に、甘い熱も込められている気がしたヘリは、
思わずうなずきそうになった首を横に振って、「平気よ」と返事した。

「だから、イヌも、シャワーを浴びて、今夜は自分の部屋で寝てね」

ヘリの言葉に、微笑を浮かべながらも、
又も黙ったまま見つめるイヌの目が、どこか切なげに見えたヘリは、
「でも…」とあわてて言い足した。

「あなたが、おやすみのキスをしてくれたら、すぐにぐっすり眠れるかも」

…拒絶しているわけじゃないのよ。イヌ
本当は、強く抱き合いたい気持ちを必死に抑えているんだから。

でも、初めて来た恋人の実家で、そんな事をしたら、
明日の朝、養父さんの顔をまともに見ることが出来なっちゃいそうだもの。
だから、この欲望も二人きりの夜までとっておきましょうね。

そんな事を思いながら、わざと、ふざけて、
自分の唇を指でとんとんさせながら、悪戯っぽい仕草でイヌに笑いかけたヘリ。

そんなヘリの気持ちを汲んだように、イヌが軽いため息をついた。

「…わかった」

そう言って、枕に上半身を持たれて、ベッドに横たわっているヘリの上にイヌがそっと身を屈めた。

ヘリが微笑んだまま、目を閉じると、
唇にイヌの唇の感触が届いた。

ちゅ…っと、軽いキスの後、唇が一度離れた。

しかし、目を開けようとしたヘリの唇に、
イヌの唇が、再び重ねられた。

しかも、今度は、深く。

…イヌっ!

あせって、身をよじろうとしたヘリの動きを封じるように、
イヌが、ヘリの身体の上に覆いかぶさったまま、ヘリの顔に手をそえて、
濃厚なキスを続けた。

自然に開いた唇の間に、イヌの舌がねじ込まれ、
口内で、ヘリの舌と熱くからまり合う。

「ん…んん…」

ヘリの吐息すら奪うイヌの激しい口づけ。

本心では、イヌを求めていた分、抗う力も無くしたヘリは、目を閉じたまま
イヌのキスを受け入れ、次第になすがままになっていた。

やがて、

イヌとのキスで、だんだん気持ち良くなってきて、
身体の深部から、熱を帯びた甘い疼きを感じたヘリは、
思わず、「ぁん…」と艶やかな嬌声を漏らした。

無意識に声のトーンを抑えていたものの、
ハッと、自分のあげた喘ぎ声に驚いたヘリが、ぱっちり目を開けるのと、
ほとんど同時に、イヌがヘリから顔を離した。

イヌの顔の下で、恥らいながらも、トロンとした表情のヘリの顔があった。

気持ちを行為で示したイヌとは違って、
ヘリには、その眼差しだけで、イヌを誘惑する力があるようだった。

…今すぐに、この可愛い恋人を抱きたい。

それが、実家だろうと、家の中に養父がいようと、
本心から構わないと思っていたイヌだった。

表面には出さなかったが、ヘリがここに来てから、ずっと浮かれていた。
こうして、自分が育った家に、ヘリがいる。それも、養父公認の恋人として。

家は広く、マンションの部屋の中のように、遠慮無しに愛し合っても、
養父の寝室まで、気配すら悟られることは無いだろう。
それに、二人ともいい大人だ。
恋人を泊めた時点で、養父も、その辺りのことは、了解済みのはず。

そう、頭の中で分かっていて、さらに、身も心もヘリを強く欲していたが、
建前とはいえ、今はヘリの気持ちを尊重しようと決意したイヌだった。

自分にとっては、なじみ深いテリトリーではあったが、
ヘリにとっては、初めて訪れた、異国の恋人の実家だった。

最初の訪問から、はめをはずす事は出来ないと、ヘリなりに真面目に考えて、
養父への配慮と気遣いから、行動を自重しているのだろう。

それに、もし、今夜、二人で秘め事をしたとしたら、
感情が表に正直に出てしまうヘリは、言葉に出さなくても、
明日の朝、全身で養父に報告する態度を見せることだろう。

自分は平気で、養父もただ、面白がってくれるだろうが、
ただでさえ純粋なヘリを、恥ずかしい思いにさせて困らせるのは可哀そうだった。

でも…。

「…意地悪」

恥らいながらも、ヘリが、すねたように唇を尖らせている。

イヌがクスリと笑った。

…意地悪のつもりじゃなかった。からかっているつもりも。
ただ、これくらいの“つまみ食い”は許して欲しいな。

イヌは、ヘリの耳元にそっと顔を寄せると、
素直な気持ちを言葉にのせて、何かを低く囁いた。

そして、そっと顔を上げて、身体を起こすと、
客室のベッドの上から降りた。

目をぱちくりさせた、ヘリの視線を背中に浴びながら、
部屋を出て行く前の去り際に、イヌがもう一度、ベッド上のヘリを振り返った。

「おやすみ」

ヘリにそう言って、微笑んだ後、イヌは部屋を出ていった。

「お…おやすみなさい」

ヘリの小さな挨拶は、イヌが部屋の扉を閉めた後に
ようやく発せられた。

扉が閉まると、
廊下の向こうのイヌの足音さえ聞こえない静寂に包まれた部屋の中で、
ヘリは、しばらくベッドの中でぼーっとしていた。

そして、ようやく我に返った後、「なんなのよっ」と
照れ隠しに、ブツブツ呟き始めると、赤らめた顔を枕にうずめた。

「あんなキスされたら、余計眠れなくなるじゃないっ。
もう意地悪なんだからっ」

自分でキスをねだっておきながら、文句を言うのもお門違いだと分かっていたが、
こちらの思いも欲望も全部見透かしておいて、置き土産のようなディープキスは、ヘリにとっては、爆弾同然だった。

さらに、

『僕も、明日の夜を楽しみにしているよ。ヘリ』

イヌがヘリの耳に囁いた言葉が、ヘリの内側で核反応を起こし、
睡眠剤どころか、甘い熱を再燃させる起爆剤になっていた。

今すぐ、この部屋から出て、イヌの部屋を訪ねたいという気持ちを、
ヘリは必死で制しながら、しばらくベッドの中で悶々と転がっていた。

そして、少し落ち着いた頃、ふと、ベッド脇のサイドボードの上の
スタンドランプに目を止めた。

イヌの養父ジョンが、ヘリの為に用意したというスタンドランプ。


…ジョンさん…。

ボンヤリとスタンドランプを見つめながら、
ヘリは、今日、イヌが留守の間に、養父がヘリに語った話を思い出し始めた。

ジョンが、イヌの母親に恋をしていたという話。

そして、亡くなった今も彼女を忘れることが出来ないと言っていたことも。

…16年間。こんなに時間がたったのに。
ううん。片思いしていた時間も合わせると、もっと長い間、
ジョンさんは、イヌのお母さんの事が好きだったんだわ。

愛する人と結ばれなかったことも、
そして、会えなくなったことも辛い。
だけど、そんな人を永遠に失ってしまったことは、どれほど辛かったことだろう。

『すべてを忘れたいというように、一心不乱に仕事をする姿は痛々しかった。仕事に人生を捧げているようなイヌの姿を側で見ているのは正直辛かったよ』

イヌがアメリカにいる間の様子をヘリにそう語っていたジョン。

だが、ジョンもそうだったのでは無いだろうか?

クリスマスの休日にさえ、仕事場に行くと言っていたジョン。
もちろん、多忙な時期に、職場の責任者であり、経営者であるジョンが行かなければならない用事もあるのかもしれない。

だけど、今までもそうやって、
イヌの母親の事を忘れようと、仕事に打ち込んで生きてきたのではないだろうか?

愛する人の忘れ形見である息子の成長を支え、見守りながら。ずっと…。

そんな、自分の考えが、
あくまで、勝手な想像だということは分かっていたヘリだった。

だが、自分には計り知れないはずの、ジョンの痛みを内包した愛し方を感じ、
ヘリは、切ない気持ちになって目を細めた。

そんなヘリが横たわるベッド周辺を、
ジョンが用意したスタンドランプが、やわらかい光で満たしながら照らしている。

…自分の愛する男を育ててくれた人…。

暗闇の中、怖がりのヘリも、ホッと安心させる、その灯りは、
まるでジョンの優しさと温かさ、そのもののようだった。

しばらく、その灯りをボンヤリと見つめていたヘリだったが、
やがて、1つ深呼吸をすると、眠りにつくために、そっと目を閉じた。



翌朝。

ヘリは、イヌとジョンへの宣言通り早めに起きた。
しかし、そんなヘリより、イヌとジョンはさらに早く起きていた様子で、
リビングで朝のコーヒーを飲んでヘリを待っていた。

「ジョギングをするにしても、その恰好じゃ寒いな。
ウエアは少し大きいかもしれないが、僕のを着るといい」

ヘリのカジュアルな、いでだちを見たイヌが言って、
ヘリに厚めの防寒ウエアを持ってきて着せた。

そして、軽い準備体操をした後、ヘリとイヌとジョンは共に、家を出て、
街中を軽くジョギングした。

ヘリの体力を気遣ってだろう。

途中から、ジョギングではなく、ウォーキングの速度で、
イヌとジョンは、ヘリを誘導した。

「この散髪屋は、父さんが常連の店で、僕もここに住んでいた時はよく行っていた」

イヌが言って、指を指したシャッターが閉められた店。
朝だからということではなく、クリスマスで今は休みなのだろう。

しばらくしてジョンが言った。

「このカフェは、時々イヌとモーニングを食べに来た店です。
パンケーキが美味しくてね。明後日までクリスマス休みのようですが、
ヘリさんも今度こちらに来た時に、食べてみてください」

郊外の閑静な高級住宅街の中の店や建物。
都心ほどの数もなく、まばらに点在しているようだったが、
そこ、かしこで、イヌのここでの昔の生活を感じさせてくれることが、
ヘリには嬉しかった。

それに、ジョギングが目的ではなく、ヘリに、そうした事を紹介しようとしてくれているジョンの気遣い。
そして、ヘリに自分の過去をさりげなく教えてくれているイヌの優しさに、
ヘリは、防寒着を着ても感じる冷気にも負けない暖かな気持ちになって、歩いていた。

そうして、2時間近く、ゆっくりと家の周辺の道をまわった後、
3人は、家に帰った。

家に戻ったジョンは、ヘリとイヌに、ブランチでパンケーキを焼いてくれた。

運動をして、お腹がぺこぺこな上に、パンケーキの話を聞いて、
ちょうど食べたくなっていたヘリは大喜びした。

カフェのパンケーキが美味しいと言っていたジョンだったが、
ジョンのパンケーキの味の素晴らしさに、…これより良いのかしら?と心の中で首をかしげながら、舌鼓を打った。

そして、食事後、
しばらく楽しく歓談していた3人だったが、
刻々と別れの時が近づいていた。


(「聖夜の祈り」12終わり、13に続く)


登場人物


マ・ヘリ
ソ・イヌ

ジョン・リー(アメリカに住むイヌの養父)


プレゼントおあずけイヌ(笑)

ブログ更新が、最近連投してますが、
体調が本調子になったわけでないので、
当分は不定期で、更新に間隔があく時もあるかと思います。

でも、出来る限り、記事をアップしておきたいです。

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