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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「取扱い注意」です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話は、書き下ろし短編です。



取扱い注意




ヘリの先輩、チェ検事が、資料室で鉢合わせたヘリに
羨ましげな目を向けていた。

「マ検事、君っていつも元気がいいよな。
何か健康の秘訣でもあるのか?」

「そうですか?体には気を使っていますけど」

ヘリは、資料室の棚に本を戻しながら、
首をかしげた。

「他人に気を使わない人間は、疲れないって聞きますよ」

同じく、資料室に来ていたイ検事が横やりをいれた。

「じゃあ、イ検事は、疲れませんね」

ヘリを尊敬しているキム検事が
ヘリが受けるどんな風も盾になるというように、
イ検事にカウンターを返した。

たまたま資料室兼休憩室に
集まっていた検察庁刑事5部の面々は、
まだ、昼休み時間でも無いのに、ぐったりとした顔をしていた。

ここ最近、事件が立て続けに起こり、
個々の案件の割り振りも増加傾向にあった。

連日の残業続きで、皆疲労の色を隠せないでいた。

ただ一人、ヘリを除いては。

ヘリも、もちろん、他の検事達と同じくらい仕事が多忙だった。

しかし、他のメンバーと比較すると、
ヘリは溌剌と仕事をしていた。

「夜2時前には寝るようにしています。あと、寝る前に軽いストレッチをして
体をほぐしたり、風呂の湯にゆっくりつかったり」

「本当にそれだけか?」

「他にも何かあるんじゃないか?
そんな事なら、俺だってやっているぞ」

「先輩たちより若いっていうなら、年齢では私が一番若いのですが」

勝手に地雷をまいて、自分で踏んでいるキム検事を
チェ検事とイ検事が軽く睨みつけた後、ヘリに向き直った。

「私には、疲れを癒してくれる素敵な恋人がいますから~なんていう、
のろけは言わなくていいからな」

「…そんな事言ってませんよ」

言いそうになっていたけど。

ヘリは、気まずそうに首をすくめてみせた。

「私、基本、ちゃんと寝たら、疲れや悩み事を次の日に持ち越さないようにしているんです」

事実、ヘリは、一つの事に集中している時は、他が目に入らないくらい力を注ぐが、
一区切りついたら、割り切って、次の事に移る性格だった。

「睡眠は大事だよな」

「でも残業で遅く帰っても、そのまま眠ってしまうのは、
なんだかもったいない気がするんですよ」

「そう、そう。1日を仕事で終わってしまうのも惜しくて、
つい、ネットサーフィンをして夜更かししてしまう」

それぞれ、もう、お目当ての資料本を見つけ出しているというのに、
ぐずぐずと資料室から離れない刑事5部の検事たち。

そのままソファに寝転がりそうな面々に、
どうしようかしら?とヘリが困ったように立ち尽くしていた時、
資料室にユン検事が入ってきた。

そして、うだ~っとしている検事達を、にこやかな笑みを浮かべながら見渡した。

「みんな、疲れているようだな」

刑事5部の検事達の首席として、一番仕事をしているユン検事だったが、
疲労の色は、見えなかった。

「ユン検事、元気だな」

「ユン検事は、体力がありますからね」

「体力なら、私だってユン検事に負けない自信はあるのに」

どんよりとした空気をまといながら、チェ検事、イ検事、キム検事は、
ヘリから、今度は、元気な新参者のユン検事に、濁った羨望の眼差しを向けた。

そんな3人を「そうか」と軽くいなした後、
ユン検事は、ヘリとチラリと目を見合わせて、笑った。

そして、手にぶらさげて持っていた袋を
資料室のテーブルの上に置いた。

「じゃあ、これを1本ずつ飲んで気合いをいれてくれ」

「なんですか?これ」

皆が、ユン検事が持ってきた袋の中を不思議そうにのぞきこんだ。

袋の中には、液体の入った小瓶が入っていた。

「あっ。栄養ドリンク」

「これ、効くんですよね」

「結構、いいやつですよ」

「わざわざ、先輩が、買っていらしたんですか?」

効き目がすごい分、値段も高めな栄養ドリンク剤だった。

…もらっていいのかな?

そんな皆の視線を集めたユン検事が、頷いてみせた。

「この前、妻が沢山買い置きしてくれた物を、オフィスの冷蔵庫に入れていたんだ。
最近、皆仕事がハードだから、疲労がたまっているだろう。
遠慮せずに飲んで、仕事に励んでほしい」

ユン検事の言葉に、めいめいが、栄養ドリンクを1本ずつ手にとった。

「ありがとうございます!」

「いやあ、ユン検事は、いい奥様をお持ちだ」

「さすが、元刑事5部の名検事、チン・ジョンソン」

「有難く頂きます」

ユン検事に礼を述べると、皆、感動した面持ちで、栄養ドリンクの蓋を開けて、
その場で一気に煽っていた。

ちょうど、そこに通りかかったナ部長が資料室をのぞいた。

「その栄養ドリンクは効くな。ユン検事」

「部長も飲まれたんですか?」

「ああ、さっきユン検事からもらった。
何だか10歳は若返ったような気になっている」

ナ部長の言葉に、チェ検事達も頷いた。

「僕もです。急に力が湧いてきた気分だ
デスクに座っているのがもったいないくらい」

「そうそう。このままソウル市内をマラソンできそうな勢いで」

「おいおい。仕事をしてくれよ。今日も午後から山のように、書類が送致されてくる予定だ」

「マ検事は飲まないのか?」

一人、栄養ドリンクの瓶を手に、皆の姿を傍観していたヘリに、
イ検事が不思議そうに声をかけた。

「今は、そんなに疲れていないので、後で頂きます。
ユン先輩、ありがとうございました」

そう言って、ユン検事に頭を下げると、
ヘリは、栄養ドリンクを持って、そそくさと資料室を後にした。


栄養ドリンクを見た時、ヘリはすぐにイヌを思い出していた。

最近、イヌも仕事が忙しいようだった。

電話では、明るい軽口を交し合っていたが、
疲労の色を滲ませたイヌの声を、ヘリは敏感に聞き取っていた。

…すごく効きそう。これ、イヌにあげようっと。

そんな事を考えて、自分のオフィスに戻ったヘリは
ユン検事からもらった栄養ドリンクをバッグにしまった。

その後残業帰りでマンションに戻ったヘリは、その足で
まっすぐにイヌの部屋を訪れた。

イヌは、ヘリより先に帰って来ていて、
シャワーも浴び終えていたようだった。

平日の夜遅くに突然訪ねてきたヘリに、イヌが少し驚いた顔をした。

「どうした?何かあったのか?」

そう心配そうに聞くイヌに、ヘリが、ユン検事からもらった
栄養ドリンクを差し出した。

「はい、これ、あげる」

「これは…?」

ヘリから栄養ドリンクの小瓶を受け取ったイヌは、
まじまじと栄養ドリンクのラベルを見つめた。

「職場でもらったの。でも、今の私には必要ないから、
今日中にこれをあなたにあげたかっただけなのよ。
疲れにとっても効くらしいわよ。良かったら明日の朝にでも飲んでちょうだい」

「ありがとう」

イヌは、素直に礼を言うと、嬉しそうに目を細めた。

「じゃ、おやすみなさい」

そう言って、自室に帰ろうとしたヘリをイヌが呼びとめた。

「ちょっと、部屋に上がって行かないか?
これのお礼に寝酒をご馳走させてくれ」

「魅惑的なお誘いね。でも私、まだシャワーを浴びてないの」

「シャワー?寝酒以外のお礼も何か要求しているのか?」

ニヤリと笑ったイヌにヘリが苦笑した。

「そんな意地悪を言うなら帰るわ。栄養ドリンクを飲むほどじゃないけど、
仕事で疲れてるから」

「わかったよ。シャワーに、寝酒。それにマッサージのお礼つき。
それでいいか?」

「それならいいわ」

イヌの申し出に、つんっと澄ました顔で応じて見せたヘリは、
いそいそと、イヌの部屋の中に入って行った。

イヌの部屋のシャワーを借りて、クローゼットに置いていた自分の替えの服に着替えたヘリは、キッチンカウンターでイヌから出してもらったワインを煽った。

「んーっ。美味しいっ。私にはこれが一番の栄養剤かも」

ニコニコしながら、ワインを飲むヘリを、対面に座っていたイヌが
ほほえましく見ていた。

「最近、仕事が忙しいみたいだな」

「ええ、ちょっとね。イヌ、あなたの方も忙しいでしょ?」

「まあな。相変わらずだ。有能な弁護士に暇は無いよ。」

「相変わらず、自信過剰にも隙は無いみたいね。
でも、疲れてるって顔してる。体は平気?」

「体調はいいよ。もしかして、心配してくれていた?」

「ええ、だって、もうそんなに若くないんだもの」

ヘリの最後の言葉に、イヌが顔をしかめた。

「聞き捨てならないな。僕がもう若くないって?」

本気で嫌そうなイヌに、ヘリはイヌがいつもするような仕草で
肩をすくめてみせた。

「だって、本当のことだわ。体力を過信出来るほど若いって年じゃないもの。
無茶しないで欲しいの」

イヌには、ヘリが、嫌味で言ってるわけでも、からかってもいない、という事が
分かった。

今夜、わざわざ栄養ドリンク剤を持って来てくれたヘリの思いやりは、
イヌを何よりも癒してくれていた。

イヌは、軽い吐息をついて、しょうがないな。という目で
ヘリに微笑んだ。

「無茶するなってセリフは、君のためにあるものだと思っていたが、
忠告は心にとめておくよ」

「うん」

…イヌには、元気でいて欲しい。
こんな風に、いつまでも軽口をたたき合って、楽しい喧嘩をしたいから。

イヌは、にっこり笑ったヘリの顔を見つめているだけで、元気になっていく気がした。

「ワイン、全部飲みおわったな。じゃあ、ベッドに移って」

そう言って、ヘリの方に回り込んだイヌは、
ヘリの腕をとって立ち上がらせた。

「もう、誘い方があからさまなんじゃないの?」

「今度は、さっき言っていたお礼のマッサージだよ。
やっぱり何か期待してる?」

「期待じゃなくて、不安の一種よ。
私のこういう予感って、当たるんだから。とくにあなたに関しては」

「暗記力だけじゃなくて、予知能力も身につけたいのか?
いいから、ベッドに横になれ。疲れてないって言ってたけど、肩は結構こってるな」

イヌのベッドにうつ伏せに横たわったヘリは、
肩をゆっくり撫でるイヌの手を気持ち良く感じた。

「頭皮も固い。…ほら、力抜いて」

耳に心地良く響くイヌの優しい声に、促されて、
ヘリは、すぐにリラックスしていった。

衣服の上から、体中を柔らかく、撫でさするイヌの暖かい手と指先に、
心も体も満たされて、ヘリは満足げな吐息を漏らした。

「気持ちいいか?」

「ええ」

ヘリは、イヌにマッサージされながら、うっとりと目を閉じていた。

「なんだか、ここまでお礼してもらえるなんて悪いわ。
頂きものの栄養剤をあげただけなのに」

「気にするな。栄養剤は、誰からもらったんだ?」

「ユン検事よ。疲れているだろうって。部下に思いやりのあるいい人よね」

…ユン検事からもらった。

ヘリは、ユン検事からもらった栄養ドリンクは、チン検事が買ったものだということや、
ヘリだけでなく、部署内の人間全員に配った事をイヌに言いそびれていた。

ヘリに気にするな、と言いながら、
イヌは一瞬ムッとなって『気にした』ようだった。

ユン検事が妻子持ちで、ヘリにはただの上司という関係だと分かっていても、
ヘリが他の男を褒めるのは、面白くなかった。

背後にいたイヌの気配が、いつのまにか消えた事にヘリが不思議になって、
目を開けた。

「イヌ?」

ヘリが、ふっと顔を上げると、
イヌが、ヘリのあげた栄養ドリンクを飲みほしていた。

ヘリが驚いて、上半身を起こした。

「どうして、今飲んでるの?」

「もらったものをいつ飲もうが、僕の勝手だろう?」

「いいけど、栄養ドリンクなのよ。こんな時間に飲んだら…」

疲労を回復する効果もあるだろうが、
カフェインも含まれているから、目も覚めてしまうだろう。
そんなことに気づかないイヌじゃないと思ったが。

「栄養ドリンクの取り扱い説明に書いてあったでしょう?」

「さあ、読んでない」

そっけなく答えて、イヌは、唇を手の甲でくいっと乱暴にぬぐった。

その所作に、ヘリは、イヌが不機嫌になっている事に気づいた。

「何か怒ってる?」

「怒ってない」

「嘘よ。あなたって、自分では演じるのが得意って思ってるかもしれないけど、
本気で嘘をついている時は、逆にわざと感情を出さない顔をするもの」

ヘリの鋭い指摘にイヌがますます『表情を消した』顔になった。

「君の期待に応えたいだけだ」

「…嫌な予感がするわ。とっても」

「いい予感の間違いじゃないか?」

イヌは薄く笑うと、ひきつったヘリの顔に鼻先を近づけた。

「さあ、横になれよ。マッサージの続きをしてやるから」

「もういいわよ。お礼は十分。私帰るから」

逃げるが勝ち。

そんな言葉を脳裏に浮かべて、そそくさとベッドから起き上がったヘリを、
閉じ込めるように、イヌは、ヘリの上に覆いかぶさっていた。

「そう言うな。他の男からもらった物を横流ししてくれたことと、
おじさん呼ばわりしたことのお礼もたっぷりさせてもらうよ」

…やっぱり。
私の発言を根に持ってる。

ヘリは、嫌な予感が的中した事にため息をついた。
そして、ジットリとイヌを睨みつけながら言った。

「ソ・イヌ。言葉の使い方を間違っているわ。
これって、お礼じゃなくて、仕返しって言うんじゃない?」

「違うな。君がいいと思うなら、礼になるはずだ」

「勝手に解釈しないで」

呆れて、ベッドから抜け出そうとしたヘリをイヌが
軽く両手で押さえつけた。

「嫌?これでも?」

イヌの片手がゆっくりと動いて、ヘリの体の敏感な部分に触れた。

「あっ…!」

とっさに声をあげて、ビクリっと震えたヘリを見て、
イヌが満足げな笑みを浮かべた。

「…ここもマッサージしないとな」

悪戯っぽく言いながらも、聞くとゾクゾクするような
艶のある声色。

イヌの思惑は宣言されなくとも、ヘリには伝わっていた。

栄養ドリンクを飲んだばかりのイヌが、
これから、何をしたくて、どうなってしまうのかも。

ヘリは、コクリと息をのんだ。

イヌの目が座っている。

薄暗がりの中で、爛々と光る猛獣の瞳のような輝きで。

「こうなることを望んで、栄養ドリンクを僕にくれたんだよな?ヘリ」

「だから、違うって!」

往生際悪く、バタバタと足をばたつかせて逃げようとするヘリを、
効き目抜群の栄養剤を飲んだイヌが、難なく捕まえていた。

逃げ場を探してキョロキョロするヘリは、
サイドボードに置かれた栄養ドリンクの小瓶に目をやった。

…少量残っている!

腕を伸ばしたヘリより先にイヌが小瓶をつかみ取った。

「返してよっ。せめて私にも少し味見させて」

必死で、小瓶を取り返そうとするヘリに冷笑を浮かべた後、
イヌは、これ見よがしに小瓶の中身をすべて煽った。

「あーっ!」

悲痛な声をあげたヘリに悪魔のような表情を見せたあと、
イヌは、ヘリに口づけた。

ヘリの口の中に、ほろ苦くて、少し甘い栄養ドリンクの味が、
イヌの唇から流れ込んできた。

「味見出来ただろう?」

ふざけた囁きを合図に、イヌは、本気でヘリに栄養ドリンクのお礼を始めた。

…こんなことに使用するために、イヌにあげたんじゃないわっ!

心の中で、そう叫んでいたヘリだったが、
次第に甘い熱のこもったイヌのマッサージに完全に虜にされていき、

その夜の間中、

イヌだけでなく、ヘリも、身をもって、栄養ドリンクの効き目を十二分に体感したようだった。

どっぷりと、その効き目の恩恵にあずかって、
イヌとベッドの中で濃密な時間を過ごした後、

『夜に、意地悪でしつこい恋人に栄養ドリンク剤を渡してはいけない』

栄養ドリンクの取り扱いに、そんな注意も書き足すべきだと、
ヘリは、朦朧とした頭で、考えていた。


そして、翌日の朝の検察庁。

会議室に集まった刑事5部の検事達が、

「いや~。ユン検事からもらった栄養ドリンク効きましたよ~」

「昨日は仕事がはかどって、今日も元気がみなぎる感じです」

…と、ユン検事の栄養ドリンク剤を絶賛する中、

一人、「ええ、凄い効き目ですよね」と言いながらも、

ぐったりとした様子で、ユン検事に「栄養ドリンクもう1本下さい」と
お願いしているヘリの姿に、皆、不思議そうに首をかしげていたのだった。


(終わり)




この前雑記で書いた、栄養ドリンク妄想を短編で書き下ろしました。
久しぶりに、イヌ×ヘリのイチャラブを書いた気がする。
イヌの過剰サービスお礼マッサージの内容は、書けたら、おまけか、裏箱かな。←書く気満々(笑)

でも、書く気はあっても、体力がついていかない今日この頃。
ブログ不定期更新&シリーズ話再開は、長い目で見守って下さい。
よろしくお願いします。

「彼女(彼氏)にしてほしいこと2」みたいな内容ですが、
イヌに(普通の)マッサージしてもらいたいな~…という相変わらずの妄想です♪


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こんにちは。
みつばです。

ブログお休み中も、来て下さってありがとうございます。
そして、
拍手や、拍手コメントをして下さった方、ありがとうございました!
いつも、沢山励まして頂いてます。

近況は…体調は崩していないのですが、体力不足を実感。
現在、上の子供は4時間しか保育時間がないのに、
送りむかえに下の子連れて1日徒歩2時間費やすという、育児アスリート状態。

こうなることを数年前から想定していて、
それでも今の遠い幼稚園を選んだので、後悔はないです。
親子とも、いい出会いがいっぱいあったし、
道中、子供といろんな発見しながら、検プリ妄想する日々は
とても楽しかった。過去形で書いていますが、今もそう♪

今週もたてこんでいて、完全復帰では無いのですが、
ちょっと戻ってきました。

↓イヌ×ヘリイラスト。

イヌヘリ海2

…デッサンくるってますが、
大目に見てください~(汗)

「海へいこう」じゃないけど、
イヌとヘリは、毎年夏の海でいちゃいちゃしていそう(笑)


検事プリンセス、昨年夏書けなかった
季節話、「すいか」ともう1つ。今年はアップ予定♪
「クリスマス」シリーズが終わったら。
…しょうがないとはいえ、季節感なさすぎて、書いていて、
変な感じになってます。

落ち着いたら、またブログに戻ってきます。
応援や労いの言葉をかけて頂いてありがとうございます!


検事プリンセスは、みつばの永遠の萌えです♪

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しばらく、ブログをお休みします…というご報告です。

周囲が慌ただしくて、プライベートが忙しいのもありましたが、
疲労が蓄積しているみたいなので、一旦、ブログの方も休止します。

今年最初の方から、出産、そして、ずっと来客続きや、
私的な事でも、いろいろ重なり、それでも、
「私には検プリ妄想があるから大丈夫」という気持ちでいたけど、
気持ちばかりで、創作ができない日に、イライラしているのは、
逆に良くないみたいで。

ゆっくりでも、最後まで続けるためにも、少し休みます。
お休み後に、「NYへいこう」の続編や、
まだアップされていない「恋人としたい33のリスト2」とか、
「夢桜」前の、一番の長編になる話も、ちょっとずつ書き進めていこうと思います。


コメントレス的な話。

ヘリ役、キム・ソヨンさんと、「検事プリンセス」作家さんの新作ドラマの情報ありがとうございました!!
ソヨンさん、又、検事で、そして、イ・ジュンギさんと共演なんですね。
私は、日本の地上波でしか見られないので、見られても、ずっと後なのですが、
これは、私も楽しみです♪


検事プリンセス二次小説や、創作の応援、ありがとうございます。
休止中も妄想と創作は続けます。1日数行でも。

また、少し休んだら、戻ってきます。

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ58です。

他の4コマ漫画作品は、検事プリンセス漫画INDEXからどうぞ♪

4コマ漫画は、完全にコメディタッチなので、
「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
このブログの二次小説のイメージが崩れると思われる方は
スルーでお願いします。
どんなヘリもイヌもOKという方はご覧ください。



ほかほか家族2


ほかほか2


どこの家族?って、そりゃあ、
「みつばのたまて箱」ですから♪

久しぶりの4コマ漫画。
漫画を描く手が鉛のようだった。なまりすぎ(汗)

息子と同じ年の女の子の会話を聞いていて、
やっぱり、女は、小さくても女だと思いました。
みつばは、子供の頃、女の園のような環境で育ったので、
つくづく、女はめんどうくさいな~…という思いも(笑)

イヌは、息子も可愛がりそうだけど、
娘もとても可愛がりそう♪とくにヘリ似なら。

ブログ、二次小説への拍手、拍手コメントありがとうございます♪
小説も1日数行でも、書いていきたいです。

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検事プリンセス二次小説INDEX更新しました。

「真夜中の赤ずきん」を検事プリンセス二次小説INDEXの「優等生」と「カップケーキ」の間に。

「嘘つきは恋の始まり」を検事プリンセス二次小説INDEX2の未来の話に。

「NYへいこう」もINDEX2にそれぞれリンクをいれました。

もし、リンクがうまくつながらない、や別の物になっている、などの不具合を発見したら、
コメントか拍手コメントでお知らせください。

現在は、「NYへいこう」で真冬のクリスマス話更新してますが、
現実は、あっつくなってきました(汗)

寒い日もあったりで、服に迷う所ですが、夏服ですね。

暑い日、海の近くのイヌとヘリイラスト描いてみました。↓


イヌとヘリ海


やっぱり、キスシーン♪

同じような角度になっちゃうな(汗)


ヘリの水着姿も描きたいな~前回のリベンジで・・・。←絶対描く気でいる。


「NYへいこう」次の続編となる「聖夜の祈り」(未公開)、
更新まで、のんびりお待ちください♪
いつも待っていただいてありがとうございます。すみません。

※この記事は予約投稿になります。
コメントのお返事は遅くなりますが、
何かありましたら、拍手ボタン等でお知らせ下さい♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「招かれるもの」(7話)-NYへいこう8-です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
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この話は、みつばの検事プリンセス二次小説シリーズの
最新作「NYへいこう」の続編です。




招かれるもの(最終話)



ヘリが、先にニューヨークに来ていたイヌと会っていなかったのは、
たかだか10日やそこらだった。

その間、毎日、メールやネット電話もしていた。

ここに来る前にも携帯電話で話していたというのに。
ヘリは、イヌとずっと長い間会えなかったように感じていた。

…やっと、会えた。

そんな思いで、抱きついたヘリを受け止めたイヌは、
一瞬驚いた顔をしたが、すぐに、腕をまわして、
ヘリの体をギュッと抱きしめ返した。

「ヘリ…」

そう呼ぶイヌの声を聞きながら、
ヘリは、うっとりと、イヌの胸に、
甘えたように、頬をすりよせた。

「熱烈な再会だな」

からかうように、耳元で囁くイヌに、

「アメリカ流でしょ?」と、ヘリが答えた。

外気で冷たくなっているイヌのダウンジャケットの表面すら
暖めるようなヘリの熱い抱擁を止めたのは、交流を深めた外国の友人達だった。

ひゅうっ♪と、冷やかすような口笛に、ヘリは、ハッと我に返って、
イヌから体を離して、気恥ずかしそうに、その場のメンバーを見渡した。

「彼が、私の恋人の、ソ・イヌ。イヌよ」

ヘリの紹介に、一同は笑って頷いた。

「紹介される前に分かったわよ。とっても仲がいいこともね」

モニカの言葉に、ヘリが赤面した。

場の雰囲気で、このくらいの派手さは、ここでは当たり前だと思っていたヘリだったが、
そうでも無かったようだった。


「ヘリの彼氏か。じゃあ、ヘリと一緒にここに座れよ」

ジョーイが、そそくさと席を立つと、ヘリとイヌをぐいぐい押して、
ソファに座らせた。

「イヌ、ジョーイだ。よろしく」

さっきまでヘリにナンパしていた態度をころりと変えたジョーイに
周囲は呆れたような眼差しを向けていた。

「ああ」

ニコリとした笑みを浮かべて、イヌがジョーイの握手に応じた。

「イヌ、まだ、時間があるなら、ヘリと一緒にここで僕達と過ごさないか?
妹も僕達もそれを望んでいるから」

ロスの誘いに、イヌがチラリと、腕時計に目を落とした後、
隣のヘリを見やった。

新しい友人達と、まだ話をしたい、というようなヘリの明るい表情を見たイヌは、
コクリと頷いた。

「1時間くらいなら」

「よし、じゃあ、イヌの飲み物は俺がおごってやるよ。
このジョーイが男におごるのは、珍しいけど、
これも、クリスマスの奇跡みたいなもんだな」

そう言ってジョーイが、イヌのコーヒーをカウンターに注文しに行った。

…良かった。

ヘリは、モニカと顔を見合すと、ニッコリと微笑みあった。

そして、
ヘリとイヌは、その後、
モニカとその仲間達と、ソファに座って、交流を深めた

小一時間ほどセントラル・パークで過ごした後、
ヘリは、イヌの運転してきた車でイヌの養父の家に向かうことになった。

カフェ「セントラル・パーク」から郊外のイヌの養父の家までは距離があり、
車でも少し時間がかかるようだった。

しかし、新しい友人達との時間が、あまりにも楽しくて、別れる時には、
もっとずっと一緒にいたい、とさえ、感じたヘリだった。

ヘリだけでなく、イヌも同じように思ったようだった。

韓国では、こんな風に大勢の友人達と一緒にはしゃいだり、おしゃべりしたりするという事が無かったヘリとイヌは、この出会いを新鮮に感じていた。

「明日の夜、クリスマスイブイブに、みんなで集まってパーティーをするのだけど、
ヘリとイヌも良かったら来てよ」というモニカの誘いを、ヘリは、丁寧に断った。

「明日は、イヌのお父様と先約があるの。
パーティーは又いつか次の機会に行かせてもらうわ」

「そうなのね。ヘリ、じゃあ、またニューヨークに来る事があったら声をかけてね。
料理の腕がどれだけ上がったのか、この目で見たいから」

モニカも名残惜しげに、ヘリの手を握って言った。

「ええ、会えて良かったわ。モニカ。みんなにも。元気でね」

ヘリもモニカの手を両手で握り返した。

「うん、ヘリ、もうブローチを探して、フラフラしてちゃダメよ。
彼と仲良く、良い休暇をね」

「また会いましょう」

「ばいばい、イヌ、ヘリ」

ヘリとイヌは、こうして、にぎやかなメンバーに見送られて、
「セントラル・パーク」を出た。

イヌとヘリの姿が見えなくなると、
モニカはふーっと息をついて、後ろにいたジョーイを軽く睨んだ。

「ジョーイは、怖いもの知らずね」

「何が?」

モニカの言っている意味が分からないというジョーイに、
ロスやレイチェルたちも盛大なため息をついた。

「最初、店に入ってきた時の、イヌの目を見てないでしょう?
あなたは背を向けていたから。私達には見えていたけど」

「ヘリにちょっかいを出そうとしていたジョーイを
背後から視線だけで刺殺しそうな目をしていたわよ」

「うわっ。そうなのか。俺の背中、無事?」

あたふたと、本気で、自分の背中を見ようとするジョーイに、
…やれやれ。と一同が笑った。

そして、

「あの彼、“怖いくらい”ヘリにぞっこんなのね」

というモニカの言葉に、納得するように皆が頷いた。


店の中で、そんな会話が繰り広げられていた頃、
ヘリとイヌは並んで、イヌの車が留めてあるという駐車場に向かって歩いていた。

店を出て、しばらくして、

ゴロゴロと、ヘリのスーツケースを引いて歩いていた
イヌが、チラリとヘリの方を見た。

「君の友達は、楽しい人ばかりだな」

「ええ、イヌもそう思った?私も。
とっても楽しかったわ」

ヘリは、ふと、今までの自分の人生を振り返っていた。

学生時代は勉強ばかりしていて、友人と遊ぶことも少なかった。
それに、親友と呼べる人も今思うといないようなものだった。
ダイエットに成功して、服飾学科に転入してからは、
タガが外れたように自由を満喫していたが、ファッションに散財して、友人達と遊ぶよりも、
外見を磨くことに夢中になっていた気がした。

世間知らずで、空気を読まない、というヘリは、
無自覚だったが、人付き合いが得意な方では、無かったようだった。

検事になってから、新しい出会いで親しくなる人が出来ても、
ユナのように、親友と呼べるような関係にまでは発展することは無かった。

あくまで、社交的なつきあい。

モニカたちのように、気心の知れた仲間が近くにいるのはいいな、と
どこか羨ましく感じられたヘリだった。

「イヌは、この街で暮らしていたから、友達はたくさんいるんでしょ?」

そう聞いたヘリに、イヌが微かに笑って、頷いた。

「ああ。だけど、頻繁に連絡を取り合うほどの友人はあまりいないな」

「そうなの?」

…意外。

気さくで、陽気な面があり、それが外面だとしても、
人受けはしそうなのに。

そう思ったヘリは、不思議そうに首をかしげた。

そんなヘリの仕草に、イヌは、フッと息をついた。
そして、「心を許せる相手は、そう多くはない」とポツリとつぶやくように言った。

…あ…。

イヌの言葉で、ヘリは、自分が見落としていた事に気づいた。

12歳で母親といきなりニューヨークに来た頃のイヌは、
きっと、まだ英語も出来ず、周囲に馴染むことが出来なかったのだろう。
そして、父親の事もあり、その後も、友人に本心を見せることが無かったのかもしれない。
たとえ、表向きに見える性格が明るいものであっても。

『ソ・イヌは、本当の姿を隠して、誰にも心を開くことなんて無かったのかもしれない。
…親友にさえも。』

この前、韓国のバーで、ジェニーから聞いたイヌの過去の話を
思い出しながら、ヘリはボンヤリとそんな事を考えていた。

ヘリの考えている事を見ぬいていながら、
イヌは、素知らぬふりをした後、思い出したように言った。

「そういや、君の友人が去り際に言っていたセリフが気になったんだが、
『もうブローチを探してフラフラしないように』って、あれは何だ?」

「ああ、それは…その」

ヘリは、イヌから目を伏せて、気まずげに言葉を濁した。

「…私、さっきブローチをなくしちゃったのよ。
あの、あなたからもらった王冠のブローチ。
探したのだけど、見つからなくて…」

肩を落として、モジモジと告白するヘリをイヌがじっと見つめた。

そして、歩みを止めると、ダウンジャケットの胸ポケットに手を入れて、
何か取り出すと、ヘリの方に手を差し出して開いてみせた。

イヌの手の上に銀色に光る小さな物がのっていた。

ヘリが、無くしたはずの王冠のブローチとまったく同じ形の物が。

「私が落としたブローチ!!」

ヘリは驚いてブローチに飛びついた。

ブローチにヘリがつけてしまったボールペンの赤いインクも少しついていて本物だと分かった。

「どこに!?どこにあったの!?」

イヌはヘリの反応に、面食らったような目をしていたが、浅い息を肩でついた。

「…道路に落ちていたよ。“偶然”見つけた。
まさかと思って持ってきたんだが…本当に君のだったとはね」

「そうなの。落とした事に気づいて、探していたのよ。」

「モニカの言葉から察するに、
君の事だから、このブローチを探すのに夢中になって道に迷ってたんだろ?」

「あら?どうして分かっちゃったの?」

イヌは、今度は盛大にため息をついた。

「そういう向こう見ずな所はいい加減自重しろよ。
危なっかしくて、しょうがないな。いい年した大人という自覚を持ってくれ」

その言い方があまりにも、記憶の中の少年イヌに似ていて、へりは失笑した。

「…こういう言い方、やっぱりあの子みたい」

ポツリと呟いたへりに、イヌが訝しげな顔をした。

「あ、ううん。何でもない。こっちの話よ」

へりがあわてて言った。

「でも、良かった~。こんな小さな物なのに、
イヌに拾われるなんて。凄いわ。やっぱり、このブローチは
ただのブローチじゃないのかも」

嬉しそうに、ブローチを眺めているヘリの横顔を
イヌがじっと見つめていた。

…道路で拾った事は事実だった。

ただそれは15年ほど前の話…。

イヌは街で会った、ブローチを探していた女性に道案内をして別れた帰り道、
道端でこのブローチを見つけた。

これが探していた物かもしれない、と、急いでカフェに行ったが、女性はいなかった。

韓国の検事だと言っていた、風変わりな女性。

一見、全くそんな人には見えなかった。

危なっかしくて、落ち着きのない行動も、検事とは思えなかった。

ただ、ついもらしてしまった自分の話は、
落ち着いた優しい眼差しで静かに聞いてくれた。

話す言葉は知的な物でも、
感嘆するほど理路整然としていたものでもなかったが、
心の中にしみていく温もりを感じた。

短い時間だったが、一緒にいて楽しくて、安らいだ気持ちになれた。

名前も聞かなかったけど、いつか、韓国に戻って、
あの検事という女性に会えたら、このブローチを返そう。
とても大切にしていた物みたいだったから。

そう思って、机の引き出しの中にしまっていたブローチ。

しばらく忘れていたが、今回、養父の家に戻って
ふと、自分のデスクの引き出しを開けた時に見つけた。

『セントラル・パークっていうカフェをしらない?』

女性が言っていた店の名前が、
へりが友人と会うと言っていたカフェの名前と同じだった事を思いだして
…まさかな…と自分の中に浮かんだ馬鹿げた考えを否定しながらも、持ってきてしまった。


「ほら、赤いインクが少しついてるでしょ?
飛行機の中で、つけちゃったんだけど。水性だから落ちるわよね?
…うーん、やっぱり落としたせいかしら。ちょっと古びた気もする」

そう言いながらハンカチでブローチをこする事に夢中になっているへりは、
感慨深げに自分を見つめているイヌに気づいていないようだった。

イヌの中で、ずっと、顔も思い出せなかった女性の面影が、
なぜか今はっきりと蘇って、側にいるヘリの姿に重なっていた。

しかし、 さっき落としたブローチが、15年の月日を経て、
持ち主に返ったなどと、誰がそんな話を信じるだろう?

『幸運は人が招くものよ』

顏は思い出せないのに、その言葉はずっと記憶に残っていた。

韓国に戻って、へりと再会した後、ヘリの潜入捜査の前に
偶然、街の宝飾店のウィンドウで見つけた同じ形のブローチ。

顔はほとんど忘れていたが、破天荒に見えた美しい女性検事を思いだして、
つい買ってしまい、へりにお守りがわりにわたした。

そのブローチが、時を超えて、過去の自分とヘリを結びつけたのだろうか。

考えても答えはでない不可思議なパラドックス。

でも…多分君なら信じてくれるだろう。

イヌは、思った。

こんな夢のような話を。
あの時みたいに。

真剣な顔で、優しい眼差しをむけて。
真面目に聞いてくれるに違いない。

「カフェに来るまでに何があったのか詳しく話せ」

そう言ったイヌにヘリはきょとんとした後、戸惑ったように目を泳がせた。

「んー…話してもいいけど、怒らないって約束してくれる?それに笑わないって」

「それらは確約出来ないけど、話してくれるなら僕も君にとっておきの話をしてあげるよ」

「え?何かしら?是非聞きたいわ!!」

目を輝かせたヘリを手で引き寄せると、
イヌは、ヘリの肩を抱いて歩き始めた。

そして、

「まずは君から話せ」

イヌがヘリを見下ろすと、ニヤリと笑って言った。


「レディ・ファーストだ」



(「招かれるもの」終わり)


登場人物

マ・ヘリ(マ検事)
ソ・イヌ(ソ弁護士)

モニカ…NYに住むヘリのネット友達(海外ドラマ「フレンズ」より)
ジョーイ…モニカの友人
レイチェル…モニカの友人
フィービー…モニカの友人
ロス…モニカの兄


イヌがヘリにあげた王冠のブローチにまつわるエピソードでした。
「NYへいこう」次は、イヌの養父さんがいよいよ登場。
次回作もタイトルをかえて、「NYへいこう」の続編になります。
更新時期はまだ、わかりませんが、完成次第アップします。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「招かれるもの」(6話)-NYへいこう7-です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
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このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

この話は、みつばの検事プリンセス二次小説シリーズの
最新作「NYへいこう」の続編です。




招かれるもの(6話)



「このお店って、「セントラル・パーク」ですよね?」

ヘリは、ジョーイと名乗った若い男に聞いた。

「そうだよ。そして、そこにいるのが、店のマスターのガンター」

ガンターと呼ばれた、エプロンをつけた男は、
ジョーイとは正反対に無愛想な顔でヘリを見ていた。

「店員の愛想は悪いけど、コーヒーはまずまずイケる店だ」

ジョーイが、ヘリの方に顔を寄せると、ガンターにも聞こえるような
音量で、言った。

いきなり慣れ慣れしいジョーイに、やや引き気味になりながらも、
ヘリは、ホッと胸をなでおろした。

ようやく、友人とイヌと待ち合わせているカフェについたようだった。

ヘリは、先ほどまでの不思議な体験を、転んだ拍子で混乱した、
自分の勘違いだった、と、思い込むことにした。

「私、この店で友達と待ち合わせしているの」

そう言うと、ヘリは、ガンターの方をチラリと見た。

もし、ツリーが壊れていたら、弁償するつもりでいたのだったが、
ガンターは、そんなヘリの視線に気づくと、
『いいから、店に入れ』という風に、そっけなく手を振った。

「へえ?待ち合わせの友達って、君みたいな美人?」

ヘリの後を、ウキウキした調子のジョーイがついてきた。

ヘリは、ジョーイを軽い笑みで受け流しながら、店内を見渡した。

友人が言っていた広めのソファ席があったが、
そこには、友人の姿は無かった。

ヘリは、携帯電話をバッグから取り出した。

すると、先ほどまで、沈黙していた画面に光が入り、
携帯電話の電源も入っていた。

ヘリは、友人にメールを打った。

『とっても待たせちゃってごめんなさい。今、店についたわ。
どこにいるのかしら?』

メールの返事はすぐにかえってきた。

『良かった。ちょっと遅いから、心配していたの。
外に出て、そのあたりを探していた所よ。すぐに戻るわ』

…ああ、これで安心だわ。

ヘリは、ようやく、人心地つくと、喉の渇きを思い出して、
カウンターに向かった。

「コーヒーをください」

カウンターの向こうに、先ほど店先にいたガンターが
立っていて、無愛想に頷くと、カップにコーヒーを注いでヘリに渡した。

ヘリは、スーツケースを足元に置いて、カウンターの席に座ると、
カップのコーヒーを口に運んだ。

ヘリは、自分の腕時計も元通りの時間を刻んでいることに気付いた。

店内にあった時計を見ると、ヘリの時計と同じ時間だった。

…ずいぶん時間がたったような気がしたけど、
30分くらいしかたってなかったのね。

ヘリは、首をかしげながら、先ほど別れた、少年のソ・イヌの事を思いだしていた。

…あの子は、無事家に帰れたかしら?

ぼんやりとそんな事を考えていたヘリの横にスッと並ぶ人の気配がした。

「ねえ、旅行?」

先ほどのジョーイという男だった。

ジョーイは、横の空いた席に半座りの姿勢で、ヘリの方に身を乗り出していた。

鈍いヘリにも分かるような、ナンパだった。

「そうよ」

軽いが、人好きする、憎めない感じの男に、ヘリは、ついそう答えていた。

「さっき、言っていた友達ってどこにいるの?」

「私を探しにいって、今来るみたい」

「そうか。楽しみだな。きっと、君みたいに綺麗な娘なんだろうな」

ウキウキした口調のジョーイに、ヘリは思わず噴き出した。

待ち合わせしている友達が女性だとも、
そして、誰も紹介するとも言っていないのに、ジョーイの浮かれた態度が、
可笑しかった。

でも、女性を不快にさせるというより、むしろ愉快な気分にさせるのが、
このジョーイという男の魅力なのだろう、とヘリは思った。

ちょうど、その時、店の扉が開いて、一人の女性が店内に入ってきて、
ソファ席の方に向かっていた。

先にソファに座っていた数人が、近づいてきた女性に
手を振った。

「おかえり。友達は見つかった?」

「いいえ、もう店についたってメールがきたから戻ってきたわ」

「そうなの?ここには来てないけど」

「おかしいわね」

「おかしいっていえば、見てよ。ジョーイってば、あそこで旅行者みたいな女性を口説いているのよ」

「ん?」

女性が、ヘリとジョーイが座っているカウンターに目をやった。

そして、ヘリの顔を見ると、首をかしげて、カウンターの方に近づいてきた。

カウンターでは、ジョーイが、ヘリに、楽しげに話しかけている真っ最中だった。

「ところで、君の名前、聞いてもいい?」

そう、ジョーイが言った時、

「ヘリ?」

名を呼ばれて、ヘリは、反射的に、声のした方向を振り返った。

ヘリの後ろに、艶やかな黒髪で、ほりの深い顔立ちの美女が立っていた。

「あなた、ヘリ?」

「モニカ?」

ヘリが目を見開いて、美女を見た。
ネットでのやり取りで知っていた、モニカという女性の顔がそこにあった。

「あなた、モニカよね?」

「そう、モニカよ。ヘリ。やっと会えたわね」

モニカが嬉しそうに言って、ヘリの側まで駆け寄ってきた。

「モニカ!初めまして。いえ、初めましては変ね。
ずっと、ネットでは会っていたものね。でも、会いたかったわ」

「私もよ、ヘリ。よく来たわね」

手をとりあって、いい年をした女性たちが
きゃあきゃあ、と、はしゃぐ姿を、ジョーイがほほえましげに見ていた。

「なんだ。モニカの友達だったのか」

知りあい?というようなヘリの目に、モニカが頷いた。

「ヘリ、私の友人達を紹介するわね。
もう、知り合いになったみたいだけど、ジョーイよ。
前、同じアパートの隣人だったの。」

「よろしく」ジョーイが言って、ヘリにウインクした。

「それから…」

モニカがヘリを促して、ソファ席の方に向かった。

「友達の、レイチェルに、フィービー。それから、兄のロスよ。
みんな、彼女はネット友達のマ・ヘリよ」

「ハイ」

「こんにちは、ヘリ」

ソファ席に座っていた若い男女が、にこやかに挨拶して、
それぞれ手を差し出してヘリと握手した。

「ヘリは、どこから来たの?」ジョーイが聞いた。

「韓国よ」そう答えたヘリにジョーイは、

「カンコクってオオサカの近く?」と言った。

呆気にとられたヘリに、あわててモニカが言った。

「ごめんなさいね。この人地理によわいものだから」

「地理というより…」

ロスが何か言いたげに肩をすくめてみせた。
そんなロスを無視して、モニカが続けた。

「ヘリは、私の料理サイトを見て、メールをくれたの。
料理の腕をあげて、恋人を驚かせたいからって」

「あー…彼氏がいるのか~」

残念そうに、うなだれてみせたジョーイに、
ロスが慰めるように肩をポンっと叩いた。

「ヘリ、恋人は、先にニューヨークに来ていて、
むかえに来てくれるのよね?」

モニカの問いにヘリが頷いた。

「ええ、この店で待ち合わせだから、
来たら、紹介するわね。それで、モニカ、あなたの旦那様は?」

「あなたを待っている間、急な仕事で呼び出されて、行ってしまったのよ。
チャンドラーも、あなたにとっても会いたがっていたのだけど」

「そう残念だわ」

「今度、また紹介するわね」

「ええ」

こうして、ヘリは、ソファ席に座って、モニカたちと談笑を続けた。

モニカの兄も仲が良いという友人達も気さくで面白い人達だった。

ヘリは、今までいなかった新しいタイプの友人達と楽しい時間を過ごした。

おかわりのコーヒーを持ってきながら、ヘリは、ふと、
店の壁に目をやった。

そこには、2010年のカレンダーがかけられていた。

…やっぱり、さっきのは、何かの勘違いだったのよね。

「どうしたの?ヘリ」

カレンダーを見て、立ちつくしているヘリに、モニカが不思議そうに声をかけた。

「じつは、さっき、おかしなことがあったの」

「おかしな事?」

「ええ、違う店からこの店に来ようとしている間に起きた出来事なんだけど、
店の人や、通りの人がみんな、今年は1995年だって言うの」

「ええっ?」

「ねえ、アメリカでは、クリスマス前にエープリルフールみたいなイベントがあるの?
それとも、陽暦、陰暦の他に“陽年、陰年”みたいな物があるのかしら?」

ヘリの質問に、モニカだけでなく、他のメンバーも呆気にとられた顔で、
ヘリを見つめた。

ヘリは、あわてて、ここまで来る間に自分の身に起きた事をかいつまんで、
皆に説明した。
すると、一同は、ますますヘリを気の毒そうに見つめた。

「ヘリってフィービーと同じくらい『アメージング』な人ね」

レイチェルが、ボソリと誰に言うともなく言った。

「それって褒め言葉よね」ウキウキとして言ったフィービーにモニカとロスが苦笑した。

「ヘリ、それは、たぶん、時差ボケで疲れている脳が見せた幻だと思うわ」

モニカが、ヘリをフォローするように言った。

「それとも、クリスマス前の不思議現象かもしれない」

ロスが真面目くさった顔で、そう言って、一同のしらけた視線を集めた。
…やれやれ。ここにも変な人がいるわ。

皆がそう、苦笑しながら、顔を見合わせた時、
唯一、ヘリだけが、「不思議現象?」とまともにロスの言葉にくいついた。

「うん。明後日は、クリスマスイブだから。きっと、
クリスマス近くになると、そういう奇跡みたいな事が起こるんじゃないかな。
ヘリにとって、意味のある奇跡だったんだと思うよ」

他のメンバーがこっそりと失笑する中で、
ヘリは、ロスの言葉を、頭の中で繰り返した。

…時差ボケとか、店先のクリスマスツリーにつまずいて、転んだ拍子に
頭を強く打ったとか…あんなリアルな事が、全部夢だったなんて思えない。
ロスの言うとおり、奇跡の時間だったのかしら?じゃあ…。

ヘリは、少年のソ・イヌの顔を思い出そうとした。

…じゃあ、あの少年は…。

「クリスマスの奇跡か~。うんうん」

ロスに同調するように、ジョーイが腕を組んで、頷いていた。

そして、
「もしかしたら、ヘリ」と、
ジョーイがヘリの横に何気なく腰をかけると、
顔を近づけて、熱っぽい眼差しで見つめて言った。

「俺たちの出会いもクリスマスの奇跡かもしれない。
そう、運命的な」

「え…?」

とっさの事に、目をしばたたかせて、固まったヘリの肩に、
ジョーイが手をのばした。

その時、

「それは、無いな」

と言う、低く冷たい声が、ヘリ達の背後から聞こえた。

ヘリは、その懐かしくて、待ちわびた声に、
勢いよく振りかえった。

「彼女の運命は、君の手には負えない」

店に入ってきて、いつのまにか側に立っていた
一人の男に、ソファ席に座っていた全員が、注目した。

「イヌ!」

ヘリは、立ち上がると、駆け寄って、思いっきりイヌに飛びついた。


(「招かれるもの」6終わり 7に続く)


登場人物

マ・ヘリ(マ検事)
ソ・イヌ(ソ弁護士)

ガンター…カフェ「セントラル・パーク」のオーナー

モニカ…NYに住むヘリのネット友達(海外ドラマ「フレンズ」より)
ジョーイ…モニカの友人
レイチェル…モニカの友人
フィービー…モニカの友人
ロス…モニカの兄


ようやく、イヌ登場。
「聖夜の願い」のモニカも、ようやく登場(笑)

このメンバーは、みつばが過去はまった海外ドラマ「フレンズ」の人々です。
英語のヒアリング訓練でずっと見ていた時も。
厳密な年齢は、イヌやヘリよりモニカ達の方がずっと上なのですが、
二次創作のパラレルの範囲で。
この辺はオリジナルキャラを出しても良かったのだけど、
もうドラマは終わっている「フレンズ」の人達が恋しくて、小説に出したくなりました。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「招かれるもの」(5話)-NYへいこう6-です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
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この話は、みつばの検事プリンセス二次小説シリーズの
最新作「NYへいこう」の続編です。




招かれるもの(5話)



1年以上前、賭博の現場に潜入捜査をする前に、
成功するか、どうか、緊張していたヘリに言ったソ・イヌの言葉。

「幸運は人が招く。さあ、幸運の王冠だ」

王冠の形は、幸運を招くモチーフとして用いられる事は知っていた。

その時は、自分を励ますために言ったイヌの言葉だと思っていたヘリだったが、
後になって、実は、深い意味があったのでは?と気づいた。

その本当の意味をイヌに問い正したことは無かったが、
ヘリの中で、イヌのその時の言葉はその後の指針になっていた。

でも、今、横にいる少年に、自分が解釈した意味を教えるのは、
難しいと、ヘリは思った。
イヌにも、よく言われていたが、何かを理論立てて、
人に説明したり、説得したりするのは不得手だと自覚していた。

ただ、気持ちは伝えたい。

そう思ったヘリは、自分なりの言葉で、
イヌに語りかけることにした。

「あなたならきっと成し遂げるわ」

少年イヌは、瞬きせずにヘリを見つめていた。

ヘリが続けた。

「この先、どんなに辛い事や苦しい事があっても。
あなたは本心では人も祖国も愛しているんだもの。何より強い信念を持ってる。
だから、大丈夫よ。あなたの人生を捨てないで。
そして、あきらめないで、幸運をつかんでちょうだい」

じっとして、ヘリの言葉を聞き終えたイヌは、微かに笑った。


「誰もあきらめてないし、人生捨ててるわけじゃない」

イヌが、言った。

「でも、幸運は人が招く…か」

イヌが、ヘリの言葉を声にのせて繰り返した後、
感慨深げな顔で、何か考え込んでいた。

そして、ややあって、
「キザなセリフだな」とボソリと言った。

イヌの言葉にヘリが吹き出して笑った。

「確かにそうね」

おかしそうにケタケタ笑うヘリにつられて少年イヌも笑った。

イヌの笑みは、ヘリを馬鹿にしたものでも、呆れているものでも無かった。

少しだったが、明るい表情になっている少年の顔に、
ヘリは、ほっとした。

「じゃあ、そろそろ行くわ」

立ち上がったヘリをイヌが見上げた。

「もう、足、痛くないの?」

「ええ、休んだから、平気。
それに、早く行かなきゃ。カフェで友人を待たせているし、
後から来る人も待たせたくないから」

「それって…もしかしたら、さっきのブローチをくれた人?」

「ええ、“キザな男”よ」

おどけて言った後、ヘリは、フッとため息をついた。

「…ブローチはあきらめるしか無いわね」

イヌからもらった思い出のつまったブローチだった。
でも、執着するあまり、さっきのような危ない目に合うことは、もう避けたかった。


「そうした方がいいよ」

そんなヘリをジッと見ていた少年イヌが、言った。

「ブローチは替えがきくけど、人生は替えがきかない」

子供とは思えない、きっぱりとした口調の発言に、
ヘリは、感心しながらも、不思議と完全に説得されていた。

イヌが、この場にいても、そんな事をいいそうだ、とヘリは思った。

「ええ、そうね」

厳しい事を言いながらも、
ヘリの事を心配しているようなイヌの言葉に、
ヘリは、柔らかい笑顔を見せた。

「また、道案内をお願いしていいかしら?」

「道案内はするよ。でも、ずっと気になっていたんだけど…」

少年イヌが、ヘリの手元に視線を落とした。

「さっきまで持っていた大きな旅行カバンはどうしたの?」

「え?」

「最初に会った時は、持っていたよね?」

少年イヌに指摘されて、ヘリは、ようやく
自分が、スーツケースを持っていない事に気づいた。

「あ・・・」

記憶を呼び起こしたヘリは、
先ほど入ったカフェにスーツケースを置いてきた事を思いだした。

ブローチの事しか頭になくて、店をあわてて飛び出し、
すっかり忘れていたが、おそらくは、座った席の側に置き去りにしてしまったのだろう。

「…さっき入ったカフェに置いてきちゃったみたい」

叱られる前の子供のような表情で、モジモジと言うヘリに、

「お姉さん…」と、

もう、呆れるのも飽きた、という風に少年イヌが吐息をついた。

「置き引きにあってなければいいけど。
パスポートは?」

「ええ、パスポートは持っているわ。お金も。
ケースに入っているのは、旅行のための替えの衣類やお土産」

「じゃあ、無くしても諦めがつくね」

また、ヘリが、無くしたケースを探して、危ない事をしそうだと、
考えた少年イヌの、釘をさすような言葉だった。

「ん…」

…でも、お土産の中には、クリスマスプレゼントも入れてたのよね。

イヌの養父へのプレゼント。
そして、恋人イヌへのプレゼント。

クリスマスのために、ヘリがずっと手作りしていた物だった。

本心では、諦めがつかない、というヘリの顔に、少年イヌがため息をつくと、
おもむろに歩きはじめた。

「早くその店に戻ろう。店員が置いていてくれているかもしれないから」

「ええ」

はたから聞いても、きっと、どちらが年上か分からないような
会話だった。

ヘリは、少年イヌに道案内されて、無事、再び
大きな表通りに出ることが出来た。

ヘリがさっき入った店の看板を見つけると、立ち止まった。

「もう、ここでいいわ」

「ほんとに大丈夫?」

まだ、心配そうなイヌに、ヘリは力強くうなずいた。

「ええ。もう、ドジしたりヘマしたりしないわ」

・・・なら、いいけど。

ボソリとつぶやき、
少年イヌは、ヘリの顔をジッと見つめた。

「さっきのブローチの事だけど、
お姉さんにとって、とても大切な物だった?」

口ではなんと言おうと、ヘリの心情を気遣ってくれていた事が
分かった少年の問いに、ヘリは思わず微笑んだ。

「そう。とても大切な人からもらった物だったから。
でも、ブローチは、もう探さない。
きっと、幸運の必要な誰かが拾ってくれると思う事にするわ」

1年以上前、イヌが渡米して、ヘリの側にいなかった間、
あの王冠のブローチは、見るたび、ヘリを励まし、慰めてくれていた。

大切にしていたけど、今は、もう側にイヌがいる。

そのイヌを心配させるような事はしたくない。

ヘリは、失った王冠のブローチを心に浮かべて
…今まで、ありがとう。と述べると、
さっぱりした表情で少年イヌを見下ろした。

「助けてくれて、道案内してくれて、ありがと。
立派な弁護士さんになって、お父さんと、他の沢山の人も助けてあげてね。
あなたなら大丈夫。きっと上手くいくわ」

そう言って、ヘリは、スッと少年に手を差しだした。

戸惑ったように、ヘリの手を少し見つめた後、
少年イヌが、その手をとって、ソッと握って離した。

「観光、楽しんで」

ヘリにそう言うと、イヌは、踵を返して、
今歩いてきた道を一人引き返し、振り向きもせずに歩いていった。

ジャケットのポケットに手をつっこんで歩いている
少年イヌの後ろ姿は、まるで厳しい冬の寒気の中で、
孤独と冷風に耐えて、凛と立つ低木のように見えた。

焦燥と不安を抱えながらも、

一歩、一歩、未来に踏み出している今は、
彼にとって少年から青年へと成長する境目のようだった。

ヘリには少年の小さな体が一回り大きく感じられていた。

…頑張って。

ヘリは、そんな少年の背中にエールを送ると、
裏通りのコーナーに消えるまで、その姿を見送った。

少年の姿が見えなくなると、ヘリは、先ほど飛び出したカフェの中に入った。

ヘリが店に入ると、ヘリの顔を覚えていた店員がホッとした表情で近づいてきた。

「荷物を置いて行かれたでしょう?いきなり出て行かれたものだから、
警察に届けるかどうか迷っていたところでした」

店員は、そう言うと、店の奥からヘリのスーツケースを押して持ってきた。

「慌てていて忘れちゃってました」

…良かったわ。ちゃんとあった。

安堵のため息をついて、ヘリは、店員にお礼を言うと、
このあたりに「セントラル・パーク」というカフェは無いか?と聞いた。

「さあ、そんなカフェは知りませんね」

…住所は、このカフェのあたりなのに。

首をかしげる店員に、ヘリも同調したように首をかしげて、
店内を見渡した。

店の中は、クリスマス仕様で飾られていた。

ヘリは、ふと、そこで、ある物に目をとめた。

「あれ、なんですか?」

ヘリが指さした方向に店員が不思議そうに目をやった。

「あれって、どれです?」

「あの、垂れ幕の飾り。1995年クリスマスとか書いてあるみたいに見えますけど」

「そうですよ」

「1995年に何かあったのですか?」

「今年、1995年だからですが」

店員が、呑み込みの悪い客だな、というようにヘリに言った。

「1995年?」

ヘリがきょとんとした。

「今年は、2010年よね」

「…お客さん、もうクリスマス気分で酔ってる?
今年は、1995年ですよ。ほら、そこのカレンダーもそうなってる」

「え…?」

ヘリは、店員に示された方角の壁にかかっているカレンダーに目をやった。

そこには、1995年という数字が書かれていた。

…嘘。

ヘリは、目の前の事が信じられない思いで、近くの席に座っていた客をつかまえて、
「今年は、西暦何年ですか?」と聞いた。

「1995年だけど?」

「アメリカでは、西暦の数え方が違う事になっているんですか?」

「…おそらく、一緒だよ」

そう答えて、ヘリに質問された客は、ヘリを胡散臭そうに眺めた後、
連れや店員と顔を見合わせて、“この人大丈夫なのか?”という仕草をした。

そんな周囲の人々の疑惑と好奇の目も、ヘリの視界に入っていなかった。

茫然と佇んで、ヘリは、頭の中で一生懸命現状の把握に努めていた。

…どうなっているの?

ヘリは、よろよろしながらも、
今度は、スーツケースをしっかり持って、店の外に出た。

そして、道を歩いている人をつかまえては、店の中でした質問を繰り返した。

しかし、どの人に聞いても答えは同じだった。

「1995年」

必死の形相で、おかしな質問を繰り返しているヘリを、
人々が、本当に、“クスリ”の常習者か?と思っているような顔で、
よそよそしく遠ざかっていった。

ヘリは、キョロキョロと、周囲を見渡した。
そして、通りの向こうに、公衆電話が立っているのを発見した。

…イヌ、イヌに電話しなくちゃ。

今は、ただイヌの声を聞いて、安心したかった。

夢でないなら、これは、何かの間違いに違いない。

ヘリが、公衆電話めがけて、走り出そうとした時。

そばに置いてあったクリスマスツリーのオブジェに気づかずに
つっこんだヘリは、体のバランスを崩して、派手に転倒した。

「きゃあっ」

視界が真っ暗になった後、ヘリは、瞼の向こうで
チカチカする光に気づいて、おそるおそる目を開けた。

…あれ?

「…なにやってるんだ?」

訝しげな男の声に、ヘリはハッとなって、顔を上げた。

身長ほどのクリスマスツリーが、
体の上にのしかかるように、倒れていて、
ヘリは、建物の壁とクリスマスツリーの間に挟まれた形で
座り込んでいた。

チカチカした光は、ツリーを彩る電飾のものだった。

ヘリは、目の前にあったクリスマスツリーの飾りのオーナメントに書かれた
“聖夜には奇跡がおきる”という文字を、パチクリした目で見つめた。

「さっさと起きろ。大丈夫か?」

ぶっきらぼうだったが、ヘリを心配するような男の声に我に返ったヘリは、
あわてて立ち上がった。

エプロンをつけた中年の男が、クリスマスツリーを立て直すと、
ホコリを払った。

「あんた、もう、こんな時間から酔っているのか?」

男の言葉で、ヘリは、周囲が先ほどより明るくなっている事に気づいた。

「ごめんなさい。このお店のツリーでした?」

ヘリはそう言って、振り返ると、唖然とした。

ヘリの後ろにあった建物のカフェの入り口。
そこには、“セントラル・パーク”という文字があった。

ブツブツとまだ独り言のように文句を言っている男に、
ヘリは、店の文字から目を離さず、
「今、西暦何年ですか?」と、ほおけたように聞いた。

「2010年だが?」

…2010年。
そして、この店が「セントラル・パーク」?
じゃあ、今さっきまでの出来事は何だったの?

状況が呑み込めず、ぼーっと突っ立ったままのヘリを
男が、胡散臭そうに、じろじろと眺めていた。

警察に通報するか、どうか、迷っているような顔だった。

その時、店の扉が開いて、
中から、一人の若い男が出てくると、「どうした?ガンター」と言った。

「外で派手な音が聞こえたから、気になって見にきたんだけど」

「いや、ちょっと変わった人がいて」

「変わった人?」

若い男は、興味深げな視線をヘリに向けた。
そして、砂埃まみれではあったが、スタイルの良い美しい
ヘリを一目見て、愛想のいい笑顔を浮かべた。

「へい。君、観光客?俺はジョーイ。ようこそ、ニューヨークへ」

ルックスの良い青年ではあったが、軽すぎるノリで、握手を求める男に、
ヘリは、「どうも」と、ひきつった笑みを返した。



(「招かれるもの」5終わり 6に続く)



登場人物

マ・ヘリ(マ検事)

ソ・イヌ少年

ガンター…カフェ「セントラル・パーク」のオーナー

ジョーイ…「セントラル・パーク」の常連


ドラマ中、イヌがヘリにくれた、王冠のブローチ。

プレゼントのタイミングにしては不自然なので、
てっきり、ブローチの中に発信器を仕込んでいると思ってました。
が、ドラマを見ても、そんなシーンは無く。
ヘリを見失ったイヌが、あらゆる場所を探しまくってましたよね。
ただのブローチだったのか?と不思議に思った場面でした。
後で、ヘリが、イヌにプレゼントをあげようと思う事になる伏線にはなってました。

王冠もティアラも幸運のモチーフによく使われているようです。

ラストに出てきた店員ガンターとジョーイ。
「過去の亡霊」「聖夜の願い」以来の、別ドラマキャラクターとのコラボです。
誰なのか?のヒントは「聖夜の願い」で♪小説もようやくここまできました(汗)

ブログへの拍手、拍手コメント、ありがとうございます!
1995年ってことは…、な、お話です♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「招かれるもの」(4話)-NYへいこう5-です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

この話は、みつばの検事プリンセス二次小説シリーズの
最新作「NYへいこう」の続編です。




招かれるもの(4話)



少し離れた位置で、隣あって木箱に腰を下ろしていたヘリと
少年イヌの間にしばらく沈黙が流れた。

それでも、イヌは、ヘリを置いてどこかに行く様子は無かった。

ヘリが、一休み出来たら、また、表通りまで
連れて行ってくれるのだろう。

何も言わなくも、そんな少年の気遣いが予想できたヘリだった。

…人には、触れられたくないこともあるものね。

ヘリは、無言で片膝を抱えて、うつむき加減で座っているイヌの
横顔をチラリと見た後、バッグから携帯電話を取り出した。

やはり、電源ははいらず、画面は黒いまま静止していた。

携帯画面を指でちょいちょい、つついている、ヘリの怪しげな動作に
気付いたイヌが、物憂げに顔を上げた。

「…何してるの?」

「んー…。携帯電話が復旧しないかなって、試してるの」

「ボタンどこにあるの?」

「この機種の携帯電話にボタンは無いのよ。
こうやって、指で触れれば作動するの」

携帯電話の画面を見るのに夢中になっているヘリは、
イヌの訝しげな視線に気づいていなかった。

「…お姉さん、クスリやっているわけじゃないよね?」

「クスリ?」

さっき、絡んできた男たちにも言われたけど。

「あなたの言うクスリっていうのは、どういう意味?」

「使用すると、おかしくなるっていう意味」

イヌの言葉に、さすがに、ヘリは、自分がどう見られていたのかが
分かって、憮然となった。

「ちょっと、私が、そんなものをしていると疑っているの?」

「だって、お姉さん、言動がおかしいから。
さっきの男たちだって、本気で勘違いしていたのかも」

クスリをやって、違法な商売している女性だって。

「失礼ね。私のどこが変なの?」

むくれたヘリに、イヌは、肩をすくめてみせた。

・・・全部。

と言いかけたイヌは、
思い留まった様子で軽く息をついた。

そして、ヘリの顔をじっと見つめた。

「なに?」

「お姉さん、ほんとに検事なの?」

「え?」

「さっき、あいつらに、そう言っているのが聞こえたから」

『私の職業は検事よ』

…ああ、あれ、聞いていたのね。

「そうよ」

少年のイヌは、疑わしい目をヘリに向けた。

「本当よ。韓国で検事をしているの」

疑いの中にも、少し自分を見る目を変えている少年イヌに、へりが得意げに答えた。

「検事には見えないよ」

イヌの言葉に、ヘリは、自分の今の姿を見下ろした。

恋人の育った家に行き、養父と会うということで、
ファッションは、派手さを抑えた、上品なコートやブーツを選んで、
化粧も控えめでナチュラルにしていた。

「検事に見えない?」

「…どう見てもね」

イヌの言っているのは、外見のことでは無かったのだったが、
説明するのも、もどかしいという感じで、イヌは目を閉じていた。

「検事ってことは、司法試験を受けてなったんだよね?」

「ええ、もちろんよ。こう見えても、首席だったんだから」

「ふーん…」

イヌは、目を開けると、何がおかしいのか、
クッと、口元をゆがめた。

そして、

「法曹界のレベルって低いのかな」

と、呟くように言い捨てた。

「…あなたって、周りの人から、ひねくれているって言われない?」

馬鹿にされている事を怒るより、
へりは、ねじまがっているような少年イヌの性格に同情した。

「言われたことはある。友達から」

そう言って、イヌは軽く息をつくと、
「ごめん」とヘリに謝った。

「お姉さんを不快にさせるつもりじゃなかった。
ただ、僕は本気で司法試験に関心を持っているから」

「司法試験って、あなた年は幾つなの?」

「14歳」

「14歳で司法試験を受けるの?」

「もちろん、今は無理だけど、必ず将来受けるつもりでいる。
そして、弁護士になりたいと思ってる」

強い意志を宿した目のイヌに、ヘリは、感心した。

14歳といえば、中学1、2年生のはず。
その頃に、もうすでに自分の将来を見据えている発言をするなんて。

…自分が、14歳の頃は、まだ、何になろうとは、
はっきり決めていなかった気がする。
学校に通っていた時も、ただ、勉強でいい成績をとる事を目標にしていた。
勉強が出来れば、なんにでもなれると信じ込んでいたから。

「どうして、弁護士になりたいの?」

そう聞いたヘリに、イヌは、ギュッと口を引き結んだ。
そして、どこか遠くに想いを馳せるように、虚空を見つめた。

「…父さんと約束したから」

ポツリと、小さな呟きのような声が、
寒さで白くなった息と共にイヌから吐き出された。

「法で、苦しんだ父さんを助けたい。
だから、いつか韓国に戻って、司法試験を受けたい」

「…そうなの」

事情はよく分からなかったが、
少年が、家族のために自分の未来を選んでいることは分かった。

しかし、その決意は、希望に溢れたものでなく、
どこか、切羽詰まって、苦悩しているものに感じられた。

「何か迷っているの?」

イヌの苦しげな表情に、つい、そう聞いてしまったヘリに、
イヌが驚いた顔をした。

「…え?」

「強い意志を持っているみたいだけど、
あなた自身、その目標に何か納得していないようにも見えたから」

…どうして、わかった?

そんな顔で、イヌが、ヘリの顔を見つめていた。

「お姉さんって、鈍そうに見えるのに、変なところに鋭いね」

「…あなたの、その時々皮肉っぽく言う癖なおした方がいいわよ。
年上に嫌われちゃうから」

「うん。そうだね」

イヌは、素直に返事すると、ヘリに初めて笑みを向けた。

今まで醸し出していた暗い印象を消して、
朗らかに笑うイヌは、14歳の子供の顔に見えた。

「悩みがあるなら、聞くわよ。
司法試験合格者の先輩で、一応、検事のお姉さんが」

嬉しくなって、おどけたように言ったヘリに、
イヌが、また「うん…」と言って、頷いた。

そして、おろしていた片足も上げ、腕で抱えた両ひざに顔を伏せたイヌは、
「人は…」とぽつぽつと語りだした。

「人は法を守らなくちゃいけない。でも、法は人を守ってくれるのかな」

「法は人が社会で生きていくために、そして、人のためにつくられたものよ。
守ってくれる時はあるわ」

イヌの問いに、ヘリが答えた。

「守るはずの法が、いい人を苦しめる時もあるだろ?僕の父さんみたいに」

イヌは、刺すような視線をヘリに向けた。

その鋭い氷の刃のような眼差しは、
ヘリではない、どこかに向けられているようだった。

「・・・・・・」

同姓同名のせいか、その目は昔のイヌの眼差しを彷彿とさせた。

ヘリは、心の中でイヌの父、ソ・ドングンのことを思い出し、
イヌと目の前の少年を重ねた。

「あなたは法を…いいえ、祖国を憎んでいるの?」

ヘリの聞く声はとても静かで優しかった。

「恨んでない。…今は。」

イヌは自分の苛立ちを吐き出すように、 浅い息を一つついた。

「こっちに来たばかりの頃は、国に戻りたくて仕方なかった。でも…」

悔しそうに唇を噛んで目を伏せたイヌの顔は苦渋に満ちていた。

ヘリは黙ってイヌの横顔を見つめていた。

「でも、あの国の法は、僕の家族を守ってくれなかった。
…そう思い込んでいただけだったけど」

イヌの戸惑いの内訳を、ヘリは悟った。

「法に不信感を持っていたのね。
でも、勉強して、助けるためには、方法があることを知った。
だけど、まだ、やり方が分からない。そうなのね?」

ヘリの言葉に、イヌが顔を伏せたままコクリと頷いた。

「まだまだ勉強不足だって分かってる。
法律を知る前に、僕にはまだ学ばなくちゃいけないことが沢山あることも。
早く父さんを助けたいのに」

ギュッと、こぶしを握り締めるイヌの手をヘリは見つめた。

少年の背丈は、ヘリよりも低く、そして、手も小さく見えた。
ただ、その身に背負っているものは、ヘリが想像するより、
はるかに大きく、重いものであるように感じた。

本当は、すぐにでも国に戻って、父親を助けたい。
でも、今は、それが出来ないことが悔しくて。
まだ、知識もないことももどかしくて。

そんなイヌのジレンマにヘリは気づいた。

ヘリは、
自分の強い思いの過重に耐えるように
握り締められたイヌの手に、そっと手を伸ばした。

突然、手に優しく重ねられた温もりに、
イヌは、驚いたように顔を上げて、ヘリを見た。

「あせらないで」

ヘリが言った。

「今はその手に無いように見えていても、
この先の未来で幸運を掴む時が、きっとくるから…だから、あせらないで」

「幸運なんていう不確かな物をあてになんて出来ない」

信じられるのは、己で切り開いた道の先にある確実なものだけ。

鋭い目つきで、そう反論してきたイヌの言葉に、ヘリも頷いた。

「そうね。でも、幸運は人が招くものよ」

…幸運は人が招く?

不思議そうに首をかしげるイヌにヘリが続けた。

「ある人に言われたのよ。
その、さっき言っていた落としたブローチを私にくれた人がね」
…今は、恋人のソ・イヌが。

『幸運は人が招く』

ヘリは、心の中に、
王冠のブローチを差し出して、自分にそう言った
その頃のイヌの姿を思い出していた。



(「招かれるもの」4終わり 5に続く)



登場人物

マ・ヘリ(マ検事)

ソ・イヌ少年


お待たせしました。
「招かれるもの」更新再開です。


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検事プリンセスイラストINDEX2」に、
最近描いた、二次創作イラスト数点を更新しておきました。

ついでに、イヌ×ヘリイラスト1点アップ。


追憶の香り



…これ、原画を保存し忘れるという痛恨のミスをやらかして(汗)
編集用サイズしか残って無かったから、これ以上拡大できませんでした。


ヘリの髪の毛が長い理由。

これは、検事プリンセス二次小説の、「追憶の香り」という、
ブログでは、未公開の未来の話のイメージイラストなんです。

…泣いていいんだからね。

と、ヘリが言って、イヌを後ろから抱きしめるシーンがあるのですが…。

イヌの涙がつぶれてますね。…原画が…(涙)

一体何があったのか?は、いずれ…(何年後?(汗))更新出来た時に。


昨日の件で、コメントを下さった方々、ありがとうございました。
もう、情報を追う事をやめていたので、初めて知りました。
冷静に受け止めつつも、ホッとしたのは確かです。
創作は続けます。
今プライベートが立て込んでるので、小説更新は遅れてますが、
「追憶の香り」にいつか必ず追いついて、アップしたいです。



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こんにちは。みつばです。

本格的に暖かくなってきましたね。

検事プリンセスの二次小説は、「招かれるもの」を
残り全部書き上げてから、構成したいので、お休みです。
お待たせしますが、更新するときは、連日出来るように。
…1年以上前から書いていたのに(汗)

まだ、漫画アシしてます。
それから、庭は夏花壇になるので、花苗を買って、土の整備をぼちぼちと。
自分自身の仕事は休止してるので、子供といる時間が長くなり、むかえに行った後、
日中は、散歩したり、遊ぶ相手をしたり。
自分の近況はこんな感じで。

1日の疲労が蓄積してきて、横になったら、すぐに寝ちゃいます。
でも、夜中にまだ何度も下の子が起きるので、その時に、
無意識に朦朧とした頭で、イヌ×ヘリ妄想してます。

たとえば、↓

仕事疲れのイヌの所にヘリが「栄養ドリンク」を持ってくるんですよ。
で、イヌは、そんなヘリの優しさに、胸きゅんに(笑)
そのまま帰ろうとするヘリを引き留めて、
「僕の活力剤は君だ」とか心の中で思いながら、ぎゅっと抱きしめて・・・

…結局、大人妄想じゃん。

と、自分でつっこみいれながら、

リアルでも、想像の世界でも、
誰かが、誰かを大切にする、という気持ちに触れると、
じんわりと、疲れがとれ、安らいだ気分になり、ぐっすり眠れます。

だから、お互いを大切に思うイヌ×ヘリが好き♪

ブログへの拍手、拍手コメントありがとうございます。

コメントレス的な話。

お弁当、私はまだ子供の行事で作るくらいなので、
毎日、作っているお母さんって、すごいな~って本気で尊敬してます♪


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検事プリンセス、二次小説「招かれるもの」が
まだ不完全なので、本日は雑記です。

…で、ブログにはアップしてますが、
検事プリンセス創作見ている常連さんは、今回の記事、なるべくスルーを
おすすめします。(汗)

みつばは、こんなドラマも好きですよ~。
な話なのですが。


これは、そのドラマのノベライズ本。


牙狼<GARO>暗黒魔戒騎士篇 (ソノラマノベルス)牙狼暗黒魔戒騎士篇 (ソノラマノベルス)
(2006/10/26)
小林 雄次

商品詳細を見る



特撮ヒーロー物です。。。


「GARO」は、シリーズで、前回まで、ドラマはずっと見てました♪
(映画版は見てないけど)

主人公は、冴島鋼牙という、魔戒騎士。
魔戒騎士っていうのは、ホラーっていう、いわゆる怪人、魔人の類を
成敗する人。
冴島鋼牙は、その中でも、黄金騎士という、最高位の騎士。

みつばは、とにかく、「騎士」とか「王女」とか、剣とか、マントとか黒衣装束に弱い(笑)

冴島鋼牙は、強いけど、クールで無口なタイプの男。
演じられている小西さんがかっこよくて、偶然見てから、見続けてました。

私好みのロマンスもありまして♪
絵描きのカオルという若い女性が、ホラーがらみで巻き込まれて、
鋼牙がずっと守っていたっていうエピソードがあったのですが、次のシーズンでは、
カオルの位置づけは、すっかり、日夜、ホラーとの死闘を続ける鋼牙の心の支えに♪

一番大切な人の姿が見える…という敵の術にかかった鋼牙が見たのは、
カオルの姿だったエピソードは萌えました♪

カオルは明るくて前向きで純粋な娘。
鋼牙が惹かれるのも納得。

二人の純愛の行方も目が離せなかった♪

でも、どうして、これ深夜なんだろ?
私が子供の時見てもはまったようなつくりなのに・・・って
思ってたのですが。(ウルトラマンとか、戦隊もの好きでした)


今季、またGAROシリーズが始まったと知って、
喜んで録画していて。

だけど、夜中も仕事だと、見る時間がなくて。

でも、ある日。

上の子が一人遊び、相方は留守。下の子は腕の中という状態で、


しめしめ、テレビが空いてるから、
こっそり見てしまえ。

上の子は特撮ものには全く関心が無いので、
見ないし、万一、覗かれても、ヒーロー物だからね。

と、軽い気持ちで録画を見たら、


あれ?、主人公鋼牙(小西さん)じゃない。。。

黄金騎士が違う人になってる。

鋼牙とカオルがまた見られると思っていたから、ちょっとがっかり。

でも、アクションも、新しい騎士たちもカッコいいので、いいか♪と
見ていたら・・・。

・・・まじですか?

…と目を見張るような、男女の大人向けシーンが(汗)

いえ、みつば的には、軽いものだったのですが(苦笑)
それまでの鋼牙の時には、なかった演出だったもので。

まあ、これくらいなら…とか思っていたら、
背後で、

「あれー。裸で寝てるよー。どうしてー?」

という、息子の声が。

きゃーっ。

「ど、どうしてかなあ」

と、すっとぼけてみた。

「風邪ひいちゃうよねえ?」

と、続ける息子に、

「か、風邪ひくかもねえ」

…と答えて、突然消すのも
不自然なので、録画3倍速に。

いつのまに。そして、よりにもよって、
こういう時にのぞきにくるかなあ。


あー、びっくりした。

うかつ過ぎました。

深夜放送には深夜たる理由がちゃんとある。。。

録画といえども、真夜中にこっそり見るべきでした。


昔~学生時代に、友人を特撮映画に誘った事があったけど、全員に引かれた(当たり前)

でも、たしか、やっぱり、騎士とか、王女様が出てきた話だったような。

それで、一人で見にいったら、なんと、観客がみつば一人。
広い映画館で、貸切状態だったという、貴重な経験した思い出も(汗)


今日は、韓国ドラマ系好きな方には、おそらく、スルーされる記事で、
すみません。

でも、最近、妄想以外で、ときめく物が少なくなっていて、
寂しいな~と思ってます。

今までコメントで、おすすめされていた韓国ドラマも、録画していたのですが、
ことごとく挫折しました。「マイプリンセス」とか「私の期限は49日」とか…。

3角関係とか、4角関係とか、陰湿な人が出ない、癒されて、ドキドキする恋愛ドラマって無いでしょうか?(←ない?(汗))

まだ、私の中では「検事プリンセス」を超えるドラマはなく、
イヌ以上に好きになる人もいないみたいです。

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「苺ロマンス」です。

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これは、「初めての夜」以前の、ヘリとイヌが
恋人としてつきあい始めた頃の話です。




苺ロマンス



…すっぱ~い。

ヘリは、口の中で、酸味だけが広がる苺を、
噛みしめながら、自分の失敗を嘆いていた。

それは、交際を始めたイヌとの
幾度目かのデートでのこと。

その日のランチの場所は、ヘリが決めた店だった。

「食べたことは無いんだけどね、
口コミで評判が良かったから、1度入ってみたくて」

ヘリが、座った眺めの良い窓側の席から、
キョロキョロと店内を眺めまわしながらイヌに言った。

「そうか。雰囲気は悪くないな」

「でしょ?」

そう、答えるイヌに、ヘリが嬉しそうな顔を向けた。

イヌと晴れて、恋人として付き合うことになってから、
ヘリは、空いた時間に、デートしたい場所を探すのが日課になっていた。

恋人と一緒に行ってみたい所。

ネットでも雑誌でも、そんなデートスポットの沢山の候補の中から、
悩んだあげく、ヘリは、その店を選んでいた。

新しく出来た店で、おしゃれな外観と内装。
メニューの料理の写真も美味しそうに見えた。

この店が、これからの二人のお気に入りの店になるかも。

そんな期待感で、ヘリは、わくわくしながら、
料理を注文したのだったが…。

「・・・・・・」


目の前で、黙々と、ランチを食べるイヌを、
ヘリは、気まずげにチラリと見た。

料理の見た目は悪くなかった。
しかし、味は、舌をうならすほどの美味しさ、どころか、
ヘリに言わせれば、正直、イケていないレベルだった。

味だけでなく、値段の割には、量も少なく、
食を普段抑え気味にしているヘリにはまだ良かったが、
男性には、物足りないように思えた。


『気になるお店があるの』

…と、意気込んだヘリにつきあって来たイヌに、
だんだん申し訳ない気分になってきたヘリだった。

以前、イヌがヘリに美味しい手料理を作ってくれた事があった。

おすすめだ、という料理店も紹介してくれた事もあった。
その店の食事は確かにとてもよかった。

その記憶から、イヌは、料理や味に関して、
うるさいような印象があった。

…私でも、こう感じているのに、イヌが
この料理に満足はしてないわよね。

そう思いながら、ヘリは、
目の前の料理の事とは全く違う話を振って
イヌと会話をしながら、食後のデザートと飲み物に一縷の望みを託した。

しかし、ヘリの願いもむなしく、
食後のデザートと飲み物は料理よりもヘリを失望させた。

飲み物には、生ぬるくて薄い“ホットコーヒー”が出され、
デザートのケーキは、半解凍だった。

…これは、酷いわ。

口の中で、ショリ…という、スポンジケーキの触感に、
ヘリは思わず眉をしかめた。

つけあわせのフルーツは、
艶やかで美味しそうな紅色をした苺だった。

しかし、すっぱさだけが際立つ、その苺の味にも
ヘリはがっかりして、肩を落とした。

凍ってはいなかったが、酸味の強い苺を
ヘリは、すぐにゴクリと呑み込んだ。

「ん…おいしいわ」

心の中では、正反対の事を思っていたが、
最後に食べた好物にまで裏切られる結末はむなしかった。

ヘリは、今回の自分の失敗を認めながらも、
せめて、言霊で、経験を良い物に印象づけようと努力した。

…どうして、この店の評判が良かったのかしら?
ネットでも雑誌でも、一押しされていたけど。

ヘリは、若いカップルで込み合っている店内に首をかしげた。

「ヘリ」

そんなヘリに、イヌが声をかけた。

顏を上げたヘリの前に、
イヌが自分のデザート皿を差し出していた。

とっさの事に、面食らった表情のまま、
デザート皿とイヌの顔を見比べているヘリに、イヌが
微笑んで言った。

「好きだろ?苺、食べていいぞ」

イヌは、ヘリが、フルーツを好きな事を知っていた。

だから、僕の分の苺も食べろ。

そんなイヌの気遣いに、ヘリは、ジンっとなって、
「好きだけど…」と言って苺を見つめたまま固まった。

「どうした?食べさせて欲しいのか?」

ヘリの顔を覗き込んで、からかい口調でイヌが言った。

そして、苺をフォークで刺すと、ヘリの口元に持っていった。

「ほら」

「・・・・・・」

ヘリを戸惑わせたのは、
人前で、食べさせてもらうという行為だった。

…この苺は、すっぱいから…。

そう言って辞退しようとしたヘリだったが、
せっかくのイヌの親切を無にする事もためらった。

モジモジしながらも、イヌと見つめ合って、
ヘリは、素直に口を開けて、
イヌが差し出した苺を迎え入れた。

ヘリの唇が閉じた後、イヌは、ソッとフォークを引き抜いた。

もぐもぐと苺を咀嚼しながら、
照れた笑みを浮かべるヘリに、イヌが感化された顔をした。

「なんだよ」

「んん。私達って、まるでバカップルみたいよ」

「みたい、じゃなくて、カップルなんだよ」

イヌが笑った。

サラリ、と、カップルだと口にするイヌに、
ヘリの心がときめいた。

もう、大手を振って、「カップル」として一緒にいられる関係だということ。

その事が今さらのように嬉しくて、
ヘリは、その場で、

「私達、恋人なのよ!」

と、思わず、大声で周囲の人達に言いたい気持ちになった。

実際に、そんな事をすれば、
本当にバカップルだと、奇異の瞳を向けられただろうが。

そんな事を考えて、

ヘリは、目の前のイヌと目を合わせて、微笑みあうと、
まずいと思っていたコーヒーでさえ、全部飲みきってしまった。

「君は、フルーツが好きだよな。
その中で一番好きなのは苺か?」

そう聞く、イヌにヘリは「ええ」とコクリと頷いた。

「フルーツは何でも好きだけど、苺だったら、
いくらでも食べられる自信があるわ」

「じゃあ、今度苺が旬の時期になったら苺狩りに行こう」

「うん!」

その時のヘリの笑顔に、イヌは、
この笑顔が見られるなら、苺のハウスを丸ごと買い取ってもいいな、
とさえ考えた。

そんなイヌに、ヘリが

「イヌ、あなたは、フルーツの中で何が一番好きなの?」

と聞いた。

「スイカ」

イヌが答えた。

「スイカ。スイカも美味しいわよね。
小玉スイカだったら、私一人で食べられちゃうわ。
…昔だったらね」

あわてて言った後、ヘリは、イヌの方に身を乗り出した。

「スイカが美味しい季節になったら、沢山買って一緒に食べましょうね」

ヘリの提案に、イヌが黙って微笑んでいた。

少しずつ外の気温も上がっていて、
あと、数か月もすれば、スイカが美味しい季節がくる。

このままつきあっていれば、
その季節を、今年はイヌと共に過ごせるだろう。

そして、好きなスイカをほおばるイヌの姿が見られるのだ。

その事に気づいたヘリは、嬉しくなって、
さっき食べて、憂鬱な気分になった料理のことを一時忘れかけた。

そして、その後、
イヌが、その場のランチの支払いを終え、
ヘリとイヌは、店を後にした。

店を出て、しばらく歩いた後、
ヘリが、思い切って、「ごめんね」と口にした。

「なにが?」

ヘリのいきなりの謝罪に、訳が分からないイヌが、
首をかしげた。

「さっきの店の料理、いまいちだったから」

自分が、イヌに勧めて入った店。
それなのに、ランチ代も全部出させてしまった。

もう2度と行くことは無いな、と思いながらも、
ヘリは、イヌに謝らずにはいられなかった。

そんなヘリをチラリと見たあと、

「味はユニークだったな」とイヌは事もなげに言った。

「口コミや情報はあてに出来ないわね。
これからは、もっとリサーチしてから、あなたを誘うわ」

そう言ったヘリに、イヌが足を止めた。

「どうして?」

「どうしてって…」
…デートに失敗したくないから。

そう言わんとするヘリの心の声をイヌは聞いたようだった。

「これから一緒にリサーチすればいいだけだ」

「一緒に?」

ヘリの問いに、イヌが頷いた。

「口コミや情報があてに出来ないなら、
自分たちで確かめればいい。いろいろな店に一緒に行って、
これから、新しい店も開拓しよう」

イヌの言葉は、想像しただけで、心弾むような提案だった。

「ええ」

ぱあっと輝いたヘリの顔で、
ヘリが、もう気落ちしていない事が分かったイヌが思わず微笑んだ。

行って、期待外れだったとか、
料理が、口に合わなかったとか、はあることだろう。

それでも、

誰かとリサーチされた店に連れていかれるより、
一緒に行きたい。

これからは、それが堂々と出来るのだから。

食べる店だけでなく、他にも、
一緒に沢山、いろいろな経験をしよう。

そんな思いも込めて

「さっきの店も悪くはなかった」

ヘリを慰めるつもりなのか、
それとも、本音なのか、

そう言ったイヌにヘリも頷いた。

「そうね」

…悪くなかったわ。

デートの気分は最高だった。

それに、1つだけ、
ヘリには美味しいと思えたものがあった。

イヌに口にいれてもらった苺。

自分の物はすっぱいだけだったのに、
イヌからもらった物は、なぜか甘く感じた。

苺を口にした時、

イヌの優しさが嬉しくて、
イヌの熱っぽく見つめる視線がくすぐったくて、

イヌの想いが、
今全部自分に向けられているものだと分かって、

まるで、イヌとキスしているような、
そんな感覚に陥っていた。

そして、心の中で、

今までの二人の思い出と、
これからの二人を予感させるような、
甘酸っぱい想いが広がった。

「また、あんな苺だったら食べてもいいわ」

そう、イヌに冗談めかして言うと、
ヘリは、ニッコリと笑った。



(終わり)



GWに出かけたスポットの1つ。
苺狩り。昨年とは別の場所に行ったのですが、
とても良かった。苺が甘くて、大きくて。
みつばは、時間制限いっぱいまで食べ続けました♪
で、いつもながら、私の近くにイヌ×ヘリがいて、
イチャついていたもので、書いた話。

「初めての夜」以前の、カップルほやほやの
イヌとヘリの純愛デート話。苺の時期をちょっと過ぎたあたり。

イヌ、ようやく、ヘリに「あ~ん」してもらえました(笑)

ドラマでは、2回、拒絶されてます。
寿司と、ラーメンの具。
イヌ、ヘリにああやって食べさせたかったんだな~と思いながら
何度も見たシーンです♪

じつは、イヌの「スイカ」話の方が、
昨年夏に間に合わなかった季節物の話の一つです。未公開ですが。
今年こそは夏にアップしたい♪←希望。


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こんばんは。

みつばのGW、ほぼ終わりました。

楽しかったけど、少々ハードだったかな。。。

真夜中の仕事後に、検事プリンセスの二次小説「嘘つきは恋の始まりのおまけ話」
を書いたりもしたけど、滞在中の親戚の朝が早くて(朝の4時から5時に起床)、
起きてくる前にあわててアップしたみたいで。
自分で何を書いたのも、翌日記憶が無かったりしてました(汗)

毎日、親戚と出かけて、親戚が帰った後、
最終日は、家族でよく行く公園へ。

すごく広い公園で1年を通じて綺麗だけど、
この時期、とくに緑も花もとても素晴らしいです。

それで、その景色を見ながら、

検事プリンセス病、ソビョン病のみつばは、心の隙間でやっぱり、
イヌ×ヘリ妄想してました♪

韓国ドラマ「シークレット・ガーデン」知っている方は分かるシーン。
ジュウォンという男が、惹かれたアクション俳優のライムちゃんを
リアルに妄想するシーン。

何をしていても、横にライムちゃんがいるって妄想してるんですよ。

まさに、あんな感じ。

みつばの近くに常にイヌがいるのだけど、
イヌがいるって事は、もれなくヘリもいたりします。

それで、現実とは別に、みつばの横で、二人で会話して、何かしているのが
脳内展開されてます。

小説で書いた「木漏れ日の下で」ではドラマのシーンだけど、
再会した二人の心は、こんな綺麗な景色を見て、晴れ晴れしてたはず。
14話の写真撮影は切なかったけど、16話の写真撮影は、ラブラブで♪

イヌとヘリがドラマで1年後に再会した季節も、ちょうど今ごろ。

いい季節に再会したな~と思いながら、
広い公園を、元気が有り余った子供の後から
すでに疲労困憊ぎみで歩いていた、みつばでした。

あの「検事プリンセス」のドラマの最終回で撮影された湖水公園もかなり広い場所みたいですね。


みつばが、妄想イヌ×ヘリと一緒に歩いた公園。

公園の写真



お休み中も、ブログに足を運んで頂き、ありがとうございます♪
構成前の短編が1つあるので、それをアップしてから、
「招かれるもの」更新再開しますね。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「嘘つきは恋のはじまり」(おまけ話)です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話は「嘘つきは恋の始まり」(後編)の間の話です。


【注意】

この話には、大人向けの表現、描写が含まれます。
自分は精神的に大人だと思える人のみお読みください。



嘘つきは恋の始まり(おまけ話)



「イヌは、私に嘘をつくつもりは無かったの?」

キスの後、ヘリがイヌに聞いた。

4月1日。

ヘリが想像していた通り、
イヌは、仕事が多忙すぎて、今日がエープリル・フールの日だということを忘れていた。

「嘘をつく暇があったら、君に会いに行っていたよ」

正直に答えるイヌにヘリが笑った。

「もしかしたら、1年に1度、エープリル・フールの日に
ソ・イヌさんは、素直になるのね。
今からでも、嘘を言って、私を騙してもいいわよ?」

もう、今日がエープリル・フールだと、ネタバレしているというのに。
身構えている人間に嘘をつけだと?

イヌが苦笑した。

「でも…」

ヘリが、イヌから少し体を離すと、顔をしかめて見せた。
そして、イヌのシャツの襟元をひっぱった。

「まずは、このシャツを脱いでちょうだい。
タバコの移り香がひどいから。私、タバコの匂いってあまり好きじゃないの」

「ああ…」

イヌは、自分のシャツに手をかけながら、何気なく言った。

「これ、移り香って言ったけど、じつは、僕が吸ったタバコのせいだ」

「え?イヌ、いつからタバコを吸うようになったの?」

本当に驚いた様子で見上げているヘリに、イヌが吹き出した。

「言ったはしから、それか?君は本当に騙されやすいな」

…タバコは吸ってない。

「~~~~。やられたわっ」

面白そうに笑うイヌに、ヘリは心底悔しそうな顔をして、
イヌのシャツのボタンをはずしていった。

そして、ふと、何かに気づいたように、
イヌを見上げた。

ヘリの何か言いたげな目に、イヌが気づいた。

「嘘つき合戦でも始めるか?」

ヘリが首を振った。

「嘘じゃなくて、聞きたいことがあるんだけど」

「なに?」

「このタバコの移り香って、女性のものじゃないわよね?」

ヘリの言わんとしている事を悟って、イヌは目を細めた。

「疑ってる?それとも嘘をついて欲しいのか?」

「その、どっちでも無いわよ。
私の聞いている女性って、そういう意味じゃないわ」

そう言いながらも、

たとえ、クライアントでも、匂いが移るほど、
イヌに接近して、タバコを吸っていた人物が女性なのは、
嫌だと思ったヘリだった。

最近、恋人の私でも会えなかったというのに。

そう考えているヘリの心はイヌにはお見通しだった。

…君は嘘が言えない人だよ。

「タバコを吸っていたのは、男だったよ。
これで安心か?」

「別に、心配してたわけじゃないんだってば」

ヘリが、気まずげに、イヌのシャツの布地をモジモジと指でひねった。

ボタンを全部はずして肌蹴たシャツの間から、イヌの上半身の素肌が見えた。

「…私、イヌを騙せる嘘はつけないみたい」

ふ~っと、悩ましげにため息をつくヘリにイヌが笑った。

「知ってる」

「あのね…。今日、職場で、私、騙されたの」

「君を騙す輩がいるなんて。よっぽど巧妙な嘘だったんだな」

笑いを含んだ皮肉っぽいイヌの言葉にも、
ヘリは、ちょっと頬を膨らませただけだった。

「部長が結婚するって嘘を言われたの。
本気にしちゃったわ。それから、先輩に提案された嘘があったの。
それだったら、イヌを騙せたかもしれないけど」

「どんな嘘だったんだ?」

「私に、他に好きな人が出来たって」

「…ふーん」

あいづちの声のトーンを落として、
半分興味を失ったイヌが、呆れたような目をヘリに向けた。

「そんな話で、僕を騙せると本気で思ったのか?
もし、そうなら、君は僕を侮りすぎているな」

「思ってないけど」

ヘリがあわてて言った。

「思ってないけど?」

イヌが聞いた。

「…思ってないけど、ちょっぴり、イヌの反応は見たかったな」

上目づかいで、素直に答えるヘリに、イヌが冷笑を浮かべた。

「じゃあ、試してみれば良かったのに」

「んん…。ただ、嘘だって、分かっていてもね。
なんとなく、この嘘を言うのが嫌だったの」

きっと、イヌにはすぐに見破られてしまうだろう。

それでも、嘘でも、イヌ以外の人を好きになったなんて事は、
言えないと思ったヘリだった。

それに・・・。

じっと見つめているイヌを見つめ返してヘリが言った。

「それに、逆にあなたにも、こんな話は、冗談でも言って欲しくないもの」

エープリル・フールだと知っていても、
嘘だからって前置きされても。

自分以外の女性を好きになった。なんて言葉をイヌの口から聞きたくなかった。

「だから、私を騙すつもりでも、今後も、こんな嘘だけは言わないでね」

…お願い。


懇願されなくても、決して口にしない。

エープリル・フールの日なのに、そう誓ってしまいそうになるほど、
ヘリの純粋な瞳と言葉に、心を鷲掴みにされたイヌだった。

そして、悪戯が許される日でさえ、まっすぐな想いをぶつけてくるヘリに、
イヌはまともに答える術を持たなかった。

こんな、当たり前の事を今更、念押ししてくる恋人が可愛くて。

いつも以上に愛おしさを感じて…。

「馬鹿だな」

そう、呟くのが、精いっぱいだった。

「そんな心配をする前に、この濡れた服を脱げ。
風邪をひきたいのか?」

今度は、イヌが、ヘリの衣服に手をかけていった。

嘘をつくための、アリバイ工作で、シャワーの水しぶきで濡れたヘリの服。

その服を、イヌが優しい手つきでヘリから脱がせた。

「ほんとに、シャワーを浴びてこなくっちゃ」

そう言って、ペロリと舌を出した下着姿のヘリの体をイヌが引き寄せて、
両腕の中に包み込んだ。

「あとでな」

「…なにもしないって言ったのに」

イヌの行動の先を読んで、照れてぼそぼそと
言っているヘリにイヌが笑った。

「今日は何の日だ?ヘリ」

…嘘をついていい日だろ?

それに、まだ、君は僕を分かってない。

「君にも嘘をつけるチャンスをあげるよ」

「どういうこと?」

不思議そうに、腕の中で、首をかしげるヘリの気配に、イヌが
ますます楽しげに笑みを広げた。

ヘリの問いには、答えずに、イヌは、
その後、言葉の意味を、ベッドの中でヘリに教えた。

「…本当は、僕とこうしたかったんだろ?」

ベッドの中で、

意地悪く囁かれながら、イヌに体を愛撫されたヘリは、
反射的に、「違う」と答えていた。

聞かなくても、本心を知っているはずなのに。

条件反射のような、ヘリの応酬に、イヌは逆に嬉しそうな顔をした。

「じゃあ、こうして欲しくなかった?」

チロリと、舐めた指を、イヌはヘリの下肢に落とした。

「あっ…」

ビクリっと、体を震わせて、甘い声をあげたヘリに、
イヌが満足げに目を細めた。

ヘリの反応を見て、
いたぶるように、ゆっくりとヘリの中に指を抜き差ししながら、
イヌが、ヘリの耳元に口を寄せた。

「言えよ。ヘリ。これが好きだって」

「やだ」

「嫌?」

「好きじゃないわ」

こんな風に、意地悪く、うむを言わさずに、
快楽に貶めようとするイヌは、好きじゃない。

こうして、抗えない快感を与えて、
愉悦に浸っている顔のイヌが、憎らしい。

本当は、会いたくてたまらなかった恋人との逢瀬に悦んでいるのに、
からかうような口調に、つい意地を張りたくなってしまうヘリだった。

「…君の体も嘘が下手だな。ヘリ」

イヌが、スッとヘリを責める指を増やした。

「!っ…はっあんっ」

喉元を震わせて、首を振って激しく嫌々をするヘリ。

それは、イヌの行為の拒絶ではなく、
高まっていく快感に対する無意識の動作だった。

「ほら、僕を騙してみろよ」

感じているヘリに、同調して、イヌが熱い吐息混じりに囁き続けた。

「好きじゃないのか?」

「…好き」

喘ぎながら、ヘリが声を漏らした。

「イヌが好き…好きよ」

意地悪でも。
嘘つきでも。

この気持ちに嘘はつけない。

「好き」

何度も口にするヘリの告白に、イヌが抱かれている気分になった。

その声に応えるように、イヌが、ヘリに口づけた。

「…僕も君が好きだ」

唇を離した後、イヌが言った。

…嘘が苦手な、君が。

苦手な嘘をついてまで、僕を大切にしてくれる君が。

「好きだよ」

…これからも、君に、他の男を好きになったと言わせる気も無いし、
僕が、君以外の女に目をむけるつもりも無い。

「…嬉しい」

イヌの言葉に、ヘリが微笑んだ。

嘘じゃない。

お互い、この気持ちと言葉に偽りが無いことは分かっていた。

昂ぶった感情に、体も心も熱を増して、
イヌとヘリは、愛撫だけで、快感の沸点に達しようとする体を
抱きしめあった。

…愛してる。


こうして、二人は、残り少ないエープリル・フールの時間を
誤魔化しのきかない想いを重ねて過ごしていったのだった。


(終わり)



イ検事の提案した「嘘」をヘリに言わせて、
イヌをあたふたさせたかったけど、実際に妄想してみたら、
私の中のイヌとヘリはこんな感じでした。

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こんばんは。

GWお休みの中も、ブログに足を運んで頂きまして、
ありがとうございます!

日中は、お出かけして、
滞在中の親戚たちも、相方も子供達も
寝静まった真夜中に、みつばが、何をしてるかといいますと、

検事プリンセスの二次小説書き♪・・・と
言いたいところですが、

漫画アシスタントしてます…(汗)

プロの仕事をこうして見ると、
我に返ってしまいます。

ここ数年していた自分の仕事はいつごろ復帰するのか?
それとも、やめて、趣味に留めるのか?とか、
漫画も、もう趣味だけにするのか?とか、
自分はこれから、どうするのか?とか、
今まで先延ばしにしてきた事、今年は、今後の事、
真剣に考えないと、とか思ってたけど、

「頭で考えるんじゃなくて、心で決めろ」って

自分が書いた二次小説のイヌの声が聞こえた気がする。

なんだか、本当にイヌが恋しい…。くすん(涙)

で、本日の業務は終了したので、
イヌ×ヘリイラスト描いてみました。



イヌとヘリ0430



二人で毛布にくるまったイヌとヘリ・・・のつもり。
一体何してるの?なイラストですが、
いつか、これの二次小説書くつもりです♪

コメントレス的な話。

このブログで癒されると言って頂けて嬉しいです。
私も、検事プリンセス妄想している時間で、癒されてます。
いろいろありましたが、見てくれる方がいる限り、続けていきたい。
それが本望です。

二次創作されていて、コメントでとても丁寧で親切なアドバイスをくださった方、
ありがとうございました!今後の参考にさせて頂きますね。

「招かれるもの」もう少し続きます。
少年イヌの正体は、予想通り(?)かな?


小説は創作できませんでしたが、
今日も、これから寝る直前まで、イヌ×ヘリ妄想続けます♪
おやすみなさい~。
引き続き、GW楽しんでください♪

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