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今年最後の日ですね。

お忙しい中、ブログに来ていただいてありがとうございます。

このブログは、ほとんどリアルタイムで書いてます。
ただいま、管理人みつばは、相方の実家に来ていて、ゆっくり過ごさせていただいてます。

人目が多いので、パソコンで「検事プリンセス」の小説は書けませんが、
コメントだけでも更新させて頂きます。



私事ですが、今年は、いろいろな事にチャレンジ出来ました。
仕事に趣味に、長年やりたいと思っていて、しなかった事も思い切ってした年でした。

なにより韓国ドラマの「検事プリンセス」に出会えたのは大きな出来事でした。

何度~も(笑)ブログで書いたのですが、1話を見た時は、今後見ないつもりでした。

それが気まぐれで早送りでも2,3話…と見ていくうちに、とくに8話あたりの後半からはまり始めて、
もう13話、14話で号泣ものでした。

それで、テレビを見ている間にブログを突発的に立ちあげてしまったと。

びっくりです。

最初はイラストで感想を書いて、ちょっと小説も書いてみたら、どんどん構想が膨らんで、
こんな半年も、「検事プリンセス」1色のブログを続けるとは思いもしませんでした。

二次創作をしたのも、ブログを立ち上げたのも、
ブログを通じて、読んで下さっている方がたに出会えたのも私の中で大きな糧でした。

「検事プリンセス」好きの方にもたくさん来て頂いて
拍手や、拍手コメント、コメントで、励まして頂いたり、褒めて頂いたり、勇気づけて頂いたり、
小説や漫画の感想をたくさん頂いて、嬉しかったです。

今年自体は、年初めに日本で辛い事があって、私も周囲でいろいろありましたが、
今はこうして、元気で年を越せたことが有り難いと思っています。

「検事プリンセス」現在はBSで放映されているとか。
もしかすると、今後どこかの地域でも放送するかもしれませんね。

このブログの「検事プリンセス」二次小説はシリーズで、
今年更新予定の話が少なくとも長編で5話ほど来年に先延ばしになってしまいました。

ただ、それ以降の構想も出来ているので、少しずつ、マイペースではありますが、
そして、きっと楽しみにしている方を相当お待たせすると思いますが、続けていきたいと思っています。

このブログに来て下さった皆様。本当にありがとうございました。
大変、お世話になりました。


とても充実した時間を過ごさせて頂きました。

また来年も、よろしくお願いします。



みつばのたまて箱 管理人 みつば


12月31日



管理人みつばは現在旅行中のため、

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テーマ:こんなことがありました - ジャンル:ブログ

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まだ旅行中なのですが、今、ネットが使える環境にいるので、
記事を書いてます。

旅行は毎年いつものホテルに泊まって、いつもの店を予約して食べて、
いつもと同じお土産買っています♪

ところで、

少し気になったことがあったので、あわてて、まず言い訳から少し。

「検事プリンセス」のイヌの人物像のこと。

もしかしたら、この前の「イヌの過去」について私の書いた記事で
誤解を受けてるかも…と、それだけは補足しておきたいのですが、

イヌが過去に仕事に関しても女性に関して真っ当なことをしていない…というもの。
4コマ漫画でも書いたあれです。

私の言っている「イヌが女性に関して真っ当なことをしていない」というのは、

イヌが女性を私利私欲のために利用したり、女性に貢がせていたり、ヒモになっていた…という意味ではありません。

ヘリに近づいたのも、計画のために誘惑するためでなく、
計画のために必要だったから…というのは公式設定だったのは知っています。


…ただ、公式設定にしても、よく考えるとこれ、不自然な点が
いろいろあるのですが…、その点は今は述べないでスルーしますね。



でも、公式設定知る前からイヌは、そういうことをする男でないと願ってました。

みつばがそう、イヌを人物考察したわけは、いずれ二次小説の中で語ろうとしたのですが、
今言ってしまうと、イヌの育ちにあるからと信じてます。

イヌは実の父親をとても尊敬しています。

イヌの父親はとても誠実で優しい人でした。
そんな人に育ててもらって、尊敬してる男が、
女性を我欲の為には傷つけることはしないと思いたかったのです。

ただ、やはり、どうしても父親の無実を晴らす手段としてとらざると得ないことも多かったと思います。
だから、仕事ではお金を使って人を使ったり、時には脅したりすることもしてたようです。

しかし、14話でイヌがヘリに言っていたことは事実でしょう。

「おもしろそうで」も、「復讐のため」でもなく
純粋に検事のヘリが必要だったと。

もし、復讐が目的なら、イヌは花屋の主人もスナックのママにも復讐していたはずです。

イヌがすごいな、と思ったのは、結局サンテだけでなく、関係者全員を許していることです。
そればかりか、全員を助けてます。

そんなイヌの優しさと誠意を知って、だまされていたと分っても、みんな
事件解決に協力したのだと思います。

イヌの過去の女性関係など…、これはみつばが勝手に妄想したイメージなので、
おそらく、「絶対違う!」と思う方もいらっしゃいますよね。

でも、みつばが妄想した、イヌが女性でまっとうなことをしていない…というのは、
いずれ小説の中で書かせていただきますね。

ただ、私は自分の小説の中のイヌ像。

いつかまた勝手に詳しく語らせてもらいますが、イヌは基本誠実な男だと思ってます。

それだけは言っておきたくて。

さんざん、コメントで言っておきながらですが(苦笑)



12月30日 みつば。


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テーマ:韓国ドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「囚われのプリンセス」最終話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

この話は、「王子様の朝と夜」の続編です。
初めての夜」を過ごしたヘリとイヌの次の日の出来事の話になります。

(注意)

この話には、大人向けの表現が入ります。
精神的に大人の方のみお読みください。



囚われのプリンセス(最終話)





「…明日は仕事なのよ」

イヌに後ろから抱きしめられているヘリが言った。

「そうだな。」…僕もだ。イヌが淡々と応えた。

「だから、今夜は帰らないと…」

「君の部屋はこの下だ」

階段を下りるのに、数分とかからない。

イヌのヘリを抱きしめる力が少し強くなった。

「…また、私を抱きたいの?」

ヘリの、率直な質問にイヌがクスリと笑った。

「ああ」…抱きたい。

こちらも率直な答えに、ヘリが、困惑したようにうつむいた。

「またというか…」

イヌが、ヘリの耳元に後ろから顔を寄せると、耳たぶを甘く噛んだ。


「…ふっ…」

ピクリっと震えるヘリの体を縛るように、
イヌのヘリを抱きしめる両腕の力が強くなった。

…何度でも抱きたいんだよ。ヘリ。


「昨夜は、『明日の夜だったら考えてもいい』と言っていたな。君は」

イヌは、昨夜行為の終わった後に、ヘリの言った言葉を口にのせた。

「忘れた?」

「…覚えているわ」

「それに、昼間のクイズ。全問正解したからご褒美も欲しい」

「…1問、間違えていたわ」

自分でも往生際が悪いと思いつつ、ヘリは、唇をとがらせた。

「0.5センチは誤差範囲だろ?」

クイズで出したヘリのウエストのサイズが、
イヌの知っているものより小さい値だったのを、ヘリが指摘していた。


「嫌なのか?」

イヌが、溜息をついて、鏡越しにヘリを見つめていた。

「ヘリ、正直に言ってくれ。嫌なのか?」
…僕と昨夜みたいなことをすることが。

「本気で嫌なら、この腕をほどいて行ってくれ」イヌが言った。

…そうしたら、僕は無理強いしないから。


イヌの言葉にヘリが、体の力を抜いて、気まずそうに目を伏せた。

「…嫌とかじゃないのよ」

ヘリがぼそぼそと、鏡のイヌからも目をそらせて言った。

「…恥ずかしいだけなの。…まだね」

恥ずかしいと思っているのに、ドキドキして逃げてしまいたいほど緊張してるのに、
こうしてイヌに抱きしめられているのが心地よくて、ずっとしていて欲しいとも願ってる。

矛盾した思いを抱えてヘリは、困惑していた。


「じゃあ、どうして目も合わせてくれない?」

イヌの言葉にヘリが、ギュッと目をつぶった。

「…悔しいの」

「何が?」

不思議そうなイヌの声にヘリが目を開いて唇をかみしめた。

「だって…私一人があなたに囚われて、余裕が無いみたいで…」


デートの間も、平然とした顔で、いつもと変わらない、立ち振る舞いと態度のイヌ。

なのに、私は、イヌの一挙一動に、いちいち反応して、ドキドキして、
目もまともに合わせられないほど動揺している。

昨夜の事を境に、イヌと自分との間の事が、変わってしまった。
まるで世界が変わってしまったかのように、感じ方まで違う。

好きだったけど。1年前も今も好きだけど、
その気持ちは何も変わっていないはずなのに。

好きという気持ちが大きくなった、とか増えたとか、そういうんじゃなくて…。

一線を越えてしまったことで、距離感がつかめなくなってしまった。
そういうことなんだろう。

まだ、戸惑っている自分がいる。
初めて体を許してしまった相手との接し方に。


この年になって、

誰かを本気で好きになったことも、
こうして好きになった人と付き合う事も、
体の関係を持つことも、なにもかもが初めてのことだから。

余裕の無い自分。
そして、その自分という存在を、すっかりイヌに掌握されてしまったような気持ちになっている。

今日1日、側にいるイヌの、声に、視線に、つないだ手に、吐息に、
すべて自分が絡みとられて、囚われてしまっていたことが…


「悔しかったのよ」

そうつぶやいたヘリに、イヌが、フッと息をついた。

「…ヘリ、僕がそんなに余裕があるように見えるか?」

「違うの?」

「・・・・・・」


…余裕なんてないよ。まったくね。

ヘリの体を抱きしめている手で、ヘリの肩を優しくさすりながら、
イヌが、苦笑した。


君と出会ってから、僕の中にマ・ヘリという存在が大きくなっていって、
大部分を占めてしまった。会えなかった1年間も、ずっと。

どこにも隙間なんて無かった。
他に目を向けることが出来ないほどに。

昨夜、初めて君をこの体で抱いた時も、他の事を考える余裕なんて全く無かったし。

それに、


…今日1日中、僕が頭の中で思っていたことが君にばれたら、
きっと君は僕を軽蔑して、この腕から力づくでも逃げ出すだろう。

だから、


「もっとお互いの事を知るべきだと思わないか?ヘリ」
…これはクイズじゃないよ。

ふざけたような言葉を、真面目に耳元でつぶやくイヌに、ヘリが思わず笑った。

「ええ、その点に関してはあなたと全く同意見よ」

…私ももっとあなたの事を知りたいもの。
…そして、もっと、二人一緒にいるこの先の事も知りたい。

ヘリの言葉に、イヌが微笑んだ。

「その言葉、承諾と取るぞ」

そう言ったイヌがヘリの答えを待たず、ヘリの衣服の上からヘリの体に触れた。


「んっ…」


次第に激しくなるイヌの手の動きに、ヘリは翻弄されるように息を荒くして身をよじった。

バスルームが近くにあるのに…。

「…シャワーを先にあびさせて」

恥ずかしそうに、小さくもらすヘリの言葉に、イヌが、「駄目だ」と答えて、ヘリの息を止めた。

…もう余裕が無いんだよ。

熱い吐息混じりのイヌの囁きに、ヘリが、悪あがきの抵抗をやめて、脱力した。

真剣で、まっすぐに自分を貫くように見つめるイヌの瞳に、
ヘリは体も心も完全に囚われているようだった。

ヘリはそのまま、イヌに洗面所の鏡の前で、衣服を脱がされると、
ベッドの上まで抱いて運ばれた。

その間、イヌの息づかいと、手の感触だけを感じて、
ヘリはずっと羞恥心から耐えるように目を閉じていた。

「…またベッド汚しちゃうかも」ヘリのつぶやきにイヌが、
「汚せばいいさ。何度でも」と答えながら、ヘリの体を愛撫していた。


「痛くしないで…」

無理な注文だとは分かっているけど、
一度体感した記憶が、ヘリの緊張をさらに高めていた。

案の定、イヌが苦笑して、動きを止めるとヘリを見降ろした。

「それは約束できないな」

「・・・・・・」

「でも…」

ヘリの泣きそうに引き結んだ唇と、潤んだ瞳にイヌが、フッと微笑んだ。

そして、ヘリの頬に手をおくと、優しく、指でなぞった。

「…大切にする」

イヌの言葉に、ヘリは自分がイヌに愛されていることを実感して、
両腕を伸ばすと、イヌの体を抱きしめた。

それからしばらく、
恥ずかしさで、やはり何度も逃げ出したくなるような事を
ベッドの上でイヌにされるがままになっていた、ヘリだったが、

やがて、

イヌの手がヘリの下腹部に伸びて、そして、痛みを与えた時、
ヘリは瞳から涙があふれた。

でも、それは、辛さからではなかった。

…昨夜は、なにもかもが必死で、受け止めるだけで余裕がなくて
分からなかったことも今なら分かる。

ヘリは思った。

心も体も、イヌが大切にしてくれている。

とても大事に扱ってくれていることが分かったヘリだった。



そして、イヌ自身が、ヘリの中に入ってきた時も、

まだ激しい痛みは感じるけれど、それはもうヘリの心の中では
何の問題もないことだった。

目を閉じていても、聞こえるイヌの息づかいや、感じる熱い素肌、
手のぬくもりがヘリの心を温めていた。


…もう怖くない。


痛みをこらえる声を思わずもらすヘリの唇を、イヌが優しく塞いだ。

流れる涙も、イヌが手でそっとぬぐってくれた。

行為の間、昨日まで感じる余裕のなかったイヌの、自分への想いがあふれんばかりに
体の中にも流れこんでくるように感じていたヘリだった。


…嬉しい。


もちろん、口に出すことは無いけれど、
ヘリは、自分の思いをイヌに伝えるように、イヌの体にまわした手に力を込めた。

イヌも自分にしがみつくヘリの、昨夜とうってかわった表情に、口元を綻ばせていた。


『私一人が囚われて余裕が無いみたいで』


そう言っていたヘリ。


…とっくに君に囚われていたのは僕の方だよ。ヘリ。

もちろん、こちらも口に出して伝えることはないイヌだったが。

…愛しているよ。僕だけのプリンセス。



そうして、

ヘリとイヌは、二人で過ごす二度目の夜を、ゆっくりと時間をかけて、
お互いを愛する行為に費やしたのだった。


…翌朝。

ヘリは、イヌのベッドの上で、目ざまし時計の、自分の吹き込んだ声で起こされていた。

『イヌ、イヌ、ソ・イヌっ』

「・・・・・」


結局、体を重ねた後、幾時か眠ってしまったが、何とか起きて、
深夜に自室に戻ろうとしたヘリを、イヌが引き留めていた。

必死に理性で抵抗するヘリをベッドの中に引きずり込み、
そればかりか、再び、ヘリの体を抱くという行為に及んでいたイヌだった。


…前言撤回。


自分の中のイヌへの認識の甘さを思い知ったヘリは、
すでに起きていてキッチンで朝食を作っていたイヌを
ベッドのタオルケットに包まって恨めしそうに見つめた。

ズキズキと痛む体の芯にヘリは眉をひそめて、ゆっくりと上半身を起こした。


「おはよう。起きた?朝食を一緒に食べよう」

ウキウキとした調子で、キッチンから声をかけ、
自分と同じくらいか、もしくはそれ以上に寝不足で体力を消耗しているだろう男の
元気な姿に、ヘリは呆れたように溜息をついた。

「…シャワーをあびさせて」

「どうぞ。タオルは好きに使って。君の下着や服はクローゼットの左の収納ケースの一番上にある」

「分かったわ」

「ああ、それとー…」

イヌが、クローゼットに向かうヘリに思いだしたように声をかけた。

「必要なら、あの白い箱は、洗面所の棚の上にあるから」

「!~~~~~」

ヘリが、怒ったように真っ赤になって、洗面所に駆け込んでいくのを、
イヌがキッチンで悪戯っぽい笑みを浮かべて見送った。


…もう、二度とあの男の誘いにも口車にも乗らないんだから!

シャワーをあびながら、ズキズキ痛む下腹部に顔をしかめて
ヘリは心の中でイヌに罵詈雑言をあびせていたのだったが…。

朝食を準備したイヌが、ヘリをキッチンに座らせて、
かいがいしく給仕しながら、又もドキドキさせるような熱い眼差しを送ってくると、
ヘリは、わざと拗ねたふりをしながらも、モソモソとサラダを口に運んでいた。

そして、

「今週末の金曜の夜は一緒に夕食を食べよう」というイヌの誘いに、
ヘリは、コクリとあやつり人形のようにうなずいていたのだった。



その日の日中。



「おや?マ検事、寝不足ですか?」

「ええ、ちょっとね」

検察庁で、仕事中何度も欠伸をするヘリに、同室の事務官と捜査官が、
不思議そうに声をかけるのを、なんとか誤魔化したヘリ。

しかし、

その次の日も、また次の日も…。

その週は日を追うごとに、
どんどん寝不足がひどくなるのに浮かれたようなヘリの状態に、
周囲がうすうす事情を察し始めて、温かい眼差しで見守っていた事を、

すっかり、『悪い王子様』に囚われていたプリンセスには知るよしも無かった事は、
その後の物語を知っている人はご存じの通り。


(囚われのプリンセス終わり)



「王子様の朝と夜」と「初めての夜後日談」「優等生」の間の話でした。

イヌが、ずっと何を考えていたのかは…夢を持っていたいので、
私も深く考えたくないです(笑)

ヘリは、本当にドキドキ純粋な乙女モードでしたが、
イヌも、ドキドキ男モードだったんでしょうね。

ヘリは、ずっと、夢みてきたと思うんですよ。
好きな人と手をつないで普通に街中デートすることとか。
書いていて初初しかったです。

でも、「聖夜の願い」の後なので、自分で書いていながら、
イヌに、良かったね(涙)と思ってました。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「囚われのプリンセス」第3話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
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この話は、「王子様の朝と夜」の続編です。
初めての夜」を過ごしたヘリとイヌの次の日の出来事の話になります。




囚われのプリンセス(3話)





『好きな物を買ってあげるよ』とヘリに言っていたイヌだったが、

その言葉通り、

最初の店でバッグを買った後、次に行ったブティックでも、その次に行った所でも、
ヘリの気にいった物を、何の迷いもなく次々購入していった。

レジで商品とカードを差し出すイヌを、ヘリは嬉しい半面、戸惑うように見つめていた。


ヘリが、目にとめて、…欲しいな、と心の中で思った物を、
側にいたイヌが見透かしたように、購入するという感じだった。

…どうして、私の気持ちが分かるのかしら?
この人、やっぱり超能力者なのかも。

ヘリは首をかしげなから思った。

…それに。
本当に私のこと分かっているみたい。

一緒に買い物をしていると、ヘリは、自分の好みやタイプが
ほとんどイヌに知られている事を改めて知った。

服を見ている時も…

「これ、君に似合うんじゃないか?」

そう言って、ヘリがちょうど凝視していた服をイヌも認めてうなずいていた。

ヘリの抜群のプロポーションをさらに引き立てるようなデザインの服。
デザインだけでなく、素材も色も形もヘリの好みだった。

「着てみたら?」

「ええ」ヘリは、やはり、チラリと、服の値札のタグをチェックしていた。

…着てみるだけならいいわよね。

「ヘリ。ちょっと待って」
店員に案内されて試着室に向かおうとするヘリをイヌが呼びとめた。

「これも、ついでに着てみて」

イヌが、数着、店員に新しい服を渡していた。

「あなたのお見立て?」ヘリのからかうような声に、イヌが意外にも真面目な顔で微笑んでいた。

「君にきっと似合うと思う」

「・・・・・・」

自分の一挙一動をじっと見ていて、心まで見透かし、
さらに、店を渡り歩くたびに、自分に似合う物を真剣に探しているイヌに、
ヘリは、ますます、落ちつかない気分になってきていた。

1年前のイヌも自分にとても親切で、いろいろしてもらった記憶があった。
でも、それは、イヌの計画のためだったからと後で分かった。

それが、すべて計画の為だったとは、ヘリももう思ってはいなかったのだが、
今、こうして、自分に優しく尽くしてくれるイヌを見ていると、
自分が本当にお姫様扱いされているような気持ちになってきていたのだった。

「ええ、着てみるわね」

イヌの探した数点を合わせて、店員から服を受け取ったヘリは、
なんでもないように、嬉しそうな顔をイヌに向けると、試着室に入った。


…男の人の選んだ服を着てみるなんて初めてだわ。

ヘリは、自分の服は自分のセンスで選んでいた。
それは自分の体が何より大切だと自負していたから、
着る物も他人の評価など気にしないで、自分の基準が一番だったからだった。
少しつきあった男にファッションの事を言われるのも嫌だったヘリだった。

でも…。

ヘリはイヌの選んだ服を改めて試着室の中で見つめた。

普段は選ばないような服だけど、似合うかも…。

ヘリは、まずイヌの選んだ服を着てみることにした。
そして着て、試着室の全身鏡でその姿を見たヘリは、目を丸くした。

…すごい。ぴったり。それに、素敵。

服だけで見ていた時より、実際着てみて、それがヘリの顔と体に、
ぴったりと合っていたことにヘリは驚いていた。

…自分に似合うファッションを見る目は確かだと思っていたのに…。
イヌが、着ている服のセンスはいいと思ってたけど、
これほどまで私に合う物を選ぶなんて…。

ヘリは鏡の中の自分を茫然と見つめた。

「ご試着はいかがですか?」

試着室の外から店員の声がかかって、ヘリは我に返って振り返った。
「…今出ます」

おそらく、試着室の外にイヌもヘリが出てくるのを待っているだろう。
自分の見立てた服を着たヘリを確認しようと思っているはず。

…なんだかいつもと勝手が違うわ。

ヘリは、まるで服飾学科の卒業制作発表会のファッションショーの前のような緊張感を感じていた。

ヘリはそっと息を吐くと、試着室の扉を開けた。

「まあ、…じつによくお似合いですわ」

商売上のお世辞でなく、本心から褒めているような声が店員から洩れた。

「どうかしら?」

やはり、店員の近くにたたずんでいたイヌの姿をすぐに見つけて、
ヘリはモデルのようにポーズをとって気どってみせた。

イヌが、ヘリの試着姿を見て、腕を組んで満足そうに微笑んでいた。

「いいんじゃないか?」
…君はどう思う?

「ええ、悪くないわね」

本当はとてもいいと思っているヘリだったが、わざと、すましたようにイヌに答えた。

そして、自分を見つめるイヌの視線に、再び落ち着かない気分になったヘリは、
「…他のものも試着するわね」と言うと、試着室の扉を閉めた。

その後、

最終的に自分の選んだ服とイヌが選んでくれた服のうちの1着で、
どちらを購入しようか、迷う事になったヘリ。

…どうしよう。

悩んでいるヘリの横にスッとイヌが近づくと、二つの服を持って、
真っすぐにレジまで歩いて行った。

「これ、2着ともください」

イヌの言葉に店員が嬉しそうにお辞儀した。

「ありがとうございます」

「・・・・・・」

結局、ヘリのお気に入りのブティックめぐりをあらかた終えた頃には、
イヌの両手に持ち切れないほどの買い物袋がぶら下がっていた。

駐車場に停めていた車のトランクにイヌがヘリの荷物を入れた。


「イヌ、ありがとう」
…いっぱい買ってくれて。
こんなに好きな物を沢山買い物をしたのは1年ぶりだわ。
全部支払いをしてくれたのはイヌだけど…。

ヘリの嬉しそうな顔を見て、イヌがうなずいた。

…クリスマスと誕生日が一度に来たような顔をしてる。


「じゃあ、今度はランチをしにいこうか?どこに行きたい?」

「ランチは私におごらせてちょうだい。だから、あなたの好きなところでいいわよ。イヌ」

「君の好きなところでいいよ。ヘリ。
今日は、『お姫様』の要求にとことんつきあうつもりでいるんだから」

「そんなに甘やかしてばかりいたら、後でどうなるか分からないわよ?」
増長して、今よりもっと我儘になってしまうかも。

「かまわないさ」

サラリと言って、イヌが、ヘリを見つめた。

ヘリの胸がまたドキンと音をたてた。

「どこに行きたい?」

どこまでもお姫様扱いを続けるイヌに、ヘリは、戸惑いながらも、
少し考えた後、答えた。

「…あの店に行きたいわ」

「あの店?」

ヘリの言った『あの店』というのは、そこから近い場所にあった。

ヘリがお気に入りでよく親友のユナと一緒に行くカフェレストラン。
1年ほど前、ヘリが殺人事件の証拠画像を見つけた時に、
イヌと一緒にブランチに行ったところでもあった。

「ここは…」

カフェについて、席に座ったイヌが思いだしたような顔で
店内を見渡していた。

「君のお気に入りの店だったな」

「そうよ」

ヘリが、楽しそうに注文した食事をつつきながら言った。

「いい事があった時はこの店に来るのよ」
…知ってるでしょ?

ユナの誕生会とか、事件の証拠を見つけた日とか。

「今日みたいな記念日とか?」

イヌの言葉にヘリが、恥ずかしそうにイヌを睨んだ。

…1年前にイヌにこの店で言われた事も覚えてる。

『普通いい事があった時や、嬉しい時悲しい時、好きな人と会うんじゃないか?』

「…私ね。あなたと一緒にもう一度この店に来たかったのよ」

ヘリが正直に言った。

イヌがアメリカに行って、もう二度と会えないと思っていた間。
ユナと一緒に時々店に食事しに来るたびに思いだしていた。

徹夜をして、必死で証拠の画像を見つけて、そして、
目の前にイヌがいて、一緒に食事した。

イヌとは何度も一緒に食事をした事があったけど、店の物も何度も食べた事はあったけど、
あの日は特に美味しいと感じた。

――あの時にはもうすでに自分はイヌの事を好きだったんだわ。

そう気づいたヘリだった。
そして、もう二度と、会えないだろうイヌを想って、
ヘリは胸がつまるような思いで食事をした。

だからこそ、

再会して、そして、こうした関係になったイヌと
もう1度この店で食事してみたかったの。

ヘリの心の声を残さず聞いたようにイヌが、微笑んだ。

「これから、いつでも一緒に来られる」…何度でも。

そう言って、手を伸ばしたイヌの手がヘリの手をやわらかく握った。

ガチャン☆

とっさにビクリっとしたヘリがフォークをテーブルから落していた。

「そそっかしいな。君は。ほら」

呆れたように笑ったイヌが、すぐに近くの店員からかわりのフォークを申しつけると、
ヘリに渡した。

「…ありがと」

ヘリが気恥かしそうにフォークをイヌから受け取ると、
パクパクと勢いよく食事を口に運んだ。

「お腹がすいていたのか?」

「え、ええ」

目の前のイヌが、じっと優しい目でヘリを常に見つめていた。

…緊張したり、何か悩み事があると食事が進んでしまう自分の事を
きっと目の前の男にはお見通しなのかもしれない。

イヌの目が自分を見つめていると思うだけで、体がしびれたようにうまく動けない。
言葉もうまく出てこない。
…なんだか悔しい。

美味しいと感じる料理を食べながらも、ヘリは、
イヌがいなかった間の時とは又違った意味で、胸をつまらせながら食事をすすめていた。


食事を終えて、(ランチ代は、レジ前でさんざんごねて、ヘリが支払って)
店を後にした二人。

イヌが、何の気負いもなく、スッとヘリの手を握って歩きはじめていた。

「このまま、繁華街を歩こう」

ヘリがコクリと恥じらうようにうなずいた。

「なんだか、恋人同士みたい」

「恋人同士だろ?」

ヘリの言葉に可笑しそうに笑うイヌに、ヘリが微笑み返しながら首筋を手でかいていた。

…つないだ手から、どうか、自分の胸のドキドキが伝わりませんように。

すっかり、少女のようになっていたヘリは、
イヌの手の中で汗ばんでいく自分の手にそう祈った。

やや俯き加減で歩くヘリが、もしイヌの顔をしっかり見ていたら、
イヌの嬉しそうな笑顔に気づいていたかもしれないのだが…。

こうして、繁華街の混雑も気にならずに、
お互いの手を握りしめたまま、初めて恋をした少年、少女のように、
イヌとヘリは、歩いていた。

通りがかりの店に、ふらりと立ち寄って、気になる商品を一緒に見てはしゃいだり、
ある時は、購入したりしながら、二人は時間が過ぎるのも忘れて、
デートを続けていた。

夕方になって、少し早いディナーで、今度はイヌのお勧めの店で一緒に食事した二人は、車でマンションに戻ることになった。

「あ~。楽しかったわ」

ヘリが、マンションの駐車場で車から降りると、ニコニコ顔でイヌに言った。

「イヌのおすすめのお店も初めて行ったけど、美味しかったわ」

「ヘリの口にもあって良かったよ」

イヌが、車のトランクから買い物袋を取り出していた。

「好きなものもいっぱい買ってもらったし…」
…今までも何度かデートをした事があったけど、今日のデートは格別な感じがするわね。

「今日はありがと。王子様」

ヘリの言葉にイヌがおっ?という顔になった。

「とうとう、王子様に格上げしてもらったのかな?」
…元ストーカーから。

「日も暮れたから、そろそろ魔法がかかる時間でしょ?」

ヘリがいたずらっぽく言って、ヘリの荷物を全部持ったイヌの後に続いた。

「あ、そうだ」

マンションのエレベーター前でイヌが思いだしたように言った。

「ヘリ、君、僕の部屋に忘れものしていかなかったか?」

「え?」

「白い箱の…」

「あっ…」

1日のデートですっかり浮かれていて忘れていたが、
イヌの部屋にナプキンの入った箱を忘れていたのを思い出したヘリだった。
いくらなんでもアレはそのまま置いておくわけにはいかないだろう。

「今あなたの部屋に取りによるわ」

「ああ、じゃあ、先に僕の部屋に来て。後で、一緒に荷物を君の部屋に運んであげるよ」

「お願いします」

チン☆

エレベーターで5階について、イヌの部屋にむかったイヌとヘリ。

部屋の扉を開けると、イヌがヘリを先に促した。

「おじゃましまーす」

ヘリが、イヌの部屋の中に入って、白い箱をおいた洗面所の方に入って行った。

…あら?無いわ。朝、確かにこのへんに置いておいたと思ったのだけど…。

「ねえ、イヌ、あの白い箱どこに置いてあったかしら?」そう言いながら、
洗面所のまわりを見渡しているヘリの後ろにイヌが立っていた。

「!」

背後から、
急にイヌに抱きすくめられたヘリは、体を硬直させた。

洗面所の鏡に自分を後ろから抱きしめているイヌの姿が映っていた。
その鏡越しにヘリを見つめるイヌの熱っぽい瞳とヘリの目が合った。

まるで、イヌの視線に絡みとられるように、ヘリの体が動けなくなった。

「…い、イヌ?」

「ヘリ…」

イヌの熱い息がヘリの耳元を掠めた。

「…もう少し一緒にいたい」

イヌの低めの、そして、強い意思を感じる声に、
ヘリは、高揚感のあまり膝から崩れ落ちそうになった。

…でも意外ではなかったイヌの言葉。…今日、1日中、どこかでずっと望んでいた。
こうなることを。

ヘリは、そんな風に冷静にとらえている自分自身に茫然となりながらも、
すでに、自分が、もうずっとイヌに囚われていたという事をようやく自覚して、
恥ずかしそうに、イヌの腕の中で小さく震えていた。



(囚われのプリンセス3終わり 最終話につづく)



イヌ、この日、お金をいくら使ったのでしょう?
ディナーはもちろんイヌが支払ってます。
ランチのカフェは、ドラマの10話ででてきた店です♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「囚われのプリンセス」第2話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。

この話は、「王子様の朝と夜」の続編です。
初めての夜」を過ごしたヘリとイヌの次の日の出来事の話になります。





囚われのプリンセス(2話)





やがて、イヌの車が繁華街の中の駐車場についた。

「車はここに停めておこう。君のお気に入りの店はこのあたりに多いだろ?」

「そうね。最近は来てないけど」

わざと明るい調子で応えるヘリをイヌがジッと見つめた。

「楽しみよ」ヘリがそんなイヌの視線に気づいて、ニッコリと笑った。

…気にしないで、イヌ。

お金がなくても、前みたいな買い物が出来なくなっても、
私は今十分に楽しんでいるんだから。

「ユナの店も久しぶり。でも、今日、ユナはいないのよね~」

ヘリが大きな独り言のように言った。

「休みなのか?」

「そうみたい。今日は彼氏とデートだって言ってたわ」

へりの親友ユナは、今の彼氏ともう、かれこれ1年以上つきあっているようだった。

…つきあって1年か…。そういえば、私とイヌはまだ1カ月ってところなのよね。出会ってからだったら1年以上たっているけど。…違う。本当に初めて会ったときからは16年たっているのよね…。

でも、交際1年後ってどんな感じなのかしら?
今度ユナに聞いてみよっと。


ヘリは、イヌと連れだって、ユナの働くブティックに足を踏み入れた。

「いらっしゃいませ。…まあ、マ・ヘリ様」

店員の一人の女性が、驚いた顔で、ヘリを見て、近づいてきた。

ユナの後輩で、以前、ヘリがよく買い物をしに来ている事を知っている店員だった。
そして、この1年ほどはユナに会いに来る以外、何も買わずに店に来ていたことも。

「今日は、ユナさんはお休みを頂いていていないんです」

そう伝える店員にヘリが、「ええ、知ってるわ」と微笑で応えた。

「今日は、新作の物を見せてもらおうと思って伺ったの」

「新作ですか?」
…買い物にいらしたんですか?

一瞬驚きを隠せない様子で目を見開いた店員だったが、すぐにプロらしい接客の顔つきでヘリに微笑んだ。

「ありがとうございます。こちらです。ご案内いたしますね」


店員はヘリを案内しながら、チラリとヘリの後ろをついて歩いてくるイヌに目をやって、少し頬を染めたように見えた。

「お連れ様もよろしければ、ご一緒にどうぞ」

ニッコリとイヌが、やわらかい笑顔を店員にむけた。

…店員の女性にまで愛想をふりまかないでよ。

急に内心穏やかでなくなったヘリは、頬を少し膨らませて歩いていた。

店員の案内で、服や、バッグの新作を見せてもらったヘリは、
…どれも素敵ね…。とうっとりとなって、先ほどまでの不機嫌さもすぐに忘れてしまった。

…とくにこのバッグが素敵。

ヘリはほとんど一目惚れに近いバッグを、嬉しそうに手にとって眺めた。

しかし、何気にその値札を見たヘリは、戸惑ったように、
あわててバッグを元の場所に戻した。

「いかがです?新作なのですけど、今、セール期間なので、5%引きになっていて、大変お得ですよ」

…お得でもこの値段なのね。

1年前だったら、値札を見ずに買い物をしていたヘリ。
たとえ値札を見たとしても、父親のカードで簡単に支払いを済ませていたのだったが。

私の今の1カ月の給料の何割かしら…。

そんな事を考えていたヘリの横にスッと手がのびた。

ヘリが置いたバッグを、イヌが手にとっていた。
「これ、いいんじゃないか?」

「え…」

「君に似合うと思うけど?」

「・・・・・・」

イヌに差し出されたバッグをヘリは黙って受け取って、手に持ってみた。

「こちらのお鏡、ごらんくださいね」店員がヘリに姿見の鏡を近づけた。

…ええ、かわいいわ。とっても。
素材も色も形も好みだわ…。こういうサイズの物を1つ欲しいと思っていたのだけど…。


「気にいった?」

イヌが聞いた。

「ええ、素敵ね」

ヘリが、曖昧な笑みを浮かべて、でもバッグを再び元の位置に戻そうとするのを、
イヌが、取り上げた。

そして、それを店員の方に差し出すと、きっぱりと言った。

「これをください」

…え?

店員が驚いた様子で、バッグを持つイヌと、ヘリを交互に見つめた。

「…よろしいんですか?」

明らかにヘリに向かって聞いている店員に、イヌの方がうなずいた。

「支払いはこちらで」

「イヌっ」

一瞬茫然となって、佇んでいたヘリだったが、我に返って、
あわててイヌの腕を両手でつかむとグイグイと引っ張って、店員から離れた場所に移動した。

「ちょっと待ってよ」

「何?」

こちらをチラチラと気にしている店員の方に目を向けて、
ヘリの行動に呆れたようなイヌに対抗するようにヘリが上目づかいになってイヌを見た。

「そのバッグ、値段見た?」

「見たけど?」

「…まだ店も最初だから、他の店のもいろいろ見てから決めたいんだけど…」

「他の店に行っている間に、今のバッグが売れてしまうこともあるんじゃないのか?」

「・・・・・・」

「ユナさんがいれば、出来るかもしれないが、普通、買うか分からない商品を取り置きはしてもらえないだろう?」

「そうだけど…」


ヘリは、少し考えた後、

「イヌ、私、欲しい物はあのバッグに決めたわ」ときっぱりと言った。

…うん。すぐに気にいったものだし、
イヌも似合っているって言ってくれたから。

「わかった。購入しよう」イヌがうなずいた。

二人で、店員のところまで戻ると、
イヌがレジの所でバッグの支払いを済ませた。

「ありがとうございました」

店員に出口まで見送られて、ヘリはバッグの入った手提げ袋を受け取った。

ヘリは、嬉しそうに手提げ袋を持ち上げた。

そして、イヌの方を向くと、
「イヌ、ありがとう」とお礼を言った。

「どういたしまして」

イヌはヘリの本当に嬉しそうな顔で袋を抱きしめている姿を見て、
満足そうに微笑んだ。
「次はどの店に行く?」

「え?」

ヘリが、袋を抱きしめたまま、首をかしげた。

「次って?もう欲しい物は買ってもらったわ」

「バッグは買ったけど、服はまだだろ?」

…服も買ってくれるの?

黙ってイヌを困惑した目で見ているヘリにイヌがたたみかけた。

「服欲しくない?」

「…イヌ、気持ちは嬉しいけど、私、このバッグで十分よ」

「ほんとに?」

ヘリがコクリとうなずいた。

『遠慮なく、なんでも買っていい』とは言われたけど、
このバッグ1つでもかなりいい値段だもの。これ以上ねだれないわ。

ヘリは、微笑みを浮かべてイヌを見た。
その表情が、やけに大人びていて(十分大人なのだが)、
ヘリが何か無理をしている事をイヌはすぐに察した。

「よし」イヌが言って、ヘリの持っていた袋を取り上げて自分で持つと、
空いた方の手でヘリの手をとって、歩き出した。

「次の店に行こう」

「イヌ!?」

ヘリがあわててイヌに引っ張られるように歩きだした。

「イヌっ、ちょっと待ってよ」

「何?」

ヘリがイヌの握っている手に力を込めて、引っ張り返すと、
イヌの足を止めた。

振り返るイヌをヘリがジッと疑わしい目で見つめた。

「買ってもらって、こんな事を言うのもなんだけど…何か変よ?」

「変って?」イヌが、訝しげな顔をした。

「ブティックめぐりをしようと言っただろ?まだ1軒目じゃないか」

「そうじゃなくて…だって、いくら記念日だって言っても、こんな気前よく物を買ってくれるなんて…」
…何か企んでる?

「…疑り深いお姫様だな」

イヌが、心外だという顔をして、わざとらしい溜息を1つついた。

「ソ・イヌに二言はないって言っただろ?」

「・・・・・・」

「それに、そのバッグに似合うような服を着た君を見たいんだよ、僕が。
だから君が遠慮する必要はないよ」

「・・・・・・」

「…それより、体の方は大丈夫か?」

「え?」

いきなり、内容のかわった会話にヘリがきょとんとした。

「どこか痛む所があるんじゃないか?」

イヌの視線の先が自分の下肢の方に向けられている事に気づいたヘリは、
真っ赤になって、イヌの足に蹴りをいれた。

「何言ってるのよっ」

「真面目に聞いてるんだ。歩き方がずっと変だったから」

イヌがヘリの蹴りをかわしながら、言った。

「変!?」

とたんにギクリとして、ヘリは体を硬直させた。

…確かに体のある部分に痛みのような違和感があって、
それを無意識にかばうような歩き方になっていたかもしれない…。
でも、それは、昨夜イヌと初めてあんな事をしたからであって…。

「だ、大丈夫よ。なんでもないわっ」

ヘリが、あせったようにかぶりを振った。

「『昨夜』のせいか?」

「・・・・・・・」

どうして、こんなことを何の臆面もなく言うのだろう。この男は。

ヘリが肯定も出来ずにジットリとイヌを見つめている目で、
イヌは自分の考えが当たっている事を確信した。

「僕の方はいい思いだけさせてもらったけど、君にはつらい思いをさせたな」

イヌの珍しく謙虚な言葉にヘリが目を丸くした。

「別に、気にしてないわよ」
…どうせ、いつかは通る道だったんだから。

ヘリが、気恥かしそうに頬を手でかいた。

…僕は気にするんだ。
イヌが真剣な目でそう言って、ヘリの横にたたずむと肩を抱いた。

「君の大切な初めての記念に、プレゼントを受け取って欲しい。いいだろ?」

提案しているようでいて、有無を言わさないような
イヌの言葉にヘリは、おもわずうなずいていた。

…悪いと思われているのも、なんだか申し訳ないわね。
記念だから、って言ってるけど、これってお詫びのつもりも入っているのかしら?

「ええ。…ありがと」

ヘリの返事にイヌが満足そうに目を細めると、
ヘリの肩を抱いたまま、歩きはじめた。

一緒に寄りそって歩きながら、

イヌに肩を抱かれているヘリは、イヌと触れ合っている部分が、
なぜか熱く感じて、いつもより激しくドギマギしていた。

…まるで、初めてイヌに肩を抱かれた時みたい。
もう、私ったらこれじゃウブな女みたいになってるわ。
しっかりしなさい。マ・ヘリ。

いつもと違う自分を心の中で叱咤しながらヘリは、
もつれそうになる足をぎくしゃくと前に出して歩いて行った。

イヌから見ればヘリは十分ウブな女だったのだが、
確かに、そわそわと落ちつきの無い、いつもと異なるヘリの様子に
イヌは珍しく気づいていないようだった。
それは、イヌの方もいつもより平常心を無くしていたということに他ならないのだが…。

初めての夜を一緒に過ごした恋人達は、
それぞれの思惑を抱えながら、浮足立った足で次の店に向かって歩いていた。


(囚われのプリンセス2終わり 3に続く)



ヘリの親友ユナの彼氏はドラマで「100日記念を一緒に過ごす」と
いう言葉の中だけでてきましたが、みつばの小説では、
その彼氏と続いているという設定で♪今後二次小説の中で登場予定です♪



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「囚われのプリンセス」第1話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

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この話は、「王子様の朝と夜」の続編です。
初めての夜」を過ごしたヘリとイヌの次の日の出来事の話になります。




囚われのプリンセス(1話)




…なんだか、いつもと勝手が違うわ。

ヘリは、店の試着室の中で、もじもじしながら全身鏡に映った自分の姿を見つめていた。

試着室の外で、イヌが待っている。

試着室の扉が閉まって、この空間には誰もいないというのに、
まるで外にいるイヌに、中まで見透かされているような気恥かしさを感じているヘリだった。

…どうして、こんな事になっちゃったのかしら?

ヘリは、試着室の中で深い溜息を一つついて、その日の朝のことから
思いだしていた。


――‐『初めて記念』だから、好きなものを買ってあげるよ。


そう言ったイヌと一緒に、
去年の春まで、お気に入りで行きつけだった店にショッピングに行く事になったヘリ。

朝食を一緒に食べた後、初めての夜を一緒に過ごしたイヌの部屋を出て、
出かける前にヘリは一度自分の部屋に戻ることにした。

「待って」

洗濯機にかけた自分の服と下着を、持ち帰ろうとするヘリをイヌが止めた。


「そのまま、この部屋に置いておいたらどうだ?」

「え?」

ヘリは、イヌの言っている意味が分からないというように
きょとんとイヌを見つめた。

「どうして、私の下着と服をイヌの部屋に置いておくの?」

首をかしげて、意味が分からない、というようなヘリにイヌが苦笑した。

「これから先、こういう事が何度もあるだろう?」
ヘリが、この部屋に泊まっていくようなことが。

「それって…」

イヌの言葉に、今度こそヘリが考えるまでもなく、答えを理解した。

「・・・・・・」

ヘリが少し頬を染めて、
でも、当惑したように自分の手の中の衣類とイヌを無言で交互に見つめた。

「いくつか置いておくといい。そうすれば、いつ来ても心おきなく泊まれるだろう?」

自分の複雑な心境をよそに、サラリと何でもないように提案を重ねる男に
ヘリはますます当惑した。

「…それってつまり、また、私があなたの部屋に泊まりに来るってことよね?」

「来ないのか?」

「・・・・・・」

「なんなら、僕の方が君の部屋に泊まりに行こうか?」

イヌの言葉に、ヘリがあわてたように、衣類をイヌの手に押し付けた。

「分かったわよ。置いておいてちょうだい。…いつになるか分からないけど、そういう事もあるかもしれないから」

ほとんどヤケになっているようなヘリの言動に、イヌが面白そうな顔をした。

「OK。じゃあ、クローゼットの中に保管しておくよ」

「ええ、大事に保管してね。…変な事に使わないでよ」

「変な事って?」

よく分かっていないのに、つい言ってしまったヘリの上げ足をとるようなイヌの言葉に、
ヘリがジットリとイヌを睨んだ。

「…元ストーカーさんを私はまだ信じてないの」

イヌが渇いた笑い声をあげた。

「ストーカーから、王子に、従者か。僕の役割は実に多いな。ヘリ姫」

「演じるのは得意でしょ?」

イヌのからかいをツンとした表情で受け止めたヘリは、
少し気まずそうに、手ぶらになった自分の両手に目を落とした。

「…じゃ、私、一度部屋に戻って着替えてくるから。あ、今お借りしている服は洗って今度返すからね」


「…それは、君の部屋に置いておいてくれ。へり」

イヌが、あきらめたような短い溜息をついて苦笑しながら言った。

…どういう意味か、もう分かるだろ?

からかいを含んだ、でも、どこか熱っぽいイヌの視線に、
ヘリの胸の鼓動がドクンっと大きく跳ねた。

「…わかったわ」

勢いよくイヌにうなずいたヘリは、
そそくさとイヌの部屋の玄関まで急ぎ足で向かった。


「支度が出来たら、電話するから」

「了解。連絡待っているよ」

ええ。ヘリが玄関で靴を履いて、ドアを開けようとした時、

イヌが、後ろからヘリの手を握った。

「ヘリ、忘れもの」

「なに?」

…何か他に持って来たものあったかしら?

不思議そうに振り返ったヘリにイヌが口づけた。


ヘリの唇にそっと優しいキスを落とすイヌ。


「これだ」

そう言って、唇を離した後、
イヌが企みが成功した少年のような無邪気な笑顔を浮かべていた。

「~~~~」

ヘリは、真っ赤になって、目を見開いたまま後ずさると、扉を閉めた。


…なんなの。一体。

ヘリは、動揺している自分を誤魔化すように、イヌの部屋を後にすると、
早足で階段をかけおりていた。

…一体、あの男のあの態度は何なのよ。

たった一晩一緒に過ごしただけだというのに、(十分、刺激的な一夜ではあったけど)
まるで、私のすべてを掌握したような、あの態度は。

イヌの偉そうで不遜な態度は、いつもとさほど変わっていないのだが、
うまくあしらう事が出来ない自分への言い訳にヘリは、心の中でイヌにやつ当たっていた。

そのことは、自分でも十分自覚しているヘリだった。

…なんなのよ。しっかりしなさい。マ・ヘリ。
あの男には隙を見せちゃ駄目なんだから。
いくら、体を知られたからって、全部分かったような顔をさせたら、
ただでさえ、えらそうな男をますます図に乗らせてしまうわ。


ヘリは、自分の部屋に入ると、クローゼットに向かった。

そして、外出着を選ぶと着替え始めた。

脱いだ、イヌから借りていた服に目を落としてヘリは、ある事を思い出して、
また、あたふたと一人で慌てだしていた。

…下着。さっき、イヌにこの部屋から取ってきてもらったのよね。
今考えると、何てことを頼んだのかしら。

それに、あれ…ナプキンを入れた箱を、イヌの部屋に忘れて来ちゃったわ。


もう。何やっているのかしら。
…私ばっかりが、バカみたいじゃない。

ヘリは、全く平常心を無くしている自分自身に、腹が立つやら恥ずかしいやらで、
頬を膨らませて、わざとジタバタしながら、動いていた。

この時、
自分の気持ちにいっぱい、いっぱいだったヘリは気づいていないようだったが、

『忘れもの』とキスをしてきたイヌの方も、
ヘリの本当の忘れものには気づかなかったのだろう。

つまり、イヌの方もすっかり舞い上がっていたということになるのだが…。

その頃、

自室で、洗濯したシーツや服をテラスに干し終えたイヌが、
外出着に着替えて、洗面所に行った時に、ヘリの忘れものにようやく気付いたようだった。


…これはヘリの…。

しかし、イヌは、白い箱を手にとって、少し何か考えた後、フッと笑みを浮かべると
そのまま、それを洗面所の棚の上に置いた。



30分ほど後、

イヌの携帯電話にヘリからの着信があった。

「私の方の出掛ける準備は出来たわ。あなたの方はどう?」

「すぐにでも出られるよ。僕の車で行くから駐車場で待ち合わせよう」

「わかったわ」

イヌとヘリはマンションの駐車場で待ち合わせると、イヌの車に乗り込んで、出発した。

ヘリは、運転席のイヌを横目で眺めた。
休日のカジュアルな服でなく、仕事着のようなスタイリッシュな服装。

高級ブティックめぐりをするから、と言っていたからだが、
休日にこうして改めて『おめかし』をして、デートするのは初めてだったかも…。

でも、イヌのこういう姿は見慣れているはずなのに…。


「なに?」

いつのまにか凝視していたらしいヘリの視線にイヌが気づいた。

「なんでもないわ」ヘリはあわてて前を向いた。

「最初はどこに行く?」

「えーっと。ユナの働いている店に行きたいわ。私の好みの物が多い店なの」

「了解」

「場所は分かるの?」

イヌが、車のエンジンをかけた。
ナビも作動させないで、車を発進させようとするイヌにヘリが不思議そうに聞いた。

イヌがクスリと笑った。

「知ってる。僕を誰だか忘れた?君の元ストーカーだろ?」

「そうだったわ」ヘリが首をすくめた。

そして、ジットリとイヌを見つめた。

「どうした?」

「…私のこと、何でも知ってる?」

「そんなことないさ」

イヌが、苦笑した。

…離れていたこの1年の間の事は、ほとんど知らない。
それに、知っていたと思っていた1年半前の君も実際に『出会って』みたら、
新しい発見ばかりで、いつも驚かされたよ。

「…でも、私が知っているあなたの事より多いわよね?」

ずっと尾行していたんだから。

「これから知ればいいだろ?」イヌが、事もなげに言った。

「え?」

「これから、お互いの事をもっと知っていけばいい。そうだろ?」
…つきあってるんだから。

「ええ、そうね…」

確かにその通りだわ。ヘリはイヌの言葉にうなずいた。

ヘリの、納得した顔をイヌが車を運転しながらチラリと横目で見ていた。

「それで、君は、僕の何を知りたいんだ?」

「…それは…」

改めて聞かれると、返答につまってしまうヘリだった。

…イヌの事は家族構成や、年齢。その他。
1年前に知った事以外、まだまだ知らない事は多かった。
でも…。

「…私、人から話してもらわない限り、自分では相手の事聞かないことにしてるのよ」

人には話したくないこともあると思うから…。

「ふーん…。僕は聞かれない限り自分の事を話すことはないからね」

「・・・・・・」

ヘリは困惑した。

…本当は聞きたいことがいっぱいあるのよ。
だけど、聞いちゃいけない事も確かにあると思うの。…とくにあなたと私の間では。
不用意な質問であなたを傷つけてしまうかもしれないから…。

ヘリは1年前の自分がイヌにした質問や、
ヘリの母親エジャが家族構成を聞いた時のイヌの答えと、
その時僅かに変えた表情を覚えていた。

…つらい事を思い出させてしまうかもしれないし…。


眉間の間にしわを寄せて、急に黙ったヘリにイヌは、
ヘリの考えている事を薄々察して苦笑していた。

…気遣いすぎだ。君は。

傍若無人はお嬢様のふるまいをしていたかと思うと、
こうして人の気持ちの奥まで踏み込む思いやりを見せる。

イヌは、この1カ月ほど、再会したヘリとつきあって、
やはり1年前のヘリとは、変化している部分にも気付いていた。

感情的で衝動的な行動が少なくなっている。
そして、何より、場の空気を読もうとする態度。
きっと職場の人間関係も以前よりずっと、安定したものになっているだろう、とイヌは思った。

良い風に変わったヘリの変化をイヌは、好ましく思っていた。
そして、全く変わらない部分にも。

全部をひっくるめて、横にいるヘリが、以前よりさらに愛しく思えてしょうがなかった。

それに、昨夜は…。

イヌは、チラリと、助手席に座るヘリを見た。

気温が高くなってからの薄着が、ヘリの抜群の体のラインのプロポーションをさらに、強調していた。そこから伸びるすらりと長く細い綺麗な手足。
少し伸びたウエーブの髪の毛を後ろでしばっている所からのぞく白いうなじ。
ナチュラルメイクに、紅い口紅がはえる整った顔。

ヘリの美しい身体。


…ようやく手にいれた。

心も体も。

だが、まだ足りない。
まだ十分に僕は満足などしていない。
君をもっとよく知りたいと思うのは、僕だって同じだ。ヘリ。

きっと、ある意味、君が僕を知りたいと思う以上に、
僕が君を知りたいと思っているだろう。
…それだけは知られたくないけどな。

イヌがフッと笑ったのに気づいたヘリは訝しげにイヌを見た。

「なに?」

「いや、…こんなのはどうかと思ってね。クイズ形式で知りたい事を聞けばいいんじゃないか?」

「そうね…。それ、いいかも」

ヘリが、イヌのとっさの思いつきにのってきた。

「じゃあ、まず、イヌがどこまで私の事を知っているかクイズね」
…尾行したり、調査していたんだから、当然知ってるわよね?

「全問正解したら何か賞品をもらえたりするのか?」

「んーっ。考えておくわ」

ヘリの言葉にイヌが笑った。

「じゃ、いつでもいいよ。さ、質問して」

「えっと、じゃあねえ…」



こうして、目的地につくまでの間、車内では、
しばらく二人の楽しい?クイズごっこが繰り広げられていた。



(囚われのプリンセス1話終わり 2につづく)



初初しいです♪
交際して1か月未満のイヌとヘリカップル話。
それに初夜(?)の次の日だから余計。



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先日のブログへの拍手。拍手コメント等ありがとうございます。
素敵なクリスマスを過ごされましたか?

私は、フルーツたっぷりケーキを子供と一緒に作りましたが、
結局作ることで満足した子供はほとんど食べず、相方は元よりあまり食べないので
今も一人でケーキを食べ続けてます(汗)

子供はサンタさんの存在は信じる、信じない以前に、あまり関心が無い様子。
相方に似てそういう所はドライな男です。プレゼントは大喜びしてましたが。

以下、拍手コメント等のお礼です。

「約束」の発音の件、ありがとうございます♪

では、あの指きりのジェスチャーもアジア共通ですか?
あの由来というのが、「遊女」からきていると何かで読んだことがあるのですが、
中国、韓国からきてるものなのかしら?

パク・シフさん情報もありがとうございます。
2012年、ファンミーティングも、あるのでしょうか?
まだ、日程の方は確定してないようですが。
桂由美さんのブライダルショー、ファンミ。ファンの方には嬉しい情報ですね♪

ユン検事の「抱いてみたい」発言の件もありがとうございます。

何人かの方からコメントで頂いたのですが、
あれは、ユン検事がヘリをあきらめさせるつもりで言った台詞だったらしいです。
公式設定も、きっとユン検事のキャラ的にもそういうことだったのかもしれません。

いろいろ、コメントで教えて頂けて、ありがとうございます。
韓国語や文化だけでなく、ドラマの中のことも。私もまだまだ身落としていたり、勘違いしている事が多いので。



…ところで、勘違いといえば、「サムギョプサル」の事なんですけど、
ブログで書いた、新大久保レポートで「サムギョクサル」と連呼してました。

あれ、後に、親しい知人から『「サムギョプサル」だよ。みつばはブログを書いているそうだから、書いてネットで恥じをさらすといけないから教えておくね』とメッセージを頂きました。

…手遅れです。

書いちゃってます。何回も。

コメントでもつっこまれてなかったのは、きっと皆さんが温かい目で見ていてくれたからなんですよね。
…知ってましたよね?サムギョプサル。
元々、誤字脱字の多いブログだから(汗)

何か気付いた点があったら、遠慮なく教えて下さい。
よろしくお願いします。
すっかり読んで下さっている方に頼ってしまってすみません。。。

ところで、明日から2週間、旅行をかねて、親戚家めぐりの為留守にします。
ネットが使える時があれば、ブログ管理は出来るかもしれませんが、
移動も多いので、数日予約更新しておきます。

明日27日からは「検事プリンセス」二次小説の「王子様の朝と夜」の続編を更新します。
大変お待たせしました。

時間があれば、携帯更新で、雑記もブログ更新予定です。
旅行中もイヌ×ヘリ妄想をいろいろ蓄えておきます(笑)

拍手コメントや、コメント、メールフォームのお返事は遅くなると思いますが、
感想等、何かあったら書いておいて頂けると嬉しいです♪

そんな感じで、一足早いですが、
皆さま、良いお年をお過ごしください。

年末年始のご挨拶は出来たら携帯の方で再度させて頂きますね♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの

イヌ×ヘリ中心のイラストの記事を集めたページです。

いろいろ描きましたが、自分で気にいったものを厳選して♪

もし、他のイラストも見たい方がいらっしゃったら、
カテゴリの「検事プリンセス」(検事プリンセス関連の記事)から、
過去のデータのどこかにあります♪



〇 イラスト1   「ストレート髪ヘリ」 「イヌ×ヘリ」

〇 イラスト2   「イヌ×ヘリLOVEイラスト(夜景)」

〇 イラスト3   「イヌ×ヘリLOVEイラスト(クリスマス)」

〇 イラスト4   「イヌ×ヘリLOVEイラスト(クリスマス2)」

〇 イラスト5   「イヌ×ヘリキスシーン」

〇 イラスト6   「イヌ&ヘリ猫」

〇 イラスト7   「ヘリ猫」

〇 イラスト8   「ヘリ猫」

〇 イラスト9   「イヌ×ヘリウエディング」

〇 イラスト10  「イヌ×ヘリウエディング2」

〇 イラスト11  「イヌ×ヘリウエディング3」

〇 イラスト12   「イヌ×ヘリ夢イラスト」

〇 イラスト13   「イヌのワイシャツを着たヘリのイラスト」

〇 「二次小説ランキングイラスト漫画

〇 「イヌ×ヘリデートイラスト

〇 「さめない夢ワンシーン漫画イラスト

〇 「二次小説「埋もれた夢」イメージイラスト

〇 「悲しい目とせつない目

〇 「ヘリ兎大人バージョン

〇 「イヌ×ヘリの露天風呂イラスト」(湯けむりデートイメージ)

〇 「ヘリの浴衣イラスト」

〇 「夢桜」の二人のイメージイラスト

〇 「イ・ジュンシクのイメージイラスト

〇 「秘密の観賞会のヘリ

〇 「セクシーランジェリーヘリ

〇 「海へいこう」の水着ヘリイラスト

〇 「イヌ×ヘリバスルームイラスト

〇 「未来の妄想イヌ×ヘリイラスト

〇 「イヌ×ヘリ メイクラブイラスト

〇 「イヌ×ヘリ メイクラブイラスト2

〇 「試される絆イメージイラスト

〇 「二次小説「シャンプー」イメージイラスト

〇 「二次小説「仮想遊戯」イメージイラスト

〇 「夢小説「デート編」イメージイラスト

〇 「チャイナ服ヘリイラスト

〇 「未来のイヌ×ヘリ妄想イラスト2

〇 「ヘリサンタさん2012年

〇 「イヌ×ヘリサンタ

〇 「仲直り記念日5話イメージイラスト

〇 「ヘリサンタさん大人バージョン

〇 「イヌサンタ×ヘリイラスト

〇 「ヘリイラスト2013年



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ28です。

他の4コマ漫画作品は、検事プリンセス漫画INDEXからどうぞ♪

4コマ漫画は、完全にコメディタッチなので、
「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
このブログの二次小説のイメージが崩れると思われる方は
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どんなヘリもイヌもOKという方はご覧ください。↓

今回は、しかもファンタジーで、
イヌ×ヘリベースの完全パロディ漫画です♪





  ヘリサンタさん



   検事p「ヘリサンタ」



当然、そうなりますよね(笑)



これのイラストバージョンも見てみます?↓



   検事p「クリスマス02」


小説が先日のあれだっただけに、
イラストと漫画はせめてラブラブで♪


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コメントレス等は遅れますが、何かあったら、
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「検事プリンセス」のみつばの二次創作。


イヌ×ヘリイラスト、「クリスマス」バージョンです♪



   検事p「クリスマス」イラスト





背景にツリーを描きたかったのですが、時間がないので
イルミネーションで(しかもトーンデータ)

二次小説の方も、時間的に今年は間に合わなかったので、
せめてイラストで、と。


二人が立っているのはどこか~とか、
これ、誰かに写真を撮ってもらっているのだけど、
誰に撮ってもらっているのか?…とかは、来年2012年春頃(?)
更新予定の二次小説の中で。

次回作が10月の話なので、もう3カ月以上遅れてますね(汗)

昨日の小説「聖夜の願い」の話のイヌはあんな感じでしたが、
きっとヘリと一緒に過ごすクリスマスは幸せだと思います♪


今日、明日のブログ更新は予約更新です。
コメントレス等は遅くなりますが、何かありましたら、
拍手コメントかコメント、メールフォームでお願いします。


拍手コメント、一度投稿したコメントを非公開を公開にや、公開を非公開に変えることが
こちらでは出来ません。
非公開にしたかった時はこちらで削除するしか出来ないのですが、その旨お知らせください♪

みつばのクリスマスは、
子供とクリスマスのケーキとクッキーを作る約束をしているのですが、
うまく出来るかしら?(汗)

それでは、皆さま、メリークリスマス♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「聖夜の願い」です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。



この話は、検事プリンセスのドラマ内16話で、
イヌがヘリと離れてアメリカに渡った空白の1年間の中の話です。





聖夜の願い




『イヌ、本当に来ないの?』


ニューヨーク。

ビルの中の会計事務所のオフィスの中。
明かりがほとんど落された部屋の中で、一つだけライトがついて、
パソコンが起動されているデスクに、ソ・イヌは座っていた。

書類のデータをパソコンに入力している作業を続けながら、
イヌは、親友、ジェニーからの電話に応えていた。

『ああ、行かない』

携帯電話の向こうからジェニーの溜息が聞こえた。

『皆、あなたに会うのを楽しみにしているのよ。顔だけ出したら?』

イヌが、キーボードを叩いている手を止めた。

『今日中にどうしても片付けておきたい事があるんだよ』

『それって、こんな日にもしなくてはいけない仕事なの?』

こんな日…。

イヌは、チラリと窓の外に目をやった。

ビルの中で締め切られた窓のブラインドの隙間からも
きらびやかな明かりがチカチカとオフィスの中にも漏れこんでいた。

そして、微かに聞こえるジングルベルの曲も。

12月24日。

今日はクリスマスイヴだった。

イヌの義父の会計事務所で働く人々も、
家族や、友人、恋人達と一緒に過ごすべく、その日は早々と仕事を終えて帰宅していた。

イヌの義父も友人と約束があると、会社を定時には退社していた。

「…無理はするなよ」

一人、オフィスに残って仕事を続けるイヌに、義父が帰りがけにそう声をかけた。

「ええ。とうさん」

薄く笑って、軽く手を振るイヌに、義父が何か言おうと口を開きかけた。

だが、思いとどまった様子で、ただ、
「メリー・クリスマス」と言って、イヌに微笑み返した後、オフィスを出て行った。


その後、オフィスに残って、一人で仕事をしていたイヌに、
親友のジェニーから携帯電話に着信が入った。

ハイスクール時代の友人達と行うパーティーへの再度の誘いだった。

ジェニーからの誘いを、イヌは事前にメールで断っていたのだったが、
こんな日の夜にも仕事をしている親友を心配しての電話だったのだろう。


「…誘ってくれたのに悪いな」

…悪いだなんて…。

電話の向こうで、ジェニーのつぶやきのような声が聞こえた。

『ねえ、でも、もし、仕事が早く終わったら来て』
きっとパーティーは遅くまでやっていると思うから

あきらめきれないようなジェニーの言葉に、イヌがフッと微笑んだ。

「ありがとう。ジェニー。皆によろしく伝えてくれ」

皆によろしく伝えて欲しい、という言葉で、ジェニーはイヌがパーティーに来るつもりが
全く無いことを今度こそ確信したようだった。

『…わかった。イヌ、…無理しないで。メリー・クリスマス』

「メリー・クリスマス。ジェニー」


ジェニーとの通話を切ったイヌは、再びパソコンに向かうと、データ入力を再開させた。


それからの数時間、

微かに漏れる外の喧騒と、賑やかで楽しそうな音楽以外、
カタカタとイヌの打つキーボードの音だけが、オフィスに響いていた。

やがて、
…トンっと。イヌが、最後の数字をキーボードに打ちこんだ。

入力ミスが無いかを、プリントアウトした用紙で確認した後、
イヌは、深い息を一つついて、パソコンの電源を落とした。

そして、束のようになった用紙を手でまとめあげるとバインダーに閉じて、
デスク周りを整頓した。

それも終わると、イヌは、立ちあがって、バッグの中に資料や筆記具を閉まって帰り支度を始めた。


部屋の中の電機機器をすべて落して、火気等の始末の確認も終えたイヌは、
電気を落として、戸締りをするとオフィスを後にした。


会計事務所のオフィスのあるビルを出たイヌは、

街中に色とりどりに飾り付けられたオーナメントや、ランプの明かりや光。
そして、浮かれたように歩く群衆の中に、その身を紛れ込ませた。

店やビルのどこからも、楽しげなクリスマスソングが漏れ聞こえている。


冷え込んだ空気の中、

数歩歩くだけで、寒さと冷たさで、身も心も凍えそうになりそうな夜の街で、
今夜の人々は、とても楽しそうで、嬉しそうに白い息を吐いて歩いているように見えた。

道路に数センチ積もった雪が、イヌのブーツの下で、踏みしめるたびに
微かな音を出して、俯き加減に歩くイヌの耳に届いた。


それ以外、街中の明るい光も、歌も音楽もイヌには全く届いていないようだった。


しかし、その時、

バンっという派手な音と共に、店の扉が勢いよく開いて、
中から小さな子供が飛び出して来ると、ちょうど前を歩いていたイヌとぶつかりそうになった。

「きゃっ」

とっさに気づいたイヌが、身をひるがえして、身構えて、
子供の前に腕を出して衝撃をやわらげていた。


「大丈夫?」

イヌが子供を気遣うように身を屈めて顔を覗き込んだ。

「う、うん…」

子供がびっくりしたように、しゃがんだイヌの腕の中で目をパチクリさせていた。

「すみませんっ」

店の中から、子供の両親らしき男女が、あわてたように出て来て、子供を立たせると、
イヌに謝罪した。

「お怪我はありませんか?」

「いえ、僕は大丈夫です」

「本当にすみません。こら。キャリー、急に飛び出しちゃ駄目って言ったでしょ?
お兄さんにちゃんと謝りなさい」

「はい。ごめんなさい」

キャリーと呼ばれた幼女が、イヌにぺこりとお辞儀した。

「いいよ」

イヌが、キャリーににっこり微笑んで見せると、キャリーが
イヌに心を許したように嬉しそうな笑顔になった。

「これね。パパとママに買ってもらったの」

そう言って、キャリーは手に持っていた今さっき購入したような
新品の人形をイヌに見せた。

欲しい物を買ってもらえた嬉しさのあまり、
おもちゃ屋の店から飛び出してきたのだろう。


イヌは思わず、微笑んでいた。

「かわいいな。良かったね」

「うんっ。プリンセスなの。キャリーずっと欲しかったの」


…プリンセス。

キャリーの持っている人形に改めて目を落としたイヌは、
ウエーブの髪の毛にティアラをつけて、ピンク色のドレスを着た人形に、
ハッとなって目を見張った。

「・・・・・・」

「パパとママにはプリンセスを買ってもらったけど、プリンスはサンタさんにお願いしてあるのよ」

キャリーの言葉に、後ろにたたずむ両親が、苦笑しながら顔を見合わせていた。

父親らしき男が、大きな箱を抱えている。

きっと中には、キャリーがサンタにお願いしたという“王子様”が待機しているのだろう、とイヌは思った。

「…どうして、サンタさんにプリンスをお願いしたんだい?」

思わずそう聞くイヌに、キャリーが不思議そうに首をかしげた。

「だって、プリンセス一人だったら可哀そうだもの」

当然でしょ?というようなキャリーをイヌがじっと見つめた。

「そうだね…」
…来てくれるといいね。プリンスが、プリンセスの元に。

「来るよ。サンタさんが連れて来てくれるもん」

そう、ムキになって言うキャリーの肩に、母親らしき女性がそっと手を置いた。

「じゃあ、そろそろ帰りましょう。キャリー。
家を留守にしている間にサンタさんが来てしまったら、プリンセスがプリンスに会えなくなっちゃうわ」

「うん。早く帰ろうっ」

キャリーがあわててうなずくと、イヌに手を振った。

「ばいばい。お兄ちゃん。メリー・クリスマス」

「メリー・クリスマス」

二人の男女がイヌに会釈すると、キャリーを促した。


イヌは、父親と母親に挟まれて、大事そうに人形を抱えながら、
雑踏の中にまぎれていく幼女の後ろ姿をじっと見送った。


それから、
自分のアパートの部屋に帰ろうとしていた足の方角を変えると、
再びイヌは歩きはじめた。


向かった先は、


この時期、大きなクリスマスツリーのイルミネーションが飾られている場所だった。

イヌは、ここ数年韓国で過ごしていて、こうして見に来るのは久しぶりだった。


周囲には、このイルミネーションを見る為に、訪れた観光客やカップル達で賑わい、
活気にあふれていた。


…綺麗だな。

…素敵~。

そう言って楽しそうに見ている女性や男性たち。

はしゃぎながら見ている子供とツリーを交互に温かい眼差しで見守る夫婦。

うっとり、とお互いの肩を抱き合って見ているカップル。

静かな微笑みを浮かべて、手をつないで佇んで見ている老夫婦。



「モニカ、何願い事してるんだよ?」

イヌの側でツリーを見ていたカップルの男の方が
ツリーに何か祈っているような女性を見て、呆れたように笑っていた。

「だって、聖夜にお願い事すると、かなうっていうじゃない?」

「そうなの?じゃ、僕もしようっと」

「何を願うの?チャンドラーは?」

「うーん。今夜のご馳走は、僕の好きな物ばかりにしてくれって願うよ」

「それ、ツリーじゃなくて、直接、あなたの横にいるお抱えシェフに頼んだらどう?」

「おっと。そんなお手軽に願いがかなう方法があるのか?」

おどけたように男が言って、女性の肩を手で引き寄せると、キスをした。

「メリークリスマス。ダーリン」


「・・・・・・」


まばゆいばかりのツリーのイルミネーションの光が、イヌの前で煌めいている。


キラキラと輝くそれは、先ほど会った幼女の持っていた
プリンセスの人形のティアラのイミテーションの宝石を彷彿とさせた。

…プリンセス…。


イヌは、ツリーを、そっと見上げた。


光がなぜか滲んで見えた。


イヌは、脳裏に明るく自分に笑いかける美しい女性の顔と
心に自分を呼ぶ声を浮かべていた。


『ソ弁護士』


思いだすだけで、
しめつけられてるように痛む胸を手で押さえながら、
深く吐いた白い息に、イヌは思わず名前をのせて、ささやいた。


「ヘリ…」


イヌの頬を涙が一筋つたっていた。



…もし、聖夜に願いがかなうというのなら。



ヘリ、君に会いたい――。



人々の笑い声と、ジングルベルと、明るい光の洪水の中、
イヌは、一人、世界中の希望という光を封じるようにそっと瞼を閉じた。


メリークリスマス。僕のプリンセス…。


かなう望みのない願いを胸に秘めながら、

聖夜の空の下、


イヌは、いつまでもいつまでも、煌めくツリーの前に立ちつくしていた。


(聖夜の願い 終わり)



…暗かったですね(汗)

ご期待に添えないかも~というのはこういう意味です。
ヘリ出てきません。楽しいイベント話なのに。

イヌがヘリと離れてアメリカに渡った時期のクリスマスの話です。
ジェニーの言うように、イヌ、人づきあいもあまりなくて、
仕事にこもっている…というのはこんな感じかと。

友人とも会わないとジェニーが言ってたから、楽しそうな誘いも
ことごとく断っていた気がします。

一人、ヘリを心で想って過ごしていたと…。

でも、おそらくヘリの方は、クリスマス。それなりに過ごしていたと思います。

検察庁の仲間とか、家で、サンテとエジャと、とか、ユナや友人とも。
そうやって、傷心のヘリをきっと慰めたり、勇気付けたりする人々がきっといたと思うけど、イヌの方は…。

そう考えたら、いたたまれません…イヌ…(涙)

きっと、次の年、ヘリと再会したクリスマスはいい過ごし方した♪と妄想してますが…って
今年、二次小説、時間的に追いつきませんでした(汗)ごめんなさい。

ところで、ちなみに小説に出てきた「モニカ」と「チャンドラー」分かる方いらっしゃいます?
みつばが、大好きなニューヨークが舞台の、海外ドラマのキャラクター達です。
DVDもラストシーズンまで大人買いしてしまいました。
みつばが初めて買ったドラマのDVDで、英語のヒアリング勉強としても、えんえんと見続けていた事もあります♪この二人は、またいつか「検事プリンセス」の二次小説で登場予定です(笑)

拍手、拍手コメントいつもありがとうございます。

イヌの過去。女性関係に関しては、
「いろいろ経験してた」と思う方と、「そうじゃないほうがいい」と願う方、さまざまですよね。
20年前の私なら4コマ漫画の過去は信じません(笑)
…いまの大人目線でも、二次小説のヘリと同化してるので、分かるけど嫌って気持ちが分かります。



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先日の4コマ漫画の続編のようなものです。
イヌの過去に何があったか~を4コマ漫画で。




  イヌの過去 PART2



   検事P「イヌの過去02」


ヘリとジェニーの会話は13話から。

イヌの正体を知って、ヤケになってユナの店で買い物をしまくるヘリの元にジェニーやってきます。
それで、スキ―場の事もイヌとジェニーが仕組んだ事だと分かったヘリが怒るのですが、
それに対してのジェニーの言葉。

「あなたのその贅沢の影にイヌの苦労した年月がある」

イヌが、両親を亡くした後すごく苦労した事は、みつばもいろいろ想像してました。
イヌの養父という方も会社を経営しているようですが、おそらく富豪のような金持ちでは無いと思われます。
イヌはおそらく自分でアルバイトをして渡航資金をためながら司法試験の勉強をしていたことでしょう。

(イヌの養父に関しては、今後二次小説で登場する予定です♪)

そして、韓国に帰国して、事件の資料で、事件の核心に触れてからは、
おそらく計画を練って、それを遂行するために今度は苦労したと思います。

こんな苦労してたのに、ヘリの為を思って「事件を封じ込める」という決意をしたイヌ。
ヘリを本当に愛しちゃってたのね(涙)
だから、イヌの苦労を知っているジェニーの行動は納得。
私がジェニーでも、検察庁に投書したり、ヘリの家に押しかけちゃうと思う。

まず、司法試験に受かったばかりの若造が法務法人の会社を設立なんて、
難しいと思います。
誰かのバックアップとかないと…。それに、お金もすごく必要なはず。
きっと裁判で勝って実績を上げるために、イヌはあらゆる手を使っていたことでしょう。
「証人を買収した」というユン検事の言っていた話はおそらく本当だったと思います。

イヌは、仕事に関しても、女に関しても(笑)、かなり真っ当な事はしてなかった気がします。

そして、あのイヌになったと♪

4コマ漫画、コメディになってますが、内容的にみつばは99%本気で描いてます(笑)

ただ、イヌの女関係。
過去にどれだけ、どんな女と寝ていようと構わないのですが、(←かまうけど(涙))
ジェニーだけは駄目です!少なくとも乙女モード仕様の二次小説の中ではね♪

拍手、拍手コメントありがとうございます♪

イヌの過去、ドラマ見ている方もその苦労は想像している通りだと思うのですが、
改めてこうして想像して描きおこしてみると、すごいな~イヌって感じがしました。


今回も熱く短編小説並みに語りましたが、
明日、二次小説の短編を1つ更新させて頂きます♪
大変、お待たせしました。
…が、ご期待の沿える内容じゃないかもしれません。
あらかじめ先に言っておきますね(どういう風に期待に添えないかは言えないのですが)



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これは、先日、拍手コメントから寄せられたコメントを読んで、
イヌに関してある事に気づいて、それがあまりにも衝撃的過ぎたため、
突発的に描いてしまった4コマ漫画です。




 イヌの過去 PART1



   検事P「イヌの過去01」



11話の回想で、イヌが遺族として、15年前の殺人事件の資料を見ているシーン。
あの時のイヌはおそらく司法試験を受けに来て、韓国に戻ってきた頃のイヌ。

…もう、資料見るのに変装なんてしちゃって。…とか思ってたんです。私は。
コメント読むまでは。

でも、あれ?もしかして、あれって元々のイヌってこと?
つまり、眼鏡にあのいけてないシャツとか(笑)の外見。

もしかして…変装じゃなくて・・・


素のイヌってこと!!?



その後、紆余曲折して、あのイヌになったということで。

元々イヌは、あの『作家さん』みたい人だったってこと?

9話でヘリに呼び出されて行って、「その格好?」のヘリに、
「知ってるだろ?潜入捜査用だ」とか言ってたイヌだったけど、

あの服装も、元々の素のイヌだったってことじゃあ…。

眼鏡もダテかと思ってたけど、試験勉強中は、本物だったかも。
ヘリもそうだけど、コンタクトか、レーシックで視力矯正したとか。

今さらだけど、そんな衝撃的な事を想像したら、こんなネタが出来ました。

ああ、びっくりした…。

あれ?でもこれ読んでいる方はとっくに気づいてました?
イヌが元々おしゃれさんじゃない可能性があるって。

漫画パート1があるなら、当然パート2もあります(苦笑)
そうやって考えたら、イヌの過去、さらに衝撃的な妄想にまで発展しちゃって。
もう、ヘリの過去なんて目じゃないですよ!(笑)


(お知らせ)

すみません。小説。本当にさらに遅れてしまって。
次回の長編は、一番書きたかった話な上に、少し資料とか調べる事もあって、
おそらく、自分の身の丈にあってない物書こうとしてます(汗)
それに今までで一番長くなりそうです。

途中まで書いてあるものだけを更新することも考えたのですが、
納得がいくものを書きあげたいので、更新は年明け1月中のどこかでさせて頂きます。
楽しみにして下さっている方がいて、嬉しいですが、やはり申し訳ないです。
ブログで創作していて、趣味で書いているだけだと、途中でやめてしまう所を、
いつも背中を押して頂いてありがとうございます。

そのかわり、例の「王子様の朝と夜」の続編は書いて更新させようと思いますので、
よろしくお願いします。

拍手、拍手コメントもありがとうございます。
イヌへの熱い想いをつづったコメントが多くて、楽しく読ませて頂いてます。

「約束」の発音も。教えて下さった方々ありがとうございます。

パク・シフさん(イヌ)は細い体に見えるのに、脱ぐとすごい方ですよね♪
私、筋肉質の体が好きです♪トレーニングコーチが好みってくらいですから(笑)
水着姿の画像私も拝見したことあります。「プールへいこう」のヘリじゃないけど、
もう、ドキドキでした~~~。

興奮のあまり、短編書けるくらいコメント書いちゃいましたが、
これから仕事に戻ります(汗)



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昨日のブログへの拍手、拍手コメントありがとうございました。

とくに拍手コメント、熱いコメントを沢山頂きました♪
書いて下さったのは、ほとんど、イヌ派。…そうですよね(笑)
おそらく、イヌ好きな方は、どこが好きか?とか語らせたら止まらなくなるんじゃないかと勝手に思ってます♪

でも、どこでイヌにはまりました?

私はブログを立ち上げた時とか、何度か記事で書いたのですが、
「検事プリンセス」の1話を見た時は、ドラマを今後見るかどうか悩んだんですよね。
そして、早送りで見た2話。この時点でも全くはまってません。

ただ、イヌがヘリが警察につかまった時に来た時に「ん?」となりました。
さらに、潜入捜査の時に、バイクに乗って、必死でヘリを探す姿に「お?」となって、

おそらく、このへんだったと思います。
「まあ、ちょっと見てみるか。このドラマ」とえらそうに思ったのは(笑)

そして、4話のトマト事件でほぼイヌにおちたと思います。

昨日のブログでも書いたのですが、
イヌ、最初見た時、おしゃれすぎて(失礼)育ちの良い、
金持ちのただの坊ちゃん風に見えたんです。
さらに、ナンパ系の男にも見えました。
ホテルで彼女を待っている、というのが後になって噓だと分かるんですけど。

それが、潜入捜査で、バイクに乗ったり、悪者と立ちまわって殴り合ってる姿に、
この人、ただものじゃないわ♪って見直したんですよね。


…それで、私DVD全部持っているのですけど、
ほとんど3話からは何度も見ているのですが、1,2話はあまり見直してないんです。
他の話に比べると、ですけど(汗)

これからの二次小説書く上で、見直さなくてはいけないシーンや確認するところあるので、見ます♪

でも、お気に入りのシーンも結構あるんですよ。

ホテルでの例の風呂で溺れたヘリを助けるイヌシーンとか。
(「海へいこう」でチラリと書きました♪)

ヘリが、お金を返そうと、段ボールでもってきたお金を計算機を出してさらっと受け取っちゃうイヌのシーンとか。


それで、時々コメントで頂くのが、「こういう話を書いてほしい」というご要望。

結構、今後更新予定の話にあるのですが、
16話以降の妄想話以外で、ドラマ内の時間での話というものも。

今までは16話以降の続きばかりでしたが、そういう話も増やしていけたらな?と考えてました♪
実際ちょっと書いてみたのもあります。近い内に更新しますね。


…というわけで例のシーン(笑)←どのシーン?や、あれも、これも、
好きなシーンをみつばなりの妄想で二次小説で書いていきたいです♪


更新予定話ばかりですみません。
週末にはかならず1本は更新します。


14話の居酒屋のイヌ風に「やくそく♪」(笑)←ちなみにこれって韓国語?日本語に聞こえるけど、発音一緒なんですか?


いつも、小説更新を待っていて下さってありがとうございます。


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今日は、「検事プリンセス」の主人公ヘリをめぐる二人の男について、
ごにょごにょ(笑)つぶやいてみました。

ドラマ中でヘリをめぐる二人の男といえば、

一人目はユン・セジュン、(ユン検事)

もう一人は、我らの♪ソ・イヌ(ソ弁護士)
(↑このブログに来てくれる方の多くは勝手にイヌ好きだと思ってます(笑))


二人ともドラマの中でヘリに惹かれる男として登場しますが、
全くタイプの違う二人の男。

当然、このブログの管理人みつばはイヌ派だと思われそうですが、
じつは、ドラマを最初に見ていた時は、ユン検事派だったんです(苦笑)

…といいますのも、イヌってドラマ1話から冷静な、まっさらな目で見ると、

かなり胡散臭い男ですよ(笑)

ヘリの男を見る目は確かだと思います。

ヘリは、昔思春期に体型的なコンプレックスのありましたよね。
ああいう時期の(10代の)男って結構容赦無いこと言ったりするから、
ヘリは、外見で女を判断する男に対しては、結構厳しい目を持っているのでは?と考えました。

お嬢様育ちって事もあるけど、ヘリはそういう意味でも男女の付き合いをするのが奥手だったのかも~。

それはユン検事とのデートとかで見ていると分かるのですが、
本当に男性とそういう風になることに慣れていません。

そんなヘリのタイプというのは、きっと

・大人の男性

年上、または落ちついた男性。同級生みたいな男は子供っぽく見えてたぶん好みではない。
仕事でも学業でも自分より一歩上で尊敬出来る人みたいな。

・世話をしてくれる男性。または紳士的にエスコートしてくれる男性。

自分を導いてくれたり、かばってくれる人にヘリ、弱そう。

・優しい男性

おそらく昔、学校で体型の事で異性にもいろいろ言われていたと思うヘリ。
きっと、意地悪する男より優しい人が好き。

・男らしい男性

長身のヘリにつりあうのは長身で、体型もがっしりした感じの人。
たくましくて、喧嘩も強そうで、頼りがいのある人が好みっぽい。

ヘリが大学時代に好きになったドングン先輩を見て、たぶんこんな感じかと。
とにかく、優しくて面倒見が良いという点は重要かと。

そういう意味でも仕事で自分をかばってくれていたユン検事のポイント高し!

イヌもそう見えるますね。一見。
そして、きっとイヌは、ヘリを長い間観察していたので、
ヘリのそういう好みのタイプも計算していたと思うの。
だから、スキ―場で出会うという計画も、『困ったヘリを助ける男』を演じてる。

…でもね。イヌ。

いくら親切で、優しい男演じても、ヘリ、どっちかというと引いてたでしょ?
だって、本当に胡散臭いもの(笑)

外見もちゃらちゃらしてるし(失礼)。ホテルの部屋も『彼女を待っている』とか最初ヘリに言っていたでしょ?
なのに、次に会った時は、まるでナンパみたいな態度。
そして、やけに慣れ慣れしくて、親切にしすぎ。

ヘリからすれば、『何、この軽い男は?』になるわけ。
それで、ああ、また自分の外見だけに寄って来た男なのね。みたいな扱いだったと思うの。

ヘリが後に「私に対するあなたの行動を振り返ってよ。変でしょ?」とイヌに言っている通り。

ヘリ、鈍そうなのに、こういうカンは実に鋭いです。

人を見る目は確かなヘリ。

でも、だからこそだと思うの。

イヌが、ヘリを本気に好きになっていって、そして計画のためじゃなくて、
ヘリの為という気持ちが入った行動をするようになったら、
ヘリもそういうイヌをちゃんと見ていたんだと思うの。

だから、ヘリが好きになったイヌは演じていたイヌじゃなくて本当のイヌ♪

それが、9話のバーのわめきイヌの言っていたことなのね。きっと。

ヘリは、自分の本心をちゃんと見てるって。



結局イヌの事ばっかり言ってますが(笑)ユン検事もいい男だと思いますよ。

…ただ、ユン検事…男として駄目な点がいくつかあります。
勝手なみつばの意見ですが、

まず。5話でヘリに「抱いてみたいと言わせたい格好をしている」と言ったこと。
本当に失礼です。女性をなんだと思ってるんですかっ(怒)
ヘリは泣いちゃってましたが、みつばなら蹴りが入ってますよ。

この人、真面目そうに見えて、ムッツリだな。と失望したシーンです。
(ムッツリ:むっつりスケベのこと。普段すかしているくせに、根はHは人のこと)

さらに、9話で夜にヘリに電話して、「ストレッチしよう」というユン検事。

…ええ、素朴な男の不器用な恋みたいに見えますが…、

やっぱりこの人ムッツリだな、って確信したみつばです(苦笑)

それは、後に心を通じ合ったユン検事とチン検事の会話からも伺えます。
自分を男前と自覚している点も、結婚式のこれからの亭主関白ぶりが見える点も。
結構、この人、自分について来いタイプかと。
みつば的には減点です。
(ユン検事ファンの方すみません)

ヘリは、誰かの後を一歩ひいて歩く女性ではなくて、一緒に歩いていく人がぴったりだと思うので、そういう意味でも、イヌで良かったのだと思います♪

結局、イヌが一番!みたいなコメントになってしまいましたが(笑)

動画サイトで見た検事プリンセスのドラマか歌のプロモーションの映像。

ヘリがイヌとユン検事の間を通り抜けて行くシーン。

イヌはやや俯き加減で歩いて、すれ違うユン検事がチラリとイヌを見るシーン。
三角関係をあらわしたシーンですよね。

さんざん好きかって言いましたが、

ブログをご覧の方は、冷静にリアルで恋人を選ぶとしたらどっちですか?

ソ弁護士派ですか?ユン検事派ですか?

どっちかしかない選択肢も厳しいですか?(笑)


追記で少しお知らせ。。。

私事ですが、年末年始の旅行の為、小説創作の為に、仕事を頑張って締切1週間前に仕上げて、
やったね♪と思っていたら…先日、どーんっと、新規で沢山追加依頼が…。
このブログを立ち上げてから、関係ないけど、仕事も急増したのは嬉しいのですが、
今年最後に、もうひと頑張りのようです。

二次小説、短編はいくつか更新したいと思ってますが、予定していたシリーズの長編の更新、
来年になったらごめんなさい。ご期待にそれないと申し訳ないので、先に謝っておきますね。




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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ25です。


他の4コマ漫画作品は、検事プリンセス漫画INDEXからどうぞ♪

4コマ漫画は、完全にコメディタッチなので、
「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
このブログの二次小説のイメージが崩れると思われる方は
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今回はドラマ中のソ・イヌの、あの行動と気持ちをとりあげて
描いてみました♪


どんなヘリもイヌもOKという方はご覧ください。↓




タイトル 反省する男



   検事p「反省イヌ」



私が夢中になっている「検事プリンセス」のキャラクターソ弁護士(ソ・イヌ)♪

スマートで、おしゃれで、仕事も有能で、かっこよく完璧そうに見えますが、
ドラマ見直してみると、かなり、抜けている所があります。
…というか、


うっかりな事ばっかりしてます。


そして、すぐ後にイヌが自己嫌悪のシーンが。

ドラマを見直して検証してみましょう。

4話、ヘリの潜入捜査の失敗。ヘリを危険な目に合わせたことを、反省
5話、寝ているヘリの髪の毛を撫でてしまった自分の行動を反省。
5話、ヘリの家の近くでユン検事の側を車で通り過ぎた事を反省。
8話、ヘリに無理やりキスした事を反省。
9話、盗撮写真を落としていてヘリに見つかった事を反省。
14話、サンテと「ヘリと別れる」という約束をしてしまった事を反省。

まだ、あります?(苦笑)

ただ、もともと、うっかりさんというわけでなく、
ヘリと出会って、ヘリに恋したことで、冷静で無くなったイヌ…と見ると、

やっぱり、

「素敵な男♪」ってなるんでしょうね(笑)

…元々うっかりさんの場合は、少し心配ですが。
たとえば、「素朴な疑問」あたりの事とか…気をつけてイヌ!(苦笑)



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先日の拍手コメントで頂いた情報ですが、

「検事プリンセス」のソ・イヌ役のパク・シフさんが、
来年2月の桂由美さんのブライダルショーにゲスト出演されるそうです。


おおお~!!イヌ…違った(汗)パク・シフさんが来日ですよ!!


情報ありがとうございました♪
せっかくなので、ブログで紹介させて頂きます♪


パク・シフさんファンの方なら、とっくにご存じの情報だと思いますが、
私の頭の中では、シフさんは「検事プリンセス」のイヌになっているので(すみません)
リアルのシフさん情報には疎いのですが、それでも、情報を見て、すぐにくいついて(笑)
ネット検索かけて、調べました。

桂由美さんの公式ブログやホームページに詳細があります♪


…ほんとだ~。

じゃあ、イヌ、じゃなかった(苦笑)パク・シフさん、結婚衣装着るのかな?
どんなの着るんだろう?何色かな?韓国風かな?
日本風のも、タキシードのも、着て欲しいです♪

でも、みつばが見たら、きっと、誰をエスコートしてようと、頭の中で、
失礼にも相手の方をヘリに変換して見ちゃうんだろうな~~~(←おいおい)

チケットがとれたら、本物のイヌ…じゃなかったシフさんを拝見するチャンスですね♪

他に出演される方達も素敵ですし、桂由美さんのファッションショーは
とても興味があります。
いろいろなウエディング衣装も見られそうで、楽しそうです。



…ところで、話はかわって(笑)

イベントといえば、もうすぐクリスマス♪

「検事プリンセス」二次小説でもイヌ、ヘリのクリスマスの話がある予定なのですが…、
シリーズにくみこまれる可能性があります…。まだ断定ではないのですが。

…となると、まだ未公開で年末更新予定の話の他に3つ物語が確実に入って、
その次くらいになります(汗)…ということは、突発的に先に発表するわけにいかないことに。

夏頃の予定では年末にはとっくにクリスマス話まで終わっているつもりでしたが、
大幅に遅れました。


しかし、クリスマス話他にも『一応』用意してました。
シリーズとは違う短編です。

本当はこれ、イベント話として、ストーリー漫画の短編で挑戦するつもりでした(←無謀です)
ただ、小説でも、内容的にご希望に添えない可能性があるのですが、
過度の期待無しでお待ち下さい・・・。


そして、時間的になぜか来年の春ごろに、シリーズ話のクリスマス話が更新になるかもしれませんが、
気を長~くして(長すぎです)お待ちくださいね♪

せめて、ラブラブクリスマス、イヌ×ヘリイラストは更新したいです。


…その前に年賀状作成と、新規の仕事片付けて…大掃除して。



年末は何かとバタバタしますが
楽しいイベントに向けて仕事はちゃっちゃっと片づけちゃいましょう!!


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ24です。


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「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
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タイトル 胸きゅんイヌ



   検事p「胸きゅん」



新聞の番組欄で初めて、「胸きゅん」という言葉を知りました。

そして、「キュン死」という言葉も。

韓国ドラマの紹介でよく使われているようですが、これ、いつから発生した言葉ですか?
ここ最近ずっと少女漫画も読んでないので、乙女用語(?)も分からないのですが、

どういう時に使えば良いのか分からなかったのですが…。

今回、ネタで、イヌがヘリの行動にいちいち感動しているシーンを題材にして、
4コマ漫画を描こうと思っていたら、

…そうか。あの時のイヌがまさに「胸きゅん」状態だったんだ~と気づきました。

イヌが、ヘリに「きゅん、きゅん」するシーン(←うわ~~~)

・8話、ヘリがイヌにこっそり内緒でケガの薬を買っていて渡すシーン。

・9話、ヘリがイヌの忠告をちゃんと聞いていて心にとめていたことを知るシーン。

・10話、ヘリがイヌの二日酔いを気にしてブランチに「スープ専門店」に行こうと提案するシーン。

どれも、イヌが、ヘリの優しさや純粋さに感動するシーンです。

イヌの「ほれてまうやろ~っ」って声が聞こえそうな、あの表情((笑))

すみません。けっして「胸きゅん」と「きゅん死」いう言葉をバカにしているわけではありません。
なんだか、とっても乙女ちっくな言葉だったので、こそばゆい感じになっただけなんです。ほんとに。


先日のブログへの拍手、拍手コメント沢山ありがとうございます。
二次小説もいろいろ書きたいですが、4コマ漫画も相変わらず描きます。
私の中では、こういうイメージのイヌもいます(笑)


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「検事プリンセス」の二次小説、
「眠れぬ夜の」と「優等生2」の拍手、拍手コメントありがとうございました♪

片方は、ベッドにいながら、ほのぼの話。
片方は、今回ソファの上の大人話(笑)

私は、ラブラブモードで、ほのぼのも、激しいのも、どちらも個人的に好きです。
漫画で描くのは、ほのぼのしか描いたことがありませんが…小説のあれを描くとなると、
ブログではアップ出来ないでしょうね…完全にパスワード制に(汗)

大人話といえば…私、二次小説書いてこうして発表するのは、これが初めてなのですが、
大昔、ティーンエージャーの時にこっそり小説書いていたようです。


以下、今日は、本当にブツブツ言っているだけの雑記ブログです。↓
気の向いた方だけ読んで下さいね♪



独身時代に、何度もの引越しの間も捨てきれずに持ち歩いた段ボールの中に、
ネタ帳や漫画や小説のプロットやネームを書いたノートがたくさん封印されてました。
…年末なので、そろそろ掃除をと、納戸を整理したら出てくる段ボール。

懐かし~と見てみると…。

漫画だけ描いていたと記憶してたのですが、小説もかなりいろいろ書いていたようで、
中にはサスペンスやミステリーもありました。
たぶん、子供の時は妄想力が今よりあって、創作が漫画だけでは追いつかなかったのかも。

小学校、中学生くらいの時は恋愛もほのぼので、なぜかサスペンスがらみの話が多かったです。
ところが、数年たつと、大人話の恋愛もの小説が増えてます(お年頃(笑))


みつばの昔書いた、一番長かったのが(ノートが何冊もあるシリーズが)これ↓

もちろん、オリジナルですが、内容が、

意地悪でSっ気のある、でも優しいイケメンの男と、純粋で天然気質の美しい少女の、
大人のHなファンタジーラブストーリーもの。

あれ?どこかで似たような人物設定無かった?(笑)

きっと何年たっても何十年たっても、萌えツボは一緒だったんだな~と、びっくりしました。

しかし、これ、本当に妄想と想像だけで書いた小説だったので、
大人なそういうシーンもファンタジーになってるんです。。。←意味わかります?(汗)

オリジナルで書いていた小説は、ほとんど他人に読ませた事が無いので、日の目を見てませんが、
無謀にも、上記のファンタジー小説はクラスメイトに読ませてた気がします(涙)

べつに創作にリアリティはいらないと思うのですが、
妄想だけで十分書けると思いますし…。
実際、妄想だけで書いているものの方がパワーがあるような気もします。
ただ、久しぶりにこうして小説書いて、それがオリジナルじゃなくて、二次小説だけど、
創作って面白いな~って改めて思ってます。



そんな感じで(どんな感じ?)時々「優等生」のように、ネット公開するのをためらう時もありますが、
せっかくなので、大好きなイヌ×ヘリキャラクターでいろいろ書いてみたいです♪。

今までカットしちゃった話も。

たとえば、

「王子様の朝と夜」の続編。初めての夜を過ごした二人が、どう次の日を一緒に過ごしたか?
(イヌがヘリに初めて記念でブランド物を買ってくれると言ってた日)の話。

「海へいこう」のヘリの言っていた“ランジェリー観賞会”の話。

「海へいこう」でヘリが着ていた派手な水着がその後どうなったか?の話。

あと、「優等生3」(だんだん大人モード強めに?)

…などを、書いたら、随時更新させていこうと思ってます♪(←宣言しちゃった。。。)


二次小説シリーズの次回作の更新の方は、年末年始にかけてになりそうです。

ちょうど、冬季休暇で、旅行兼ねて、親戚家めぐりで2週間ほどでかける予定なので、
その時にアップ出来るようにしたいです。


そんな感じで、今後もよろしくお願いします。

そういえば、大人話を書いていくうちに、イヌが、ドラマのイメージと離れない?と心配になる時がありますが、(みつばの好みが入っちゃって)大丈夫でしょうか?そこだけ心配です。



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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「優等生2」後編です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。



この話は「優等生2」(前編)の続きです。



(警告)

このお話には、大人向けの表現や描写が含まれています。
精神的に自分は大人だと思われる方のみお読みください。
また、見る時は周囲の視線にご注意ください。



優等生2(後編)




「イヌ。あのっ、ちょっと待って。」

「…なに?」

すでに、その気になって、
少しかすれた低い声になっているイヌの問いかけに
ヘリは、ますますあわてた。

「ここ、ソファの上」

「だから、何?」

…だから、何って。
改めて、そんなこと女性に言わせる気?
ヘリは、気恥かしそうに、イヌを見上げた。

「…ベッドに行かないの?」

「どうして行く必要がある?」

イヌの言葉にヘリが愕然とした顔をした。

「ヘリは、ベッドに行きたいのか?」

…行きたいとか、行きたくないとかじゃなくて。

急におろおろしだしたヘリにイヌがフッと鼻で笑った。

「…なんだ?優等生。さっきまでのいさぎ良さはどうした?」

僕に自分から口づけして、『お礼』と言って誘ってきたくせに。
それにさっきは、『教えて』と言っていた。

「~~~~~」

口をつぐんで、うらめしそうに恥ずかしそうに自分を見つめるヘリに、
イヌが顔を寄せた。

「今日は課外授業といこうか」

いつもと趣向をかえて、場所を変えてみるのもいいだろ。

「…せめて部屋を暗くして欲しい」

ヘリが、ぼそぼそと言った。

…じゃなかったら、やらない。

ヘリの言葉に、イヌが苦笑で応えると、ソファから立ち上がって、
部屋の電気の明かりを落として戻ってきた。


「これでいいか?」

ヘリが、黙って微かにコクリとうなずいた。

ヘリの態度に満足そうにイヌが微笑むと、再びヘリの体の上に覆いかぶさった。

「…ね、ねえ、イヌ」

「ん?」

「こんなことしていたら、ソファのスプリングが悪くなるんじゃない?」

「このソファはベッドと同じくらい頑丈だ」

「で、でも、もしかしたらソファを汚しちゃうかも…」

「…へり」

愛撫の最中に心ここにあらず、というように、まだソファを気にするヘリに
イヌが顔を上げた。


「余計なことを考え過ぎだ」
…まったく、いつもはあっけらかんとして、人の家のワインも遠慮なく飲むくせに。
こういう所はどこまで真面目なんだか。

そういうところに育ちの良いお嬢様気質が見えるヘリだった。


「…だって気になっちゃうんだもの…」


ヘリの言葉に、フーっとイヌが一つ溜息をつくと、
ヘリの顎を手で捕らえた。

そして、ゆっくりと顔を近づけて、唇を重ねた。

イヌは、徐々についばむようなキスをヘリの首筋に落していき、
その合間、合間にヘリに囁くように言った。

「…余計なことを…考える暇もないように…してやる」

「ふっ・・・」

ヘリが、くすぐったそうに目を閉じて、身を固くした。

イヌが、ヘリの上着に手をかけて、脱がせると、今度は下肢の方に手を伸ばした。
そして、短めのフレアのスカートはそのままに、イヌは、ヘリのショーツだけを下げた。

「・・・?」

不思議そうにソファに体を横たえて、イヌのなすがままになっていたヘリは、
イヌの腕で、上半身を起こされた。

イヌが、ソファの背もたれに、ヘリの体を傾けさせると、ヘリの両膝を手で広げた。

「!やっ…」

ヘリが、イヌの行動に目を見張り、とっさに膝を閉じようとするのを、
イヌの手が押しとどめて、膝の間に足を滑り込ませた。

「やだっ。イヌ。何するの?」

ヘリの当惑した声にも、イヌは、全く動じていないようだった。

そのままヘリの両手首を手で握りしめて動けないようにすると、
イヌは、ヘリの下肢の方に重心を下げた。


「はっ…ん!!」

ビクっとヘリの体が震えて、ヘリは、勢いよくソファの後ろに背中を逸らせた。

イヌが、スカートの中に身を屈めて、ヘリの下腹部を舌で愛撫していた。

「やだっやだっイヌっ…やだっ」

ヘリが抗議するように、首を激しく振った。
…さっき、あんなことになったのに。
中途半端に衣服を剥ぎ取られて、こんなことされたら、また…。

「嫌なのか?」

下の方で、イヌのくぐもった声が聞こえた。

「じゃ、やめる?」

「~~~~っつ」


…明らかに私がイヌの行為に感じていて、気持ち良くなっている事を
分かって、意地悪して言ってる。


「どうする?やめるのか?」

動きを止めて、自分の膝の間から、嘲笑を浮かべて見つめる男が、
本気で憎らしくなってきたヘリだった。

自分の体に火を『かざす』だけかざして、そのまま放置するなんて。


「ヘリ、覚えておけ」イヌが、言った。

「…なにを?」

「こういう時は、どうして欲しいか素直に言った方が身の為だぞ」

「・・・・・・」

「気持ちがいいなら、そう言え。本気で嫌なら僕にそう伝えろ。
君の要求に出来るだけ対処してやるから」

「・・・・・・」

ヘリは無言でコクリとうなずいた。

「…いい子だな」

ヘリの純真で素直な態度に、イヌは、かえって、
自分の中の残酷な欲望が煽られたことを自覚した。

そして、再びヘリの体を愛撫する行為を始めた。

唇と舌と指を使って、ソファに浅く腰かけたままのヘリの下腹部を愛撫し続けるイヌの頭を、
知らず知らず、ヘリは手で押さえていた。

「ぁん…ァ…」

ヘリは、自分の唇から漏れる喘ぎ声を必死で押さえようと
とっさにもう片方の手で口を塞いだ。


「ヘリ」

そんなヘリをチラリと上目づかいで見たイヌが、
低く囁くように言った。

「…声を聞かせろ」

「・・・・・・」

「その可愛い声をもっと僕に聞かせてくれ。ヘリ」

「~~~~~」

…この人は、私を恥辱で殺す気なのかもしれない。

ヘリは、涙目になりながら、イヤイヤをするように首を振った。

「じゃなかったら、もう、してやらないぞ」

イヌの容赦のない取引に、ヘリは、本当に泣きそうになった。

「~~~~~っ」

「ほら、言えよ。ヘリ。どうだ?感じているのか?」

「くっ…イヌ…」

「…これは好きか?」

イヌが、指をヘリの内部で蠢かしながらも、
下腹部の小さな突起を別の指の腹でこすりつけた。


「!!!~~っ」

ヘリは声にならない嬌声をあげて、体を後ろに激しくのけぞらせたが、
弾力のあるソファの縁がヘリの上半身を力強く支えていた。


…分かってやってる。

ヘリは、ほとんどすすり泣きのような喘ぎ声を漏らしていた。

私の体のこと、分かってわざとやってるんだわ。この男は。

「言わないと、分からないぞ」

…分かってるくせに。

ヘリは、悔しそうに唇をかみしめた。

「……いい」

ヘリの口から、微かな声が漏れた。

「…聞こえないな」

この行為の音以外聞こえない静まった部屋で、
十分ひろえるはずの声に、イヌがうそぶきながら答えた。

ヘリが、涙をぽろぽろこぼしながら、かぼそい声を絞り出した。

「…気持ちいいわ」

「ヘリはこれが好きか?」

「・・・・・・」

ヘリは、コクリとうなずいた。

ヘリの答えにイヌが満足そうに尊大な態度で頷いた。

「じゃあ、もっとしてやるよ」

「…ぁんっ」

加速されたイヌの動きに、ヘリの体だけでなく、心も頭も翻弄されて、
ヘリの意識はほとんど飛びかけていた。

しばらくして、イヌが動きを止めて、スッと立ち上がった。

…イヌ…?

ほとんど、朦朧とした状態のヘリがぼんやりとイヌの行動を不思議そうに目で追った。

「ヘリ、腰を少し浮かせて」

イヌがヘリの上半身を手で少し斜めに押し倒した。

「…次は何をするの?」
つい、そう聞いてしまったヘリに、イヌが苦笑した。

「今度は、僕の番だ」
…僕を気持ちよくしてくれ。ヘリ。

イヌのいわんとした事を理解したヘリは、キュッと身を固くすると、
覚悟を決めたように、手のひらを握りしめて、腰を浮かせた。

「力を抜け。…大丈夫だから」

イヌが、ヘリの緊張したような面持ちの頬に優しく手を置いて、撫でさすると、
ヘリの両足を手で持ち上げ、ゆっくりとヘリの体の方に身を伏せていった。


「あっ…イヌっ!…いやっ…痛いっ」

ヘリが、イヌの体にしがみついて言った。

座ったまま向かいあってなんて、
…こんな姿勢から始めるのは初めてだから。

「もう、無理っ。嫌っ」

まだ余裕のある力で、ヘリは何とかイヌの体を押しとどめようとした。

「力を抜いていろ。じきに慣れる」

容赦のないイヌの言葉にヘリは、一瞬茫然となったが、
フルフルと首を振って、反撃した。

「さっき、あなたは、本気で嫌なら伝えろって言ったわっ」
そして、それに対処するって。

「『出来るだけ』と言ったが?」

~~~イヌ~~~!!!

イヌは冷笑を浮かべながら、ヘリの逸らせた白い喉元に唇を這わせていた。

そして、ヘリの苦痛と怒りで震えた体を強い力でおさえこみつつ、
手加減なく、ヘリの体に自身の体を打ちつけていった。

「はっ…っつっ…」

瞼をギュッと閉じて、イヌの体をただ必死で受け止めていたヘリも、
やがて…少しずつ痛みがおさまって、
力を抜いてイヌの動きに合わせることが出来るようになった。

ベッドの上で体を横たえている時とはまた違って、
こうして、座ったまま向かいあって体を重ねていると、
お互いを強く抱きしめあっているようで、悪くない気分にもなってきたヘリだった。

…慣れてきたな。

ヘリの甘い吐息を耳元で感じつつ、イヌが嬉しそうに微笑した。


「…と…」ヘリが、ぼそりと何かつぶやいた。

「え?」

「…スカート…しわになっちゃう…」

「はっ」

イヌが、苦笑して、ヘリの体をさらに強く引き寄せた。

…まだ、そんなことを考える余裕があるのか。
どこまで真面目なんだか。

「『実習』に集中しろよ。優等生。…じゃないと、落第点で、
終わってから同じ事をもう一度するぞ」

「やあだっ」

ヘリが、あわてて、首を振ってイヌの体にしがみつくのを
イヌが、声をたてて楽しそうに笑うと、ヘリの体を抱く動きを激しくしていった…。


結局、そのままソファの上で『実習』が終わるまで過ごした二人。

さんざん、イヌに新しい『講義』を教わったヘリは、かろうじて合格点をもらって、
その日は、なんとか『追試』を免れたようだった。

しかし、

これは後日のことになるが、


イヌの部屋を訪れたヘリが、妙にもじもじとして、ソファに座るのをためらっている姿に
イヌが面白そうに含み笑いを浮かべていた姿があったという。



(優等生2終わり)


「優等生2」どうでした?こんなかんじです(汗)

イヌ、後編、思いっきりS入ってます。
教えるっていうより、もう調教

それで、どうしてこの作品がお蔵入りしていたかというと。

「優等生」が乙女モードでしかも、ヘリ目線(女性目線)で書いた大人話だから。

客観的に(?)書いた「初めての夜」「100日記念日」。
大人話をテーマにした「印‐ホクロ‐」「素朴な疑問」も他にテーマがあって書いたから、
スラスラと(笑)何も考えずに書けましたし、アップしました。

「優等生」は、ヘリが大人の女性になる過程に焦点あてて書いてるから、
妙に恥ずかしいんです…自分で書いているのに。そういう理由です。
…でも、たぶん「優等生3」も書いちゃうと思います。(お蔵入りするかもしれないけど)
いつか優等生が、『先生』をが「ぎゃふんっ」(笑)と言わせる、その日まで♪

そういえば、「100日記念日」ではソファの上は「狭いな」と言って移動してたイヌ。
体位にやりたいことによっては、(苦笑)ソファは狭いということで。


拍手、拍手コメントありがとうございます♪
大丈夫でした?「優等生2」

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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「優等生2」前編です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

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お蔵入り(書いたけど更新しないで隠していたもの)をアップしました。
どうして、お蔵入りさせていたかの理由はまた後で。

この話は「カップケーキ」後くらいの話で、「優等生」の続編になります。


(警告)

このお話には、大人向けの表現や描写が含まれています。
精神的に自分は大人だと思われる方のみお読みください。
また、見る時は周囲の視線にご注意ください。




優等生2(前編)





「…んん…」

…こんなところで、こんなキスをされるなんて。

イヌの部屋のソファの上で、
ヘリは、戸惑いながらも、イヌからの次第に激しくなる口づけに応えていた。


――― それは休日の夜のこと。

二人で外食に行った後、イヌの部屋に一緒に戻ってきたヘリは、
イヌにすすめられたワインをソファに座って一緒に飲んでいた。

「美味しい。イヌの持っているワインって、いっつもどれも美味しいわね」

ヘリは、飲みほしたグラスをローテーブルの上に置いて、さりげなくイヌに、
おかわりのおねだりをするような目を向けた。

「そうやって、君は僕の部屋のワインを全部飲み干すつもりか?」

呆れた口調を装いつつ、イヌは、リラックスした様子で嬉しそうなヘリの笑顔にやわらかい眼差しをむけていた。

自分の部屋でくつろぎながら、楽しそうにしているヘリを見るのは好きだった。

この部屋自体、イヌはとても気にいっていた。

内装も間取りも、使いやすいキッチンやクローゼット。眺めの良い広いテラス。
…そしてヘリの部屋の近くという点においても。

その部屋に、交際を始めて、心も体も『恋人』になったヘリが、
自分の部屋のように、気兼ねなく遊びに来たり泊まっていくようになってから、
イヌはますますこの部屋が好きになったような気がした。

それは、1年前住んでいた時には感じなかったこと。
たとえば、ヘリが自分の部屋に戻っていなくなった後も、部屋の中が明るく、
温かい空気に包まれているような、そんな余韻を感じていた。

ヘリの明るい笑顔が綺麗な光のように部屋の中で輝いている。

イヌは、そんなヘリを見ている自分が思わず微笑んでいることを自覚していた。

「駄目?私、もう少しだけ飲みたいな~」

少し唇をとがらせながら、ちょっと拗ねたように甘えた声で、イヌを上目づかいで見つめるヘリに、
イヌは、体内でざわつきはじめたものを感じつつも、平静を装って苦笑した。

「いいよ。好きなだけ飲めよ」

「やった~!」

無邪気に万歳して、はしゃぐヘリに、イヌは新しいワインボトルをキッチンから持って来た。

そして、グラスになみなみとワインを注ぐと、ヘリにグラスを手渡した。

「このワインは高いぞ」

「高いお酒は大好きだけど、飲んでみないとね~」

ヘリは、人の家でただ酒を御馳走になりながら、
無礼千万な物言いで、ワインに口をつけた。

「んんんー。美味しい!」

ヘリの言葉にイヌが笑った。

「噓だ。ヘリ。安酒だ」

「だから、値段の問題じゃないのよ。イヌ。マ・ヘリが美味しいと思えば、美味しい酒なのよ」

「言っていることが分からなくなってきているが、つまり君は酒なら何でもいいんじゃないか?」

「もう、失礼ね」

失礼なのはどっちなのか。

イヌが苦笑した。

水のようにゴクゴクとワインを飲んで上機嫌のヘリは、ほんのりと頬を染めていた。

そんなヘリを、自分のグラスのワインに少しだけ口をつけながら、イヌは面白そうに眺めていた。

…本当に、こうして見ているだけで楽しいよ。君は。

だけど…。

イヌは、ワインボトルを全部グラスに注いで、「あら、もう無いわ」と言っているヘリの手にそっと手をおいた。

「もう、今日はここまでにしておけ。ヘリ」

「ええ?さっき、好きなだけ飲めって言ったのに~」

駄々をこねる子供のように体をゆするヘリの両肩にイヌが手をおいた。
そして、自分の方を向かせると、子供をあやす父親のように言った。

「飲み過ぎは体に良くないだろ?」

「ん~~~…」

イヌの言葉に、ヘリは、少し考えこんで、まだ納得いかないような目をイヌに向けた。
どこか焦点があわないアルコールの入ったヘリの瞳が、部屋の照明の光で煌めいている。

「もう1本…駄目?ちゃんとお礼するから」

「お礼?」

ヘリの言葉にイヌがいぶかしげに眉をひそめた。

マ・ヘリがお礼だって?
いくら沢山飲むとはいえ、部屋で飲むワインで、お礼など要求するつもりもないが…。

「何をお礼してくれるんだ?」

「んん~。こんなのはどう?」

ヘリが言って、むかいあっていたイヌの方に身を乗り出すと、
その唇に自分の唇を押しあてた。

「・・・・・・」

そして、唇を離すと、ヘリがいたずらっぽい表情でフフっと笑った。

イヌが、ふいをつかれて、驚いた顔をしているのをヘリは満足げに見つめた。

いつもキスはイヌからされていた。
自分からこうしてするのは初めてだったかもしれない。

いつもなら恥ずかしくて出来ないことも、こうして酒が入っているせいか、
気持ちも大胆になって、なんでもやれそうな気分になっていたヘリだった。

「どう?これがマ・ヘリ流のお礼よ。びっくりした?」

首をかしげて、楽しそうに言うヘリに、イヌは、おもわず微笑んだ。

…ほんとにかわいいな。君は。考えることもやることも。


「ああ、驚いたよ」

イヌの言葉にヘリが嬉しそうにニコニコ顔になった。

「でも…少しばかり言っていいか?」

「何を?」ヘリが不思議そうな顔をした。

イヌがヘリの頬にスッと手をおいた。

「このお礼は、僕だけにしてくれ」…他の奴には絶対するな。

「もちろんよ」ヘリがあわてて言った。

…こんなことイヌ以外の人にしたくないし、出来ないわ。

「それと…」イヌがニヤリと笑った。

「え?・・・」

「こんなキスじゃお礼なんて言えないぞ。ヘリ」

「ええ?」

ヘリの頬においていた手でヘリの顔を少し持ち上げると、イヌは、顔を近づけてヘリに口づけた。

「んんんん…」

ヘリの唇をむさぼるようなキスを続けるイヌに、ヘリは、たまらずに薄目を開けた。

自分のアルコールの交じった吐息と、イヌの口内をからめてくる舌にもワインの味を感じて、
ヘリは、酔っていないはずだったのに、しだいに頭がクラクラしてくるのを感じていた。

やがて、ゆっくりと唇を離したイヌが、顔を離してヘリを見つめた。

いつものからかうような目の奥に、甘い熱で浮かされたような色が浮かんでいた。
その目にヘリの全身が捕らえられたように、硬直した。

「…お礼のキスっていうのは、これくらいしてくれないとな」

からかうような口調なのに、低くなっている声色に、ヘリは、自分の行為がイヌを煽り、
内側に火をつけてしまったことにようやく気付いた。

…ちょっとした戯れのつもりだったのに。

自分のすることが、イヌにどうとられるのか。
まだイヌと男女の関係になって日の浅いヘリには分からなかったのだった。

「あ、あの…イヌ?」

…まさかイヌ。私に誘われたって思ってる?

イヌは、ソファの上でじりじりと少しずつ座っているお尻をずらして後ずさった。
そんなヘリに不敵な笑みをうかべたイヌが、黙ったまま、ヘリの肩をトンっと手で押した。

バランスを崩したヘリがあっけなく、ソファの上に上半身を倒した。
ちょうど、ソファの背もたれもなく、交差して長くなっている場所にストンとおさまるように体を横たえたヘリは、目をパチパチさせて、自分の上に身をかがめてくるイヌを見上げていた。

「な、…何するの?」

「何って、決まっている」

イヌが、言って、続く答えの言葉の前に手が先にヘリの体に答えを示した。

「!…やっ…」

イヌの手が衣服の上からヘリの胸のふくらみに触れていた。

「イヌ!!」

たまらずに、名前を呼んで、ヘリは起き上ろうとしたが、両足の間にイヌが立膝をして、
もう片方の手でヘリの肩を抑えつけていた。

「イヌ…。やだ。…本気じゃないわよね。…こんなところで…しないわよね?」
…ここソファの上よ。

コクリと息を飲んでヘリは、おずおずと頭上のイヌに尋ねた。

そのヘリの問いには答えずにイヌは、微笑を浮かべたまま、ヘリの胸を弄んでいた手を
今度はヘリの下肢の方に降ろした。

「!!…ふっ…」

手をヘリのスカートの下に潜り込ませたイヌは、そのままヘリの太股を撫でさすりながら、
徐々に手を奥の中心部の方に移動させていた。

「やっ…ん」

ヘリは、下腹部に感じるイヌの指の感触に、ビクリっと体を震わせて、
恥ずかしそうに両手で自分の顔を覆った。

…恥ずかしいのに、抵抗できない。

いつも、ベッドの上で最初触れられる時は、痛みのようなものを感じていたヘリの体だったが、
なぜか今日は、何の違和感もなくイヌの指の愛撫を受け入れているようだった。

「…痛いか?」

そう、囁くように聞くイヌにヘリは戸惑いながらも首を横に振った。

「…ううん」
…どちらかといえば、…なんだか気持ちいい。

イヌがヘリのうっとりと陶酔した表情にフッと口元をほころばせた。

…そうみたいだな。

すんなりと、自分の指を包み込むヘリの体内の熱く柔らかい内膜に、
イヌ自身ドロリとした熱情が湧き上がってくるのを感じた。

指の動きを少し加速させつつ、イヌは、ヘリの両膝をまげさせた。

「…イヌ…こんなところでなんて…」

息をしだいに荒くしながら、それでもヘリが、羞恥心のせいか、不安げに揺れる目をイヌに向けていた。

「…やめて欲しいのか?」

イヌの言葉に、ヘリが、とっさの返答につまって、瞳をうるませていた。

…やめてほしくない。

こんな風に、感じるのも、気持ちよくなるのも初めてだから…。

今までも、イヌの愛撫に次第に体の力が抜けいくような感覚を感じていたけど、
なんだか今日はちょっと違う気がする。

「…ヘリ、余計なことを考えるな」

「でも…」

「自分が気持ち良くなることだけに集中すればいい…そうすれば…」

…そうすれば?

ヘリが、イヌにその続きを聞こうとした時、
イヌの指が触れている自分の下腹部の内側に、何かが起きているのを感じた。

「!…やっ…イヌ!?…なに!?…これっ」

ヘリは、自分の中で起きている未知の感覚に愕然として、うろたえながら、必死にイヌの名前を呼んだ。

「イヌ!…イヌ!…やっ…」

体中の熱い血がすべてイヌの指のある位置に逆流していくような、
意識と感覚がすべて凝縮されて、そして弾け飛ぶような感覚。

…やだ。頭の中が真っ白になっちゃう!
私、どうしちゃったの!?

ヘリは、体をのけぞらせて、細く甘い悲鳴のような声を喉元から絞り出していた。

…そして、爆発のような大きな感覚の波がひいていくと、
ヘリは、息を荒くして、脱力すると、茫然と部屋の天井をうつろな目で見つめた。

そんなヘリの顔をイヌが見降ろした。

「…イヌ…」ヘリが、泣きそうな顔でイヌを見つめた。

「私…今の…」

そんなヘリにイヌが嬉しそうな顔をした。

「…気持ち良かったか?」

ヘリがコクリとうなずいて、恥ずかしそうに手で自分の目を覆って隠した。

…今のが、…そういうことなのね…。

そんなヘリの両手をイヌが掴んでそっと顔からはずさせた。

「…見ないで。今はちょっと顔を見られると恥ずかしいわ」

…あの時、私ったらどんな顔をしていたのかししら?どんな声を出したの?
あまりのことに覚えてないけど、なんだか、すごく恥ずかしい。

そう上気させた顔で言うヘリに、イヌが顔をちかづけた。
そして、低く甘い声で囁いて、ヘリをもっと恥ずかしい思いにさせた。

「…すごくかわいかったよ。ヘリ」

…イッた声も顔も。

もっと見たい。もっと聞かせてくれ。

イヌの言葉に、ヘリが無言で、イヌを見つめた。
そして、イヌの首に両手をまわすと、返事の変わりにイヌの顔を引き寄せ、
その唇に深い口づけをした。

唇を離すと、
ヘリは、照れ隠しのようにチロリと舌を出した。

「これも『お礼』になる?」

…全く、君って人は…。

ハッとイヌが笑うと、ヘリを抱きよせた。

「悪知恵が働くようになったな、『優等生』は」

「『先生』ゆずりじゃないかしら?」

1つ、1つ、女として開花させられていく。

それが、恥ずかしい気持ちも戸惑う気持ちも、まだ沢山あるのだけど、
今はきっと、これでも遠慮がちにしているだろうイヌにも、いつか思いっきり『楽しんで』もらいたいから…。

「…もっと教えて…」

ヘリは、イヌの耳元に唇を寄せて、わざと甘い声で囁いた。
それが、イヌにどういう効果を与えるのか、まだはっきり分かっていないヘリだったが。

イヌが妖しく微笑んだ。

「授業料は高くつくぞ」

…覚悟してる。

イヌは、ヘリの体を再びゆっくりとソファに横たえると、
そのまま手と唇でヘリの体を愛撫していった。

…事が始まったらベッドに移動させてくれるわよね。

うっとりしながら、そう思っていたヘリだったが、

イヌが、そのまま自分の上着を脱ぎ捨てはじめると、
ハッとなって、あせったように身を起こした。


――― え?まさか、このままここで始めるの?



(優等生2前編終わり 後編に続く)



ヘリの大人の階段登る話でした(苦笑)
ヘリの初〇体験ですね…。

それにしても、「素朴な疑問」といい、
ここまで掘り下げたもの書いていいのかしら?(汗)

お蔵入り理由は、後編の後で言い訳するとして、
もともと書こうと思っていた「優等生」に、
例のインテリアに関するコメントを頂いて、触発されて書いた小説でもあります。

…イヌの部屋のソファの形とか大きさは、二人一緒に寝れる…という。。。


「優等生」ではイヌにさわり(?)だけ教えてもらったヘリですが、
今回は、ステップアップしてます。なので、大人モードも強めに。

拍手、拍手コメントありがとうございます♪
眠れぬ夜の」の次がこれで(苦笑)ギャップがすごいですが、
よろしくお願いします。。。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「眠れぬ夜の」後編です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。


この話は「眠れぬ夜の」(前編)の続きの
書きおろし短編です。



眠れぬ夜の(後編)




ヘリが、おとぎ話を語り始めた。

「昔、昔、あるところに、天真爛漫なお嬢様がいました。
お嬢様は、ある青年と恋に落ちましたが、
ある日、あろうことか、お嬢様の父上が青年の…」


「…ストップ」


イヌが、ヘリの語りを制止すると、目を開けた。

「ちょっと、まだ序章部分なんだけど」

途中で止められたヘリは不服そうに頬をふくらませてイヌを睨んだ。

「ヘリ…それ、君が好きで見ていたドラマのあらすじだろ?」

「どうして分かるの?」

「…何度も聞いたことがあるからだよ」
…耳にタコが出来るくらいね。
あらすじどころか、見てもいないのに、ラストシーンまで詳細に教えてもらった。


イヌの言葉にヘリが唇をとがらせた。

「…ねえ、イヌ。おとぎ話っていうのは、何度も聞いたことがあるのが当たり前なのよ。話のオチを知っていても、聞くたびに違うことだってあるんだから」

「聞くたびに違っていたら駄目だろう?」イヌが呆れたように言った。

「もう、チャチャいれないでよ。聞き手は黙って聞くのよ」

「聞き手にも聞きたい話があるよ」

「え?あるの?イヌはどんな話が聞きたいの?」

「そうだな…」

イヌが、少し考えたようなそぶりを見せたあと、意味ありげにニヤッと笑った。

その顔で、ヘリは、答えを聞くまでもなくイヌが何かたくらんだ事を悟って、
身構えた。

「マ・ヘリが、僕のどんなところが好きか聞きたいな」

「…それはおとぎ話じゃないわ」

「おとぎ話を聞きたいわけじゃないよ。『よとぎ話』だ」

「それで、眠くなるのかしら?『大きなお坊ちゃま』は」

「さあ、それは試してみないと分からないな」

フーっとヘリは溜息をついた。

「言ってもいいけど、あなたの方もするのよ?」

「なにを?」

とぼけるイヌをヘリはキッと睨んだ。

「マ・ヘリのどこが好きか告白しなさい」

「いいよ~」イヌが、言った。「ただし、僕が起きていたらね」


…この男…。


「…あ、そうだ。思いだした」
イヌが、わざとらしく天井の方を向いて言った。

「確か君は、昔、ある男を好きになった時、僕に、『例えると大きな木みたいな人だから好き』って言ったことがあったな。じゃあ、僕は例えられると何になるのかな?」

「・・・・・・・」

それは、ヘリがユン検事に夢中になっていた時に、
イヌが「彼のどこが好きなんだ?」の質問に対しての答えだった。

…こういう事はしっかり覚えているのね。
ヘリは、気恥かしさと悔しさで、唇をかみしめた。

「さ、言ってみて」
明らかにからかっているイヌの言葉にヘリは上目づかいになった。


「…あなたは…」

「うん。僕は?」

「イヌは…私にとって……」ヘリが、迷ったあげく、こう言った。


「空気よ」

「空気?」イヌが眉をひそめた。…空気だって?


「…いても、いなくても一緒ってことか?」

少し不機嫌そうな表情になったイヌに、ヘリはあわてて手をふった。

「違うわよ!く、空気は生きていくために絶対不可欠なものでしょう。
あるのが当たり前みたいになってるけど、無かったら生きていけない。そんな存在ってことよ」

とっさに浮かんだ答えだったけど、本当にそうかもしれない。

イヌは私にとって空気。

熱い空気で私を温めたり、冷たい空気になって、私の心を凍らせたりもするけど、
でも、優しい風で包んでくれる時もある。

クルクルとめまぐるしく変化する気質。でも、本質は同じ。
私にとって必要な存在。


「…だから好き…」ぼそぼそと恥ずかしそうにそう付け足すヘリにイヌが、
今度は、やわらかく微笑んだ。

「…わかったよ」

「じゃあ、今度はあなたの番ね」

ヘリがわざと張り切ったような声をあげた。

「あなたは私のどこが好きなのかしら?」
…ちゃんと答えてね。

期待に満ちた目を向けるヘリに、イヌはフッと笑った。
そして、

「きゃっ」

イヌは、ヘリの体を強く引き寄せると抱きしめていた。

「イ、イヌ」

「…言葉じゃ伝えきれないな」

「だめよ。だめっ。いつもそうやって誤魔化すんだからっ。今夜は許さないっ」

ヘリがイヌの腕の中でバタバタとあがいた。

「じゃあ、言うけど、君の体が好きだ」

イヌが笑いを噛みしめて、ふざけた調子で言うのを、
ヘリは、真っ赤になって睨みつけた。


「…イヌ。私、言葉で聞きたいことだってあるの」


イヌが黙ってヘリを見つめた。

「話したくないことだってあることは分かってるわ。でも…あなたがもし何かに悩んでいたり、辛いことがあったりするのなら、何かしてあげたいって思ってるのよ。それだけは覚えておいて欲しいの」

「・・・・・・」


…眠れずにいた理由を知らないのに、
起きていた自分を見て、ヘリはすぐに何かに気付いたのだろう。
だから、何も聞かないで、でも、必死に眠らせてくれようとしていた…。

イヌは、胸の奥が温かくなってくるのを感じた。


暗闇を恐れて、眠れない子供のようになっている自分が確かに存在することがある。


…今日みたいに、風が強くて、肌寒くなってくる季節の日。

あの、母を亡くした日のような胸騒ぎを覚えて、そして、記憶が蘇ってくるのが怖くて、
時々眠れなくなる時がある。

だけど…こうして、君のぬくもりを感じると、
僕は安心して、暗闇から抜け出ることが出来るんだ。


こんな気持ちを、どう言葉で君に伝えていいのか、
本当に分からないんだよ。へり。
口達者と言われる、この僕がね。

それでも、もし君に伝えたいことがあるとすれば、

「例えるなら君は…」

イヌが、言った。

「僕にとって、ただ一人の…」

イヌが、言葉を口にのせる前にヘリに口づけた。

ゆっくりとヘリの唇を味わって…そして、離すとイヌが囁いた。

「プリンセスだよ。ヘリ」

…全身全霊をかけて守りたいプリンセス。
でも、じつは、そのプリンセスに僕の方が守られている。

美しくて、優しくて、強い…僕だけのプリンセス。


「…それ、ロマンチックなお伽話になりそうね」
照れ隠しのように言うヘリに、イヌが笑った。

そして、

「…ありがとう」

聞こえるか、聞こえないか分からないほどのイヌの小さなつぶやきだったが、
ヘリの耳にはしっかり届いていた。

それが、さきほどの自分への答えだと悟ったヘリは、
黙ってイヌの頭を自分の胸の上に導くと優しく抱きしめた。


…何も言わなくてもいい。
こうして、あなたが安らげるまで、抱きしめてあげるから。



イヌは、ヘリの腕の中で、ヘリのぬくもりを感じながらジッとしていた。
そして、ヘリの胸の優しい鼓動を子守唄のように聞いて、
そっと目を閉じて微笑んだ。


もう、外の風も、寒さも、暗闇も気にならない。


…よく眠れそうだ。


「…おやすみなさい。ソ・イヌ」

その夜、

暖かい空気が満ちたイヌの部屋の中、

ヘリは柔らかい笑みを浮かべて、目を閉じたイヌが、
やすらかな寝息をたてるまで、

イヌの頭を優しく、優しく、ずっと撫で続けていた。


(「眠れぬ夜の」終わり)



プロットとタイトルだけメモってあったものを
ショートストーリーで書き下ろしました。

タイトル最初は「ヘリの子守唄」だったのですが、
…よく考えたら、というか、ドラマの例のカラオケシーン見たら、
ヘリ、歌がうまいかどうか怪しかったので、変更修正。(苦笑)

美人でスタイル良くて頭もいいヘリですが、まだ、料理の腕がいまいちという欠点の他に、
カラオケ好きだけど、そんなに歌が上手ではない、という欠点も
あってもいいんじゃないかと思って書いてます。

どちらかといえばですね、私はイヌに子守唄を歌ってもらうより、
あの声で、おとぎ話(よとぎ話も可(笑))を耳元で語ってもらうのがいいな~♪と
妄想しました♪

今回は、タイトルから、あっち系(笑)の話と連想されそうですが、
ほのぼの話です。次回話を書いていたら、急に癒されたくなったので(汗)

…、次回(明日)は、例の(苦笑)「優等生2」蔵出しさせて頂きます。
みつば的には(警告)レベルですが、大人の方は期待しすぎないようにしてくださいね。
よろしくお願いします。

拍手、拍手コメントありがとうございます。
私の中でこういう時の一生懸命ヘリは「かわいい」イメージなので、
それが伝わっているのなら嬉しいです♪


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「眠れぬ夜の」前編です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

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この話は、シリーズではなく、書き下ろしの短編です。
ただ、時間軸は、シリーズとあまり離れていません。




眠れぬ夜の(前編)





「ん…?」


眠りが浅くなった頃、
薄暗がりの中、ぼんやりと見えた灯りで、ヘリは目を覚ました。


…イヌ?


イヌのベッドで、一緒に寝ていたはずのイヌの姿が横に無いことに気づいたヘリは、
そっと体を起こした。

そして、明かりがもれている方向に顔を傾けて見ると、
光の出所はデスクライトだった。
イヌが、起きていて、デスクに座っている。

ヘリは、息をひそめて、その様子をじっと眺めた。

イヌが、パソコンを操作したり、書類に何か書きこんでいる。
どうやら、仕事をしているようだった。


「…イヌ?仕事?」

ヘリが声をかけた。

ヘリの声にイヌが顔をあげると、手を止めて、申し訳なさそうな顔で微笑んだ。

「ヘリ、すまない。起こしてしまったか?」

「ううん…いいの。それより、急ぎの仕事があったの?」

今日は休日。

日中も二人で外でデートをして、夕食を食べたあと、
いつもの週末のように甘い夜の時間を過ごし、シャワーをあびてから
一緒にベッドに入っていた。


…仕事があったのに、自分のために日中時間を割いてくれていたのだとしたら、
かえって、こちらの方が申し訳ないことをしているわ。

ヘリは、そう思って、聞いた。

そんなヘリにイヌは、首をふった。

「いや、急ぎでも、どうしてもしなくてはいけない事でもないよ。
ただ、ちょっと目が冴えてしまったから、ついでに片しておこうと思ってね」

「そう…」

「でも、もう終わるよ。これを入力したら…」

イヌが、ポンっとキーボードを指で弾いた。

そして、書類を束ねると、パソコンの電源を落とした。

「僕ももう寝るよ」


イヌが、デスクから立ち上がり、デスクライトの明かりを消すと同時に
ヘリが、ベッドサイドのスタンドランプの明かりをつけた。

イヌが、ヘリにいるベッドのところに戻ってきた。

そして、毛布をもちあげると、ヘリの側に潜り込んで、
ヘリの体を腕で引き寄せた。


「外の風が強い。今夜は冷えるな」

そう言った、イヌの腕に包まれたヘリは、
イヌに腕枕をされるような形でやわらかく抱きしめられていた。

…イヌ…。

ヘリは、イヌの腕の中でそっとイヌの顔を見上げた。


目が冴えていると言っていたイヌだったが、本当にまだ眠そうに見えなかった。

自分をジッと見つめるヘリの視線に気づいてイヌが目を落とした。


「ヘリ?どうした?眠れなくなったのか?」

「それは、あなたの方じゃない?イヌ。まだ眠そうに見えないわ」

「そうか?」

イヌが、そう言って、思いついたように「ああ」とうなずいた。

「そうだ。『夜の運動』が足りなかったせいだ」
…だから君も起きてしまったんだな。

そう言って、ニヤリと笑うイヌにヘリが呆れたように苦笑した。

「運動をしたから、かえって目が覚めることもあるのかもよ」

「どうだかな。じゃあ、試してみるか?今度はもっと激しいのを」

「…もうっ。たぶん眠れないのは体のせいじゃないわよ」

「じゃあ、何のせいだろうな」

「・・・・・・」

ヘリは、ジッとイヌを見つめた。

さっき、ヘリが起きたことに気づく前のイヌは、
真面目に仕事をしていたように見えたが、どこか根をつめている表情をしていた。
まるで、何かをふっきりたいような。

…何か悩み事でもあるのかしら?

ヘリは思った。


「いい?ソ・イヌさん、
こういう眠れない時に誰かが側にいる時は、もっと他にも出来ることがあるのよ」


「たとえば、羊の数を数えてもらうとか?」

ふざけたイヌの言葉にヘリが笑って首をふった。

「歌を歌ってもらうのよ」

「歌?」

「そ、子守唄を聞かせてもらうの」

得意そうに、“どう?このアイデア素敵でしょ?”みたいな表情で自分を見つめるヘリに、
イヌは、フッとバカにしたように笑うと、目を逸らした。


「ヘリ、僕の年を知ってるか?」
…僕が子守唄を必要とするような子供に見えるか?

「知ってるわよ。誕生日だって一緒に祝ったじゃない。
それによく言うでしょ?男はいくつになっても大きな子供だって」

ヘリの言葉に、

…大きな子供みたいな女性に(最近は随分と大人っぽく成長しているが)
言われたくないな。とイヌが内心思った。

「とにかく、試してみるなら、こっちがいいわ。さ、あなたは目を閉じて」

ヘリは、イヌの腕を自分の頭からはずすと、毛布をイヌの肩口までひきあげて、
ポンポンと叩いた。

「マ・ヘリが、子供の頃にママに歌ってもらった子守唄よ」

ヘリは、そう言って、コホンと1つ咳払いすると、
「あ~っ」と声を出して、その後、子守唄を歌いだした。

ヘリに命じられるままに目を閉じて、ヘリの子守唄に耳を傾けていたイヌだったが、
次第に、肩を小刻みに震わせはじめた。

そんなイヌの変化に気づいたヘリは歌うのをやめて、
ジットリとイヌを睨みつけた。

「…イヌ?」

「…くっ。わるい」

イヌが、たまらなくなって噴き出すと、目を開けた。

「君の子守唄を聞いていたら、眠くなるというより、何だか楽しい気分になってきたよ」

歌詞はともかく調子っぱずれの子守唄。
きっと眠っている赤ん坊も起こしてしまうんじゃないだろうか?
…声はかわいいのにな。

「もうっ、失礼ね」

イヌの心の声もしっかり聞きとったヘリは、プウっと頬を膨らませた。

「そんなこと言うんだったらね~。あなたが手本を聞かせてよ」

「僕が?」

「そうよ。ローレライも真っ青な歌声を披露して聞かせてちょうだい」

「子守唄じゃないと駄目なのか?」

「別に、バラード系の歌でもいいわよ」

…どうして、眠らせてもらうはずの僕が歌うことになるのだろう?
そう思ったイヌだったが、一つ溜息をつくとヘリのリクエストに答えることにした。

「…じゃ、歌うよ」

イヌは、カラオケでヘリに無理やり歌わされた事のあるドラマの挿入歌を歌った。

歌い終わると、ヘリの顔を見降ろした。

「どう?」

ヘリはまんじりともしないで、イヌを凝視していた。

「ええ、いい声ね」
…でも、聞き惚れて、眠るのも忘れてしまいそうだわ。

イヌが苦笑して溜息をついた。

「このまま朝までアカペラ合戦でもするか?」

「ううん。今度は『眠らせ作戦その2』よ」

「何をするんだ?」

「私が子供の頃、子守唄で眠れなかった時に2番目にママがしてくれたこと。

『おとぎ話を聞かせる』よ」


「え?君がおとぎ話を語るのか?」


イヌがわざとびっくりしたようにおどけて言った。

「そうよ。だって、眠れなかったのはあなたでしょ?
私は、本当はいつでも眠れるんだから。さ、いいから目を閉じて」

ヘリはそう言って、イヌの瞼を手で軽く押さえて無理やり閉じさせようとした。


「大丈夫よ~。ソ・イヌくん。マ・ヘリさんのおとぎ話ですぐに眠れるからね~」


…あきらかに面白がっている様子のヘリにイヌは心の中で溜息をつくと、
ヘリの言う通りに再び目を閉じた。


(「眠れぬ夜の」前編終わり、後編につづく)



先日のブログへの拍手、拍手コメント、
励まして頂いて、ありがとうございます。
涙が出るほど嬉しい言葉ばかり頂いて感謝してます。
少し背中を押してほしくて弱音吐きました。
ブログを読んで下さっている方々に甘えてしまってすみません。

シリーズ話の方は、執筆中ですが、やはり長くなりそうな予感です。
書いてから構成にも時間がかかるので、もう少しお待ちください。

「優等生2」、ありがたくもご要望頂いたので、
構成して、近いうちにアップさせて頂きます。
こちらもありがとうございます。

「優等生」の時もそうでしたが、内容的に「初めての夜」「100日記念日」「プールへいこう」より、
大人モード低めなのに、どうして、お蔵入りさせたくなるのか理由が最近分かりました。
…分かりましたが、理由を話すのもためらいます(汗)

でも、イヌ×ヘリのラブラブ話なので、他の方に少しでも楽しんでもらえたらいいな、と思ってます♪


ちなみに今回の話の中で、イヌが歌っている歌は当然(?)

パク・シフさんの「For You」でしょう(笑)
…または「I love you」か...



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韓国ドラマ「検事プリンセス」のDVDを見ていて、「おや?違うぞ」と思った
NG場面のようなところを、本日はあげてみました。


これは、コメントで頂いたものですが、

8話で、ヘリが事件の現場検証をイヌの車で出かけるシーン。

この時に履いていた靴が、ヘリが山中で壊した靴が違うようです。
コメントで頂いて、「そうなの?」と目を皿にようにして画面を確認したら、
確かにデザインが違う。撮影した時間や日付が違うとこうなってしまうのでしょうね。

最近、発見したのは9話のベッドのシーツが違う。

ヘリの家の侵入男をイヌが捕まえたあと、ヘリが、気持ちが悪いから、と
バスタオルやベッドのシーツを全部捨ててしまって総取り換えします。
なのに、その後、エジャが部ヘリの部屋に来て、徹夜明けのふらふらヘリをイヌが部屋に連れてくるシーンのベッドカバーが元に戻ってる…。
これも撮影した時間の関係ですね、きっと。


これもNGと思えた、
7話で、ヘリがイヌの部屋で拾った写真と、その後、ユナと店でその写真を見せているところ。
これも違う写真だったので、間違い?と最初は思ったのですが、
ユナに見せているのは自分のアルバムにあった店のうつった写真だったので、
間違いということではなく、ユナに見せる時だけその写真を持っていたということもかもしれません。



こんなこと書いておいて、
自分の小説にもかなりの間違いを発見(汗)

まずヘリとイヌのマンションのコンロはクッキングヒーターなので、
火はないのですが、…。
二人が料理する時、特に初期の作品「初めての朝」とかではガスコンロになってます。
途中から気付いてヒーターになってたりします(笑)


あと、ヘリの鏡台には引き出しがありませんでした(汗)「イヌの誕生日5


決定的にまずい!と思ったのは。

カン室長と、ヘリを尾行したり、監視していた男はどうやら違う人だったみたい。。。
いや、本来なら気づくのに。尾行している人は明らかに人相悪いし。
カン室長は、検察庁の書類室長らしいですが。
どちらにしても、イヌが金を握らせて動かしていたっぽい感じがします…。
…やっぱりイヌ、結構違法ギリギリなことしてる。(盗撮の時点でもう違法(笑))
ギリギリセーフじゃなくて、ギリギリアウトってことね。

でも、これが一番ショックな間違い。カンさんのことは今後の展開に影響するので。
でも、もういいです。尾行したり、イヌの手先になっていた人もカンって名前ってことで。。。

いつか、こっそり、これらの間違いはそれとな~く、書きなおしておくかも。
じつは時々自分の二次小説を読み返して誤字脱字だけでなく、
こうして、あれ?っと後で気づいた点を少し書きなおしたりしてます。
全く文章や展開を変えるということはありませんが。

ブログでは修正ききますが、
印刷されたものや収録されたドラマは修正が不可能なので、
だから、チェックが大変だな~と思います。


ブログへの拍手、拍手コメントありがとうございます。
漫画やイラストへのコメントも嬉しかったです♪
気付いてはいたのですが、小説の時の反応と違うので、
あまり歓迎されていないのかな、と(苦笑)


二次小説の方、かなりお待たせしてます。

「検事プリンセス」しか今のところないブログですが、
小説だけというわけでなく、みつばの趣味で漫画やイラストも入るところは、
温かい目でスルーして頂けると嬉しいです。

今までラブコメモードで書いていた「検事プリンセス」二次小説ですが、
次回作から長編ものはシリアス度が今まで対比で増加傾向になる予定です。

とくに次回作は、「初めての夜」「過去の亡霊」と同じくらい書きたかった話なので、
時間はかかりますが、書きあげたいと思ってます。

突発書きおろし短編と混ぜつつ、でも、基本イヌ、ヘリ幸せ計画で書いていきたいです♪

…実は、一つだけ小説のストックがあるのですが、「優等生2」。
お蔵入りしてます。ごめんなさい。…よく分からないけど、「優等生」シリーズ(?)って
私にとって鬼門みたい。あれ、「初めての夜(人)のための入門書」みたいになってませんか?(汗)

読みたい方います?
もし、いらっしゃったら、構成しなおして、自分が納得したら蔵から出しますね。。。



漫画やイラストもいいよ~と言って下さる方も、
「優等生2」を読んでもいいよ~の方も、何かあったら
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韓国ドラマ「検事プリンセス」の

ソ弁護士(ソ・イヌ)とマ検事(マ・ヘリ)

の、ラブラブイラストを描いてみました♪
…こりもせず(苦笑)

イヌ役の俳優さんや、ヘリ役の女優さんに
似てませんが、めいいっぱいみつばの愛を込めました♪


ちょっと大人テイスト…。



…見てみます?



ちょっと画像重め。↓







   検事p「イヌ×へりLOVE」



…デッサン狂い等いろいろありますが(汗)


描いていて楽しかったです♪



これ、アップしても大丈夫な画像ですよね。。。

隠してるし(苦笑)


ヘリ、二次小説で夜景が綺麗に見えるところで…とか言ってましたが、
イヌの5階のマンションからも夜景が綺麗に見えそう♪
とくにイヌの部屋のベッドの配置ってたぶんテラスの窓側でしたよね?
…ってことは…でも、夜はカーテンしてるかな(笑)

二次小説「プールへいこう7」のホテルのイメージイラストな感じでも♪


そういえば、前回のラフでも今回もイヌの例の場所のホクロ(みつばと同じ場所♪)
ちゃんと描いてるんですよ♪・・・縮小されて見えないけど(汗)


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みつばの4コマ漫画
恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ23です。

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4コマ漫画は、完全にコメディタッチなので、
「検事プリンセス」のドラマや、キャラクター、
このブログの二次小説のイメージが崩れると思われる方は
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二次小説「プールへいこう6話」より。
あのシーンを4コマ漫画で描いてみました。


どんなヘリもイヌもOKという方はご覧ください。↓



タイトル 限界



   検事p「嫉妬イヌ」


嫉妬イヌ4コマ漫画第2弾(笑)


私の頭のイメージだと、この話のヘリは、黒髪ストレート。
そして、ドレスは、ヘリ役のキム・ソヨンさんが着ていた黒のシックな感じのもの♪
…となると、ガーターベルトや下着も黒?と思うのですが、
ヘリって、結構エレガンスで女の子らしいのが好みが感じなので、
白やラベンダー色のレースつきのものかも…。
でも、そのへんは読んだ方が自由に想像してください♪


…(追記)今気付いたけど、イヌ、ヘリの座り位置が
1コマと4コマ逆…。


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次創作。

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恵理(ヘリ)ちゃんと仁優(イヌ)くんシリーズ22です。

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今回は「検事プリンセス」ドラマ7話ラストから8話の、
無理やりヘリにキスするイヌのシーンより♪

…ドキドキのいいシーンだったな~♪


タイトル 愛の妙薬?



検事p「愛の妙薬」



怒るヘリに「昔から『嫉妬は愛の妙薬』っていうだろ?」と
えらそうに言っていたイヌ。

ユン検事に嫉妬させるためにキスしたって言ってるけど…。

その後、

ヘリとユン検事のデート後車で話をしている姿をテラスから見て溜息ついて、
寂しそうに部屋に戻ってく姿とか、

ヘリのホームパーティーの時、テラスでユン検事と話をしている姿を
見ているイヌはすごくつらそうです。

愛の妙薬っていうより、イヌ自身は


毒くらったみたいになっているんだけど?(苦笑)


そういえば、二次小説の「プールへいこう」
あれ、タイトルを「愛の妙薬」とどっちにしようって悩みました(笑)

でも、このタイトルは他の小説に使えそうなので、
またその時にでも使用しようかな?と思ってます♪


画力ないので、毎回イヌ、ヘリの顔が違いますが(汗)
4コマ漫画創作も続けていきます♪

拍手、拍手コメントをありがとうございます♪
励みに「検事プリンセス」二次創作続けていきます♪

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昨日のブログ、私の子供へのお見舞いや温かいコメント、ありがとうございます。

おかげさまで、今日はかなり元気になりました。

元気になった子供は早速料理の手伝いをしてくれました。
元気じゃない昨日も料理をしてましたが(苦笑)
相方に似て料理好きな男になるのかもしれません♪

…ということで、思いだしたのが、

この前コリアンタウン、新大久保で韓流スターグッズショップめぐりをした時に見た、

「パク・シフと一緒につくろう、韓国料理」というグッズ(笑)
他の俳優さんと中味は一緒だと思います。画像がパク・シフさんというもの。

もうすでに、それの「韓国語」と「韓国文化」を買っていたことと、

…おそらく作らないだろう。← おい。

と、思って買いませんでしたが、今思うと中味が気になります。

たぶん、韓国料理の中で有名で代表的なものがあったと思います。

そういえば、昨日作った巻き寿司。韓国でも「キンパ」(?)というものがそれっぽいですが、
食べた親戚の話を聞くと、中味は普通のご飯(寿司飯ではない)とのこと。

それでですね…。

新大久保で「サムギョクサル」の美味しいと有名なお店に行ったとブログで書いたのですが、
そこで、みつばが注文した肉は、

牛肉。

・・・・・・。サムギョクサルって豚肉だったの?

後で知って、相方に言ったら、「当たり前だよ。前に話しただろ?」と呆れたように言われました。

…その時はまじめに聞いてなかったのよ。興味なくて。。。

今度、もう一回食べに行ってみよう♪

↑本当にいくらなんでも知らなすぎでしたね(汗)
何しに新大久保行ったのかしら?パク・シフさん(イヌ)のグッズ目当てだったみたい(笑)

でも、やっぱり、買っておけばよかったかしら。
「パク・シフさんと一緒につくろう」。
そしたら、作る気になっていたかも。

頭の中で、ソ・イヌを想像しながら、
イヌと一緒にお料理♪と妄想して、作っていたかしら?♪

または、相方に見せて「これ、作って♪」とおねだりしたかも←結局これ。

せっかく韓国ドラマで二次小説書いているのだから、料理だけでなく、これから韓国文化もっと知ってみたいです♪

拍手コメント、いつもありがとうございます。

今年中に更新したかった話がかなり来年にまわってしまうので、
来年も引き続き「検事プリンセス」の二次小説を更新予定です。
そのどこかで「弁護士プリンセス」も更新予定です。

「弁護士プリンセス」は、もちろんイヌ×ヘリの話にリンクしているので、
タイミング的にどこで更新させるかまだ検討中です。


…と、もう来年の話をしてますが(笑)ゆっくりでも継続して書いていくつもりなので、
よろしくお願いします♪



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検事プリンセスの二次小説「プールへいこう」の拍手、コメントありがとうございました。

秋の話がすっかり冬になってしまいましたが…。
創作もシリーズの時間は追いついてませんが、「ここにいるから」みたいに先の話をアップする事もあるかもしれません。

…ところで、私事ですが、仕事が山場とブログで書いたのですが、同時に子供が体調を崩していてバタバタしてます(汗)

食欲はあるようで、巻きスシを食べたいというので、作ったら、いっぱい食べたので、安心だ、と思っていたら、咳き込んで、全部吐いちゃった…。

でもこれで風邪菌が出たのか容態は落ち着いたみたいです。

…そんな子供を見て思い出したのが、「検事プリンセス」14話の体調崩しイヌ。←なんでも頭の中で結びつけますよ(笑)
ヘリママのエジャが押しかけて、イヌにお粥を食べさせるシーン。

イヌが「本当にいいんです」って断っているのに、強引に「器を持って帰るから食べちゃって」と食べさせる。イヌも冷たく突き放せば良いのに、「はい」(苦笑)

あのシーン見るたびに、体調悪い時、食欲ない時もあるのにな~無理やりだよ…イヌが気の毒かも…という気持ちになってました。

やっぱりイヌは優しい上に優柔不断で押しに弱い男だと印象づけられたシーンです。


そんな感じで今日は携帯更新の雑記でした。

仕事は少し落ち着いたので、子供が落ち着いたら、創作再開予定です♪
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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「プールへいこう」最終話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。

このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「お願い」を一読してください。



注意するほどではありませんが、少し大人テイスト♪




プールへいこう(最終話)





…しばらく時がすぎて、


思う存分体を重ねたイヌとヘリは、一緒にシャワーを浴び終わったあと、
バスローブをはおって、ソファに並んで座り、
部屋の窓から見える夜景を眺めながらホテルサービスのシャンパンを飲んでいた。


1日中、プールで泳いで、『激しい運動』も終えた二人だったが、
体も気分も高揚しているせいか、ヘリもイヌも目が冴えているようだった。

うっとりと、イヌの肩に頭をもたれさせて、シャンパングラスを口に運んでいたヘリは、
心底満足そうな顔で、フフフと一人笑いを浮かべた。

「…どうした?」

そんなヘリの肩を抱いて、ソファの背もたれに体をあずけていたイヌが、面白そうに聞いた。

「んー…私のね、恋人としたい33のリストの1つが達成されたな~って」
嬉しくなったのよ。

「良かったな」イヌが、微笑んでうなずいた。

「ありがとう。イヌ」

「礼なら、ジェニーとジェームスにだろ?」

チケットをゆずってくれたのはジェニーで、
特別室のレストランに招待してくれたのはジェームスだった。

「ええ、もちろん、あの二人にも感謝してる。でも、連れて来てくれたのは、あなたでしょ。それに、特別室のレストラン、私の為にジェームスの誘いを受けてくれたんでしょ?」

「・・・・・」

「私の夢をかなえるために」
…恋人と一緒に綺麗な夜景を見て食事をしたい、という夢を。

…そうじゃなかったら、イヌはジェームスの誘いを断っていたに違いない。
ヘリは思った。

いつだって、イヌは、私のことを見ていてくれた。
そして、私のためを想って何でもかなえようとしてくれる。

何も言わなくても。
何も伝えなくても。

私をどんな時も大切にしてくれている。
…愛してくれている。

それなのに、気づけなくてごめんね。

無言で微笑みながら自分を見つめるヘリの視線に、イヌは、
ヘリの言外の言葉も察して苦笑した。

…鈍いくせに、こういうところは呆れるほど鋭いんだな。君は。
確かにジェームスの誘いを受けたのは、君の望みをかなえる為だった。
君がもっと喜ぶ顔が見たかったから。その為だったら、僕はどんな事もするつもりだ。


イヌはヘリの問いに答えるかわりに、優しい口づけをヘリに落した。

目を閉じて、イヌのキスを受け入れるヘリ。

そのまま、優しいキスを交わしていた二人だったが、そっと唇をはずした。

「…どうする?」イヌが言った。

「…なにが?」ヘリが囁くように聞いた。

「ホテルのバーはまだ開いている時間だ。これから行くか?」
…さっき、行ってみたいと言っていたから。

ヘリが、静かに首をふった。

「ううん…。今夜はもう行かない」

…いいのか?そう問うイヌの唇にヘリが、自分から唇を重ねた。

…今は、こうして、ここであなたとゆっくり時を過ごしたいの。

素敵な部屋で、夜景を眺めながら美味しいシャンパンを味わって、甘い蜜事を囁きあって…

そして…

――― 心ゆくまで愛し合いたい。

ヘリの心の囁きは、イヌの心の声だった。


コトリ…とシャンパングラスをテーブルに置いたヘリとイヌは、
唇を重ねて、抱き合ったままゆっくりとソファに体を倒していった。


その後、

明かりを消したホテルの部屋の中で

美しい街の夜景に包まれながら、ヘリとイヌは
いつまでも飽きることなく甘い夜の時間を過ごしていった。



…翌朝。

遅くに起きたヘリとイヌは、シャワーをあびたあと、
ホテルのチェックアウト時間近くまでゆっくりと過ごすと、
朝食はブランチにすることに決めてホテルの部屋を出ることにした。

ロビーのフロントで、チェックアウトの手続きを終えたイヌとヘリは、
ちょうどエレベーターから降りて歩いてくるジェームスの姿を認めた。

ジェームスの隣にはジェームスの秘書らしい男性がいて、一緒に歩いていた。

「おはよう、イヌ、ヘリ」
ジェームスが、二人の姿に気づいて足を止めると嬉しそうな顔で声をかけた。

「チェックアウトしたのか?ホテルは気にいってもらえたかな?」

仕事中なのか、隣に秘書がいるせいか、どこか格式ばった物言いのジェームスは、
昨夜と雰囲気が少し違うように見えた。

…大企業の副社長っていう威厳ね。

ヘリは心の中で思った。

「ああ、とても楽しませてもらったよ。いろいろ世話になった」

イヌが、ニコリと微笑むと言った。
その笑顔には、まったく他意が無いように見えた。

そんなイヌの返事にジェームスが満足そうにうなずいた。

「『私』も楽しかったよ。久しぶりにハメを外させてもらった気がする」

「あの、ジェームス、…ジェニーさんは、あの後帰ったの?」

バーに行くかも、と言っておいて、結局部屋の中でイヌと朝まで過ごしてしまったヘリは、
そのまま別れたジェニーのことが少し気がかりだった。

「ああ」ジェームスが、微笑した。

「『ミス・アン』なら、まだ部屋で眠っているよ」

…え?

ジェームスの言葉に、ヘリとイヌが、目を見開いた。

イヌの方は、すぐに平常心の顔に戻っていたが、
ヘリの方は目を丸くしたまま固まっていた。

…“眠っているよ”?って、…それって…ジェニーさん、
昨夜はジェームスと一緒の部屋で過ごしたってこと?

ヘリの疑惑に追い打ちをかけるようにジェームスが続けた。

「彼女はいつも良く眠る女性だね」

…いつも?

ヘリとイヌがジェニーの友人だということで、気を許しているらしいジェームスの言葉に、ヘリは唖然としていた。

そんなジェームスを隣にいた男性が、困惑したような、呆れたような眼差しで見つめていた。
そして「…副社長」と腕時計を見ながら遠慮がちに声をかけてきた。

「わかってる」ジェームスがフウっと溜息をつくと、
目の前のヘリとイヌに、愛想のいい笑顔をつくると、微かにうなずいた。

「また、いつでも遊びにきてくれ。その時は是非声をかけてほしいな。楽しみに待っているよ、イヌ。へり」

そう言うと、ジェームスは片手をあげて、ヘリとイヌに別れの挨拶をすると、
一緒にいた男性を従えて、ロビーの向こうに去って行った。

その後ろ姿をぼんやりと見送っていたヘリは、まだ混乱した頭をフルフルと振っていた。
そして、イヌの方をそおっと見上げた。

「…イヌ、ジェニーさんのこといいの?」

「いいの?って何が?」不思議そうにイヌが聞いた。

「今のジェームスの言葉聞いていたでしょ?ジェニーさん、まだホテルの部屋にいるみたいだけど…」

しかも、こんな時間まで眠っているなんて、一体昨夜、ジェームスと何があったのかしら?
それに、いつも…って、やっぱりジェニーさんとジェームスってそういう関係だったわけ?

…長年の親友の女性が心配じゃない?
そんなヘリの問うような視線に、イヌは肩をすくめた。

「ほおっておけばいいさ」

イヌが言った。

「僕らが、彼らの関係に首をつっこむことはないよ」
ジェニーとジェームスが仕事上のつながりをこえた付き合いをしてようが、していまいがね。

「でも…」

まだ、何か言おうとするヘリに、イヌは首をふった。

「それに、君も言っていたじゃないか。『ジェームスはいい人』だと。
ジェニーを悪いようにはしないはずだ。だろ?」

「ええ…」

イヌの言葉に、ヘリがあいまいに頷いた。

「じゃ、そういうことで、僕らは、もうホテルを出て、早くブランチにありつきに行こう。
お腹がすいて倒れそうだ」…昨夜は沢山運動したからね。

イヌの意味ありげな視線とニヤリとした含み笑いに、ヘリは気恥しそうに、頬を膨らませた。

「ブランチは私がおごるわ」
…ホテルのランチもディナーもおごってもらったから。

そう言うヘリの肩をイヌが嬉しそうに抱いた。

「ありがと。どこに行く?」

「んーっ…あなたの好きなところでいいわよ」

「じゃあ、この近くにある僕のお気に入りのカフェに行こう。
そして、ブランチの後はそのままドライブしないか?」

「ドライブ?いいわね」

ヘリとイヌは微笑みあって、寄り添って歩くとホテルをあとにした。

ヘリは、チラリとホテルを振り返っていた。

…また、いつかイヌと一緒に来られたらいいな…。
そう思いながら。


そして、これは後日のこと。



イヌとジェニーの働く法律事務所のイヌのオフィスにジェニーが訪れていた。

ドアから入ってきたジェニーは、少し気まずそうな顔をしていたが、
とりつくろうような笑顔でイヌに話かけた。

「先日は楽しかった?」

そう聞くジェニーに、イヌは、デスクの書類から目を離さずにそっけなく答えていた。

「ああ、楽しかったよ。あの、君の仕事先の副社長、誰だったかな?
確かおめでたい名前の…あの男にも礼を言っておいてくれないか?」

イヌのとぼけた、でも険のある言い方に、ジェニーが眉をひそめた。

「…おめでたい名前じゃなくて、それを言うならロマンチックな名前でしょ?
ジェームス・バレンタイン氏よ」

「へえ、彼はそんなに『ロマンチックな男』だったのか?」

ジェニーはフーっと大きく息を吐いて、髪の毛をかきあげた。

「イヌ…あなた、その態度は何?…いくらヘリさんが彼と仲良さそうにしていたからって、そこまで敵視することないんじゃない?」

ジェニーの言葉にイヌが顔をあげてジェニーを睨んだ。

「敵視?僕が?いつ?」

「…チケットのことも怒っているんでしょう?あなたの考えそうな事は分かるわ。
『やっぱり、ただより高いものはなかった』ってそんな顔をしてる」

ジェニーの言葉に、イヌが、「まさか」と口の端で笑った。

「感謝しているよ。ジェニー。『高い代価』を払うだけこちらは存分に楽しませてもらったのだから」

内側に含みのあるイヌの言葉に

何を存分に楽しませてもらったのか、イヌの言わんとしていることの意味をすべて理解したジェニーは、二の句がつげないような顔をした後苦笑した。

…それは良かったわね。

「…私も十分面白いものを見せてもらったわ」

「何を?」
訝しげに首をかしげるイヌに、ジェニーが含み笑いを浮かべた。

「あなたよ。ずいぶん一緒にいるけど、あなたが、あんなに感情的な男だって初めて知ったわ」

…もう、度を超えて鈍いマ・ヘが、特別であって、
二人の仲むつまじい姿に嫉妬心を隠しきれない男がいたことを、
私が気づいていないとでも思っているの?

ジェニーの珍しくイヌをからかうような言葉に、イヌがジロリと、親友の女性の顔を横目で見た。


「へえ、…そうか」
そう言ったイヌだったが、

「僕も」と続けた。

「初めて親友の知らない一面を知ったよ。…君がそんなに『よく眠る人』だったとはな。初耳だった」

イヌの言葉にジェニーが、バッと顔に朱を散らせると、怒ったようにイヌを睨みつけた。

そして、「…あの人が何を吹き込んだのか知らないけれど、勘違いしないで」と言った。


「君こそ」そっけなくイヌが答えた。


しかし、

こんなやりとりで、感情的にムキになるなんて、まるでヘリに感化されているようだ。

ふと、そんなことを同時に思ったイヌとジェニーは気まずそうに顔を見合わせて苦笑した。


イヌとジェニーの間でそんなやりとりがされている事を知らないヘリの方は、
検察庁のオフィスで張り切って仕事をこなしていた。

しかし、ふと、
休日のホテルのプールでの楽しかった事や、
思いだすと恥ずかしくなる恋人との夜の出来事を振り返って、

時々にやけたり、急に頬を染めて慌てだしたりするヘリの姿を、
事情を察した同室の事務官と捜査官が

…マ検事は週末を随分楽しく過ごされたようだ、と

笑いをこらえて、1日中温かい目で見守っていたという。



(プールへいこう終わり)



「プールへいこう」完結です♪

ジェニー主役予定の「弁護士プリンセス」の伏線がいろいろ入った話でした。
あと、嫉妬イヌ(笑)と、ヘリが大人の女性として、成長(?)する話のつもりで書きました。
もちろん、ますますラブラブになるイヌ×ヘリのつもりでも♪

次回話、年内に更新したいな~と思ってます。
ただ、現在また私事ですが、仕事が山場になっていて(汗)二次小説の方はお待たせすると思います。
すみませんが、少しお時間を下さい。よろしくお願いします。
イラストか漫画か雑記では日々ブログ更新は続けていくつもりです。

拍手、拍手コメントありがとうございます。
まだまだ先は長いので、大人な話も少しずつ楽しんで書いていこうと思います。
「恋人としたい33のリスト」で大人テイストと言っていた自分が懐かしい気もしますが(笑)


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韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「プールへいこう」第7話です。

二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。

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(警告)

このお話には、大人向けの表現や描写が含まれています。
精神的に大人だと思われる方のみお読みください。



プールへいこう(7話)




…怖い顔。

今までも、こういうような表情のイヌを見たことがあった。
でも、今日ほど、荒っぽく乱暴なイヌは初めてのような気がした。
…いつも冷静で、声を荒げたり、怒ったりしない人なのに。

ばさり、とイヌが自分の着ていたシャツを床に脱ぎ捨てると、
今度はヘリの方に手を伸ばした。

「!…やっ」

とっさにヘリは、自分の体をかばうように腕を前に出した。
そんなヘリの両手首を片手で床に押さえつけたイヌは、もう片方の手でヘリのブラジャーのホックをはずし、さらに、その手をヘリの下肢の方に落した。

ガーターベルトで、ストッキングをとめていたヘリの足を一瞥したイヌは、
ヘリのショーツだけを引き降ろして脱がせた。

「イヌ!…待って。お願いだから、待ってちょうだい!」

ヘリが、必死で、イヌに訴えた。


…もう、何がなんだか分からないけど、イヌが怒っているってことは分かったから。
せめて。

「せめて、ベッドに連れていって。こんなところでこんなこと…!」

ホテルの部屋の床の上。しかもここは…。

ヘリは、こわごわと、首をわずかに横に向けて見た。
視線のすぐ先に、クローゼットがあった。
…天井までの大きな全面鏡張りのクローゼットが…。

部屋の中はほとんど電気が消えて、薄暗くなっていたが、
カーテンが開けられたままで、外からの夜景のほのかな明かりと、
部屋のスタンドランプの光で、ヘリは、鏡に映る自分とイヌの姿を認めた。

イヌに組み敷かれて、半裸で床に横たわるヘリの姿。

ハッとして、ヘリは、あわてて目を逸らすと、足をばたつかせた。

「イヌ!イヌ!離してよ。イヌ!ここは嫌。嫌だから!」

「…どうして?」

低く問うイヌの声。

「だって…」へりは、恐怖にも似たおびえた表情でチラリと鏡の方を見た。
…自分のこんな姿を見るなんて。

イヌがフッと笑った。


「…僕はここがいい」

「イヌ!!」

イヌが、ゆっくりと、ヘリの頬に手をあてた。
その手の動きがあまりにも優雅で、その手の置き方があまりにも優しかったので、
ヘリは一瞬、硬直したように動きを止めて、イヌに見入っていた。

イヌの裸の上半身を目前にして、胸が苦しくなるほどドキドキしてきたヘリだった。
…今日1日中、プールで見慣れているはずなのに…。

イヌが、暗闇の中スタンドランプの光を背にして微笑んだ。

そして

「見せてあげるよ。君が見たことのない君の姿をね」

そう、

いつもベッドでイヌがヘリに語るような感じで、
ヘリの背筋がゾクリと震えるほどの、優しく甘い声で囁くイヌ。

ただ、その目が全く微笑んでいない事と、
その口元が酷薄そうにゆがめられている事をのぞけば。

イヌの瞳にヘリの怯えた顔が映った。

そして、

ヘリの視界からイヌの顔が消えたと思った瞬間―――、

「ふっ…!!」

イヌが、ヘリの露わになった下腹部の内側を舌で愛撫していた。

「イヌ…!!」
ヘリは、いきなり鋭い快感を与えられたことに衝撃をうけて、体をのけぞらせた。

手首は強い力でイヌに押さえつけられたままだったが。

「だ…め…イヌ…だめよ…」

ほとんど喘ぎに近い切なげな吐息を吐きながらヘリは必至に悶えていた。

フッと横を見ると、鏡の中のヘリが、乱れた姿をはっきりとさらけだして、
潤んだ瞳をこちらに向けていた。
そして、視線を少し下にずらすと、そんな自分を押さえつけて淫らな行為を続けるイヌの全身も映し出されていた。

今まさに自分たちがしていることが、ここに映し出されている。

ヘリは、イヌがわざとここで、『している事』の意味を知った。
この鏡の前で。

「何が駄目なんだ?…こんなに感じているのに」

イヌが、侮蔑するように言って冷笑すると、
ヘリの体内に指を差し入れて、内部で蠢かした。

「あっん…!」

ヘリは、下腹部に一瞬刺すそうな圧迫感を感じて、短く叫んだが、
イヌの言う通り、すっかり自分の体がイヌの行為を感じて、
受け入れていることが分かった。

「い…や。嫌っ!…いやっ」

ヘリは、首だけを激しく横に振った。

言葉と首の動きとは裏腹に、上気したヘリの体は、
イヌの愛撫にすっかり満たされて、快楽に溺れ、細かく震えていた。

「~~~~!!」
ヘリは、そのまま声も出ないほど昂ぶった快感に、ギュッと目をつぶると、
横たわったまま体をのけぞらせていた。

…こんなの、こんなの…!

ヘリは、瞳から涙をあふれさせていた。
それは、悔しさからと言うより、強い快感による衝撃からの生理現象のようなものだった。

…イッたか。

イヌが、そんなヘリを冷静な目で、でも満足そうに見つめると、
ヘリの体から引き抜いた自分の濡れた指先をヘリの唇に押し付けた。

「舐めて」

「んん~~~っ」

イヌは指をヘリの口内に捻じ込み、
ほとんど無理やりヘリに舌で舐めとらせた。


そして、力が抜けてクタリとしているヘリの体の向きを手で強引にかえた。

そのまま、ヘリの腰に手をあてると…

「…ふっ!…つ…」ビクリっとヘリが震えた。

後ろから、イヌがヘリの体に自身を埋め込んでいた。

「~~~あっ…くっ…イヌ…っ」

ヘリがうつぶせ状態で、先ほどまでとは比べ物にならない
体内をかき乱す重い衝撃に耐えようと、体を硬直させた。

そして、しかめた顔を前に向けた時、その視線の先にとびこんできたのは、
イヌと体をつなげている自分の姿だった。

「!!」
…いやっ。こんなの見たくない。

――― 暗闇に浮かび上がった、自分自身の乱れる姿。
直視に耐えきれなくなったヘリはまぶたを固く閉じた。

そんなヘリの姿を鏡ごしに見つめていたイヌの、
嬉しそうに口元をゆがませた顔を、当然ヘリは見てはいなかった。


「ほら、ヘリ、目を開けて」
イヌが言った。

ヘリが、目をギュッと閉じたまま嫌々をするように首を横に振った。

…いや、開けたくない。

そんなヘリの顎をイヌの手が捕らえて、持ち上げた。

「目を開けて見てみろ」

逆らえないような低いイヌの声。

ヘリが、こわごわと、薄く目をあけた…そして、ハッとなって目の前の光景に瞠目した。

…これ、…だれ?

鏡の前に映し出された光景。

薄暗がりの部屋の明かりの中に浮かび上がった白く美しい肌の女。
床にかしずいて、汗ばんだ髪の毛を顔に振り乱しているが、表情は恍惚として、
涙で濡れているのに、その瞳は欲望という熱をおびてギラギラと妖艶に輝いていた。

つややかな唇が艶めかしく半開きになって、
鏡の向こうで、こちらを誘っているように見える。

…もっと、欲しいの。もっと、抱いて。

まるでそう言っているような、鏡の向こうの半裸の女。

まるで、妖婦―――…。

それが、今の自分自身の姿だと気づいたヘリは、茫然となって、鏡に魅入っていた。

「…どうだ?自分の姿態をこうして見た感想は?」

嘲るようなイヌの声でヘリはハッと我に返った。

「いやっ…」

ヘリは、高まる羞恥心で、目を閉じてうつむこうとした…が、出来なかった。

…目が離せない。…鏡の中の女に。…自分の姿に。

恥ずかしいのに、
自分の姿をこんな風に目の前にさらされて、
しかもそれをイヌに観察されているというのに、目を逸らすことが出来ない。

快楽に陶酔しているような鏡の中の女が、美しいと思ってしまった。
そして、その誘惑するような瞳から目が離せなくなる。
―――これは自分なのに。


「…綺麗だろ?」

イヌが、後ろから、うっとりするような甘い囁きをヘリの耳元でつぶやいた。

「君はこういう事をしている時、いつも、こんな顔をして僕を見つめているんだ」


まだまだ少女のようにあどけない純情な物腰。
大人の行為に当惑する姿を見せるくせに、こうして事が始まると、
衣を一枚一枚脱ぎ捨てるかのように、愛らしい蕾が開くかのように、
内に秘めた蕩けるように甘い蜜を滴らせ、艶やかな大輪の花となって、
僕を惹きつけて魅了する。

僕の指が、唇が、腕が、…体が、すべて、まるで操られているかのように、
自分の快楽より、君を悦ばすことを優先して、君の悦ぶ顔を見る為に動いていく。

君のその愛らしい唇から、快楽に溺れてとっさに漏れる甘い吐息を耳にするだけで、
僕は理性を失ってしまうのを必死で押さえなくていけない。

君が無意識にその目で、その唇で、その顔で、その体で、
僕をしばりつけていることを。…きみは知らないんだ。


だから、こうして知るといい。

僕の腕の中の君がどんな姿をして、どんな顔をしているのか。

行為中は、内側に隠れ、潜んでしまっている君の汚れない純粋な部分に見せつけてやる。

…これも君の本性の一部だと。

君の清純そうな外見の内側に、こんなにも男を狂わす『女』がいることを、
無意識に男を惹きつけるものがあることを、自覚するといい。

― イヌの脳裏にヘリと親しげに話す男の姿が浮かんでいた。

イヌは、口元をゆがませて、止めていた行為の動きを再開させた。

「ぁっ…つっ…い…やっ…」

振動で揺れるヘリは、
体を支えて床の上についていた両手の掌をギュッとにぎりしめた。

…恥ずかしい。…恥ずかしすぎて、こんなの、

直視できないというのに、目の前の鏡から目が離せないヘリは、
涙をぽろぽろとあふれさせた。

「…イヌ…恥ずかしい…」
嫌だといいながら、目を閉じることも、抵抗することも、逆らうことも出来ないでいる自分が一番恥ずかしい。
ヘリは泣きながら思った。
恥辱のあまり体が震えてくる。

それでも、鏡の中の女は、泣いているのに、
まるで、イヌの行為に感じて悦んでいるようにも見えた。

頭の中が真っ白になるくらい、白熱した思考と、羞恥心で苦しくなっている心を抱えながらも、鏡に映ったこの姿が、自分の本当の気持ちなのかもしれない。…そう思ったヘリは、ただ前を見つめて、イヌに体を捧げるように膝をついていた。

イヌは、そんなヘリの姿を鏡越しに黙って見つめていた。

そんな鏡の中のイヌのくいいるような視線にヘリはますます気分が昂ぶってくるのを感じた。

そして、

「!…はぁっつ・・・・つっ…ああっ」

ビクリっとヘリの肩が揺れて、ヘリが握りしめた手に力を込めて、
白い喉元を逸らすと、髪の毛をふりあげて、激しく喘いだ。

ヘリの昂ぶった熱は、そのまま体の中心から上の方に激流のように突き上がると、
ヘリのまっさらな理性を完全に崩壊させていた。

「~~~~~っ!」

力いっぱい、伸びあがったヘリは、すっかり快楽に呑み込まれた意識と、快感の熱流を存分に発散させて放出させると、ガクリ、と、力の抜け切った姿態を床の上に崩れさせた。


羞恥心で、昂ぶる思いが余計に作用したのだろう。
いつもより、激しく上り詰めた快楽の余韻にヘリは、ほとんど意識をとばしていた。

…こんなの…こんなの・・・・

それでも、まだヘリの中にある純粋な部分がそれに恥じて、ヘリを支配しているようだった。
嗚咽のような声がヘリの唇から洩れた。
「う…っ…くっ…」

ハアハア…と肩で息をしながらも、ヘリは、汗と涙を頬から滴らせていた。

やがて、

そっと、温かい手がヘリの頬に添えられるのを、ヘリは感じた。
イヌが、優しく優しく、ヘリの頬の涙を指でぬぐっていた。

「・・・・・・」

ヘリは、潤んだ目を後ろのイヌの方に向けた。

…イヌ…。

イヌの目には、もう嘲るような色は無かった。
そして、冷酷で意地悪そうな笑みさえも浮かべていなかった。

目を少し細めた、あたたかい、ヘリの大好きな、いつものイヌのやわらかな優しい笑顔だった。

イヌは、そっと、ヘリの上半身を手で起こすと、座ったまま、ヘリの体を腕に包んだ。

熱く汗ばんだ肌の、力強い筋肉が躍動するイヌの裸の胸に顔をつけたヘリは、
その腕の中で、快楽の余韻で早まった鼓動を落ちつかせようとした。

イヌの手がそんなヘリを落ちつかせるように、優しくヘリの肩を撫でさすっていた。

…ヘリを心から想っている…
そうイヌが全身から言っているように思えたヘリは、
ほっと安堵して、目を閉じると、イヌの胸に頬をすりよせた。

「…気持ち良かったか?」

頭上のイヌの声に、ヘリは、コクリと素直にうなずいた。

「…ええ」…すごく恥ずかしかったけど…。
ヘリの最後の消え入りそうな声に、イヌがフッと微笑んだ。

そして、そっとわずかに体を離すと、ヘリの唇を自分のそれで塞いだ。

…唇を離すと、イヌは、片膝をついて、ヘリの脇に腕を差し込むと、
ヘリの体を抱き包むようにして立ち上がった。

イヌに抱きかかえられたヘリは、無言でイヌの首に自分の両手をまわした。

ヘリの態度に満足したように口元をほころばせて、
イヌは、そのままヘリの体を抱いて、ゆっくりとベッドの方に移動した。

そしてベッド脇にたたずんだイヌは、壊れやすく柔らかいものを扱うように、
そおっとヘリの体をベッドの上に横たえさせた。

「イヌ…」ヘリが呼んだ。

ヘリの言葉に、イヌが柔らかく微笑んだ。

そして、ヘリの上に身を伏せると、ヘリの額からついばむようなキスを落としていき、
再び唇を塞いで、徐々に激しく深い口づけに変えていった。

「…っふ…っ」

再びイヌを受けいれたヘリは、下腹部の内部に圧迫感を感じて顔をしかめたが、
2度も快楽を味わった体がすぐになじんでいくのを感じた。

「ヘリ……ヘリ…」イヌが、腰を進めながら、ヘリの名前を呼んだ。

…イヌ…。

ヘリは、声に出さずに、ジッと、イヌを見つめながら、イヌの体を受け止めていた。

イヌもヘリの目に視線をまっすぐに向けていた。

「…僕を見て」

イヌが言った。

…見ているわ。ヘリは眼差しで答えた。

「ヘリ」イヌがもう一度呼んだ。

そして、

「僕だけを見ていろ」イヌが言った。

「・・・・・・」

イヌの言葉を心の中で反すうしたヘリはハッとなって、イヌの顔を見返した。

…イヌ…!

『僕だけを見ていろ』
その言葉は、今のこの時のことだけを言っているんじゃないわ。

そう気づいたヘリだった。

脳裏に、今日の出来事を思い出していた。

闊達でほがらかに笑う親しみやすい男の、
周囲の空気を憚らずに、投げかけられてくる会話に夢中になっていたけれど、
その影で、側にいて微笑んでいた恋人が、実は心の中でどんな思いをしていたのか、
全く考えていなかった。

社交性があって、外面の顔も良いイヌだから、理解力のある恋人を演じていただけで、
何の遠慮もなく、他の男と楽しげに話しているヘリのことをどう見つめていたのか…。

ヘリはようやく気づいた。

…そうだわ。自分だって、もしイヌが、他の女性、たとえ、それがジェニーさんであっても、自分をさしおいて、楽しそうにずっと話をしていたら、冷静でなんていられないもの。

『妬いてくれてたんだ?』

『妬いてる?僕が?まさか』

そう言っていたイヌだったが、
あの時からずっと、どす黒い嫉妬の感情で、胸をつまらせていたのかもしれない。

そう考えたヘリは、自分を切なげに見つめながら抱く恋人、
イヌに、ひどく申し訳なく、そして、胸が熱くなっていく気がした。

「イヌ、私、イヌを見てる」
ヘリが言った。

「イヌだけを見ているのよ」

…ソ・イヌという男だけを愛してる。
…だから安心して。

ヘリが、フッと微笑んだ。
その笑みは、優しく温かで、でも、どこか濃艶な女の香りでイヌを包み込んだ。

イヌは、ヘリの顔に、自分の心の内側を見透かされた事を悟った。

ただ、きまりの悪い思いより、心が伝わったことが嬉しいと感じる自分がいることが不思議だった。

――― これまでも、これからも、僕だけを。

「…ずっと見ていろ」

そう言って、イヌは、ヘリの体に腕をまわして引き寄せた。

そしてイヌは、念頭から、気にくわない男の面影をすっかり消した。

何のわだかまりもなくなって軽くなった心を感じながら、
イヌは、徐々に理性を手放して、快楽の行為に没頭するためヘリの体に自分の体を打ちつける力を強めていった。

そんなイヌの腕の中で、ヘリもまた、
再び訪れる強い快感の予感にうっとりと身を任せていった。



(プールへいこう7終わり 最終話につづく)



嫉妬イヌの逆襲話(苦笑)

ヘリ役の女優さんのセクシーなドレス姿を動画で見て、あまりに美しくて見惚れました。
プロポーションが抜群です。それに、声が可愛らしくて、「検事プリンセス」のインタビューでの受け答えも、あどけない少女みたいな感じなのに、外見の大人の女性の色気とのギャップがたまりません♪
ヘリは当然、そのイメージなので、二次小説のイヌじゃなくても、いろいろしたくなります♪(←なにを?)

今回は、「初めての夜」「100日記念日」レベルだったのですが、
ヘリも、そういうことに慣れてきた時期で(みつばも書くのに慣れてきて(笑))少しずつハードになっていっても良いのかしら?と書いてます。でも書き方はソフトを心がけているのですが…どうでしょう?

Sなイヌですが、みつばの中ではイヌは、根が絶対優しい男だと思うんですよ。それにヘリを大切にしているから。嫉妬で狂っていても、ある程度ヘリに恥ずかしい思いをさせたら、最後は優しくするんじゃないかと…。

「プールへいこう」次回最終話です。

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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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