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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「真夜中の赤ずきん」最終話(3話)です。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX2」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

この話は、シリーズの「初めての夜」「優等生」から「カップケーキ」までの間で、
「囚われのプリンセス」や「初めての夜後日談」のラストで
ほのめかされていた空白の部分の話。


【警告】

この話には、大人向けの表現や描写が含まれています。
自分は精神的に大人だと思える方のみお読み下さい。



真夜中の赤ずきん(最終話)



「この服、夜間外に出る時には着ない方がいい」

ヘリのパーカーを脱がせながら、イヌが言った。

「どうして?」

「目立つからだよ」

「でも、目立つから、あなたがさっき私を見つけてくれたんでしょ?」

「僕に見つけて欲しくて着ていた服なのか?」

「違うけど…」

パーカーを脱がせられたヘリは薄いタンクトップ姿になった。

自分の体を見つめる、食い入るようなイヌの視線を感じながら、
ヘリは、こんなことになるなら、もっと可愛い下着を着ていれば良かったと思った。

「偶然、どこかで会えたらいいな~、なんて考えていたわ。
だから、あそこで会えた時、私の頭の中からイヌが出てきたかと、びっくりしちゃった」

「偶然?どこかで?」

イヌのおかしそうな声の響きに、ヘリが気恥ずかしそうに、頬を膨らませた。

「だって、今朝あなたと別れてから、
1日中あなたのことを考えていたから」

イヌに会いたいって。
会うだけじゃなくて、話したいって。
話すだけじゃなくて、抱きしめて欲しいって。
抱きしめてもらうだけじゃなくて…。

「おかしいでしょ?重症だなって、笑っていいわよ」

「…笑わないよ」

そう、言いながらも、イヌ自身気づかないほど、
声に嬉しそうな響きが多分に含まれていた。

…僕もまったく同じ事を考えていたから。
仕事もろくに手がつかないくらいにね。


もちろん、職務は全うにこなしていたが、
ふとした瞬間にさえ、頭も、心もすべてマ・ヘリで占められている事に
気づいたイヌだった。

いつのまにか、携帯電話でマ・ヘリの名前を出して、
かけようとしている手を慌てて止めることもあった。

…だから、本当は、仕事が終わった後、
どうやって君を誘おうか考えていた。

帰宅して、テラスに出て、ヘリの部屋を見下ろしていた時、
ヘリがマンションの外に出る姿を見かけた。

フードをしていても、イヌには一目でヘリだと分かった。

だから、急いで後をつけた。

夜中に一人歩きをしている怖がりのヘリが心配だった、というのは、
その時のイヌの正直な気持ちと理由ではあったが・・・

イヌは、自分の愚かな行動を振り返って自嘲した。

…重症で、おかしいのは僕の方かもしれない。

さしずめ、真夜中におつかいに行く赤ずきんのような恰好の君の後をつけながら、
ずっと、どう家に誘いこんで“食べようか”考えていた狼男だからね。

そう思いながら、
イヌは、きょとんとした顔で見つめているヘリの顔にそっと手を置いて、
頬の輪郭に沿って這わせた。


この愛らしい声も。
この可愛い唇も、
この美しい顔も、体も。

…全部食べたい。

イヌの手が、ヘリの頬から、唇に優しく触れた後、
つつつ…と顎から、首筋の肌をすべって下に降り、鎖骨をなぞるように動いた。
そして、微かに上下しているヘリの胸の膨らみの真上で止まった。

この後の展開は十分予測できていたのに、
イヌの緩和な動作が、むしろ、ヘリの羞恥心を大きくしていった。

「イヌ、私をじらしてるの?」

「じれているのか?そんなに早くしたい?」

「もう、やめて。そんなこと言わないでよ。恥ずかしいの」

こうやって、イヌに向けられた熱い視線と触れられる指先だけで、
じわじわと体中が熱くなっているのに。

「もう何回もしているのに。まだ慣れない?」

「こうしていることに慣れちゃうことの方が恥ずかしいように思えるわ」

ヘリの言葉にイヌがフッと笑った。

「もう言うな。ヘリ」

「何?私、何かおかしいこと言った?
何回しても、あなたにドキドキするのって変なこと?」

「だから、それ以上言うな」

「どうして?」

怪訝な表情でムキになって、イヌに詰め寄ったヘリの顔と腰を手でとらえたイヌは、
ヘリがハッと息をのむ間に唇を重ねた。

そして、

僅かに離した口から、イヌがヘリに言った。

「…これ以上僕を煽るな」
…可愛いことばかり言う、この口を塞ぎたくなるから。

苦笑と冗談交じりの囁きだったが、どこか余裕のないイヌの声に、
ヘリは、イヌの方が焦れているのを感じた。

「じゃあ、もっと言っちゃおうかしら。
…あなたを煽りたいから」

いたずらっぽく言ってみせたヘリだったが、
もう、言葉だけでなく、その唇と顔と体、
すべてでイヌを煽っている事を自覚していないようだった。

「もっと煽ってみろよ。受けて立つから」

挑発するように言いながらも、イヌには
ヘリにそれ以上のセリフを言わせる余裕は無かった。

イヌは、ぐいっと、ヘリの頭を己の方に強く引き寄せると、
さらに深く口づけた。

それから、

ベッドまで待ちきれないように、ヘリとイヌは着ていた衣服を脱いでいった。

自分で脱いでいったのか、脱がせられたのかすら、分からないほど夢中になって、
二人は、衣服を脱ぐ合間にも抱擁とキスを重ねた。

ベッドの中でも、イヌに、唇を荒々しく塞がれて、
体も縛りつけられるように抱きしめられたヘリは、
ようやく、今日1日中焦がれ続けた願いがかなった事に、体中で歓喜した。

素肌をなぞっていく、イヌの柔らかい唇の感触に、
ヘリは身もだえして、思わず喘ぎ声混じりの吐息をもらした。

「…いい声だ」

そう、低く囁いたイヌの声の方が、いい声だ、とヘリは思った。

それでも、ヘリには、まだ余計な事を口にする余裕は無かった。

ときめきのせいなのか、嬉しさのせいなのか、
はたまた、やはり恥ずかしさのせいなのか、
自分の激しくなる胸の動悸を感じながら、イヌの愛撫を受け止めていた。

ただ、最初の日のように、
イヌに、一方的に抱かれていた時とは違って、
自然に動きに合わせたり、声をあげたりするようになっていた。

…肌と肌を合わせていると、
イヌと心まで通じ合っている気がする。

まだ、体の関係をもって、数日しかたっていなくても、
イヌの体や、動きが、行為を重ねるごとに自分に馴染んでいくのを感じたヘリだった。

「…ひゃっん…!」

イヌに、感じやすい所を刺激されて、気持ち良さを感じたヘリが、
つい高めの声をあげた。

その裏返った自分の声に恥じ入った様子のヘリを
イヌは優しい目で見つめて言った。

「可愛いよ」

…ずっと、イヌも、この言葉も欲しかった。

「…もう1度言って」

ヘリが、掠れた声でうっとりと囁いた。

「可愛い」

耳元で甘く囁かれたイヌの一言で、
ヘリは、激しくなっていた鼓動が今度は止まるかとさえ思った。

「ほんとに?」

ヘリの問いかけにイヌが黙って、微笑みながら、ヘリの体に身をふせた。

「…つっ…あっん」

しばらく強い痛みが体を支配する間、ヘリは、わずかに首を逸らせ
こらえる声をもらした。

そんなヘリの一挙一動にイヌは目を離さずに行為を続けた。

…可愛いよ、ヘリ。
声だけでなく、何もかもが。

それから、ヘリは、

行為の間中、イヌから『可愛い』だけでなく、普段めったに言われる事のない言葉を何度も囁かれ続けて、その夜も明け方まで甘い時間を過ごしたのだった。


翌日の朝。

再びイヌの部屋から一度部屋に戻って、出勤したヘリは、
あくびをかみしめた表情で、検察庁のオフィスの椅子に座っていた。

「マ検事、今日も寝不足みたいですけど、大丈夫ですか?」

「徹夜で何か調査されているのですか?お手伝いできることがあったら、言ってください」

ヘリの事務官と捜査官は、うっすらと目の下にクマをつくっているヘリを心配そうに見て言った。

「いいえ、大丈夫です。ちょっと…ゲームに夢中になって、夜更かししちゃったものだから。アハハ」

自分で言っておいて『ゲーム』という隠語におかしくなってヘリは一人笑いをした。

妙にテンションの高いヘリに、事務官と捜査官は怪訝そうに顔を見合わせ、
アイコンタクトで、“そっとしておきましょう”と伝えて、自分たちの仕事に向かった。

その日も、終業時間までせいいっぱい仕事をしたヘリは、
まっすぐにマンションの自室に戻った。

そして、部屋でシャワーを浴びた後、大きめのバッグの中に、クローゼットから出した衣類を何着もつめた。

そのバッグを持ったヘリは足どりも軽く、5階のイヌの部屋に向かった。

チャイムを押すと、すぐにイヌがドアを開けた。

「こんばんは。これ、私の服なんだけど、あなたの部屋に置いていってもいい?」

もう、すっかり開き直ったヘリは、バッグをイヌに向けて差し出した。

「いいよ。自分でクローゼットの中にしまって」

そう言って、ドアを大きく開けてイヌがヘリを部屋に迎えいれた。

「ええ、おじゃまします」

ウキウキした調子のヘリが、部屋に吸い込まれるように入ると、
閉じ込めるように、イヌがドアを閉めて、部屋のロックをかけた。

そして、その夜も
ヘリとイヌは部屋の中で、昨夜と似たような展開を繰り広げた。

…素敵…慣れなくても、癖になっちゃいそう。

「…ずっとこうしていたいな」

イヌと抱き合って、陶酔しきっていたヘリは、ベッドの中でつい無意識に呟いていた。

…なら、一緒に住むか?そうすれば、いつでもこうしていられる。

ついそう言いそうになって、イヌは口をつぐんだ。


こんな関係になって、ヘリを愛しく思う気持ちがますます大きくなっていた。

一緒にいたい。こうして毎日のように君を抱きたい。

でも、だからこそ、ヘリが拒否した同棲話の時の気持ちを尊重したいという思いも強くなっていた。

『一人で生活していくって事も頑張ってみたいの。試してみたいのよ』


…しばらくはこの距離感でいよう。これからも、一緒にいられるように。

僕もずっとこうしていたいから。

イヌは、ヘリと違って言葉に出さずに、ただ、ヘリを抱く手に力を込めた。



その翌朝、

浮かれながらも、ふらつく足取りのヘリは、イヌに車で送られて検察庁に出勤していた。

さすがに寝不足続きで、疲労の色が出ているイヌの顔を見て、
…もう、今夜はイヌの部屋に行くのはやめなきゃ。

そう決意したヘリだったが、検察庁前について、
車から降りた後、

『じゃあ、行ってきます。イヌ、あなたも行ってらっしゃい』

『ああ、仕事がんばれよ。ヘリ』

という、まるで、新婚夫婦の朝のような別れの言葉を交わして、
イヌの車を見送った直後には、すでにイヌに会いたい気持ちになっていた。

何もなければ、ヘリは今夜もイヌの部屋に押しかけようと考えていた。

しかし、“今日はクライアントの打ち合わせが夕方にあるから帰りは遅くなる”と
イヌが言っていた。

…あと、1日の辛抱よ。
金曜日、一緒に夕食を食べようと約束しているから。


その日も、時々テンションが高くなったかと思えば、急に沈み込んだり、
ウトウトと居眠りをしそうになって、あわてて、自分の頬を叩いたりする、
せわしないヘリを、事務官と捜査官が、お茶や休憩をすすめて、なにかと気遣っていた。

仕事が終わり、フラフラした体でマンションの自室に帰ったヘリは、
倒れこむように自分のベッドに横たわった。

…このまま寝て、起きて、あと1日働けば、イヌと一緒にいられるから。

そんなことを考えて、眠りこんだヘリだったが、
しばらくして、ふと、部屋のチャイムの音に目を覚ました。

あまりの眠さに無視して、居留守を使っていたヘリだったが、
何度も鳴るチャイムの音に仕方なく立ち上がった。

…だれ?

不機嫌な顔で、インターフォン画面を確認したヘリは、
そこにイヌの姿を認めて、強い眠気も吹き飛ばして、玄関に駆け寄った。

そして、
外に立っていたイヌを跳ね飛ばしそうな勢いでドアを開けた。

「遅い時間だけど、眠れないから寝酒をつきあってくれないか?」

そう言って、ヘリにワインのボトルを掲げて見せたイヌは、
仕事帰りのスーツ着姿だった。

思わず、プッと吹き出したヘリに、イヌも相好を崩した。

「ひどい顔ね」

「お互いさまだな」

ヘリもイヌも、もうごまかしがきかないほど、目の下のクマがひどい顔だった。

職場の上司や同僚に心配されるほどの容姿だったが、
普段、自分の顔や体を気遣っていたヘリでさえ、全く気にしていなかった。

「ワイン頂くわ。入ってちょうだい」

そう言って、ヘリがドアを開いて、イヌを部屋の中に入れた。

コトリ、とキッチンカウンターにワインを置いたイヌは、
ヘリと見つめ合った。

相手の瞳を見ただけで、お互い何を考えているのか分かった。

イヌが、ヘリを手で引き寄せ、腕の中に閉じ込めると、
二人の体は、まるで、磁石のNS極のようにくっついた。

「ワイン、飲まないの?」

「ワインを飲むよりしたいことがある。
君はワインを先に飲みたい?」

ヘリが首を横にふった。

「ううん、あとでいいわ」

「寝酒が飲みたい時は、連絡しろ。こうして、持ってきてやるから。
前みたいに夜中に一人で、寝酒替わりの菓子を買いに行くのはやめろ。危ないから」

「心配してくれているのね」

「当たり前だろ。現に君は…」

…あの夜、後をつけていた狼に誘いこまれて、
まんまと食べられたんだから。

「人を信じて、騙されやすい性格だ」

「じゃあ、あなたの“眠れないから、寝酒につきあって”は、嘘?」

ヘリがクスクス笑って言った。

こんな寝不足の顔をしてるのに、眠れないわけがない。

「嘘じゃない」

イヌは、抱きしめているヘリの顔に唇を寄せて、
ペロリと、ヘリの頬を舌で舐めあげた。

「…こうしないと、今夜も眠れないからだ」

言葉巧みに狼に誘いこまれたのは、赤ずきんだったとしても、
最初に誘惑されたのは、狼の方だったのかもしれない。

無意識に、無邪気で美味しそうな香りをふりまいた、

可愛くて、愛しい赤ずきんに。


「今夜もしばらくは眠れないわね」

甘く囁く赤ずきんに、狼が嬉しそうに笑った。


こうして、この日も、朝まで
キッチンカウンターに未開封のワインボトルを置いたまま、
ヘリとイヌは、夜を共に明かした。

そして、翌日の金曜の夜。
約束通り、仕事帰りに一緒に外食したヘリとイヌ。

しかし、せっかく休日に入る週末だというのに、

食事を終えて、イヌの部屋に戻った二人は、
ベッドの上に横たわった瞬間、前後不覚の態で抱き合ったまま眠り込んでいた。


こうして、ハードな1週間を終えて、

“平日の夜はなるべくお互いの部屋に泊まらない”

そう、ヘリとイヌの間で、暗黙の了解が出来たのは、
この休日明けの事だった。


(終わり)




恋人になって、体も結ばれて、
ますます相手にのぼせているヘリ、そしてイヌのラブ話でした。

「初めての夜」後、「初めての夜後日談」「優等生」「真夜中の赤ずきん」、
そして、土曜日の朝にエジャがイヌの部屋を訪ねる「みつばのたまて箱」で初めて書いた
「カップケーキ」…と、こういう流れになってます♪

二次小説のイヌ×ヘリ。
みつばの中では、つきあい初期と、後では、若干変化をつけているつもりなんです。
一応。
でも、こういう風に時間を前後したものを書くと、
あれ?どうだったかな?って、自分でも混同しちゃったりします。
でも、純愛書くのも楽しいです♪…「真夜中の赤ずきん」って純愛話?(苦笑)

これから、「検事プリンセス」シリーズでは、
暖かい季節になるのに、真冬~春の話を書こうとしているみつばですが、
そして、マイペース、不定期更新がしばらく続きますが、よろしくお願いします。

ブログへの拍手、拍手コメントありがとうございます!
イヌ役の俳優さん関連の、明るいニュース情報もありがとうございました。
そのドラマはまだしっかりとは見てないのですが、かっこいいですものね。
でも、やっぱりみつばは今のところイヌが一番好きです。←言わずもがな


ブログの記事が気にいって頂けたら、
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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