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韓国ドラマ「検事プリンセス」のパロディ二次小説
「続・ヘリ兎と猟師イヌ」の「君と読む物語」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。
「検事プリンセスパラレル二次小説 「ヘリ兎と猟師イヌの物語」はこちらから。


この話は「ヘリ兎と猟師イヌの物語」の続編です




君と読む物語



薪が赤々と燃えている暖かな暖炉の前。

カウチに座ったヘリが、本を読んでいる。

傍らのサイドボードの上に、
熱いココアが満たされたカップが置いてあった。

ヘリの大好きな、イヌの淹れた甘いココアだったが、
本に夢中になっているヘリは、カップの方に手をやるのを忘れているようだった。

その様子をヘリの横で黙って見守っていたイヌだったが、
ココアから湯気が消えるタイミングを見計らって、口を開いた。

「ヘリ、ココアが冷めるぞ」

「・・・・・・」

「ヘリ」

「・・・・・・」

真横の至近距離から声をかけているのに、
ヘリの耳には、イヌの声が全く届いていないようだった。

何かに熱中すると、意識が他に向かなくなるヘリの特性を知っているイヌは、
軽いため息をつくと、ヘリに手を伸ばした。

手の甲で軽くヘリの頬を撫でると、
ようやく、気付いたヘリが、ハッと顔を上げた後、
イヌの顔を見て、きょとんと首をかしげた。

「何?どうしたの?イヌ」

「ココア、飲まないのか?」

「飲むわ。ありがと。イヌ」

ヘリが、にっこり笑うと、カップを手にとった。

「もう、冷めてるだろ。暖めなおしてこよう」

「いいの。冷めていたって、あなたの淹れたココアは美味しいもの」

そう答えたヘリの可愛い声に、イヌの理性が、
ココアに浮かべたクリームのように蕩けそうになった。

ヘリに、完全に心を奪われている事を自覚しながらも、
イヌは、ヘリに触れたい気持ちを抑え、平静を装った冷めた仕草で、
その指を口元にあてた。

コクコクと、ココアを飲みながら本から目を離さないヘリ。

その横顔をしげしげと見つめながら、その愛らしい眼差しが自分に向けられていない事に、
イヌは次第に不機嫌な顔になっていった。

「…そんなに、面白いか?」

イヌ自身、気付かないうちに、不満げな声色を滲ませていたが、
幸いにも、本に夢中になっているヘリも気づいていないようだった。

「うん」と素直に頷いたヘリは、「とっても」と付け加えた。

「もう何回も読んでいるのに、あきないのか?」

イヌは、チラリと、ヘリの持っている本に目を落した。

鮮やかな色彩で大きく描かれた挿絵のはいった絵本。

タイトルは『赤ずきん』

誰もが知っているとても有名な話だった。

原作をかえて、ところどころ話を編集した本は沢山出ていたが、
基本の設定は同じだった。

おつかいに行く赤ずきん。
その赤ずきんをたぶらかして、寄り道させる狼。
そして、最後に助けにくる猟師が登場する。

ヘリは、本を読むのが好きだったが、
特にこの物語を気にいっているようだった。

「ええ、大好きだもの」

ヘリが答えた。

…どのあたりが?

眼差しで問うイヌに、ヘリが「それは…」とはにかんだ。

「狼に食べられそうになる赤ずきんを、最後に優しい猟師さんが助けてくれる所」

ヘリにとって、この物語の中で一番印象深い場面だった。

以前、ヘリがまだ“兎”だった頃。
森の中で狼に襲われた事があった。
その時、猟師だったイヌが、ヘリを助けに来た。

ヘリにとって、物語の猟師は、イヌになっていた。

そして、当然、赤ずきんを自分に置き換えて読んでいたのだった。

赤ずきんという物語が好きというより、
優しい猟師が現れる話が“大好き”と言っているヘリは、
『イヌ』が大好きだから、と代弁しているようだった。

その事を無自覚に素直に話すヘリに、イヌの方が、苦笑した。

「猟師は優しくなんかないぞ。当たり前の事をしただけだ。
だって、猟師だからな。女の子を助けるのも、狼を退治するのも、仕事だから」

照れくさい決まり悪さを誤魔化すように、イヌが素っ気なく言った。

そんなイヌにヘリが軽くかぶりを振った。

「ううん。優しいわ。ちゃんと、女の子も、そしてお婆さんも助けてくれたもの。
いい人だわ」

まっすぐにイヌを見つめがら、そう言ったヘリは、
やっぱり、物語の猟師をイヌに置き換えて話しているようだった。

「これは、子供向けに書かれているけど…」

イヌは、そんなヘリの純粋な熱い眼差しにあてられたように、
視線をはずし、ヘリから本を取り上げた。

「“赤ずきん”は、よく大人の寓話だと言われているのは知っているか?」

「大人の寓話?…んー…どういうこと?」

恍けているわけでなく、本気で知らなそうなヘリの前で、
イヌが本をめくった。

「赤ずきんは、女の子じゃなくて、成人した女性で、
狼は、悪い男だって設定で読んでみろ。どういう話になる?」

「・・・・・・」

少しの間、考え込んでいたヘリだったが、
想像力が豊かな為に、すぐに答えを悟って、顔を赤らめるとイヌを上目使いで睨んだ。

「イヌったら、いやらしい事考えるのね」

「僕が考えたわけじゃない。よく言われている教訓だ」

「そうなの?どういう教訓なのかしら?
知らない男の口車にのっちゃいけないって事なのかしら?
それとも、親切そうな男の誘いにのっちゃいけないって意味なのかしら?」

「そういうことだな。ヘリも気をつけろよ」

意地悪い口調で、偉そうに言うイヌに、ヘリは頬を膨らませたが、
何かを思い出して、ぷいっと顔を背けた。

「どうした?」

拗ねたようなヘリの横顔をイヌが不思議そうに覗き込んだ。

「そういえば、思い出したのよ」

ヘリが唇を尖らせながら言った。

「以前、会ったばかりなのに、貴重な人参をくれた親切な男の人の事。
お家の中でラーメンもご馳走してくれたわ。楽しいお話しもいっぱいしてくれた。
優しくていい人そうだったけど、後でとってもひどい男だって分かったの。
今言った話を知っていたら、私、そんな男にひっかからなかったのにって思って」

兎だったヘリと猟師だったイヌの出会いの話だった。

わざとらしく拗ねてみせているヘリだったが、口元に笑みが浮かんでいる。

思い出して本気で怒っているわけではなく、
イヌをからかっているのだろう。

それが分かったイヌも微笑んで、
「それは、狼じゃなくて、猟師だったな」と言った。

そして、ヘリの肩を抱いて引き寄せると、
自分の膝の上にヘリの体をのせた。

そして、愛おしむような手つきで、ヘリの身体の輪郭を
なぞるように撫でた。

「赤ずきんを助けたのは親切で優しかったからじゃない」

笑いを含みながらも、イヌの低く甘い声が後ろからヘリを捕えた。

ゆっくりとなぞられて、
衣服の上からでも感じるイヌの熱い指先に感化されたヘリが頬を赤らめた。

「赤ずきんを助けた猟師さんも、実は、狼だったってわけね」

冗談ではなく、本心からの答えを言ったつもりのヘリだったが、
イヌが「ハハハ」と楽しげに笑い声をあげた。

「いいな。その結末」

事実、今、元兎だった可愛い赤ずきん姫は、
助けた猟師の腕の中につかまっている。

これから、今夜も“食べられる”予感にくるまれながら…。

「この本も、そういう風に読んでみるか?」

ふざけたイヌの提案にも、ヘリはコクリと素直に頷いてみせた。

「いいわよ。あなたが読んでくれるならね」

「僕が読むのか?」

「だって、あなたって、とってもいい声をしているんだもの。
耳元で聞いていたら、うっとりするくらい。
だから、読んでよ」

褒め殺しされ、可愛くおねだりするヘリのお願いを断れるイヌでは無かった。

ヘリを腕に抱いて、しぶしぶ本をめくると朗読を始めた。

やがて、赤ずきんが、お婆さんに化けた狼と対峙する場面になると、
ヘリが赤ずきんの台詞を読み始めた。

「ねえ、どうして、おばあさんの耳はそんなに大きいの?」

「君の声をよく聞くためだ」

…また、ふざけてる。

失笑しながらも、ヘリは、台詞を続けた。

「どうして、おばあさんの目はそんなに鋭いの?」

「君の顔をよく見たい為だよ。素敵な女性に変身した兎のね」

イヌが答えた。

クスクスと笑いながら、ヘリが続けた。

「どうして、そんな口をしているの?」

「どうしてかな?それは、君が答えてくれ。ヘリ」

「もうっ」

二人の明るい笑い声が部屋に響いた。

「ふざけないで」

まだ笑いながらも、ヘリが後ろのイヌを振り返りながら言った。

「じゃあ、イヌが赤ずきんの台詞を言って。私が狼になるから。
ちゃんと模範を聞いているのよ」

「OK」

ニヤリと笑うと、イヌが言った。

「ヘリ、君の耳はどうして、こんな耳になったんだ?」

「あなたの声をもっと近くで聞くためよ」

ヘリがすまして答えた。

「じゃあ、どうして、こんな目になったんだ?」

「あなたの顔を、もっと近くで見たかったからよ」

「じゃあ…」

イヌが、手を伸ばして、ヘリの唇の上に、
つつ…と指を這わせた。

「どうして、君の口はこんなに愛らしいんだ?」

「あなたに」

ヘリが、イヌの首に両手をまわして微笑んだ。

「キスして欲しいから」

「…満点の模範解答だな」

そう言って、イヌも微笑むと、
目を閉じて、腕の中のヘリに顔を近づけた。

そして、重ねたお互いの唇を、ゆっくりと味わいながら、
イヌとヘリはキスを続けた。

「親切じゃないなら、どうして猟師さんは、私を助けたの?」

キスの後、囁くように聞くヘリに、イヌはただ意味ありげな
笑みを浮かべると、再び、その唇を塞いだ。


…どうして助けたかって?

ヘリの身体を愛撫しながら、

イヌは、心の中で答えた。


…目的を果たすために必要だったから?
情が移って、可哀そうに思ったから?

違う。

どうしようもなく。
魅かれていたから。

会うたびに、

我儘で、自由奔放だけど、
可愛くて、純粋で優しい、ヘリを。

愛してしまったから。


「こうして、抱きたい為じゃないよ」

ヘリの身体をカウチにやわらかく倒しながらイヌが言った。

「もう。説得力ないんだから」

ヘリがクスクス笑って、イヌの体を抱きしめた。

「じゃあ、猟師と赤ずきんは、その後どうなったのかしら?」

狼から助けられた赤ずきんは、猟師に恋をした。
猟師も、赤ずきんを愛した。

その後の続きは?

ヘリの独り言のような呟きに、イヌが、今度は想いを口に出した。

「それは、これから作っていく物語だ。二人一緒に」
…そうだろ?

「…うん」

イヌの優しい眼差しに、ヘリが眩しそうに目を細めて頷いた。


そして、また、微笑みあって、絡まった視線を手繰り寄せ、
顔を近づけるイヌとヘリ。


雪が降っている寒い冬の夜。

暖かな家の中、
想い合った二人の物語は今夜もこうして紡がれていく。

二人の邪魔をしないように、そ~っとカーテンを引くように幕を閉じ、
甘いお話しの続きは、また今度。


(終わり)


パラレルイヌ×ヘリですが、いちゃいちゃ甘~い話。バレンタインに間にあいましたかな♪
本編イヌ×ヘリでも良かったのですが、この題材で演じさせたら、
甘さというより、どつき漫才が長引きそうだったので。想い合っても素直じゃない二人。特にイヌ(笑)

いや~…やっぱり、今年もバレンタイン企画「ゲレンデへいこう」間に合わなかった。
というか、クリスマス話が1年がかりになってるから(汗)

もう、後のシリーズ話も番外編もつまりまくっててすみません。
本当に、出来るなら、きなが~に待っていてください。


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