韓国ドラマ「検事プリンセス」の二次小説
「プールへいこう」第3話です。
二次小説は、ドラマ最終回16話以降の続きをみつばが、勝手に妄想したお話ですが、
ドラマのネタバレ等も含んでいますので、現在ドラマを見ている方、
これからドラマを見る方はご注意ください。
みつばの「検事プリンセス」の他の二次小説のお話、コメント記入は、
「
検事プリンセス二次小説INDEX」ページからどうぞ。
このブログに初めていらした方、このブログを読む時の注意点は「
お願い」を一読してください。
プールへいこう(3話)プール内の歓談席の丸いテーブルの1つを囲んで、
ヘリ、イヌ、そして、ジェニーとジェームスと名乗る男の4人が座った。
はたから見れば、それは若い男女2ペアの、仲よしグループだった。
しかし、楽しそうな男女二人に対して、残りの男女二人は、顔にはりついたような愛想笑いを浮かべているようだった。
楽しそうな男女の女の方、ヘリは、すっかり慣れ親しんだ様子で、ジェームスに質問していた。
「じゃあ、ジェームスさんって、ここのホテルのオーナーなの?」
「そうだよ、ヘリ。あ、ジェームスさんじゃなくて、ジェームスって呼んでくれよ。その方が気兼ねしないで話せるからさ」
楽しそうな男女の男の方のジェームスが、人懐っこい笑顔でヘリに答えた。
…笑うとまるで、少年みたいな顔になる人ね。でも、実際年も若そうに見えるけど何歳なのかしら?バレンタインって名字であれ?っと思ったけど、やっぱり、このホテルを経営している有名企業の“バレンタイン”だったのね。こんな若いのにオーナーなんて、きっとすごくやり手なんだわ。
ヘリは、そんな事を考えながら、ふとジェニーを見た。
ジェニーは、二人の会話を黙って聞いていたようだった。
…いけない。私ったら、ジェニーさんの紹介も聞かないで、勝手にジェームスに話かけちゃったわ。
ようやく、自分の突発的な言動を反省しつつ、ヘリは、そっとジェニーの方に尋ねた。
「あの…ジェニーさん、ジェームスの事、紹介してくれる?」
ヘリの今さらな言葉に、ジェニーが、苦笑しつつ、隣のジェームスの方をチラリと見た。
「私が今顧問弁護士を務めている会社の副社長のジェームス・バレンタイン氏よ。今彼が答えた通り、このホテルのオーナーでもあるわ」
…ジェニーさんが顧問弁護士をしている会社の副社長…って、ことは何?仕事上のつきあいってこと?でも、二人とも水着を着ているし、これはプライベートってことよね?
ヘリの表情に、思った疑問がそのまま浮かんでいたのだろう。
ジェニーは、すぐにヘリに言いたいことを悟って、釘をさすように言った。
「今日も、仕事の一環でここに一緒に来たのよ。視察も兼ねてね」
…だから、プライベートの付き合いはないわよ。と言うようなジェニーの言葉に、ヘリはとっさにジェームスの方に目をやった。
ジェームスは淡々と説明するジェニーに苦笑を浮かべているようだったが、ヘリの視線に気づいて、おどけたように両手をあげて見せた。
「…僕は十分プライベートのつもりだったんだけどね」
ジェームスの言葉にジェニーが険しく目を細めて、ジェームスを睨んだ。
その表情が、あまりにもイヌが険悪になった時の顔に似ていて、ヘリは内心驚きつつも、なぜか可笑しい気持ちがこみあげてきていた。
笑いをこらえたようなヘリを、イヌが始終無言で見つめていた。
そんなイヌにチラリと目をやったジェームスは、ジェニーの方を向いて言った。
「ジェニー、この二人を俺に紹介してくれないか?」
こちらも今さらなジェームスの言葉にジェニーは浅い溜息をついて言った。
「…私の友人のソ・イヌと、マ・ヘリさんよ」
「君の友人か…」ジェームスが感慨深そうにうなずいた。そして、
「それで?イヌとヘリは恋人同士?」と、あっけらかんとした口調で聞いた。
…この空気を読まない発言、誰かを彷彿とさせるな。
イヌがそう思いながら、「そうだ」と答えた。
「へえ」
ジェームスは、面白そうに、ジロジロとイヌとヘリを交互にぶしつけな眼差しで眺めた。
そして、「イヌ」とイヌに声をかけた。
「同じ男として君がうらやましいよ。ヘリはすごくキュートな女性だ」と言った。
「え?」
ジェームスの言葉に、ヘリの方が過剰反応して、とっさに身を乗り出した。
…キュート?
ヘリがダイエットして痩せて、今の体を手にいれた時から、男性から称賛の言葉をもらうことはよくあったが、最近は聞いていなかった気がしたヘリだった。
それは、ヘリがイヌとつきあっていたため、他の男性たちは、もうヘリに近付く事が出来なかったこともあるが、いつも一緒にいる男性、イヌからそういう言葉をあまり聞くことも無かったからだった。
…イヌには言われたことのない台詞ね。…ベッドの中ではよく『可愛い』とは言われるけど…。イヌってやたらに褒めたりはしない人だから。
だけど、こうして他の男性から、しかもいい男から、こんな事を言われると悪い気はしないわ。
ヘリはニンマリと自然に顔を綻ぶのを感じた。
そんなヘリの表情に、イヌはジェームスに愛想笑いを浮かべつつ、
心の中は少しずつ穏やかでなくなってきていた。
…ジェニーから事務所で聞いたことがある。
ジェームス・バレンタイン。ジェニーが顧問弁護士をしている会社の副社長。
やり手で有能。業界でもうわさの実業家だと聞いた。確か年齢はジェニーより下だったはず。豪快で、闊達な性格で社交的な反面、仕事に関してはその性格ゆえにアバウトな危うさも持ち合わせているという話も。
確かに…ジェニーも苦労しているようだな。それにしても…。
イヌは腕を組んで、ヘリと楽しそうに歓談を続けるジェームスをジッと見つめていた。
向かいあった席で、ジェニーがイヌと全く同じポーズで、どこか呆れたようにジェームスを見つめていた。
ヘリとジェームスの会話はとてもはずんでいた。
「…そうなんだよ、ヘリ。ここのホテルの設計は俺がとても懇意にしている設計士に頼んだんだ。無名に近い設計デザイナーなんだけど、俺はすごく気にいっている。いいと思わないか?」
「うんうん。とってもいい感じだと思うわ。ジェームス」
「そうだろ?でも、周りの人間にはひどく反対されてさ。ホテルの設計の時もそうだけど、ロビーにおくオブジェや絵の事も上部の人間達にアレコレ言われたよ。確かにこちらも無名に近いんだけど、ファッションのデザインもしている新鋭の作家で、俺は好きなんだ」
「もしかして、それってカルバティーニ・ロッソじゃない?」
「そうそう。カルバティーニ!ヘリ知っているのか?」
「ええ、私も大好きだからよ。デザインに派手さが無くて、ファッションショーでも、評価が低くてファッション業界でも今は無名に近いけど、後世に名前が残らなくても記憶に残る人だと思うのよ」
ヘリが、ロビーで見た絵の事を思い出しながら言った。
「俺もそう思うよ。嬉しいな。あの絵を分かってくれる人に初めて会えたよ。ヘリ。君とはセンスが合うのかな」
盛り上がっているヘリとジェームスの会話に、すっかりとり残されたようなイヌとジェニーだったが、
カタンと、イヌが突然席を立った。
「イヌ?」
イヌが、上着から財布を出すと、言った。
「飲み物を買ってくるよ。4人分まとめて。欲しいものを言ってくれ」
イヌは夢中で話しているヘリが、時折喉に手をやるのを見ていた。
さっき、イヌと競争で泳いだあと、喉がかわいたと言っていたヘリだったが、結局飲み物を買わずにいたのと、話続けていることで水分を欲している事を見抜いていた。
「私は、アイスティーがいいわ」ヘリが嬉しそうに言った。
「私は、アイスコーヒーをお願い」ジェニーが言った。
…ジェームスは?とイヌが聞こうとするのを、ジェームスが手で制した。
「いいよ。イヌ。俺におごらせてくれ。ここで会えた記念に。」
ジェームスの言葉にイヌの眉が一瞬ひそめられたが、すぐに口元に笑みを浮かべたイヌがうなずいた。
「…じゃあ、遠慮なく、そうさせてもらおう。アイスコーヒーを頼む」
「わかった」ジェームスがニッコリと笑うと、立ち上がって、ジュースバーの通路のある方に歩いて行った。
その後ろ姿を見つつ、ヘリが、そわそわと立ちあがったのを、イヌが訝しげに見た。
「ヘリ?」
「…あの、私化粧室に行ってくるわ…」
喉もカラカラにかわいていたが、実はトイレにも行きたかったヘリだった。
だが、ジェームスとの会話が思いの他はずんでしまい、なかなか切り出すタイミングをつかめないでいたのだった。
「化粧室なら、通路を右にまがった角にあるわ」
施設の中を熟知しているらしいジェニーがヘリに教えた。
「ありがと。ジェニーさん」
ヘリがジェニーに礼を言って、そそくさと通路の方に歩いて行った。
ヘリの姿が見えなくなると、イヌが、ジェニーの方に物憂げな顔を向けた。
「なあ、ジェニー」
「何?」
ヘリとジェームスがいなくなったからか、愛想という仮面をはずして、明らかに不機嫌そうな親友の声色にも、ジェニーは素知らぬ顔で返事をした。
「僕にここの招待券をくれたのは、君の新しい恋人を僕らに見せつけるためか?」
「…何言ってるの?」
ジェニーが眉をひそめて、呆れたようにイヌを見つめた。
「あの人は恋人じゃないわ。さっき紹介したこと聞いてなかった?
私が今顧問弁護士をしている会社の副社長よ。前にも話したことがあったでしょ」
「それ以上の関係じゃない?」
…ファーストネームで呼び合う仲で。
「…やめてよ」うんざりという表情でジェニーは天井を見上げた。
「じゃあ、どうして休日に二人でホテルに来ているんだ?これも仕事か?」
イヌの問いに「そうよ」とジェニーはそっけなく答えた。
「ホテルだと休日の方が忙しいのよ。その調査や視察に私も顧問弁護士としてついてきただけ。…プールはまあ、たまたま彼が休憩時間の息抜きで来ただけよ」
…事前に君も水着を用意してか?
ジェニーの言葉にイヌはそう問い詰めようとして、
これ以上この会話を続けないで、というようなジェニーの横顔に口をつぐんで苦笑した。
そして、化粧室に行っていた、ヘリがプールの通路から戻ってくる姿を見つけた。
しかし、その横を飲み物ののったトレーを持ったジェームスが一緒に歩いてヘリと談笑している事に気づいたイヌは眉をひそめた。
ジェームスが何か冗談を言ったのだろう。ヘリが弾けるように笑った。
さらにジェームスがおどけたように何か言うたびにヘリは楽しそうな顔をしてうなずいていた。
「……」
そんな二人の姿を見つめるイヌの横顔に、ジェニーは、そっと溜息をついて、
イヌにも聞こえないような小さな声でつぶやいた。
…もう秋だっていうのに、冷房でもはいっているような雰囲気ね。
冷たい炎のような空気をまとわせたイヌの所に、
何もしらないヘリが、ウキウキした感じで戻ってきた。
「ジェームスにね。さっき化粧室帰りにバッタリ会って、途中のフィットネスルームとか、エステルームも見せてもらっちゃったのよ。すごく素敵だったわ」
「…そう。良かったね」
そう、ぜんぜん『良かった』感の無いようなイヌの声色も、
楽しそうなヘリは全く気付いていないようだった。
しかし、一緒に戻ってきたジェームスは、そんなイヌの態度に、フッと微笑していた。
「偶然廊下でヘリに会って、探検でも行きそうに楽しそうだったから、この近くを案内していたんだ。遅くなって心配させてしまって悪かったね」
恋人の承諾も得ないで、勝手に彼女を連れまわしてしまって申し訳ない、とでもいうようなジェームスの言葉に、イヌはチラリとジェームスを見やると、
「お世話をおかけしました」
…とまるで保護者のような口ぶりで答えた。
そんなイヌの言葉にさすがにヘリも気づいて、少し頬を膨らませた。
「イヌ。私は子供じゃないんだからね」
イヌは、ちらりとヘリを見ると、ぞんざいな態度で言った。
「どうせ君のことだ。そのへんをフラフラ歩いて、興味本位のままドアというドアを開けて覗き見していたんだろう?」
「う…」図星をさされて、ヘリはひるんだように言葉をうしなっていた。
「まったく、君は、いつまでたってもやることが、『子供』だ」
呆れたような、見下したようなイヌの言葉にも、当たっている分、何もいいかえせずに、
ヘリは、プウと頬を膨らませたまま、ただ、ジットリとイヌを睨んでいた。
そんな二人の姿を見ていたジェームスがプッと噴き出して声を出して笑いはじめた。
ヘリも、イヌも、そしてジェニーも、
そんなジェームスの姿をキョトンと見つめた。
「アハハハハ。イヌも、ヘリも。本当に面白い人達だ」
二人まとめて面白い人と言われて、ヘリとイヌは複雑な表情で顔を見合わせた。
面白そうに豪快に笑い続けるジェームスをジェニーだけが苦笑して見つめていた。
その後、ジェームスが買ってきた飲み物をうけとって、
4人は一斉にストローを口にくわえた。
喉の渇いていたヘリは、ほとんど一気にアイスティーを飲みほしていた。
「ああ~。生き帰ったわ~。ありがとう。ジェームス。私とっても喉が渇いていたの」
「どういたしまして」
ヘリのお礼に、嬉しそうに頷いたあと、ジェームスは、濡れているヘリの髪の毛に目をやった。
「随分泳いでいたのかい?」
「ええ、午前中も泳いでいたし、さっきは、イヌと競争をしたのよ」
「へえ、競争?」
ジェームスが面白そうに、目を見開いて、そして、チラリとイヌを見た。
そのジェームスの視線にイヌは、嫌な予感を感じた。
「なあ、イヌ」ジェームスが言った。「俺とも勝負しないか?」
「え?」ヘリの方が、耳を疑ったような声をあげた。
「どちらが早いか競争しようよ」
「・・・・・・・」
ウキウキと楽しそうな表情のジェームスの言葉に、
後ろにいたヘリとジェニーの方がかたずを飲んで、イヌの方を見やった。
「ああ、いいよ」
イヌが、ジェームスの誘いに、やわらかい笑みを浮かべてうなずいた。
…が、その目が全く笑っていないことに気づいたヘリが、ハッとなって、息をひそめた。
…イヌがいつになく真剣な目をしているわ。
(プールへいこう3終わり 4につづく)
じつは、私、「検事プリンセス」のドラマの中で、
最初は一番誰が好きだったかというと、ヘリのダイエットのトレーニングコーチなんです(笑)
でも、顔が好みというより、体格とか、雰囲気とかに惹かれたみたい。
それで、こんな素敵なコーチがつきっきりなら、絶対恋に落ちるかも…と妄想しちゃいました♪
なので、「プールへいこう2」でヘリにああいう過去があった事にしました。
ダイエットをする女性と、それを支えるイケメントレーナーなんて、
それだけで、オリジナル話が作れそうなシチュエーションです♪(←みつば的乙女モード)
みつばの好みの顔はですね…。
韓国俳優さんで言うと、カン・ドンウォンさんと、イム・ジュファンさん。
…なんとなく分かります?ああいうお顔です♪
でも、二人とも演技で惹かれましたけど。
いちずに一人の女性を愛する姿とか、やっぱり美しく切ない涙シーンにグッときちゃいました♪
ただ、みつばの好きになる俳優さんって、とくに日本なんですけど、イケメンっていうカテゴリの中より、
個性派俳優、演技派俳優、と言われる方ばかりです。顔より演技で好きになることが多いです。
それで、オリジナルキャラのジェームス・バレンタインなんですが、
外見的にはやや濃いめの大人な男だけど、少年ぽい雰囲気も持っている~みたいな…。
そんな感じでイメージして下さいね♪
拍手、拍手コメントでの応援、励ましありがとうございます。
オリジナルキャラ、ジェームスもキム検事もドラマの世界に
溶け込んでくれるといいな~と思って書いてます♪
ログの記事を気にいって頂けたら、
【拍手ボタン】を押してお知らせくださいね♪
↓こちらも参加中♪
にほんブログ村 