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こんばんは。

お久しぶり。←ドラマ14話で花屋に来たイヌ風に。

しばらく休んでいたのに、いきなり旅行先から携帯更新ですみません。

ここまで来る間、年末の忙しさで、創作は出来ませんでした。

録画のイヌにさえ会えない日もあり(涙)

検事プリンセスの二次小説クリスマス話は、来年に持ち越します。

でも、クリスマス前には数話は更新は出来たから公約は守れた?←…完結してない。


今年、短編はいくつか書いたけど、シリーズはクリスマス話だけでした。(未来の話で「嘘つきは恋のはじまり」はあった)

来年の更新は、とにかく出来る時に亀さんの歩みでも検事プリンセス二次小説完結まで前進目標で。

小説更新予定は2年前から詰まりまくってるし、まちくたびれて離れた読者さんもいらっしゃいます。


でも、まだ、立ち上げ頃からずっと見て下さってる方から、最近、漫画やイラストを含む検事プリンセス創作を全部読んで下さった方まで、
検事プリンセスファンでイヌ×ヘリ好きの人にblogに来て頂けて、嬉しかったです。

今年は激動の1年でしたが…いろいろね(汗)

私は何があっても、イヌ×ヘリ好きで、ソビョン病♪って、blogに書いてたけど、本当にそうだったな~と、しみじみ感じました。

今年は、他に気になっていた韓国ドラマも見られたけど、やっぱりみつばには「検事プリンセス」超えるドラマとイヌを超える萌えキャラはなかったです。
…「キング」のシギョンに惹かれたけど、ユン検事がヘリに惹かれた想いくらいかな(笑)

来年は「みつばのたまて箱」も続けば3年になります。

検事プリンセスのドラマの続き妄想して、まだ半年分しかアップしてませんが(「夢桜」「温泉へいこう」は、1年くらい未来の話)、ラブラブの二人に今後何が待ち受けてるのか、これからどうなっていくのか…など、まだまだ未発表の妄想はいっぱい。

来年もみつばのライフにイヌ×ヘリは欠かせません♪


拍手コメント。
いつも下さる方も、匿名の方も、沢山書いて下さる方も、一言メッセージでも、残して下さって、ありがとうございます♪
過去の作品も、雑記も楽しんでもらえているなら、良かったです。

コメントやメールのお返事が遅くなっていて、ごめんなさい。

旅行後はついでに各地の親戚や実家に挨拶周りに行くので、家に戻って落ち着いたら書きますね。

今年も、みつばは、イヌ×ヘリ妄想と、「みつばのたまて箱」の読者さんに、救われたり、癒されたりしました。

本当に楽しかった。

ありがとうございます。

よいお年をお過ごし下さい。

「みつばのたまて箱」の読者様に

今年最後の、お礼とごあいさつまで。


みつばのたまて箱 管理人 みつば
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「検事プリンセス」みつばの二次創作イラスト。


2013年、イヌとヘリのクリスマスイラスト♪



2013イヌ×ヘリクリスマス



…昨年のクリスマスイラストとあまり変わってないような…。


でも、検事プリンセスのイヌ×ヘリって言ったら、
キスシーンでしょ♪


今はイラストで精いっぱいで、
すみません。


これで、イヌとヘリの熱~いクリスマスを
妄想してください♪


ちょっとコメントレス話。


そうですよね。
昔は、うちの場合はヨンシクみたいでしたよ(みつばの中では)
それが、今ではイヌみたくなった←どういう意味?(苦笑)
恋の形や色は変化しても、愛は変わりませんよ♪きっと…たぶん(笑)


もう、次はいつ更新できるかわからないので、
先に言っておきますね。

「みつばのたまて箱」を見て頂いてありがとうございます!

皆様、楽しいクリスマスとよいお年をお過ごし下さい。

時間が許せば、また、今年中にひょっこり帰ってきます♪


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こんにちは。

14日の流星群みました♪

0時30分頃目覚ましかけて。

30分くらいしかいられなかったけど、3個見ましたよ。

ただ、住宅地で、地上付近が明るくて、月明かりもあって、
白っぱけた夜空でわかりにくかったです。

「あ」という間に落ちていっちゃっいましたし。

昔、願い事って落ちる間に言えたらかなうとか聞いたけど、
難しい(汗)

その後、5時に、彗星見られるかなと、もう1度夜空を見たけど
見えなかったです。

実家の田舎の夜空と比べるとさびしいですけど。
雲もなく天上の星は綺麗に見えました。

ただ、凄く寒くて、

あれ、毛布に、ストーブがあって、一緒に温かいお茶飲んだり、
「流れ星をつかまえました」って、指輪くれる人は?って、

妄想イヌと妄想シギョンが恋しくなりました(笑)

年末まで私事が多忙につき、検プリ二次小説の「聖夜の祈り」完結は厳しいですが、
1話か、突発短編か、せめてイラストをアップ出来たら・・・。

よろしく流れ星!←星力本願

お休み中もブログ訪問ありがとうございます!
ブログはお休みしても、イヌ×ヘリLOVEは不変です♪

シギョンや、悲しい目君も好きですよ。


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こんばんは。

今日の深夜から明け方にかけて、流星群が見られるらしいですよ♪

みつばのたまて箱の二次小説では、「検事プリンセス」でも「キング」でも
流れ星題材で書いてるので♪

起きていられたら、見てみようかな~。

さすがに、彗星が見られる時間までは起きていられ無そうだけど。

っていう、雑記で、すみません。

もし、見られた方は、おねがい事をしてみてくださいね。

ついでに、みつばのたまて箱の小説が早くアップ出来るように
祈って頂ければ、幸いです♪←自分で祈れ(笑)


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の祈り」5話です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話はシリーズの最新作になります。

「NYへいこう」「招かれるもの」の続編。



聖夜の祈り(5話)




…ここが、イヌの部屋。

ヘリは、部屋にわずかに入った位置で立ち止まって、イヌの部屋をキョロキョロと眺めた。

「どうぞ。遠慮しないで。部屋の中を見ていいよ」

窓わきに置かれたベッドに腰掛けて、珍しい博物館の中に入った少女のようなヘリをイヌが面白そうに眺めていた。

イヌの部屋は、ヘリの案内された客室と同じくらいの大きさだった。

カーテンは閉じていたが、コーナーに大きな掃出し窓があり、
天井は吹き抜けになっている開放的で広く見える空間だった。

壁紙はシックな柄で、全体的にすっきりとした内装。
置かれた家具は、デスクと椅子。ダブルサイズのベッド。

ヘリは、真っ先に、目についた物に近づいていった。
他には何もないデスクの上に、唯一置いてあった木製の写真立て。

そして、デスクの前に立ち止まると、
そこにあった写真にヘリの目が釘付けになった。

「これは…」

写真には、ヘリの記憶の中にある少年のイヌがいた。

おそらく、ヘリの実家の前でヘリと出会ってから、間もない頃のイヌ。
緊張しているような、半ば怒っているようにも見える顔で、こちらを見て立っている。
そして、その横に、女性が、反対側には男性が立っていた。
男性は、今より若かったが、それは、イヌの養父、ジョン・リーだと、ヘリにはすぐに分かった。

写真立てをジッと見つめるヘリの視線の先に、イヌも目を合わせた。

「昔の写真だ」

イヌが言った。

「アメリカに来たばかりの頃の僕と母、そして養父だ」

「この人が、イヌのお母さん…」

ヘリは、写真を見ながら呟いた。

派手な可憐さは無かったが、楚々として美しい女性だった。
瞳は違う形をしていたが、鼻筋が通った所や、色白な肌が、イヌによく似ていた。

しかし、僅かに微笑んでいる顔が、どこか儚げに見えるのは、
彼女のこの後の運命を知っているからだろうか。

アメリカに来て、4か月後に、イヌの目の前で、交通事故にあって亡くなったという母親。

今の自分と、そう年も離れていないように見える女性の姿に、
ヘリは、切ない思いになって目を細めた。

「お母さんと養父さんは知り合いだったのね?」

写真を見つめたまま問うヘリに、イヌが頷いた。

「母は学生時代にアメリカに留学していたことがあったらしい。その時に養父と出会ったと聞いた。そして、母が国に戻ってからも、友情は続いていたそうだ」

「だから、養父さんが、イヌを養子にしたの?」

「ああ」

イヌの母親が亡くなる前から、イヌも養父と面識があったのなら、
養子になる過程もさほど不思議ではないことかもしれない。

仲の良い友人の息子。

イヌは、そういう意味でも、ジョン・リーに
大切に育てられたのだろう。

単純なヘリは、そう考えながら、3人が写っている写真を眺めた。

…こうしてみると、まるで親子みたい。
ジョンさんは、独身だから、もし、イヌのお母さんが生きていらっしゃったら、
本当の親子になるような事もあったのかしら。

ヘリはチラリとイヌを見やった。

両手を合わせて、ベッドに前越しに座っているイヌは、
写真立てからもう目を逸らして、心なしか虚ろな表情になっているように見えた。

ヘリは、あわてて写真立てから視線をはずすと、再び部屋の中をクルリと見渡した。

飾り棚の上に物はほとんど置いていなかったが、壁につくりつけられた本棚には、沢山の本が置かれていた。法律関係の本もあったが、子供向けの辞典や図鑑も多くあった。
古典的な児童文学シリーズもそろっている。

イヌが、子供の頃からこの部屋を使用してきたと分かるような痕跡に、
ヘリは、感慨深い思いになって、本の背表紙を指でなぞって歩いた。

「去年、アメリカに戻ってからもここに住んでいたんでしょう?
荷物は、韓国にほとんど持っていったの?物が、あまり見当たらないけど」

イヌが唇に指を当てると、首を傾けて見せた。

「ここには、住んでいなかったんだ」

「え?」

驚いたヘリが振り返った。

「僕は、アパートを借りていた。
この部屋には、たまに、泊まるくらいだったんだよ」

「どうして?イヌは、ずっとお父さんの事務所で働いていたんでしょ?」

そう、聞いていたけど。

何故、一緒に住まなかったの?

不思議そうなヘリの眼差しに、イヌは目線を外すと、
カーテンとブラインドが閉められた窓の方に目をやった。

「父と僕は職場でも毎日顔を合わす。プライベートまで一緒にいたら、
お互い窮屈になるだろう」

「お父さんが、そう言ったの」

「いや…」

…私のパパとママは今、そんな状態だけど、
夫婦と親子は違うものかしら?
確かに、職場だと、雇用主と社員という立場で仕事してるわけだから、
家で親子として過ごすと気まずい事もあるのかしら?

ヘリの心の疑問に答えるように、
「僕は、一人暮らしに慣れてしまっていたからね」
と、イヌが言った。

「そう…」

もう子供ではなく、大人の男だから、父親と同居するというのも気がひけるのかもしれない。
つきあっている人がいても、いつでも部屋に呼ぶことも出来ないだろうし…。

そこまで、想像して、ヘリは、無意識に眉をひそめていた。

イヌがアメリカにいた1年間、ジェニーから聞いた事のある話では、
イヌには女の影は無さそうだった。

しかし、ヘリの知らないイヌのアメリカでの15年間は長い。

「どうした?」

急に黙りこくったヘリに、イヌが不審そうに声をかけた。

「ううん。別に」

「実況見分が終わったなら、ここに座れよ」

イヌがそう言って、ヘリを自分の横に招いた。

ボスンっと、ヘリは、全体重をかけるように、イヌのベッド端に腰を下ろすと、
頬を少し膨らませて、天井を仰ぎながら、両足をぶらぶらさせていた。

イヌと、一人分の間を空けて座り、
機嫌の悪い子供のような態度のヘリに、イヌがフッと笑った。

「家宅捜査したのに、期待していた証拠が見つからなかったって顔だな」

「見つかっちゃ困る物でもあるのかしら?」

「無いよ。あったとしても、君に見つかるようなヘマはしない」

ますますむくれた顔になったヘリに、イヌが軽く笑い声をあげると、
ヘリの方に体を寄せた。

そして、ヘリの肩を引き寄せると、顔を近づけ、あっという間に、
唇を奪っていった。

ヘリは、手の甲で唇を塞ぐと、恨めしそうな目をイヌに向けた。

「ソ・イヌさんは、今までこの部屋に来た彼女達にも、こうしていたの?」

「ん?」

「だから、キスが上手なのね」

「なんの話だ?」

「別に。遊びでも、本気でも経験と鍛錬を積めば、上達するって話よ。
アメリカにいた頃は、さぞ、女性におもてになっていたんでしょうね」

…気まずくなって、少し会えなかった間に、
誰かが、ヘリに何か吹き込んだようだな。

イヌは、脳裏に、親友の顔を1瞬浮かべると、口の端をゆがめた。

「どうだったかな。色男は、どこにいても、もてるから」

イヌは、この状況を楽しんでいるようだった。

面白く弄ばれている事が分かったヘリだったが、可愛いやきもちは
抑えられそうもなかった。

「…私、部屋に戻るわ」

そう言って、立ち上がろうとしたヘリの手をイヌが掴んだ。

「もう眠れるのか?本当は、知らない土地と部屋に緊張して、
眠りづらかったんだろう?」

イヌに見透かされていた事が分かって、ヘリは、居心地悪そうに眉を下げた。

「平気よ。目を閉じていたら、いつかは寝るわ。体はもうクタクタになっているから」

…常夜灯があっても、怖がりの君が、知らない場所で一人ではすぐに
眠れないことは想像していた。


イヌは、微笑むと、ヘリに手を差し伸べた。

「おいで」

心地よく響く声と、意地悪な笑みではなく、目を細めた優しげなイヌの顔に、
誘い込まれ、ヘリは、イヌの腕の中に素直に体を委ねた。

ヘリが、おずおずとイヌの背中に両手をまわすと、
イヌが、優しく、その後ろ髪を手ですき始めた。

「余計なことを考えるな」

イヌが言った。

「この家に泊まる恋人は君が初めてだ」

「ほんと?」

「そう言えば、安心か?」

「・・・・・・」

自分がイヌより経験が無いことも。
イヌが自分を知るより、自分はイヌの事を知らない事も
ヘリは、自覚しているつもりだった。

この家に住んでいた頃のイヌも全然知らない。

でも…

「あなたが教えてもいいって思う事は知りたいの。
昔のあなたのこと。ここに住んでいた時のこと。
話してくれるなら全て聞きたい」

ヘリが言った。

「話してやるから。何でも」

イヌは、腕の中のヘリと、ヘリの言葉を優しく抱きとめた。

「何が知りたい?」

「とりあえず、あなたがさっき言った事が本当かどうか知りたい」
…この家に泊まる恋人は私が初めてだって。

イヌは軽く笑うと、「本当だよ」と答えた。

「そう。安心したわ。
ソ・イヌ君は、この部屋で真面目に勉強していたのね」

おもいっきり、ホッと安堵した事を誤魔化すように、
ヘリは、ふざけた口調で言った。

「他に尋問したいことは?」

「そうね…」

イヌの声が心地よく響いている。

そして、密着しているイヌの体から、温もりが伝わり、
ジョンの家の石鹸の香りと共にヘリを優しく包み込んでいる。

ヘリは、思いっきり甘えた仕草で、イヌの胸に体を摺り寄せると、
イヌの顔を仰いだ。

黙ったまま、見つめ合っているだけで、
何もかも、伝え合っているような気がした。

ヘリが次の質問をする前に、イヌが、目を閉じ、再び口づけを落した。

こうして抱き合ってキスしていると、
そこが、もうアメリカでも、韓国でも、イヌの実家でも、マンションの部屋でも、
何も変わらないように思えた。


…大好きな人とこうしていられるなら、どこでも同じね。

そう思って、

ヘリは、
うっとりと、イヌの甘い唇の感触を感じて、瞳を閉じた。


(「聖夜の祈り」5終わり 6に続く)



登場人物


マ・ヘリ
ソ・イヌ

ジョン・リー(アメリカに住むイヌの養父)


拍手、拍手コメント、ありがとうございます♪
久しぶりにコメント下さった方々も、お元気そうで何よりです。
忙しい中、ブログに足を運んでいて下さってありがとうございます。
常連の方は、コメント無くても、読んで下さってるかな~と思ってます♪

「聖夜の祈り」は、シリーズ話で「箸休め」というか、「話休め」で、
まったり♪安心して読んでください。

この後から、怒涛のシリアス話連投になるので…
大丈夫かな。来年(汗)


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の祈り」4話です。

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この話はシリーズの最新作になります。

「NYへいこう」「招かれるもの」の続編。



聖夜の祈り(4話)



イヌの養父ジョンは、ヘリの話をいろいろ聞きたがり、
食事中は、ヘリの職場や生活、趣味の話などにもなった。

夕食後は、ヘリの土産のラスクとイヌの淹れた紅茶を手に
リビングのソファに座って、くつろぎながら、3人は歓談を続けた。

ヘリが、服飾学科を卒業して、自分で作った服を着ることもある。という話に、
ジョンはとても感心したようだった。

「じゃあ、卒業制作では、自分が作った服を発表したのだね。
ヘリさんはどんな服を作られたのかな?」

「それは…」

ヘリは、チラリとイヌの方を見やった。

イヌは、ヘリから聞いてこの話のオチを知っていたが、
あえて、知らんぷりを決め込んで、ニヤニヤと含み笑いを浮かべお茶を飲んでいた。

助け舟は全く期待できそうもない。

ヘリは、内心では、ハアっと諦めの吐息をついた。

「ウエディングドレスです」

「ああ、それは素晴らしい。
ヘリさんは将来着てみたいという服をデザインされたのでしょうね」

「え~…まあ」

ヘリは、曖昧な笑みを浮かべて首をかしげてみせた。

将来着たい服というより、すぐに着てみたい人気デザイナーの作品をそっくり模倣した物を作って発表会に出た。
そして、観に来ていた父サンテの逆鱗に触れて、大惨事になったという思い出だった。

誇らしげに恋人の養父に聞かせられるような話では無い。

ヘリは話題を逸らせようと、わざとらしく手を打った。

「そうだ。思い出しました。
ワインのお礼をもう一度ちゃんと言わせて下さい。
手紙にも書きましたが、送って頂いたワイン、イヌと一緒に頂きました。
とても美味しかったです。ありがとうございました」

ヘリは、イヌと少し疎遠になっていた時期に、
ジョン・リーから送られたワインに救われた思いになっていた。

イヌと仲直りした直後に飲んだワインの味は、
一生忘れられない、と感じたほどだった。

ジョンにあてた手紙には、もちろん、
そんな過程は報告してなかったのだったが。

「ヘリさんのお口に合いましたか?」

「はい。あのワインを飲んだら、他のワインが飲めなくなるくらい。
とても貴重なワインだとイヌから伺いました」

ジョンは自分が褒められているかのように、
嬉しそうな顔になった。

「あのワインを作っている私の友人はこだわりが強くてね。
市場で大々的に売り出すと今の味を維持出来ないという理由で、
毎年少量しか出荷しないのですよ。小さなワイナリーでね。
イヌも何度か一緒に行ったが、覚えているかい?」

イヌを見やったジョンに、イヌが頷いて見せた。

「うん。覚えてるよ。いい所だった」

「そう。のどかでね。
イヌを初めて連れて行った時、友人夫婦が、イヌをえらく気にいってね。
ワイン作りの筋が良さそうだと、イヌを養子にしたいと私に言ったんだよ。
もちろん、断ったがね」

「そんな話、今初めて聞いたよ。父さん」

イヌが驚いたように言った。

「聞いていたら、君は彼らの養子になったかな?」

「どうかな。でも、おじさんとおばさんはいい人だから。
それに、あの村は好きだよ。景色がとても綺麗だ。
もし、その話を受けていたら、僕は、今ごろワイナリーの跡つぎだったね。
ヘリはどう思う?」

「悪くないんじゃない?」

ヘリがクスクスと笑って答えた。

ジョンの話が本当にしても、ジョンがイヌを手放すことは無かっただろうし、
イヌが直接養子の話をされていたとしても断っていたことは想像がついた。
だから、この仮定話も二人の軽口だと分かっていたヘリだった。

「そうしたら、今ごろ私は、あなたの顔が描かれたラベルがついたワインのファンになっていたかもしれないわね」

ヘリの冗談にイヌとジョンが笑った。

そして、笑い終えた後、ジョンが優しい顔で言った。

「ヘリさん。今度…そう来年の葡萄の収穫の頃、イヌと一緒にワイナリーに行きましょう。友人達もきっと歓迎してくれます」

付き合い始めて、初めて、あのワインを飲ませてもらった時に、
イヌがヘリに言った事と同じだった。

『いつか、一緒にいこう』

イヌは約束を必ず守る人だと信じていたが、
ジョンも同じ人だと、ヘリは確信した。

「はい、楽しみにしています」

隣で、ジョンとそっくりな優しい顔をしているイヌにも
ヘリは、微笑むとコクリと頷いた。

こうして、3人が、和やかな雰囲気で時を過ごし、リビングの柱時計が
9時を知らせた頃、ジョンが「さて」と言って、手で膝を打った。

「私は、そろそろベッドに入る時間だから、先に失礼させてもらうよ」

ヘリは、ジョンの就寝時刻は早いということをイヌから聞いていた。

「私も」と、あわてて一緒に立ち上がろうとしたヘリを、ジョンが手で制した。

「ヘリさんは、イヌと一緒にゆっくり寛いでいて下さい。自分の家のように。
イヌと会うのも恋人には、久しぶりだろうからね」

からかうように、ウインクして見せるジョンに、ヘリがモジモジして、
ジョンとイヌの顔をチラチラと見比べた。

「それじゃあ、また明日。ヘリさん、おやすみなさい。イヌ、後はよろしく頼むよ。
ヘリさんを、しっかりもてなしてあげなさい。ワインセラーにある酒は、好きに飲んで良いからね」

「了解。父さん。おやすみ」

「おやすみなさい」

リビングを去っていくジョンを、イヌとヘリは見送った。

広いリビングに二人きりになったとたん、
ヘリは、そわそわと落ち着かない様子で、ほとんど空になったティーカップを
何度も口に運んでいた。

そんなヘリからイヌはカップを取り上げると、トレイに置いた。

「お茶はもう沢山飲んだな。酒を持ってくるよ。何がいい?」

「お酒はいらないわ」

ヘリが首を振った。

「遠慮するな。父さんも、好きに飲んでいいと言っていただろ」

「心惹かれるけど、今夜はやめておくわ。
遠慮じゃなくて、私ももう休もうかと思ってるの。
飛行機で眠ったけど、時差のせいか、やっぱり疲れが残ってるみたい」

「そうなのか。分かった。じゃあ、洗い物を食洗機にかけたら、
部屋まで送るよ」

「うん。ありがと…」

お礼のあと、ヘリが他にも何か言いかけた様子に
片づけをしていたイヌが動きを止めて不思議そうな顔をした。

「どうした?」

「ん…。別に。せっかく久しぶりに会えたから、
あなたともっと一緒にいたいって思ってはいるんだけどね」

「無理するな」

申し訳なさそうなヘリに、イヌが何でもないように笑った。

「明日も明後日も、一緒にいられる」

「そうよね」

ヘリもホッと笑いかけた。

「酒も逃げていかないよ。言っておくけど、父のワインセラーのコレクションはすごいぞ。
君が住み着きたいと言うほどにね。もし、ここに滞在している間に、君が全部飲み干したとしても、父は嫌な顔はしないよ」

「ええ、楽しみ」

「うん。じゃあ、ちょっと待ってて」

イヌは、そう言うと、食器を置いたトレイを持ってキッチンに入っていった。

そして、すぐに戻って来たイヌの手には、スタンドランプが握られていた。

「部屋に行こう」

「イヌ、そのランプは何?」

「父が君の部屋にと用意してくれていた」

「私が怖がりだってことも、お父さんに話したことあったの?」

「ああ、だから、慣れない部屋だと君が眠りづらいだろう、という父の気遣いだろう」

「お父さんって、とても細やかな心配りをして下さる方ね」

「僕のよく気が利くところは、父に似たんだ」

「もう。その自信過剰な所は自前よね」

そんな軽口を叩き合いながら、
リビングを消灯した後、二人は、2階の部屋に向かった。

客室につくと、イヌは、部屋の中まで入ってきて、
ベッドのサイドボードの上に持っていたスタンドランプを置いた。

そして、スタンドランプが正常に点灯することを確認した後、
ベッド上に座っていたヘリを振り返った。

「これで眠れるか?」

「ええ」

スタンドランプのやわらかな光の中、
イヌとヘリは、顔を合わせた。

そして、お互い、じっと見つめ合った後、

「…ヘリ」

イヌが呼んで、ヘリの肩に手を置くと、ゆっくりと身を屈め、
顏を近づけた。

ヘリは、無言で目を閉じて、
降りてくるイヌの口づけを待った。

二人の唇が触れ合い、優しく重なった。

静かすぎる部屋の中で、キスと、イヌの指がヘリの首元を撫でる
音だけが発せられている。

その小さくとも刺激的な音に、ヘリは胸の鼓動が高まっていくのを感じた。

イヌに触れられている箇所から熱が上がっていく。

ヘリは、じょじょに、そのまま他も、イヌに触れられたい思いになってきた。

しかし、イヌは、唇と同時に、ヘリの首に触れていた手をそっと離した。


「ゆっくり休め」

そう言うと、イヌは、立ち上がり、
背を向けて、部屋のドアの方に歩き出した。

「…おやすみなさい」

せっかく温まりかかっていたヤカンの火を止められたような思いで、
ヘリは、イヌの背中に声をかけた。

ドアの前でイヌが振り返った。

「この階の一番奥にある部屋が僕の部屋だ」

「分かったわ」

「おやすみ」

コクリと頷くヘリにニコリと微笑みかけると、
イヌはドアの向こうに去って行った。

イヌがドアを閉めると、客室に深い静寂が訪れた。

ヘリは、ふかふかのベッドの布団の中に潜り込むと、目を閉じた。

快適に暖められた室内。ベッド脇でほのかに照らすスタンドランプの光が、
家主の優しさを象徴しているように、安心感を与えてくれていた。

ニューヨークについて、
時差と、ここに着くまでに起きた出来事で、ヘリの体は、すぐに眠りにつけるほど疲労していたのだったが、なぜか目が冴えてきていた。

広い部屋の中が静かであればあるほど、ヘリは、そこが、異国の知らない部屋。それも、イヌのアメリカの家の中だという事を思いだし、気分が高揚して落ち着かなくなってきた。

「…うーん」

ヘリは、小さく唸ると、もそもそと起き上がった。
そして、ベッド脇に置いてあったガウンを羽織ると、部屋の外に出た。

廊下にも明かりがついていた。

ヘリは、部屋の前で、きょろきょろと見回した後、
迷う事なく、一番奥に見える扉を目指して歩き出した。

そして、部屋のドアに立つと、ヘリは、遠慮がちに小さくノックした。

微かな音にも部屋の中の住人は気づいたらしく、すぐに中から扉が開かれた。

「ヘリ」

部屋の前に佇む、ガウン姿のヘリを見たイヌは驚きもせず、
もじもじしたヘリが口を開く前に、「夜這いか?」と聞いた。

「違うわよっ」

とっさに大声を出してしまったヘリは、あわてて両手で自分の口を塞いだ。

広く静かな廊下でヘリの声は高く響いて聞こえた。

「あなたの部屋って、どんなのかな~って思ったら、気になって眠れなくなっちゃったのよ」

養父の寝室は1階で離れているようだったが、
ヘリは、声を落して、気遣うようにボソボソと話した。

そんなヘリにイヌは小さく笑うと、「入って」と扉を大きく開けて、
ヘリを部屋の中に迎え入れた。



(「聖夜の祈り4終わり 5に続く)


登場人物


マ・ヘリ
ソ・イヌ

ジョン・リー(アメリカに住むイヌの養父)


ようやく、「NYへいこう」予告漫画で描いたシーン
全部お披露目できました。構想2年以上、予告漫画からも1年近くで、
ようやく(汗)

「聖夜の祈り」は、まだ続きます。


ブログや小説への拍手、拍手コメントありがとうございます!

みつばの癒しは…ブログ読者さんの優しいコメント♪
後は、子供達の寝顔(癒されるが、起きている時はHPもかなり消費する(笑))
ガーデニング(今年も花壇のデザインを一新♪チューリップは変わり咲き60球追加)
後は、イヌ×ヘリ妄想している時間です♪



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「ケーキより甘く」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
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この話は、突発短編です。



ケーキより甘く




「ヘリ、こんなところに生クリームがついてる」

イヌが、ヘリの頬の上にチョコンとついていた生クリームを指ですくって舐めた。

「そう?」

キッチンで、ヘリはケーキ作りをしていた。

イヌは、手を出すな、とヘリに釘を刺されていたが、
勝手に、監修を引き受けて、ヘリの動向をほとんど監視状態で
側で見守っていた。

ヘリは、ケーキの飾りつけの生クリームを泡立てるのに
夢中になっていて、周囲にまき散らしていたことに、
気付いていないようだった。

イヌの指摘も上の空で、ヘリは、まだ生クリームと格闘している。

「甘くないな。砂糖が足りなくないか?」

ヘリについていた生クリームの味に、イヌが首をかしげると、
ヘリはようやく手を止めた。

「あなたは、甘いのがあまり好きじゃないでしょう?
だから、砂糖を控えめに入れてみたんだけど、足りないかしら?」

「控えめ過ぎる気がするな。もう少し足したらどうだ?」

「分かったわ」

ヘリが生クリームに砂糖を加えて混ぜた。

そして、クリームを少し指ですくうと、イヌの口元に差し出した。

「今度はどうかしら?味見して」

いきなり、指を向けられて、面食らったようなイヌだったが、
すぐに、企むような顔になって、ヘリの指を口にくわえた。

そして、ただ舐めるだけでなく、
口内で、ヘリの指に妖しく舌をからめてみせると、
ヘリが、とたんに顔を上気させて、手をぱっと引っ込めた。

「もう。何をするのよ」

「何って、味見だけど」

「私の指じゃなくて、生クリームの味を見て欲しかったのよ」

「味わったさ。まだ、甘さが足りないな」

「ほんとに?今、結構砂糖を足したのよ?
まだ、上手く混ざっていないのかしら」

「君も味見してみたら?」

イヌが、クリームを指ですくって、ヘリの口元に持っていった。

「んー…」

ちょっと考え込んだ仕草をした後、
ヘリは、ぱくっとイヌの指を口にくわえた。

強めに口に挟んだイヌの指を、
口内では、チロチロと優しく舌で舐めとるヘリ。

上目づかいのヘリの目とイヌの視線が絡み合った。

「仕返し」

指を離した後、フフッと悪戯っぽく笑うヘリの顔が、
蠱惑的にイヌを誘った。

「模倣することは得意なんだからね」

「クリームの味はみたのか?」

熱く動揺したことを悟られないように、
イヌは、あえて、冷めた口調で聞いた。

「もちろん。でも、甘かったわよ」

「おかしいな」

そう言って、イヌは、チラリと、ヘリの首筋に目線を落した。

「ちょうどいい。ここにもクリームがついてるから、
もう1度、味見してみるよ」

「え?」

ヘリの手が首に伸びる前に、イヌの腕が、ヘリの体に絡んだ。

「イヌっ」

イヌは、あせって、身をよじろうとするヘリの動きを塞ぐと、
身を屈め、ヘリの首に顔を寄せて、舌を這わせた。

ゾクリ。

イヌの舌のネットリとした感触が、
首から、ヘリの体全体に広がる疼きを誘発させた。

「やっ…」

「ん…少し甘く感じるな」

イヌが意地悪く囁く言葉さえ、甘さを含んでいく。

「やだ。イヌ、ふざけないでよ」

「ふざけてない」

「今、やっている事は何?」

「君が美味しいケーキを作れるように協力している」

「これは、協力じゃなくて、邪魔って言うんじゃない」

ヘリの抗議の声にも甘い吐息が混ざっていく。

ヘリの体を背後から、腕で縛りながらも、
ゆるみを持たせて、ヘリに選択権を与えているイヌ。

ヘリが、拒絶しないと踏んでいるようなイヌの悪戯。

ヘリには、イヌの余裕な顔が、小憎らしかった。

「邪魔なのか?」

イヌが、今度は、ヘリの耳たぶを甘く噛んだ。

「あっ…ん。イヌっ。いいかげんにして。
そんなところにクリームは無いでしょう?」

「いや、ついてるな」

ニヤリと笑ったイヌは、ボールの中のクリームを
指ですくい取ると、ヘリの耳元につけた。

「イヌ!」

完全に、面白がって、遊びモードに入っているイヌに、
ヘリは気を取り直すと、自らも、クリームの中に指を入れた。

そして、身体をねじると、「えいっ」と、イヌの頬に、
クリームをなげつけた。

「あら、あなたにもクリームがついてるわよ。
味見してあげましょうか?」

イヌが承諾する前に、ヘリが、伸び上がると、
チロリと、イヌの頬を舐めあげた。

そして、ぱっと体を離すと、
ふふんっと、鼻で笑った。

「うーん。ちょっと、意地悪な味がしたわね」

ヘリの、したり顔を黙認するほど、イヌは甘くなかった。

「じゃあ、他の箇所につけたら、どんな味になるのかな」

ニヤリと笑って、ヘリの体を先ほどより強い力で、
引き寄せたイヌは、クリームを大めにすくった指をヘリの頬や首に
のせ始めた。

「やだ。冷たい。やめてよ。イヌ。
ケーキを飾るクリームが無くなっちゃう」

そう言いながら、自らも、負けじと、クリームを
イヌの顔や首につけ始めたヘリ。

クリーム合戦に夢中になったヘリとイヌを、
冷静につっこんだり、止める他者はいない。

存分にじゃれて、

クリームにまみれたお互いの姿を笑い合って、
二人が動きを止めた時は、ボールの中のクリームは半分ほどに減っていた。

ふーっと、ヘリが、わざとらしくため息をついた。

「ケーキに塗る分が足りなくなっちゃった」

「でも、味見は十分に出来たな」

そう言って、肩をすくめて見せたイヌに、
ヘリは「もう」と呆れたように苦笑した。

「クリームの味はもういいから、今度は飾りつけをしなくちゃ」

「まだ、早い。焼けたケーキが熱そうだ」

イヌがチラリと、冷ましていたスポンジケーキに目をやった。

「待っている間に、やることがある」

「何かしら?」

小首をかしげたヘリに、イヌは、再び、クリームのついた指を
向けた。

「もう、クリームの味見は十分したでしょ?」

「違う」

微笑すると、
イヌは、指をヘリの唇の上に置いた。

「…今度はこっちの味見だ」

イヌは、ヘリの体を抱き包むと、

顏を寄せて、
クリームのついたヘリの唇を口に含んだ。

甘い味が口の中に広がっていく。

その味をゆっくりと味わって、
唇をわずかに離し、目を開けると、
ヘリが、蕩けそうな目でイヌを見上げていた。

「…甘いでしょ?」

そう囁くように聞くヘリに、

「…美味しいよ」

そう、目を細めて答えるイヌの微笑は、
クリームの砂糖より甘く、ヘリの中に溶けこまれていった。

とくん…と高鳴る胸のときめきは、恋を彩るアイシング。

顏も、衣服もクリームだらけで笑い合っている。

それだけでも十分、正気の沙汰じゃないのに。

「もっと、味見させてくれ」

イヌの言葉は、戯言ではなく、本心で、

「どうしようっかな~」

もったいぶったヘリの態度は、拒絶ではなく、
甘い駆け引きだった。

「味見ばかりしていたら、ケーキが食べられなくなっちゃうかもしれないわよ?」

ヘリの問いは、イヌには愚問だった。

「いいさ」

さらりと答えて、イヌは、ヘリの体を抱きしめた。

そして、首筋に舌を這わせると、耳元で低く囁いた。

「君は、ケーキより甘くて美味しいよ。…ヘリ」

カシャン…。

力の抜けたヘリの手から、泡だて器が、
ボールの中に滑り落ちていった。

再び、唇を重ねて・・・。


焼けたケーキの香りが濃厚に漂う部屋の中。


こうして、恋人達の時間は、
ケーキより甘く、クリームのように蕩けていった。


(終わり)



イメージイラスト↓

生クリームイヌ×ヘリ





「聖夜の祈り」の途中ですが。突発、イヌ×ヘリ、イチャラブ話でした。

いくら、ラブラブでも、子供がいたら、出来なくなることはいっぱいあるからね…←切実(汗)
だから、恋人、イヌ×ヘリには、今をいっぱい楽しんでもらおう♪って企画したお話し。
キッチンで、料理しながら、いつのまにか、いちゃいちゃするシチュエーション。

生クリームってところがミソ♪←みつごの魂100まで(昔の雑記読んだ方なら意味分かるかな(苦笑))

…いや、でも、イヌとヘリは、子供がいても、やりそうだな(笑)


師匠の原稿は無事アップしたようです。
で、漫画の仕事はお手伝いしても、自分の「絵」は描いてなかったので、
長期間休んだ手をリハビリもかねて、久しぶりに「裏箱」描きたいな~♪
なんて、イラスト描いてみたら…いろいろヒヨッちゃいました(汗)

しかも描いて気づいたのは、この構図一緒です。
昨年も似たポーズ描いてます。…っていうか、みつばは、
この構図が大好きらしい。バックハグ&、後ろからイヌがヘリにキスするポーズね。

みつばの妄想の中で、イヌがヘリとこういうラブシーン繰り広げている事が多いのかも。

本当は、イラストも小説も、もっと過激に「裏箱」したかったのだけど、
漫画も小説も少しでもブランク出来ると益々ダメね(涙)

追伸:拍手、拍手コメントやメッセージありがとうございます!!

最近いらっしゃった方かしら?裏箱も好きと言ってもらえて嬉しいです♪
一気に読まれると、大人話多めに見えますが、(実際に多い)
長編シリーズは、真面目にプロット練ったシリアスも書いていきますので、
今後ともよろしくお願いします!!



追伸2:「聖夜の祈り」の甘い夜♪も待っててください。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の祈り」3話です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
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この話はシリーズの最新作になります。

「NYへいこう」「招かれるもの」の続編。



聖夜の祈り(3話)




イヌの養父、ジョンの家のバスルームは2つあるとイヌから聞いていた。

1つは、1階のジョンの寝室の側。もう1つは2階にあった。

イヌに案内されていた2階のバスルームに入ったヘリは、
湯をはった広いバスタブの中に身を浸して、ゆったりとくつろいだ。

緊張感は薄まり、疲労も、すっかり湯の中に溶けたように感じていた。

…イヌも、子供の頃から、この風呂に入っていたのかしら。
こうして、足をのばして。

ヘリは、バスタブの中で伸ばした自分の足先を見つめながら、
子供の頃のイヌを想像してみた。

12歳のイヌ…、13歳、14歳・・・・
たんだんと、バスタブの中で足を曲げるほど背も高くなっていって…大学生のイヌ…。
12歳のイヌには1度昔の実家の前で会った事があるけど、
それからのイヌってどんなだったのかしら?

ヘリの大学時代の写真は、ネット上で流出し、
自らも、イヌに見せて、知られていた。

「考えてみれば、
イヌは私の過去の姿を知っているのに、私は知らない」

ヘリは、今更のことに、一人ぼそぼそと呟いた。

アメリカに住んでいたのに、韓国の司法試験を受けるのは、
苦労したはず。睡眠時間4時間で勉強してたって言ってたし、
大学時代は、真面目でおとなしい優等生だったとか。
ストレスもかなり溜まって、

…もしかして。
イヌも私みたいな体型だったことがあったとか?
うーん…、想像できない。

イヌがアメリカで育った家なら、きっと写真が置いてあるはず。
養父に頼めば見せてくれるだろう。

ヘリは、そんな自分の思いつきに満足げに頷くと、
バスルームから出ることにした。

部屋で身支度した後、階段を下り、ヘリがリビングルームに行くと、
ジョンが一人、テーブルの椅子に座って雑誌を眺めていた。

ヘリの姿に気づいたジョンが顔を上げて、にっこりと笑って手招いた。

「ヘリさん。さあ、こっちに座って」

「はい」

ヘリは、ジョンと向かいになる椅子に座った。

「もうじき、イヌが夕食を作り終えますよ」

ヘリは、リビングに隣接しているキッチンから聞こえる音に耳をすませた。

「私、作るのを手伝ってきます」

そう言って、立ち上がろうとしたヘリをジョンが止めた。

「さっき私もそう言ったが、イヌに断られたよ。
今日のディナーは一人で作りたいらしい。ヘリさんは、良かったらここで、
私の話相手になってくれませんか?」

ジョンの手伝いを断るくらいなら、ヘリの出番は無いだろう。

ヘリは、「はい」と素直に頷いて、再び席に腰を下ろした。

ジョンは、雑誌をテーブル脇の雑誌ケースに片づけると、
ヘリに氷水入りのポットから冷水をグラスに注いで渡した。

そして、自らのグラスにも水を注いで、手元に置いた。

ヘリが、冷水を飲み終えるのを見計らってジョンが声をかけた。

「ヘリさんのご両親は、 元気にお過ごしかな?
お二人でパン屋さんを営んでいらっしゃるとか」

「はい。二人とも元気です。母は昔からパン作りが上手でしたが、
パン屋の仕事が性に合っているみたいです。
父は、パン屋を始めた頃、慣れない仕事に戸惑っていたみたいですけど、
今は、新しいパンを作り出すことに余念が無いようです」

「そうですか。
ヘリさんのご両親の作られているパンは、美味しいとイヌからも伺っています」

…イヌがパパとママのパンを美味しいって、養父さんに言ったのね。

ヘリは、素直に嬉しい気持ちを顔に出した。

「イヌはお父さんには何でもお話ししているのですね」

言った後で、ジョンを何気なく『お父さん』と、呼んだことに気付いて、
ヘリは、慌てて付け足した。

「あの、もしジョンさんがお嫌でなかったら、お父さん、とお呼びしても構いませんか?」

「もちろん、構いませんよ」

ジョンが、ニッコリと笑った。

「ヘリさんは息子のイヌがお付き合いしている方だから、
私にとっては娘同然です。だから、父さんと呼んでください」

「はい。お父さん」

ジョン・リーは、
ヘリが想像していた以上にスマートで若く見えた。
ヘリの父、マ・サンテとは、ある意味全然違う。
しかも、養父ではあるが、イヌの話から独身のようだった。

そんな人を「お父さん」と呼ぶことに、ヘリは、内心くすぐったさを感じて、
モジモジしながら、ジョンを見つめ、照れ笑いを浮かべていた。

その時、

「どうした?ヘリ。ずいぶんにやけているな。
父さん、ヘリに何を言ったんだ?」

そう言って、サラダボールを手にしたイヌが、キッチンから顔を出した。

「ヘリさんは、私にとって娘同然だと言ったんだよ。
そうだろ?イヌ」

「そうだね。父さん。
ヘリ、料理が出来たから、こっちに来て、盛り付けを手伝ってくれ」

「わかったわ」

ヘリはいそいそと立ち上がると、イヌの持っていたサラダボールを受け取った。

「父さんは、座っていて。
配膳が終わったら呼びにくるよ」

「おやおや、私は仲間外れかな」

ジョンが、おどけたように目を開いて、肩をすくめてみせた。

「父さんには、明日のディナーを作ってもらうだろ。
今夜は僕達に任せて」

「そう言って、お前はヘリさんと二人きりになりたいだけなんだろう?」

「そうだよ」

ジョンのからかいにも、イヌは悪びれずに目配せしてみせた。
そして、ヘリの腰に軽く手を添え、促すと、キッチンに向かって歩き始めた。

キッチンに入ると、イヌは棚から器を出し、ヘリに料理の盛り付けを指示した。

「お一人暮らしなのに、食器を沢山そろえられているのね」

品が良く上質な食器ばかり並んだ食器棚にヘリは感心した。

「父は、食器集めが趣味の一つなんだよ。どこに旅行に行っても、
気にいった食器を土産に買ってくる。でも、ただコレクションで飾るのではなくて、
必ず使用している。物は大切に使ってこそ、価値があると言ってね」

「そう。このお皿も、とっても素敵」

ヘリは、ボールの中のサラダとドレッシングをかるく和えながら、
食器棚の中の一番目立つところに置いてあった皿をうっとりと見つめた。

イヌは、ヘリの視線の先にチラリと目をやると、
手元の料理を盛り付ける作業を続けた。

「客人に手伝わせて悪いな」

らしくなく、殊勝なイヌの言葉にヘリが吹き出した。

「やっぱり、いつものイヌと違うわね」

「何が?」

「うーん。上手く言えないんだけどね。
なんだか、イヌが謙虚で優しいジェントルマンに見えるわ」

ヘリの言葉に、一瞬ひるんだように手の動きを止めたイヌだったが、
すぐに素知らぬふりをした。

「僕は、正真正銘、謙虚で優しい紳士だ。
そういう君こそ、父の前で謙虚で気が利く淑女を演じようとしても無駄だから
やめておくんだな。すぐに自分で化けの皮をはがすことになる」

「あなたって、謙虚って言葉の意味を分かって使ってる?」

「当然だ。僕の為にあるような言葉だからな」

「イヌが謙虚なら、並んでいる列に強引に割り込む人にも使えるわよ」

いつもの軽口を叩いているうちに、
ヘリは自分が何を言いたかったのか忘れてしまっていた。

そして、つい、そこがアメリカのイヌの養父の家だという事も忘れて、
普段通りの応酬を続けていたのだったが、
キッチンの入り口から聞こえた男のくぐもった忍び笑いで
ヘリとイヌは、ハッと我に返ると同時に振り返った。

ジョンが、涙目になりながら、必死で笑い声を抑えて
立っている姿があった。

「父さん」

「ふたりの邪魔をする気はないが、
私も酒の用意をしようと思って来たんだ。
しかし、こんな事を言うのは不謹慎かもしれないがね」

ジョンが、言い訳するように言った。

「君たち二人が法廷に立ってやりあう姿を
傍聴席で見てみたくなったよ。」

そう言って、再び朗らかに笑いだしたジョンに、
ヘリとイヌは、気まずそうに顔を見合わせたが、すぐにつられるように一緒に笑った。

やがて、夕食の準備が整って、
ヘリとイヌ、ジョンの3人が、ダイニングの食卓を囲んだ。

テーブルの上には、イヌの腕をふるった料理が並んでいた。

「じゃあ、頂こうか。改めて。ようこそ、ヘリさん」

「はい」

ジョンの掲げたグラスにあわせて、ヘリとイヌもグラスを掲げると、
微笑み合って、中の酒を煽った。

ジョンが、おすすめだと言って注いでくれた酒の味にヘリは感動したが、
イヌの手料理も一口食べて、思わず感嘆の声を漏らした。

「ん~っ。美味しいっ。すっごく美味しい。」

「大げさだな。僕の料理はよく食べているだろ」

「だって、久しぶりなんだもの。この味。
ずっと食べたかったの」

「僕がいない間、ちゃんと食事していたのか?
また、兎のエサみたいな物ばかり食べていたんじゃないだろうな」

「しっかり食べてたわよ」

隣り合って座っているイヌとヘリの会話に、
またジョンが面白そうな顔をしていることに気付いたヘリが
気恥ずかしそうに首をすくめた。

そんなヘリをフォローするように、
イヌの料理を食べたジョンがコクリと頷いた。

「うん。確かにイヌの料理はうまい。
ヘリさんが毎日食べたくなる気持ちもわかるよ」

イヌの料理の腕は、養父もお墨付きのようだった。

「明日のディナーを作られるとお聞きしましたが、お父さんも、料理がお得意なんですか?
イヌも料理がとても上手なのですけど、もしかして、お父さんが
教えてました?」

ジョンとイヌが顔を見合わせて微笑んだ。

「料理が得意と言えるか分からないが、作るのは好きですよ。
イヌの料理に関しては、最初は教えたけど、
次第に、自分で勝手に学んでいったようです」

ジョンが答えた。

そんなジョンの言葉に、ヘリの隣にいたイヌが、
耳打ちするように言った。

「父さんは、料理の味にはかなりうるさい。
食べ物でも、飲み物でも。相当のグルメだ」

「そうなんですか?」

ヘリの視線に、ジョンが首をかしげてみせた。

「美味しい物を食べるのも好きですよ。
ヘリさんは、料理が得意なのかな?」

…え…。

話の流れで、当然、ふられるだろうことが予測できた質問なのだが、
ヘリは、とっさの事にあわてて首を横に振った。

「その件に関しては黙秘させて下さい」

イヌの話で、ジョンの料理の腕前も相当のような気がした。

…とても、この二人を前に、料理が出来るなんて
言えない。

「じゃあ、聞かないことにしますね」

そうにこやかに笑って言うジョンにヘリが「お願いします」と恐縮した。

ヘリの情けない顔に、
イヌとジョンが同時に朗らかに笑った。

いくら、イヌが、自分のことを養父に話しているからと言って、
まさか、1年以上前は、ラーメンすら作った事がなく、
包丁も持ったことが無かった、などという話はしていないだろう…と、
ヘリは、願いながら、二人に合わせて、アハハとひきつった笑みを浮かべていた。


(「聖夜の祈り」3終わり 4に続く)



登場人物


マ・ヘリ
ソ・イヌ

ジョン・リー(アメリカに住むイヌの養父)


ちっくり、ちっくり更新(汗)

何度か雑記で書きましたが、
イヌの養父、ジョンさんは、みつばの中では、
チ・ジニさん(若いころの養父さん)イメージで♪

…で、さんざん騒いでいた(?)「お願いキャプテン」
ようやく最終回まで見られたのですが・・・・・・
やっぱり、みつばは、チ・ジニさんは
「チャングムの誓い」のミン・ジョンホ様が1番です(苦笑)



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